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第四章 パラレルワールド
第49話 イビージャとの出会い
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ある日のこと。
アメリアはいつものようにアーロンと公園で魔法と剣術の特訓をしていた。すると、それをじっと見つめる少女の姿があった。
歳はアメリアと同じくらい。色白でやせ細った小柄な女の子だった。
少女は公園の隅に設置されたクテアに座って、瞬きもせずにふたりの特訓に見入っていた。
『こんにちは』
視線に気づいたアメリアが少女のそばへ行って声をかけると、少女は何も言わずに立ち上がった。
そして突如、手にしていた杖で火玉を作り出した。それからツンとした顔をして、作った火玉をそのままに無言で立ち去ってしまった。
子供にしては、なかなか大きな火玉だった。サッカーボールほどはあるだろう。それに真ん丸だ。
アメリアはそれを見て素直に感心した。これだけ真ん丸な火玉は、自分にも作れない。
少女がせっかく残していった火玉を、消してしまうのももったいなかった。どうしようか考えたあげく、アメリアはそれをアーロンに向かって投げつけた。
不意をつかれたアーロンは、火玉を食らって危うく火傷をしそうになった。アメリアは『ごめん』と、いたずらっぽく舌を出した。
それからというもの、色白の少女は毎日のようにアメリアの特訓中に公園に現れるようになった。
アメリアが宙を飛んでアーロンとチャンバラすれば、少女はもっと高く飛び上がり、鳥を追いかけるそぶりを見せながらちらちらと得意気な顔を向けた。
アメリアが電撃魔法を使えば少女は空に雷雲を作り、水魔法を使えば川の水を逆流させてみせた。
そんな日々が何日か続いたある日、アメリアはアーロンに事前に相談して少女を驚かせることにした。
アメリアは、ただ何とか少女と話がしたいだけだった。そのきっかけ作りとして、考えた作戦だった。
いつものように公園でアーロンと稽古をしていると、案の定少女が現れた。
少女の目の前で、アーロンと魔法をかけ合いながらチャンバラをするアメリア。
火魔法から始まり、風魔法、水魔法、氷魔法、雷魔法とありとあらゆる魔法をアーロンに浴びせた。
思った通り、それに対抗するように少女も次々と魔法を出現させようとした。
ところが、少女が魔法を出そうとすると、なぜかかき消されてしまった。どの魔法を使ってもダメだった。
焦った少女は、あちこちに向かって杖を振った。しかし、何をしても無駄だった。
杖の先に光が灯った時点で、魔法が消えてしまう。魔法が使えない体になってしまったのかと、少女は泣きそうになった。
すると、目の前にアメリアの顔がどんと現れた。
少女は、びっくりして腰を抜かした。瞬間移動かと思ったが、向こうではアーロンとチャンバラに興じるアメリアがいる。一体、どういうことだろうか?
『びっくりした?』と、アメリアが満面の笑顔で聞いた。
少女は、アメリアの予想以上に驚いたようだった。地面にへたり込んだまま動かなかった。
アメリアは、慌てて説明した。
『あれは、わたしの分身だよ。ほら、パルトビアって知らない?』
説明しながら、アメリアは「フーガ」と言って分身を消失させた。
“パルトビア”のことは、少女も知っていた。でも、それは影を作り出す魔法だ。
まさかあんなにリアルな実体を作り出せるなんて、聞いたこともなければ見たこともない。それに、と少女は思った。わたしの魔法をかき消していたのはこの子の仕業だろうか?
