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しおりを挟む「うーん…、やっぱり今日雨なんて降ってなかったみたいだ。」
あの店から帰ってきた俺はネットなどで今日の天気などを見てみたが雨が降ったなんてことは書いてなかった。
「なんだったんだろうなぁ…、それにこれ持ってきちゃったんだけどどうしよう…」
あの店から持ってきた本を手にとって中を見てみるとそこに書いてあるのは、
-あなたには魔法の才能があります。もしその才能を生かすところがあるならいきますか?-
YES/NO
「なんだこれ?魔法の才能って…。そんなファンタジーなものが俺に…?そりゃもしそんな才能があるっていうならちょっと気になるけどさ」
(うぅーん、まぁ気になるしYESにしておくか)
-了解しました。では魔法学院への入学を許可し、担当師をお付けします。-
「は!?え、文字が勝手に増えていった!?」
(魔法学院!?担当師ってなんだよ!?どういうことだよ、一体!?)
俺が急に書かれた文章に戸惑っているそのとき、
「うんうん、戸惑ってるねぇ~。」
急に背後から声が聞こえた、俺以外いないはずの部屋なのに。
ゴクッ 唾を飲み込み勇気を出して後ろを見た。
そこには。
「昼間の店の人…?」
あの店にいた女の人がそこには立っていた。
「な、なんで僕の部屋に…?」
どうやって?どうして?そんな疑問ばかりが浮かび上がる僕の心情なんてお構い無しに彼女は一人でしゃべる。
「雨に降られたっていうからねぇ、もしかしてって思ったけどやっぱりそうだったんだねぇ。」
雨に降られたら何なんだ?あれがどうしたんだ?
「まっ、待って下さい!あのあなたはどうやって部屋に入ったんですか!?」
「ふふ、どうやってかって?
それはね、こういうのを使ったんだよ?」
そう彼女は言うと一冊の本を取り出した。
「本…?そ、それってこれと同じ」
目線を落とし、自分の手に持っている本を見る。
「んー、それも同じと言えば同じなんだけど。私の今持ってるのとは性質が違うかな?」
「性質…?性質って何ですか?いや、そもそもそれは僕の部屋に入った手段の答えになってませんよ!」
その本が入った手段な筈がない!話をすり替えようとしないでよ!
「まぁ、今まで触れたことないものに触れる時はみんなそうなるよねぇ。うーん」
彼女は少し考えるそぶりを見せ、
「口で説明よりも見た方がいっか…。
よし!そうしよう。行き先は…。
学院にした方がいいか。」
そう言うと俺を見て、
「あなたって酔いやすい人?」
「え…、いや乗り物酔いは基本しませんけど…」
そう俺が言うと彼女は、
「じゃあ多分大丈夫だと思うけど吐くのは止めてね?」
「え?」
彼女はさっきの本を開き、一言。
「 転移 」
そういった瞬間、俺の体が爆発寸前の風船みたいな感じがして、思わず口から何か出そうになり膝をついて口を押さえていると。
「ふふ、大丈夫?吐くのは止めてっていったから頑張って反動に耐えてね?」
彼女の辛辣な声を耳にして、
俺は1~2分位そうしてるいるとだんだん気持ち悪さがなくなっていき、落ち着いてきた。
「な、何をしたんですか…?」
あんな気持ち悪さ初めてだった。
「ふふ、まぁ吐かないだけ合格ものだよ?
何をしたかは、転移をしたがその答えで、
その気持ち悪さはその反動かな?」
(て、転移って何だ?その反動?)
「ん?もしかして気付いてないのかな?
回りを見てごらん?」
(気付いてないってどういうことだ?)
そう思い回りを見てみると、
「…え…」
そこは俺がいるはずの自分の部屋なんかじゃなくて、どこかわからない、知らない、広い部屋だった。
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