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願いと約束―4
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◇◇◇
夜、仕事へ行くレイヴァンは、仕度を整えた後アルメリアの部屋の前まで来て、扉の前でそわそわした様子で佇んでいた。
扉をノックするかしないかで迷っている様子。
右手を掲げては下ろすを三度程繰り返す。
その継、仕事へ行こうか、それとも一目見てから向かうか。
レイヴァンがそわそわ落ち着かない様子を見せて、既に五分が経過していた。
(………やはり、辞めておくべきか?…)
傍から見れば変な人に見えても可笑しくない。
―――キィー………
「!!……レイヴァン様!?」
急に扉が開いて出て来たのはメイドのマドレーヌだった。
扉を開けた目の前にのレイヴァンの姿に思わず驚く。
驚いた悲鳴を上げないよう、マドレーヌは一瞬口元に手を当てた。
まさか扉の前にレイヴァンが居るとは思わず、ゆっくり扉を開けたから打つかる事は無かったが、心を落ち着かせるように体を手前に引いた。
レイヴァンも不意の出来事に固まる。
「……すまない」
「あ、いえ、失礼致しました。何かご用事があったのでは…?……アルメリア様でしたら、まだ起きてらっしゃいます。」
扉の前に立つレイヴァンの姿に、マドレーヌは体を開いた扉の方に寄せ、中に居るアルメリアの方へ首を向けた。
レイヴァンもマドレーヌの言葉に、部屋の中へ視線を向ける。
中へ入るべきかまだ迷うレイヴァンだったが、何かを決めた様な表情でマドレーヌに視線を戻した。
「彼女に少し、話をしたくて来た。」
「左様ですか。就寝の準備も終えられてますので、レイヴァン様は中へどうぞ。紅茶か珈琲をお持ち致しますか?」
「いや、構わない。話を終えたら出掛ける。」
「承知致しました。それでは失礼致します。」
一通りの仕事を終えたマドレーヌは、レイヴァンを中へ通すと一礼して、部屋を出た。
静かに扉が閉まる。
部屋の中へ踏み入れたレイヴァンだが、アルメリアはその様子に気付いて居なかった。
左手を窓辺に置いて体を支えながら、夜の暗闇に視線を向けている。
体が冷えないよう、ナイトガウンの上にローブを羽織っていた。
レイヴァンはそんなアルメリアを脅かさないように、扉の内側をノックした。
―――コンコン…………
ノックの音に気付いたアルメリアは、ゆっくりと扉の方へ振り向いた。
「………あ……レイヴァン様」
「夜に失礼。寝る所だったか?」
「いえ、大丈夫です。」
「今日は疲れただろう?…充分に休んでいないのに、本来の姿に戻ったり。沢山の者に会わせてしまった気疲れもしたと思う。」
「緊張はしましたが、そんなに酷くはありません。」
レイヴァンのさり気ない気遣いを明け方から見て来たアルメリアは、レイヴァンへの警戒心が少し解れて来たのか、レイヴァンと合わせた視線に初めにあった緊張感が無くなって来ているように見えた。
そんなアルメリアの様子に、心の中でホッとするレイヴァン。
窓辺の方へ歩み寄り、アルメリアと話し易い位置へと部屋の中を歩いた。
「これから外出するから、何かあれば遠慮なくレナや使用人達に言うと良い。」
「…有り難うございます。」
「それと、人魚の知り合いがいないか知り合いの水の妖精に聞いてみる。あと、貴女が言う、人魚を狙う者が居るのかも調べるつもりだ。」
「はい。」
レイヴァンは叔父に人魚の話しを聞きに行くだけではなく、レイラの助けを借りようと考えていた。
水底で暮らすレイラならば、知り合いが居る可能性が高い。
「それと…………」
レイヴァンは何かを言いかけ、言葉を詰まらせる。
そんなレイヴァンにアルメリアは首を少し傾け、レイヴァンをジッと見詰めた。
一度目を閉じ、絨毯を見てからレイヴァンはアルメリアを見て口を開いた。
