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第41話〈わからせ〉
しおりを挟む僕は注意深く周囲を伺う。
この国で貴族に手を出せば、お尋ね者になるわけだが、ノエルに何かするなら僕は暴力で抗う。
せっかく治療してやったのに。また怪我をさせたんじゃローションの無駄使いだ。これならティッシュにあげた方が良かったな。
貴公子団は貴族男子だけで構成された騎士団で全員【R】以上の加護を持ち、勇者パンティー姫を護衛する任を担っている。
貴公子団は直ぐに動くかと思ったが、彼らは渋々といった様子で消極的だった。
アターシャに聞こえないよう、仲間内でボソボソと小声で話し合っている。
「彼女らは親身になって俺たちの傷を癒してくれた。その恩を忘れ捕らえるなど騎士道に反する」
「このような場所で人同士争うなど愚行である。我は従えん」
「ボクらは警ら隊じゃないよ。ボクが戦うのは人じゃない!モンスターだ!」
そんな声が微かに聞こえてきた。周囲の状況を鑑みるに、これ以上アターシャを拘束するのは得策ではなさそうだ。僕はノエルに声を掛ける。
「ノエルありがとう。僕は大丈夫だから、解いてやってくれ」
いつになく真剣な顔をしていたノエルは表情を緩め〈グラビティ〉解く。
身動きが取れるようになったアターシャは貴公子団を睨み付けた。
「お前たちッ!私の命に従えないのなら、父ヤリマン公より己が家に沙汰が下ると知りなさいッ!」
そう言われて貴公子団の連中は顔付きが変わる。10名ほどがノエルへ向かって歩き出した。
それを見たアターシャは口角を吊り上げ危険な笑みを浮かべる。
「捕らえて酷い目にあわせてあげますわ。女として終わり。あぁ可哀想に。私に無礼を働いたこと、一生後悔するとよいですわ」
僕はアターシャの呟きを聞き、急いでノエルの前に立った。
そこに貴公子団が押し寄せる。
彼らは僕の後ろに立つノエルに、僕を無視して語りかける。
「騎士道に反することは重々承知。ですが俺に選択肢はないのです。どうかおとなしく拘束されてください……って!君はなんと美しいんだ。俺は今日、貴公子団も騎士もやめる。俺と結婚してください!子供2人欲しい!」
「我の愚行、何も申し開きできぬ。だがお前を捕らえるより道はない。ゆるせ……って!そなた、何と見目麗しい。我の妻になってくれ。子供は3人が望ましい!」
「可愛い!可愛い過ぎるよ!ボクと結婚してください!ボクは4人がいいです!」
「どうか私と結婚してください!必ず幸せにしてみせます!子供は5人だ!」
「ワイなんて子供6人欲しい!だからワイと結婚してください!」
なんか、おかしなことになってきたぞ!
ノエルはあり得ないほどに美しいからな……。
「もうッ!いい加減にしてくださいッ!」
ノエルが叫んだ。そして――、僕の腕に両手を絡めギッと胸を押し当てた。
「私、この人の赤ちゃんをたくさん産むって決めてるんですぅーッ!」
貴公子団の連中は皆、今まで無視していた僕に注目し、怒りや羨望の眼差しを向けてくる。
ノエルはヘソの下辺りを手で撫でながら僕の耳元で囁いく。
「私のここ、もう準備できてるからね♡」
「ゴクリ」
そんなやりとりをしていると、アターシャが悔しそうに癇癪を起こした。
「なんなのですの!お前たちッ!そんな女の色香に惑わされて~ッ!家を潰されてもよいのですか!?」
貴公子団の連中は「そんなこと言われても~」とか言いながらモジモジしている。
あの女は黙らせないとダメだ。……あのスキルを使うしかない――。
この非人道的なスキルだけは使いたくなかった。だがノエルを守るためだ。背に腹は代えられない。それに殴って解決するよりはマシだろう。
僕は全力で地面を蹴って瞬間移動したかのようにアターシャの前に移動した。
「なっ!?」
目の前に突然僕が現れたからアターシャは驚愕している。
そんな彼女の股間に僕は右手を突っ込んだ!
「アクティブスキル〈わからせ〉ッ!」
そう言いながら、僕は股間に突っ込んだ右手をクイッと上に持ち上げた!
「んっほっ!」
僕の右手から魔力が流れ込み、アターシャはアヘ顔を晒しがに股になる。
僕は右手を開き、その手で自分の顔の半分を隠しポーズを取った。
このポーズを取っている間、スキルは持続する。
「自己紹介をしろ」
低い声でアターシャに命令する。
「わ、私はゼツ様のおち♡ぽケースですわ、んほっ」
よし、上手くスキルが発動しメス落ちしたようだ。
「貴公子団を下がらせろ。ノエルに近付けさせるな」
「ですが、あの女は私に無礼をし――」
「黙れメス豚ッ!」
「んほっ」
僕はポーズを取ったまま、アターシャを怒鳴りつけた。
「僕のおち♡ぽが欲しくないのかッ!?」
「欲しいです!お願いします!その逞しいのを私に~ッ!」
「なら言うことを聞くんだッ!」
「貴公子団ッ!下がりなさいッ!その娘から離れてッ!その子に手を出したら許しませんわよッ」
貴公子団の連中は納得いかないといった様子ではあるが、ぞろぞろと下がっていく。
「さぁ、これで!早くゼツ様の太くて硬いのをッ!」
「まだダメだッ!あのポーターの男を〈リバイバル〉で回復させろ」
「それだけはできません!平民に〈リバイバル〉を使うなど、私のプライドが許しませんわ」
「ふむ、ならコイツはお預けだな」
僕は股間をグイッと前に張り出す。
「そんなぁ~、殺生なぁ~」
「回復させたら、おち♡ぽをやるかどうか考えてやってもいい」
アターシャはがに股でアヘ顔を晒しつつも、悔しそうに考えている。
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