♡してLv.Up【MR無責任種付おじさん】の加護を授かった僕は実家を追放されて無双する!戻ってこいと言われてももう遅い!

黒須

文字の大きさ
上 下
61 / 66

第61話 白濁液をぶっかけたり飲ませたりする!

しおりを挟む

 天国愛が冷静にタカヒロを見詰め口を開いた。

「やはり生まれていたのね……【Mrミスター】。でもこちらに情報を曝したは失敗じゃない?タカヒロ1体だけを寄越したってことはレベル1000未満かしら?」

「よお、てめー何調子こいてんだ?ごらぁ!主が情報曝すわけねーだろうが」

『タカヒロ、変われ』

 僕は喧嘩腰のタカヒロに念話で呼びかける。

『へい、お気を付けください』

 タカヒロの体が僕の支配下になる。血走った目や顔中に浮いた青筋は消え落ち着いた表情へ変化した。

 変わった瞬間、途轍もないプレッシャーを感じる。原因は目の前の神二人。
 足が震え背筋が凍る程の圧倒的ずば抜けた強さ――。今の僕はコイツ等の前で立っているのがやっとだ。

「来て良かった……」

 僕は呟く。
 クリトから龍脈操作やオリハルコンゴーレムにサラマンダーが取り付いていた話しを聞いていた僕は、ソロモンの記憶を目覚めさせることで現状を正確に把握できた。
 つまり、コイツ等がアエロリットを襲う可能性に気付けたわけだ。
 アエロリットはかなり危ない状態だった。

 心配して来て良かったよ。

「おい!貴様本体だな?名前は?」

 龍神の声は脳を殴るような圧力がある。

「オレ……」

「オレ?」

「オレフル・ボッキーダ」

「ふむ、オレフルか……」

 どうやら頭は悪そうだ。

「ソロモンの記憶が蘇ったのなら、自分の役目はわかっているな?」

「ああ、お前たちの態度次第で、子種を分けてやっても良かったが、アエロリットの状態を見て決心した。
 ――お前らは今回で消えろ」

「オレフル、貴様バカか?この世界が成り立たなくなるぞ」

 僕は話しながら注意深く二人を観察している。
 すると天国愛が瞬きした。

「アクティブスキル〈神眼―人心収攬マリオネット〉」

 その瞬間僕はタカヒロと入れ替わる。
 天国愛の瞳は黒い円が幾重にも連なる波紋のような模様に変わっている。

 この瞳術どうじゅつに精神が晒されればヤツの操り人形になる。

「ちっ、引っ込んだわね」天国愛

「ぐっへっへっへっへっ、お前ら、今回で終わりだとよw」

「黙れカスが!」
 ――シャーッ!

 竜ケ崎流花が白銀に光輝く剣を鞘から抜いた。

 柄はこの世で最も高価な宝石で装飾され、刀身には一振りで国一つ荒野へ変える禍々しい純白の闘気を纏った白銀のつるぎ

 世界に七剣ある神刀が一振り――。
 〈白皇龍剣デュノス〉!!

 ――ザンッッッッ!!!

 一瞬でタカヒロが真っ二つに切られた。ヤツが剣を振ったこに気付けなかった。

 ホールブラザーズは通常時、僕のステータスの20%を有している。そこに僕本体のステータスを上乗せすることができる。
 現在僕のステータス80%を上乗せし、100%のタカヒロは僕と同等の力を持っている。
 途轍もないストレングスによる物理防御力と圧倒的なHPを有していたのだが、何ら抵抗できず一瞬でほふられた。

 切られたタカヒロは消え際、汚い笑みを浮かべ――。

「ざまぁ~~!」

 そう言って体が白濁した液体になり周囲に飛び散った。
 弾けるように飛んだ白濁液は神二人にぶっかかる。

 ヤツ等の黒髪や顔、服にネバネバした白濁液がベッタリとこびり付き僕の視界も消えていく。

 タカヒロはいつでも召喚できる。これで問題ない。



【ゼツ視点】スクワードにて。


 オリハルコンゴーレムを〈ガンシャ―ガトリング砲〉で倒した僕は建物の屋根に落下した。僕の横には魔王クリトと手足を失ったアエロリットがいる。

「はぁ…はぁ…はぁ……HPをごっそり持っていかれた……。ふっ、はっはっはっはっ!あっはっはっはっはっ!……あれは、いくらなんでも強過ぎるだろう」

 実力差があり過ぎて笑うしかない。けど僕も力を付けていつかぶっ倒してやる!ふふふ、面白くなってきたな。

 タカヒロに上乗せしたHP80%を失い僕のHPは残り20%になったがパッシブスキル〈ゼツリンLv80〉が物凄いスピードでHPを回復させている。

 僕の隣りで、クリトに膝枕されたアエロリットが口を開く。

「クツクツ、時期尚早じきしょうそうじゃ。いずれ機は熟す」

 確かに、奴らと戦うにはまだ早い。

「アエロリット、先ずはその傷を治そう――。
 アクティブスキル〈癒しの種エリクサー〉」

 スキルが発動し僕の体内から手のひらへ白濁しネバネバした液体が転送される。
 太陽の光でキラキラ輝くその白濁ドロドロの液体をアエロリットの口元に近付けた。

「舐められるか?」

「お、お前ッ!アエロリット様に何を飲ませようとしている!?」

「クツクツ、捨て置け。わっぱの頃、ケガの折、よく父に飲まされたわ。 ジュル、レロ…レロ、ジュ…レロ……少し苦くてしょっぱい……、懐かしい味じゃ」

 アエロリットは僕の手のドロっとした白濁液を綺麗になめ取った。

「ちゃんと全部飲んだか見せてみろ」

「あっ」

 彼女は小さな口を開け、細い舌を出し、口中に残っていないことを証明する。
 小さな舌と歯の間に透明な糸が張っているが、ネバネバ白濁液は残っていないようだ。

「よし、全部飲んだな」

 するとアエロリットの体が徐々に再生を始めた。
 僅か数秒で体が元に戻った。

 このアクティブスキル〈癒しの種エリクサー〉は僕の〈ゼツリンLv80〉の力を相手に付与するスキルだ。暫くすると効果は切れてしまうが、全回復するには十分だ。

 手足が再生し、傷が消えたアエロリットにクリトが抱き着いた。

「アエロリット様ぁっ!良かった、本当に良かった」

 そして顔を上げると僕に。

「ゼツ・リンダナ、感謝する。ありがとう!」

 半泣きでお礼を言う。
 コイツ、ずっと心配してたからな。アエロリットのことを大切に思っているのだろう。

「さてアエロリット。僕の仲間に【SR勇者】がいる。さっき彼女のレベルをかなり上げたが、おそらくまだ足りない。それで今後の話しをしよう」

 僕は全回復したアエロリットに優しい口調で言った。



しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

処理中です...