(……急ぐ事でも無いか。今話さなくても)
「………………いや、これは又別の機会に。」
「……そう…ですか。」
レイヴァンの様子が気になったアルメリアだが、無理に聞こうとはしなかった。
「―――ゆっくり休むと良い。お休みアルメリア。」
レイヴァンはアルメリアにそう言うと、アルメリアに背を向けて部屋から出て行った。
「……おやす…みなさい。」
―――キィー……パタン………
部屋から出るレイヴァンの背中を見詰め、扉が閉まり切る直前に放たれたアルメリアの言葉は、レイヴァンには聞こえず、部屋の中に消えて行った。
◇◇◇
邸宅の門番が待機させたカイスに乗り、レイヴァンは昨夜と同じく王宮に到着し第一隊員の部屋に入る。
「「「隊長、お疲れ様です」」」
レイヴァンが入って来た事に気付いた隊員達は口々に挨拶をした。夜間組に別けたられた者達だ。
レイヴァンより早めに来ていたのだろう、自分達の手袋を嵌め、何時でも出動出来る姿だった。
レイヴァンは日中の作業具合を確認すべく、隊員達が出した報告書にサラッと目を通した。
進み具合を把握してから、現場に向かおうと思っていたのだ。
「レイヴァン」
お昼頃から指揮を取っていたルイが王宮へ戻って来た。
部屋に入って早々、報告書に目を通すレイヴァンに近寄る。
報告書から目を離し、向かってくるルイを見る。
「ルイ、お疲れ様。状況は?」
ルイは汗を拭いながら隊長の席を挟み、レイヴァンの真正面に立った。
「悪くは無いけど……」
「良くもない…か?」
レイヴァンの言葉に、苦笑いを浮かべるルイは「あぁ」と頷いた。
「作業ペースは今の所問題無いだろう。人数も足りないとまでは行っていないが…………魔力の強弱を考えて配置はしているものの、強い者の負担がなぁ」
橋の土台の材料運びを含め、各自の竜も使い作業を進めている隊員達だが、魔力の強い者は仕事は捗る分、弱い者よりも、魔力と体力の消費に負担がかかっていた。
魔力の弱い者の作業も補う為だろう。
(増員が必要かは明日まで様子を見てからの方が良いか……)
第二部隊からの応援も入っている為、レイヴァンは取り敢えず昨夜決めた人数で進める事にした。
「ルイ、レイラはまだ居るか?」
「あぁ、お昼頃も二名程落ちた者の救助をしていたよ。今も橋の近辺を見回っていると思う。」
「分かった。ルイは一旦休め。これから俺も橋へ向かう。」
レイヴァンに頷いたルイは、先程までの作業内容を報告書に書くべく書類を手に自分の席へ。
ルイが席に着くと、レイヴァンは目を通した隊員の報告書を引き出しに仕舞い、橋へ行く為にカイスの元に向かった。
―――ダンッ……ッ!!
カイスとレイヴァンが橋に着いた時、レイヴァンの後に続いて夜間の部員達も共に降り立った。
複数の竜の着地により、辺りの草花が大きく揺れた。
隊員達は自分の竜を一旦その場に待機させ、各自の持ち場の進み具合を確認に向かう。
一方、レイヴァンは辺りを見ながら何かを探していた。
暫く見ていたレイヴァンは、大きな岩礁で目を止めた。
レイヴァンが目を止めたと同時に、岩の上に楕円形に水滴が回り薄い霧を発てながら女性が姿を見せた。
(あれは多分………)
「レイラ」
「!…王子」
レイヴァンは岩へ駆け寄り、レイラはレイヴァンの方へ振り向いた後、岩の上に腰掛けた。
日中から続けて水面を見回っているレイラを見て、顔色には出して無いが疲れているのではないかと少し気になった。
「レイラ、少し聞きたい事がある。」
「何?」
「この辺で人魚が……人魚が暮らす場所を知らないか?」
「人魚……ねぇ」
レイラの表情が一瞬にして曇った。斜め右下へ視線を動かし、何かを考えている。
レイラは髪をかき上げてレイヴァンを見た。
「知らない訳じゃないけど、何故?」
「実は……」
レイラにしては珍しく険しい表情に見えたが、レイヴァンは少しでも情報を集める為、アルメリアの事について話し始めた。
