♡してLv.Up【MR無責任種付おじさん】の加護を授かった僕は実家を追放されて無双する!戻ってこいと言われてももう遅い!

黒須

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第24話 木プレート

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 その後、僕達はギルドへの登録と換金を終えた。

 登録の際にレベルが高すぎるということで、やはり怪しまれたがステータス光を見せたことで納得してもらえた。ステータス光は普通偽れないから疑いの余地がない。

 ノエルのレベル40に関しては、偶然死にかけのレインボースライムを発見し、運よく倒すことができて、その時に大量の経験値が入って一気にレベルが上がったと、用意しておいた言い訳で納得させた。
 白金入手もこれで説明できた。
 レインボースライムはこれまでに倒された経歴がないモンスターで、記録上、僕達が初めて討伐成功したことになるそうだ。

 それとノエルの【Rデーモン】という加護についてだが、これも全世界でこれまでに報告のない加護らしい。
 教会は珍しい加護を国に報告する義務があるが、【Rデーモン】の加護が発現したという報告がないと指摘を受けた。それについては旅の神官から道中〈加護の儀〉を受けたと説明した。
 

 冒険者のシステムについても軽く説明を受けた。
 冒険者にはランクがあってそれに見合ったプレートを貰える。
 ランクは以下の順で高くなる。
【白金プレート】
【金プレート】
【銀プレート】
【銅プレート】
【鉄プレート】
【木プレート】

 依頼達成度と累計の換金額でランクが上がっていく。因みに白金プレートの冒険者はいないそうだ。
 今回の換金は冒険者になる前の実績ということでノーカウントになったから、僕達は【木プレート】の冒険者からスタートになった。


 冒険者ギルドから出た僕とノエルの首には革紐でネックレスにした小さな木のプレートがぶら下がっている。このプレートは携帯していれば首に下げておく必要はないが、ノエルがお揃いにしたいと言い出して二人で首に下げることにした。
 ギルド内にいた冒険者の殆どが首にプレートを下げていたから、こうするのが一般的なのかもしれない。


 ノエルは冒険者になれたのが嬉しかったのか、長い髪とネックレスを揺らし弾むように前を歩く。

「ノエル、そっちじゃないぞ」

「えっ!ああ!ごめん、えへへへへ」

 彼女は僕の横へ戻ると腕を絡めた。僕の腕は彼女の両手でしっかりホールドされてしまった。

 僕達も今後、依頼を受けることにした。
 まだ早朝で今日は時間があるからこれから冒険に必要な武具やアイテムを買いに行く。

「ゼツ君、アナルさんとはどんな関係なの?」

 僕の腕を抱いたノエルが歩きながら上目遣いで聞いてきた。珍しく真剣な表情をしている。

「彼女は僕の剣の師匠なんだ。そしてリンダナ侯爵家騎士団の団長でもあった」

 アナル……、彼女が何故リンダナ侯爵領から遠いスクワードの、しかも騎士とは無縁の冒険者ギルドにいたのかはわからない。
 騎士団は辞めていないような言いっぷりだったが、誰かに仕えていると言っていた。

「師匠なにゼツ君に酷いことばかり言ってた……。どうして?」

「僕のことが嫌いだからだよ……。僕なりに努力したんだけど剣の覚えが悪くてなかなか上達しなかったからアナルは父上によく叱られていたんだ」

 剣を習ったのは6歳から12歳まで。加護によるステータスがないと非力で、できることは限られいる。当時は思うように剣を振れなかった。

「それにしてもあんまりだよ」

「剣を習い始めの頃は優しかったんだけどな」

 アナルは【HR剣聖】という珍しい加護を持っている。農民出身の彼女だが、珍しい【HR】戦闘職ということで12歳の〈加護の儀〉の後、名家ファック家の養子になり領主であるリンダナ侯爵家へ騎士として住込みで仕えるようになった。
 僕より10歳年上の彼女は16歳で僕の剣の指導を命じられる。
 騎士団長になったのは彼女が22歳の時だ。レベルが高く騎士団内の誰よりも強くはあったが、22歳で騎士団長は異例の出世だった。

 謁見の間で領内の名主や他の騎士団長に見守れるなか、父上の命でアナルが団長に出世した時は僕も鼻が高かったのを覚えている。
 因みにリンダナ侯爵領には8つの騎士団がある。

 そうか……そう言えばアナルは【HR】の加護持ちだった。一回だけでいいからやらせてくれないかな?
 昨夜【R】のノエルとやった際、【無加護】や【HN】のノエルより圧倒的に多く経験値を稼げた。モンスター討伐と同様でレアリティの高い加護とやればより経験値を稼げる筈だ。

 まぁでも、あの男は数日で街を出ると言っていた。広い街だしもう会うことはないかもしれない。それに、奴隷商に僕を売ったアナルに頭を下げて「一回だけやらせてください」と頼むのは嫌だな。経験値は欲しいから、あいつの態度次第では聞くだけ聞いてみてもいいが……。

「あいつのことより……僕の加護、嫌じゃなかったのか?」

「全く嫌じゃないよっ!ゼツ君の加護は本当に凄いと思う!しかもそれを知っているのは私だけ。それがなんだかとても嬉しいわ。ふふふっ」

 ノエルは楽しそうに微笑んだ。
 僕も初めて自分の加護が受け入れられて嬉しくて顔をほころばせた。そして小さな声で呟く。

「ノエル、……ありがとう」

「ん?」

 ノエルは聞き取れなかったようだ。

「うんん。なんでもない。ノエルは回復系のスキルがないから、なるべく良い装備を揃えようと思う」

「武具は全然わからないから、一緒に選んで欲しいな……」

「ああ、もちろん。君に合う装備を見繕うよ」

「私、冒険者の装備ってちょっと憧れてて……嬉しい、ゼツ君、大好き」

 ノエルは僕の腕を抱いて満面の笑みを浮かべた。

 今回の換金で税金と手数料は引かれたけど白金貨1枚と金貨67枚、それから銀貨25枚、銅貨30枚を入手できた。
 これだけあれば相当良い武具が買える。風俗店にも行ける。

 この大都市スクワードなら強い装備と本番ができる店がある筈だ。





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