花美女子高等学校 多楽器軽音部!

蜂鳥 タイト

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1章

7話 2人の散歩

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「うーん…曲名どうしようかなぁ『明日の向こう』うーん違うなぁ…」可憐は机でペンを回している「可憐ー!」下から声が聞こえる「なんだろう…」可憐は階段をおりる「春香ちゃんから電話よ」「はるちゃんから?」可憐は首を傾げる。

「あっかっちゃん?せっかくの休日だしどこか散歩でも行かないー?」「うん!行く行く!」「はーい」ガチャンと受話器を置いた。

「しまったー!作詞できないー」可憐は机に倒れる「でも…散歩って久しぶりだなぁ…」可憐は着替えながら呟く。

ピンポーン…「はーい!」可憐は扉を開ける「かっちゃん…おはよう…ごめんね呼び出しちゃって…」春香が頭を下げる「全然良いよー私も歌詞書いてたんだけど思いつかなくてねー」可憐が扉を閉めた。

「それで何処に行くの?」可憐は春香の方を見る「えっと…特に無いけど…気分晴らしに…」春香が笑っている「そうだねー」2人は話しながら歩き進んだ。

「結構な山道だね…」2人は森の中にある道を歩き出す「でもなんか…昔に…来たことある気がする」春香が見上げる「そう言えば…そんな気がしないことも…」可憐は首を傾げる「あっ!そろそろ抜けるよ!」しばらく歩いていると先に明かりが見えた。

「うわぁーすごい景色!」2人は目を見開く「見て…私達の家が見えるよ」春香が指を差す「本当だ~学校も見える!」「ふふ…そうだね…なんか懐かしい」春香が手を胸に持っていく。

「ねぇねぇ…この山はなんだろうね?」可憐が小さく謎の山の形をした地面を見つける「…掘ってみようよ」春香が周りから掘り始める「はぁ…スコップが欲しい…」2人は地面を掘り進めると何やら小さな筒が出てきた。

「これは…タイムカプセル?何でこんなところに…」「ねぇ…開けてみようよ」可憐が上の蓋を持つ「待って…誰のかも分からないのに…」春香が慌てて止める「まぁ…こんなに古いんだし!」と可憐が蓋を開ける「あれ?これって…」可憐が中から人形を取り出す「あっ!それは…私が無くしたと思ってた人形…こんなところに」春香が人形を持つ「あっ写真…」2人は写真を覗き込んだ。

「かっちゃん待ってよー!」3人は追いかける「ほらー!はるちゃん!かがみん!みさっち!早くー!」3人はそのまま上に登る「うわぁー!すごい景色だね!」4人は手を繋ぎながら目の前の光景を見る「記念写真撮ろうよ!」可憐がカメラを持ってくる「はいっ!チーズ!」4人は写真を見ながら笑っている「ねぇねぇ、私達さ小学校に行ってもずっと一緒だよね!」みさきが3人を見る「もちろん!ずっと一緒だよ!じゃあさ!タイムカプセル作ろうよ!高校生になったら掘りに来るの!」可憐が手を広げる「良いね!何か入れるものは…」「あったよ!」加賀美が筒を持ってくる「そこに大事なものを入れよう!私はこの写真で」可憐が写真を入れる「じゃあ私はずっと大事に持っているこの人形かな」「私はこの楽譜!」みさきが紙を丸め入れる「じゃあ私はこのマイクにする!」加賀美が最後にマイクを入れる「じゃあ埋めるよー」4人は手分けして埋めて行った「分かりやすいように少し上げといた」可憐はVサインをした「それじゃあまた掘るのは高校生になってからだね!」4人は笑いながら山を降りていった。

「そうだったね…私達って保育園からよく遊んでたんだった…」春香から涙が出ている「私も思い出したよ…そこから小学校別々になって…」可憐も泣いている「私…また4人集まれて…嬉しい…」春香が可憐の手を握る「私もだよ…はるちゃん…そうだ」「どうしたのかっちゃん?」春香が首を傾げる「曲名決まった…」「曲名?」春香が首を傾げる「うん…私今日ずっと曲名考えていたんだけどさ…『記憶のタイムカプセル』ってどうかな?」可憐が春香の方を見る「記憶のタイムカプセル…うん!凄く良いと思うよ!」春香が笑う「そうだね!明日までに歌詞を書いておくね!それと…この筒に入ってるものは月曜日にみんなに見せるね」「そうだね、私達のタイムカプセルだもんね」春香も人形を再び入れ直すと可憐が蓋を閉めた。

「いやぁ…今日は楽しかったね!はるちゃん」山を降りながら可憐が話す「そうだねかっちゃん!私も楽しかった、あと嬉しかった。高校に入ってたまたま4人が部活で一緒に出来るなんて…夢見たい」春香が可憐の手を握る「ふふっ…はるちゃんも随分話せるようになったじゃない?」「そ…それは…あはは…」春香が照れながら笑っていた。

「それじゃあまた月曜日!」2人は家の前で手を振り家の中に入っていった。
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