夜、仕事へ行くレイヴァンは、仕度を整えた後アルメリアの部屋の前まで来て、扉の前でそわそわした様子で佇んでいた。
扉をノックするかしないかで迷っている様子。
右手を掲げては下ろすを三度程繰り返す。
その継、仕事へ行こうか、それとも一目見てから向かうか。
レイヴァンがそわそわ落ち着かない様子を見せて、既に五分が経過していた。
(………やはり、辞めておくべきか?…)
傍から見れば変な人に見えても可笑しくない。
―――キィー………
「!!……レイヴァン様!?」
急に扉が開いて出て来たのはメイドのマドレーヌだった。
扉を開けた目の前にのレイヴァンの姿に思わず驚く。
驚いた悲鳴を上げないよう、マドレーヌは一瞬口元に手を当てた。
まさか扉の前にレイヴァンが居るとは思わず、ゆっくり扉を開けたから打つかる事は無かったが、心を落ち着かせるように体を手前に引いた。
レイヴァンも不意の出来事に固まる。
「……すまない」
「あ、いえ、失礼致しました。何かご用事があったのでは…?……アルメリア様でしたら、まだ起きてらっしゃいます。」
扉の前に立つレイヴァンの姿に、マドレーヌは体を開いた扉の方に寄せ、中に居るアルメリアの方へ首を向けた。
レイヴァンもマドレーヌの言葉に、部屋の中へ視線を向ける。
中へ入るべきかまだ迷うレイヴァンだったが、何かを決めた様な表情でマドレーヌに視線を戻した。
「彼女に少し、話をしたくて来た。」
「左様ですか。就寝の準備も終えられてますので、レイヴァン様は中へどうぞ。紅茶か珈琲をお持ち致しますか?」
「いや、構わない。話を終えたら出掛ける。」
「承知致しました。それでは失礼致します。」
一通りの仕事を終えたマドレーヌは、レイヴァンを中へ通すと一礼して、部屋を出た。
静かに扉が閉まる。
部屋の中へ踏み入れたレイヴァンだが、アルメリアはその様子に気付いて居なかった。
左手を窓辺に置いて体を支えながら、夜の暗闇に視線を向けている。
体が冷えないよう、ナイトガウンの上にローブを羽織っていた。
レイヴァンはそんなアルメリアを脅かさないように、扉の内側をノックした。
―――コンコン…………
ノックの音に気付いたアルメリアは、ゆっくりと扉の方へ振り向いた。
「………あ……レイヴァン様」
「夜に失礼。寝る所だったか?」
「いえ、大丈夫です。」
「今日は疲れただろう?…充分に休んでいないのに、本来の姿に戻ったり。沢山の者に会わせてしまった気疲れもしたと思う。」
「緊張はしましたが、そんなに酷くはありません。」
レイヴァンのさり気ない気遣いを明け方から見て来たアルメリアは、レイヴァンへの警戒心が少し解れて来たのか、レイヴァンと合わせた視線に初めにあった緊張感が無くなって来ているように見えた。
そんなアルメリアの様子に、心の中でホッとするレイヴァン。
窓辺の方へ歩み寄り、アルメリアと話し易い位置へと部屋の中を歩いた。
「これから外出するから、何かあれば遠慮なくレナや使用人達に言うと良い。」
「…有り難うございます。」
「それと、人魚の知り合いがいないか知り合いの水の妖精に聞いてみる。あと、貴女が言う、人魚を狙う者が居るのかも調べるつもりだ。」
「はい。」
レイヴァンは叔父に人魚の話しを聞きに行くだけではなく、レイラの助けを借りようと考えていた。
水底で暮らすレイラならば、知り合いが居る可能性が高い。
「それと…………」
レイヴァンは何かを言いかけ、言葉を詰まらせる。
そんなレイヴァンにアルメリアは首を少し傾け、レイヴァンをジッと見詰めた。
一度目を閉じ、絨毯を見てからレイヴァンはアルメリアを見て口を開いた。
(……急ぐ事でも無いか。今話さなくても)
「………………いや、これは又別の機会に。」
「……そう…ですか。」
レイヴァンの様子が気になったアルメリアだが、無理に聞こうとはしなかった。
