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王宮では2
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昼食会を前にやって来たのは侯爵家が三家、伯爵家が二家だった。三家ある公爵家は、そもそも王族が降下して興した家なので現王家と養女を迎えてまでの繋がりを持つ必要性は感じなかったようだ。本音を言えば、万が一に備えたのだろう。
シシリアがどこの家にも迎えられなければ、アルフレッドの妃探しが難航するのは必至。この選択肢がある以上、公爵家は慎重にならざるを得ない。
養女先が決まらないのに、アルフレッドがどうしてもシシリアを手放したくないと言ったら。
その場合は端から愛妾を直ぐに迎える前提で妃を探さなくてはいけない。そんな条件では、他国からの姫は不可能だ。愛妾を迎えるにもタイミングがある。
となると、国内での妃探し。しかし、こればかりは探して直ぐに見繕えるものではない。
十年もその役を担い教育を受け続けた優秀な令嬢がいたのだ、代わりとなるとそれこそ公爵家の令嬢くらい。
そこまで考えるならば、公爵家にシシリアを迎え入れる選択は消える。
そして、妃探しが難航すれば難航する程、貴族院が不満を抱く。王子が勝手にスカーレットに婚約破棄を突き付けたことが発端なのだから。
もっと言ってしまえば、全てを招いた王子を許さないだろう。場合によっては次の王になるべく人物を公爵家から選ぶ可能性も出て来る。
シシリアの貴族学院での成績は良いと聞いているが、公爵家も薫の頭に過った淑女としての振る舞いが気になる以上は状況を見極め動くことを選んだということだ。
だからやって来たのは侯爵家が三家、伯爵家が二家という結果になった。しかし、この五家全てが本気でシシリアを養女に迎えようとしているのかは不確定。王家からの打診に務めを果たしたに過ぎない可能性もある。
様々な思惑が行きかう当日、五家を迎える為にシシリアが着用したのは、アルフレッドが贈った優しい色合いの美しいドレス。アルフレッドが王族用衣装を常に手掛けるメゾンで作らせたドレスだ、ものは良い。しかし、この場に合うかといえば、微妙なものだった。この場で不必要な可愛らしさへ振り切ったものになっていたのだから。
必要なのは、立ち振る舞いを美しく見せ貴婦人を演出するドレス。肌色や髪色を鑑みて、凛とした表情を作り出す色やスタイルだったというのに。
シシリアがどこの家にも迎えられなければ、アルフレッドの妃探しが難航するのは必至。この選択肢がある以上、公爵家は慎重にならざるを得ない。
養女先が決まらないのに、アルフレッドがどうしてもシシリアを手放したくないと言ったら。
その場合は端から愛妾を直ぐに迎える前提で妃を探さなくてはいけない。そんな条件では、他国からの姫は不可能だ。愛妾を迎えるにもタイミングがある。
となると、国内での妃探し。しかし、こればかりは探して直ぐに見繕えるものではない。
十年もその役を担い教育を受け続けた優秀な令嬢がいたのだ、代わりとなるとそれこそ公爵家の令嬢くらい。
そこまで考えるならば、公爵家にシシリアを迎え入れる選択は消える。
そして、妃探しが難航すれば難航する程、貴族院が不満を抱く。王子が勝手にスカーレットに婚約破棄を突き付けたことが発端なのだから。
もっと言ってしまえば、全てを招いた王子を許さないだろう。場合によっては次の王になるべく人物を公爵家から選ぶ可能性も出て来る。
シシリアの貴族学院での成績は良いと聞いているが、公爵家も薫の頭に過った淑女としての振る舞いが気になる以上は状況を見極め動くことを選んだということだ。
だからやって来たのは侯爵家が三家、伯爵家が二家という結果になった。しかし、この五家全てが本気でシシリアを養女に迎えようとしているのかは不確定。王家からの打診に務めを果たしたに過ぎない可能性もある。
様々な思惑が行きかう当日、五家を迎える為にシシリアが着用したのは、アルフレッドが贈った優しい色合いの美しいドレス。アルフレッドが王族用衣装を常に手掛けるメゾンで作らせたドレスだ、ものは良い。しかし、この場に合うかといえば、微妙なものだった。この場で不必要な可愛らしさへ振り切ったものになっていたのだから。
必要なのは、立ち振る舞いを美しく見せ貴婦人を演出するドレス。肌色や髪色を鑑みて、凛とした表情を作り出す色やスタイルだったというのに。
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