わたしが必死に作り出した魔法が、ことごとく消されてしまった。少女にとっては、そのことも衝撃だった。
『わたしはアメリア。それと、向こうにいるのがアーロン。わたしのおにいちゃんだよ。あなた、名前はなんていうの?』
手を差し出して、にこにこと笑顔でアメリアが聞いた。
『イビージャ・・・』
少女は思わず差し出された手を取り、答えていた。
『イビージャ。素敵な名前ね。魔法はどこで覚えたの?』
イビージャを立ち上がらせると、アメリアはクテアに座ってイビージャを見上げた。
『アニムス養成校・・・』
突っ立ったまま、イビージャは答えた。
『へえ、そうなんだ。だからそんなに魔法が上手なのね』
『え?学校、行ってないの・・・?』
養成校へ行かずにどうしてあれだけの魔法を使いこなせるのか、イビージャは不思議に思った。
『うん。まだ行ってない』
『そうなんだ・・・』
地底世界では、特に学校へ行く義務はない。学びたいことがあれば自らの意思で通う。入学するのに年齢も関係ない。
『おとうさんがマージア研究家だから、魔法はおとうさんから教わってるの』
不思議そうに自分のことを見つめるイビージャの思いを察して、アメリアは説明した。
『でも、やっぱりわたしも養成校に行こうかな。その方があなたみたいに上達できるよね?』
アメリアは、素直に思っていたことを口にした。
自分の魔法は、兄や父親からはすごいと称賛される。でも、少し粗削りのような気がしていた。火玉を作っても、それこそ大人が驚くほど巨大なものを作ることができるが、イビージャのようにきれいな球体が作れない。
しかし、イビージャはアメリアの言葉を皮肉として受け取った。だって、どう見てもアメリアの方が魔法の腕前は上だ。
さっきのパルトビアだって、養成校の先生でさえそんなリアルな分身を作る人を見たことがない。でもそれを認めたくないイビージャは、何とか優位に立とうとムキになった。
『学校へ行ったところで、わたしみたいにはなれないよ。だって、わたしは選ばれし者だもの』
“選ばれし者”という言葉を、イビージャは養成校の男子が噂しているのを耳にしたことがあった。
能力を開花させるドラゴンの石の中には、伝説のドラゴンと呼ばれる超竜のエネルギーを封じ込めた黒いドラゴンの石があるという。それはあるとき、選ばれし者によって封印が解かれるということだった。そしてその石を手にした者は、あらゆる力を統べることができるのだ。
自分は、養成校の中でも魔法の能力が抜きんでている。だから、きっとわたしがその伝説の石を手にすることができる選ばれし者なんだと、イビージャは本気でそう思っていた。
『なあに?その選ばれし者って?』
『あなた何も知らないのね』
呆れ顔をしながら、イビージャはアメリアの隣に腰かけた。内心、得意になっていた。
アメリアの魔法はたしかにすごい。でも、それだけだ。アメリアの知らないことを、わたしはたくさん知っている。
イビージャは選ばれし者がどういうものか、それがどれほど稀有な存在か。そしてなぜ自分がそうなのか、その根拠を熱弁した。
アメリアはいつものようにアーロンと公園で魔法と剣術の特訓をしていた。すると、それをじっと見つめる少女の姿があった。
歳はアメリアと同じくらい。色白でやせ細った小柄な女の子だった。
少女は公園の隅に設置されたクテアに座って、瞬きもせずにふたりの特訓に見入っていた。
『こんにちは』
視線に気づいたアメリアが少女のそばへ行って声をかけると、少女は何も言わずに立ち上がった。
そして突如、手にしていた杖で火玉を作り出した。それからツンとした顔をして、作った火玉をそのままに無言で立ち去ってしまった。
子供にしては、なかなか大きな火玉だった。サッカーボールほどはあるだろう。それに真ん丸だ。
アメリアはそれを見て素直に感心した。これだけ真ん丸な火玉は、自分にも作れない。
少女がせっかく残していった火玉を、消してしまうのももったいなかった。どうしようか考えたあげく、アメリアはそれをアーロンに向かって投げつけた。
不意をつかれたアーロンは、火玉を食らって危うく火傷をしそうになった。アメリアは『ごめん』と、いたずらっぽく舌を出した。
それからというもの、色白の少女は毎日のようにアメリアの特訓中に公園に現れるようになった。
アメリアが宙を飛んでアーロンとチャンバラすれば、少女はもっと高く飛び上がり、鳥を追いかけるそぶりを見せながらちらちらと得意気な顔を向けた。
アメリアが電撃魔法を使えば少女は空に雷雲を作り、水魔法を使えば川の水を逆流させてみせた。
そんな日々が何日か続いたある日、アメリアはアーロンに事前に相談して少女を驚かせることにした。
アメリアは、ただ何とか少女と話がしたいだけだった。そのきっかけ作りとして、考えた作戦だった。
いつものように公園でアーロンと稽古をしていると、案の定少女が現れた。
少女の目の前で、アーロンと魔法をかけ合いながらチャンバラをするアメリア。
火魔法から始まり、風魔法、水魔法、氷魔法、雷魔法とありとあらゆる魔法をアーロンに浴びせた。
思った通り、それに対抗するように少女も次々と魔法を出現させようとした。
ところが、少女が魔法を出そうとすると、なぜかかき消されてしまった。どの魔法を使ってもダメだった。
焦った少女は、あちこちに向かって杖を振った。しかし、何をしても無駄だった。
杖の先に光が灯った時点で、魔法が消えてしまう。魔法が使えない体になってしまったのかと、少女は泣きそうになった。
すると、目の前にアメリアの顔がどんと現れた。
少女は、びっくりして腰を抜かした。瞬間移動かと思ったが、向こうではアーロンとチャンバラに興じるアメリアがいる。一体、どういうことだろうか?