「―――ゆっくり休むと良い。お休みアルメリア。」
レイヴァンはアルメリアにそう言うと、アルメリアに背を向けて部屋から出て行った。
「……おやす…みなさい。」
―――キィー……パタン………
部屋から出るレイヴァンの背中を見詰め、扉が閉まり切る直前に放たれたアルメリアの言葉は、レイヴァンには聞こえず、部屋の中に消えて行った。
◇◇◇
邸宅の門番が待機させたカイスに乗り、レイヴァンは昨夜と同じく王宮に到着し第一隊員の部屋に入る。
「「「隊長、お疲れ様です」」」
レイヴァンが入って来た事に気付いた隊員達は口々に挨拶をした。夜間組に別けたられた者達だ。
レイヴァンより早めに来ていたのだろう、自分達の手袋を嵌め、何時でも出動出来る姿だった。
レイヴァンは日中の作業具合を確認すべく、隊員達が出した報告書にサラッと目を通した。
進み具合を把握してから、現場に向かおうと思っていたのだ。
「レイヴァン」
お昼頃から指揮を取っていたルイが王宮へ戻って来た。
部屋に入って早々、報告書に目を通すレイヴァンに近寄る。
報告書から目を離し、向かってくるルイを見る。
「ルイ、お疲れ様。状況は?」
ルイは汗を拭いながら隊長の席を挟み、レイヴァンの真正面に立った。
「悪くは無いけど……」
「良くもない…か?」
レイヴァンの言葉に、苦笑いを浮かべるルイは「あぁ」と頷いた。
「作業ペースは今の所問題無いだろう。人数も足りないとまでは行っていないが…………魔力の強弱を考えて配置はしているものの、強い者の負担がなぁ」
橋の土台の材料運びを含め、各自の竜も使い作業を進めている隊員達だが、魔力の強い者は仕事は捗る分、弱い者よりも、魔力と体力の消費に負担がかかっていた。
魔力の弱い者の作業も補う為だろう。
(増員が必要かは明日まで様子を見てからの方が良いか……)
第二部隊からの応援も入っている為、レイヴァンは取り敢えず昨夜決めた人数で進める事にした。
「ルイ、レイラはまだ居るか?」
「あぁ、お昼頃も二名程落ちた者の救助をしていたよ。今も橋の近辺を見回っていると思う。」
「分かった。ルイは一旦休め。これから俺も橋へ向かう。」
レイヴァンに頷いたルイは、先程までの作業内容を報告書に書くべく書類を手に自分の席へ。
ルイが席に着くと、レイヴァンは目を通した隊員の報告書を引き出しに仕舞い、橋へ行く為にカイスの元に向かった。
―――ダンッ……ッ!!
カイスとレイヴァンが橋に着いた時、レイヴァンの後に続いて夜間の部員達も共に降り立った。
複数の竜の着地により、辺りの草花が大きく揺れた。
隊員達は自分の竜を一旦その場に待機させ、各自の持ち場の進み具合を確認に向かう。
一方、レイヴァンは辺りを見ながら何かを探していた。
暫く見ていたレイヴァンは、大きな岩礁で目を止めた。
レイヴァンが目を止めたと同時に、岩の上に楕円形に水滴が回り薄い霧を発てながら女性が姿を見せた。
(あれは多分………)
「レイラ」
「!…王子」
レイヴァンは岩へ駆け寄り、レイラはレイヴァンの方へ振り向いた後、岩の上に腰掛けた。
日中から続けて水面を見回っているレイラを見て、顔色には出して無いが疲れているのではないかと少し気になった。
「レイラ、少し聞きたい事がある。」
「何?」
「この辺で人魚が……人魚が暮らす場所を知らないか?」
「人魚……ねぇ」
レイラの表情が一瞬にして曇った。斜め右下へ視線を動かし、何かを考えている。
レイラは髪をかき上げてレイヴァンを見た。
「知らない訳じゃないけど、何故?」
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レイラにしては珍しく険しい表情に見えたが、レイヴァンは少しでも情報を集める為、アルメリアの事について話し始めた。
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