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──どれくらい走っただろうか。気づくと見慣れた浜辺に立っていた。
水平線の向こうには、こころなしか大きさの萎んだ月が、さっきと同じ場所にぽかりと浮かんでいる。
「民雄! お前、どこへ行っとったべ!?」
駆け寄ってきた耕太郎の姿をみて、安心した民雄は膝からガクリと崩れ落ちた。
「いきなり姿さぁ消えるもんだけぇ、なんぼ神隠しにでも遭ったべなと……誰じゃあその女子!?」
「話はあとでする! とにかく今は家へ戻って、あと念のため海水を汲んでくるだ!」
小屋に戻って床へ寝かせると、民雄の予想通り女子は酷く衰弱しているようだった。
荒い呼吸を繰り返し、額からは酷く脂汗が滲んでいる。
あちこちに受けた爪傷からはドクドクと血が滲み、赤く腫れてしまって痛々しい。
人の姿でいられなくなってきているのか、二本に分かれていた足がだんだんと一つにくっついてきている。
民雄は耕太郎に、これまでの事情をおおまかに説明した。
耕太郎は特に彼女を恐れるでもなく、むしろ彼女の美しい容姿に見惚れているようだった。
「こげなべっぴんな女子、おれぁ初めて見たべ」
「お前なら、そう言うと思ってただ。……ただ、この女子はこのままだと死んでしまう。どうして助けてやったらいいものか」
民雄が頭を悩ませていると。足を海水に浸しながら女子は薄い唇を開き、か細い声でしゃべり始めた。
「精を……殿方の情けを、いただきとうございます」
「……お前さん、しゃべれただ⁉」
「はい……先ほど、あなた様と接吻をいたしましたので」
「それにしても、精って要は、その……」
女性に疎い民雄にも、その意味はなんとなく分かった。
「精って……お前さん、こんな会って間もない見知らぬ男に、何をいうとるんだべ⁉」
隣で顔を真っ赤にしている耕太郎からは、恥ずかしさやら戸惑い、そして童貞なりの、女子に触れることへの罪悪感が滲み出ている。
そして民雄自身も、胸の内では男の性が渦巻くのを感じていた。それでも努めて穏やかな声で、横たわる少女に尋ねた。
「仮に人じゃないとしても、お前さんは女子じゃろ。そんな大してして知らん男に、精だの情けだの、求めるもんじゃないだ!」
耕太郎もうんうんと何度も頷いている。
しかし少女は至って真剣なまなざしで、声を絞り出すようにして言った。
「お願いします……二人の、お情けを……」
上目遣いに目を潤ませる女の懇願に、民雄はごくりと生唾を飲んだ。
耕太郎も堪えるようにして拳を握り締めている。ちらと視線を下げると、耕太郎の着ている半天の間から、彼の股間が大きく膨らんでいるのが見えた。
かく言う民雄もうまく隠してはいるが、さっきから痛いほどに愚息が反応しているのだ。
ふふ、と半魚の娘は艶めかしく微笑むと、民雄にすり寄って太ももを優しく撫でた。
足には鱗模様が出ているが、指はまだ人間らしい柔らかなままだ。
急に触られ、民雄はビクリと体を震わせた。いけないと知りながらも、娘が己の太ももに金糸の髪を横たえ、秘所へするりと指を滑り込ませる光景から目が離せない。
誰にも触らせたことのない場所を、女子は器用に衣服を掻き分け、中にある肉茎を探り当てて外へと出してやる。
耕太郎ほどではないがそこそこガタイのいい民雄の男根は、若い雄らしくビキビキと血管を浮かべて反り立ち、それを目の当たりにした娘はトロリと雌の表情を浮かべていた。
水平線の向こうには、こころなしか大きさの萎んだ月が、さっきと同じ場所にぽかりと浮かんでいる。
「民雄! お前、どこへ行っとったべ!?」
駆け寄ってきた耕太郎の姿をみて、安心した民雄は膝からガクリと崩れ落ちた。
「いきなり姿さぁ消えるもんだけぇ、なんぼ神隠しにでも遭ったべなと……誰じゃあその女子!?」
「話はあとでする! とにかく今は家へ戻って、あと念のため海水を汲んでくるだ!」
小屋に戻って床へ寝かせると、民雄の予想通り女子は酷く衰弱しているようだった。
荒い呼吸を繰り返し、額からは酷く脂汗が滲んでいる。
あちこちに受けた爪傷からはドクドクと血が滲み、赤く腫れてしまって痛々しい。
人の姿でいられなくなってきているのか、二本に分かれていた足がだんだんと一つにくっついてきている。
民雄は耕太郎に、これまでの事情をおおまかに説明した。
耕太郎は特に彼女を恐れるでもなく、むしろ彼女の美しい容姿に見惚れているようだった。
「こげなべっぴんな女子、おれぁ初めて見たべ」
「お前なら、そう言うと思ってただ。……ただ、この女子はこのままだと死んでしまう。どうして助けてやったらいいものか」
民雄が頭を悩ませていると。足を海水に浸しながら女子は薄い唇を開き、か細い声でしゃべり始めた。
「精を……殿方の情けを、いただきとうございます」
「……お前さん、しゃべれただ⁉」
「はい……先ほど、あなた様と接吻をいたしましたので」
「それにしても、精って要は、その……」
女性に疎い民雄にも、その意味はなんとなく分かった。
「精って……お前さん、こんな会って間もない見知らぬ男に、何をいうとるんだべ⁉」
隣で顔を真っ赤にしている耕太郎からは、恥ずかしさやら戸惑い、そして童貞なりの、女子に触れることへの罪悪感が滲み出ている。
そして民雄自身も、胸の内では男の性が渦巻くのを感じていた。それでも努めて穏やかな声で、横たわる少女に尋ねた。
「仮に人じゃないとしても、お前さんは女子じゃろ。そんな大してして知らん男に、精だの情けだの、求めるもんじゃないだ!」
耕太郎もうんうんと何度も頷いている。
しかし少女は至って真剣なまなざしで、声を絞り出すようにして言った。
「お願いします……二人の、お情けを……」
上目遣いに目を潤ませる女の懇願に、民雄はごくりと生唾を飲んだ。
耕太郎も堪えるようにして拳を握り締めている。ちらと視線を下げると、耕太郎の着ている半天の間から、彼の股間が大きく膨らんでいるのが見えた。
かく言う民雄もうまく隠してはいるが、さっきから痛いほどに愚息が反応しているのだ。
ふふ、と半魚の娘は艶めかしく微笑むと、民雄にすり寄って太ももを優しく撫でた。
足には鱗模様が出ているが、指はまだ人間らしい柔らかなままだ。
急に触られ、民雄はビクリと体を震わせた。いけないと知りながらも、娘が己の太ももに金糸の髪を横たえ、秘所へするりと指を滑り込ませる光景から目が離せない。
誰にも触らせたことのない場所を、女子は器用に衣服を掻き分け、中にある肉茎を探り当てて外へと出してやる。
耕太郎ほどではないがそこそこガタイのいい民雄の男根は、若い雄らしくビキビキと血管を浮かべて反り立ち、それを目の当たりにした娘はトロリと雌の表情を浮かべていた。
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