『びっくりした?』と、アメリアが満面の笑顔で聞いた。
少女は、アメリアの予想以上に驚いたようだった。地面にへたり込んだまま動かなかった。
アメリアは、慌てて説明した。
『あれは、わたしの分身だよ。ほら、パルトビアって知らない?』
説明しながら、アメリアは「フーガ」と言って分身を消失させた。
“パルトビア”のことは、少女も知っていた。でも、それは影を作り出す魔法だ。
まさかあんなにリアルな実体を作り出せるなんて、聞いたこともなければ見たこともない。それに、と少女は思った。わたしの魔法をかき消していたのはこの子の仕業だろうか?
わたしが必死に作り出した魔法が、ことごとく消されてしまった。少女にとっては、そのことも衝撃だった。
『わたしはアメリア。それと、向こうにいるのがアーロン。わたしのおにいちゃんだよ。あなた、名前はなんていうの?』
手を差し出して、にこにこと笑顔でアメリアが聞いた。
『イビージャ・・・』
少女は思わず差し出された手を取り、答えていた。
『イビージャ。素敵な名前ね。魔法はどこで覚えたの?』
イビージャを立ち上がらせると、アメリアはクテアに座ってイビージャを見上げた。
『アニムス養成校・・・』
突っ立ったまま、イビージャは答えた。
『へえ、そうなんだ。だからそんなに魔法が上手なのね』
『え?学校、行ってないの・・・?』
養成校へ行かずにどうしてあれだけの魔法を使いこなせるのか、イビージャは不思議に思った。
『うん。まだ行ってない』
『そうなんだ・・・』
地底世界では、特に学校へ行く義務はない。学びたいことがあれば自らの意思で通う。入学するのに年齢も関係ない。
『おとうさんがマージア研究家だから、魔法はおとうさんから教わってるの』
不思議そうに自分のことを見つめるイビージャの思いを察して、アメリアは説明した。
『でも、やっぱりわたしも養成校に行こうかな。その方があなたみたいに上達できるよね?』
アメリアは、素直に思っていたことを口にした。
自分の魔法は、兄や父親からはすごいと称賛される。でも、少し粗削りのような気がしていた。火玉を作っても、それこそ大人が驚くほど巨大なものを作ることができるが、イビージャのようにきれいな球体が作れない。
しかし、イビージャはアメリアの言葉を皮肉として受け取った。だって、どう見てもアメリアの方が魔法の腕前は上だ。
さっきのパルトビアだって、養成校の先生でさえそんなリアルな分身を作る人を見たことがない。でもそれを認めたくないイビージャは、何とか優位に立とうとムキになった。
『学校へ行ったところで、わたしみたいにはなれないよ。だって、わたしは選ばれし者だもの』
“選ばれし者”という言葉を、イビージャは養成校の男子が噂しているのを耳にしたことがあった。
能力を開花させるドラゴンの石の中には、伝説のドラゴンと呼ばれる超竜のエネルギーを封じ込めた黒いドラゴンの石があるという。それはあるとき、選ばれし者によって封印が解かれるということだった。そしてその石を手にした者は、あらゆる力を統べることができるのだ。
自分は、養成校の中でも魔法の能力が抜きんでている。だから、きっとわたしがその伝説の石を手にすることができる選ばれし者なんだと、イビージャは本気でそう思っていた。
『なあに?その選ばれし者って?』
『あなた何も知らないのね』
呆れ顔をしながら、イビージャはアメリアの隣に腰かけた。内心、得意になっていた。
アメリアの魔法はたしかにすごい。でも、それだけだ。アメリアの知らないことを、わたしはたくさん知っている。
イビージャは選ばれし者がどういうものか、それがどれほど稀有な存在か。そしてなぜ自分がそうなのか、その根拠を熱弁した。
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