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第55話 人神、龍神、魔神
しおりを挟む【魔神アエロリット視点】
〈バビロンの塔〉の遥か上空にて。
雲が割れその隙間から光の柱が塔の最上階へ差した。
その柱の中を【SSR天使】2体を侍らせた、黒髪ボブカットで黒い瞳をした女が塔へ向かってゆっくりと降りてくる。
その女と天使2体の横を巨大な漆黒の飛竜が横切った。
黒髪の女は飛竜せいで舞った髪を手で掻き上げながら言う。
「【URバハムート】か……レベル1280はいつ見ても圧巻ね」
バハムートの背の上には目付きの悪い黒髪の女が立っている。
その女もまたバビロンの塔、最上階へ向けて飛んでいた。
アエロリットは塔の窓からその光景を見て呟く。
「クリリス、上手くやるのじゃぞ」
◇
塔の最上階にて。
ボサボサの黒髪を腰まで伸ばし、重厚感のある黒い軽鎧を着込んだ目付きの悪い女が、アエロリットの首を片手で鷲掴む。
そのままアエロリットの体を宙へ持ち上げた。
アエロリットの足は床を離れ宙ぶらりんになっているが、彼女の口元はいつものように不敵な笑みを浮かべている。
「アエロリット、お前何故、無断で龍脈を操作した?正直に答えろよ。答え次第でお前は、バハムートの餌行きだ」
アエロリットのレベルは2500を超えているが、サラマンダーが絡みついた状況でバハムートの口に放り込まれれば為す術がない。
「流花、そんなに強く締め上げたら話したくても話せないんじゃない?」
ボブカットの女が口を挟む。
「ふんッ!」――ドカッ!
目付きの悪い女は圧倒的な力でアエロリットを壁に叩きつけた。
その衝撃で壁にはヒビが入り、アエロリットは死肉のように床へ落ちる。
「ゴホ ゴホ ……クツクツ、久しぶりに会ったというのにあんまりじゃな。龍ヶ崎 流花、天国 愛、――いや、今は”神ラブヘブンズ”だったかのう?」
アエロリットは床に転がりながら苦しそうに喋る。そこに――、
ドスッ!――「ゲホッ!」
龍ヶ崎流花がアエロリットの腹を思い切り踏み潰した。
「我等と同等の口を聞くなよ。雫の娘だから甘やかしてやったが、あまり調子に乗ると殺すよ?」
そう言うと龍ケ崎流花はアエロリットを踏んでいた足で、
ドカッ!――「グホッ!」
今度は思い切り腹を蹴飛ばした。
アエロリットにダメージが入り彼女は腹を抑えてぐったりしている。
「雫は最近も目覚めていないの?」
「ケホ ケホ ……母者は1000年は寝たきりよ」
「そう……、久しぶりに話したかったけど残念ね。 あなた、私達がここに来た理由わかっているわよね? 【MR無責任種付おじさん】の情報、掴んだんでしょ?」
アエロリットはいつものように目を閉じ、不敵な笑みを浮かべているが、額には僅かに汗が滲んでいた。
【ゼツ視点】
〈渇きの砦〉21層にて。
あれから色々な指示を受け、僕達全員は半信半疑ではあったが21層へ下りた。
ゴゴゴゴゴゴゴッ
ゴゴゴゴゴゴゴッ
ゴゴゴゴゴゴゴッ
この層全体に鳴り響く轟音は、巨大な金色のゴーレムが岩山を破壊しながら直進する音だ。
僕達はその光景を少し離れた場所から眺めている。
「とんでもない大きさです」
戦慄したパンティーが口にした。
「ゼツ・リンダナ、手筈通りに」
クリトが僕に視線を送って言った。
「わかった。ティッシュ頼んだぞ」
「任せるニャン!」
ティッシュと貴公子団、ポーター連中は先に〈転移魔方陣〉からスクワードへ飛び、万が一に備え住人を避難させる。
そして残った、僕、ノエル、アナル、パンティー、アターシャ、クリトの6人でコイツを倒す!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【モンスターのクラス、ドロップ金属、討伐目安】
SS級 神話級モンスター
S級 伝説級モンスター
A級〈金、白金、その他レア金属〉
レベル100――3人~10人
B級〈金、その他レア金属〉
レベル70――2人~5人
C級〈金〉 レベル50――2人~5人
D級〈銀〉 レベル30――2人~5人
E級〈銀〉 レベル20――2人~5人
F級〈銀〉 レベル10――1人~2人
G級〈銀〉 レベル10以下
【レアリティーと職業】
●N《ノーマル》Lv上限20
農夫、商人、鍛冶師、漁師、大工、etc
●HN《ハイノーマル》Lv上限40
豪商、騎士、魔法使い、錬金術師、レッサーデーモンetc
●R《レア》Lv上限80
聖騎士、重騎士、魔法剣士、賢者、デーモンetc
●HR《ハイパーレア》Lv上限160
大賢者、竜騎士、アークデーモン、etc
●SR《スーパーレア》Lv上限320
勇者、魔王、ロードデーモン、etc
●SSR《ダブルスーパーレア》Lv上限640
天使、エンペラーデーモン、etc
●UR《アルティメットレア》Lv上限1280
リヴァイアサン、バハムート、ベヒーモス
●LR《レジェンドレア》Lv上限2560
魔神、龍神、人神
●MR《ミラクルレア》Lv上限5120
無責任種付おじさん
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