♡してLv.Up【MR無責任種付おじさん】の加護を授かった僕は実家を追放されて無双する!戻ってこいと言われてももう遅い!

黒須

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第62話 冒険の終わり

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【人神、龍神視点】

 白濁液を拭き取った天国愛はイライラを隠せず叫ぶ。

「なんなのよ!アイツぅ~~!!ほんとムカつくわッ!私、ホールブラザーズでタカヒロが一番嫌いッ!」

「私はサトルがキモくて嫌いだな」
 と真顔で竜ケ崎流花。

「顔がキモいのはヒロシでしょw でも、【ミスター】……無事に生まれたようね。レベル3000を超えると手が付けられなくなるからその前に何とかしなきゃ」

 二人は【MRミラクルレア無責任種付おじさん】を通称【Mr.ミスター】と呼んでいる。

「そうだな。 あの魔王はどうする?ペルシヤの魔王は女と聞いていた。ヤツは男だから他にもう一体いたのだろう。それとサラマンダーで呪縛しているアエロリットの位置が分からなくなった。おそらく【ミスター】を隠している魔法と同じものだ」

「厄介ね。でも……、何としてもアイツの子種で転生しないと、私達の力、全て使って探しましょう」

「ああ」

 二人は今後、具体的にどうするかを話し合い己の領土へ帰っていった。



【ゼツ視点】


「【SR勇者】がレベル310で覚える、あのスキルことかのう?」

 アエロリットの問いに彼女に絡み付くサラマンダーを見ながら僕は頷く。

「如何なる上位デバフも、無条件で解除する勇者のアクティブスキル。あのスキルならサラマンダーを取払える。オリハルコンゴーレムを一人で倒すとレベルカンストする恐れがあったから、ノエルと同時にラストアタックさせた。おそらくパンティーのレベルは290前後になっている筈だ」

「経験値均等割りか……。ふむ、レベルカンストすると天国愛に攫われ【SSR天使】に変えられるからのう」

 あまり知られていないが、同時にラストアタックすると経験値を半分に割ることができる。

「でだ、僕は暫くパンティーに同行し彼女がレベル310になるまで見守ろうと思う。彼女がスキルを覚えたら、サラマンダーを解除してもらう。それと僕の近くにいれば〈神の隠蔽〉でお前の位置は悟られないはずだ。だから一緒に来ないか?」

「クツクツ、ソロモンの記憶を知ったとは言え、何故そこまで妾《わらわ》に優しくしてくれる?見返りはなんじゃ?ゆうてみよ?」

 ――そんなの決まっている。

「僕のレベルが2500になったら、一回だけでいい、僕とエッチしてくれないか?」

「貴様ぁーッ!恥を知れッ!」

 黙って話しを聞いていたクリトが頬染めて叫んだ。
 しかしアエロリットは表情を崩さず。

「クツクツ、あいわかった。妾の処女を捧げると誓おう」

「よ、よいのですかぁ?こんなヤツとッ!」

「なんじゃ? お前も愛してもらえば良かろう?」

 クリトは「いや、それは……」とモゴモゴ何か言いながら顔を真っ赤にしている。彼も僕とやりたいのか?

「すまないが、僕は男とする気はない」

 今はまだアエロリットと本番できない。彼女の体内に流れる魔神闘気で僕の一物が破壊されるからだ。それに種を〈種強化Lv250〉強化しなければ、アエロリットの体内で一瞬で死滅してしまう。
 だがレベル2500になれば、ストレングスとインテリジェンスが上昇し僕の一物は魔神闘気に耐える防御力を手にする。

 神と本番をすれば僕のレベルは一気に上がりあの二神を凌駕するだろう。

「では、皆のところに――」

「ちょっと待て」

 ドロン!

 アエロリットが紫色と黒の蝙蝠こうもりになった。大きさは手のひらサイズ。絡みつくサラマンダーも爪楊枝サイズになっている。

 彼女は僕の顔の前で飛びながら、

「この格好方がよいじゃろう?」

「こんなこともできるのか……」

「妾は魔神じゃからな。クツクツ」

 そう言って僕の胸ポケットに入り込んだ。

「クリトはどうする?」

「ん? ああ私か、じゃなかった! ボクは一度国に帰る。やらなければならないことがあるからな。それが終わればお前たちと合流しようと考えている。あの人神と龍神を見て国にいるのは危険だと感じた。……その、ボクも仲間に入れてもらってよいか?」

「――かまわないぞ。 魔王なら僕達がどこにいても位置を把握できるな?」

「問題ない。――ゼツ・リンダナ、アエロリット様を宜しく頼む」

「ああ、もちろんだ」

 僕達は真剣な顔で見詰め合う。
 するとクリトが軍服の胸ポケットから紫色のフリルとレースが付いた花柄の小さな布袋を取り出し、僕に差し出した。

「これを持っていけ、役に立つ筈だ」

 僕は袋を受取る。
 中を覗くと小さな魔法陣が描かれた金属板が入っていた。
 この金属板には【SR魔王】のアクティブスキル〈異空間〉が付与されている……。

「アイテムボックスか……これは有難い。しかしこの袋……可愛いな」

「か、可愛い!?う、うるさい!放っておけ!」

 何故恥ずかしそうにする?男のくせにおかしな奴だ。
 最後にアエロリットが。

「あの魔法、使っても良いのじゃぞ?」

「それは……、まだ考えています」

「クツクツ、其方にまかせる」

 こうして魔王は〈空間転移〉で何処かへ飛んで行った。
 ペルシヤ王国の魔王は女性だと聞いていたから、彼は別の国に行ったのだろう。






 ノエル達と合流した後、パンティーやアターシャと今後について話し合った。

 今回の冒険で大量の金やミスリル、それに巨大なオリハルコンを手にした。僕らの稼ぎはリンダナ領の10年分の予算よりも多く見積もることができる。
 因みにオリハルコンの価値が稼ぎ全体の9割である。

 当然ギルドやこの街の両替商では換金できない額故、王都に運びそこで換金する。

 それとパンティーの提案で街の復興費として稼ぎの1割を寄付することにった。僕もそれに同意。1割あれば全部復旧してもお釣りがくる。

 その日のうちに巨大なオリハルコンの塊りをバイブ武具店に持ち込んだ。
 そこから一部削り出し、僕、ノエル、パンティーの武器を作ってもらうことになったのだ。

 店主のファニーさんは工房に運び込まれたオリハルコンを見て腰を抜かしていた。
 武器は数日で出来るそうだ。武器が完成したらこの街を立ち僕達は王都へ向かう。

 この数日、目まぐるしい忙しさだった。
 僕とノエルは少しの間ゆっくりできそうだ。






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