年に一度の旦那様

五十嵐

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72 新たな計画

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カルセナの立てた計画は確かに面白いかもしれない。その話の中の登場人物にならなければ。
しかし、大役を担わなくてはいけないロイとしてはちっとも面白くないものだった。

「僕の役割は分かった。でも、それでどうやってレイチェルを守るんだ」
「わたし達が守るわ。だけど、お嬢様にも選んでもらわないといけないことがあります」

カルセナはレイチェルが離婚する為の手立てを考えてくれるようだった。けれど、何よりも一番簡単な方法は処女判定だと言う。これだけの年月婚姻関係にありながら、レイチェルが処女ならば婚姻無効申請が出来るというのだ。貴族の娘として再度嫁ぐ際に純潔であることを証明する手立てを利用するのだ。
問題は、医師に局部を確認してもらわなくてはならないこと。

「構わないわ。減るものでもないでしょ」
「お嬢様…、申し訳ございません。でも、これが一番早い確かな方法かと思うもので」
「ロイの恥ずかしさに比べれば、わたしはほんの少しの間だもの」
「では、この計画で進めていいのですね」

ロイだけが不服気に視線で同意を示す中、他の全員は頷いたのだった。


翌日、カルセナとエカルテ夫妻は今ある全ての男性機能を低下させる薬草を持ち邸を出た。二人の行き先はそれぞれ違うが、目的は同じ。
また、リンデルは追加で同じ減法の呪術を込めた薬草の量産を始めたのだった。

そしてフリカは願いを込め、数羽の鳩を放った。







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