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【四】暁闇
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十和田家に訪った吉夜と香代は、そのまま座敷に通された。
家の中に、以前漂っていた焼香の香りはもうない。
和尚がお役御免になったと聞いたから、香は焚いていないのだろう。
すぐに、ふたりを呼び出した張本人が現れた。
十和田兵右衛門の長男であり嫡男の弥太郎だ。
弥太郎は兵吾よりも小柄で、おとなしそうな男だった。香代と吉夜の前に腰掛けるなり、目も合わせずに頭を下げる。
香代はうろたえたが、吉夜は落ち着いたものだ。「顔を上げられませ」と静かに言った。
「怪我人ふたりを呼びつけて、初ッぱなからその態度とはいかがなものか……まァ、要件はあらかた分かっちゃいるが」
「……申し訳ござらぬ」
「謝ってもらいたくてわざわざ足を運んだわけじゃねェ。引き渡すもんを引き渡してもらおう」
吉夜の口調は珍しく江戸っ子のままで、苛立ちが感じられる。
弥太郎は胸元から何かを出して、「……これに」と膝の前に滑らせた。
「あ――」
香代は思わず声をあげかけ、両手で口を押さえた。そこにあったのは吉夜からもらったお守りだ。
(燃えてしまったものだと……)
香代が唖然としたのと同じく、吉夜も拍子抜けしたらしい。弥太郎とお守りを見比べて眉を寄せる。
「……これを、どこで」
「……庭に」
弥太郎はため息まじりに答えた。
「土を掘り返した跡があり……呪詛の類いかとさらってみたら、それが」
弥太郎はそれで、小袋の中を開けてみたという。中にはうっすらと香りたつ小さな木片が入っていた。今までの経緯を考えるに、吉夜のものではないかと推測した――
「拾いものを庭に埋めるたァ……犬のやる所業だな」
吉夜は舌打ちをして小袋を手にし、自分の袂にしまった。
(よかった……)
香代はそれだけでも嬉しくてほっとした。涙すら浮かんだが、吉夜の視線に気づいてどうにか耐える。
「……それで? まさかこれだけのために俺たちを呼んだわけじゃねェだろう」
「……」
弥太郎はまた何も言わず頭を下げた。
「……この度、貴殿らの周りで起こった出来事の数々……お忘れいただくことはできまいか」
「無理だね」
吉夜はあっさり一蹴した。あまりの即答に、香代の方がぎょっとする。
「……吉夜さま」
「俺が女を孕ませたってェのは、根も葉もない噂だから忘れてやってもいい。が、妻とその兄貴が襲われたのは話が別だ。きっちり落とし前つけてもらおうか」
「……落とし前」
弥太郎が目を上げる。吉夜はああとうなずいた。
「お前さんの弟を差し出せ。――俺がぶった切ってやる」
吉夜は置いた鞘を手にした。かすかな鍔鳴りの音が聞こえる。
声と表情から本気だと分かり、香代の顔から血の気が引いた。
吉夜は構わず、冷笑を浮かべて弥太郎を見据えている。
「安心しろ。人を斬ったことはないが、藁の束を一刀両断する程度の腕はある。無駄な抵抗をしなければ苦しまずに逝かせてやらァ」
「……それは……」
弥太郎が目を泳がせた、そのときだった。
がらりと戸が開いて、当人――兵吾が姿を現す。
「……これはこれは、蓮本殿。少し見ない間に人相が変わられましたな」
兄の姿が見えていないかのような態度で、兵吾は中に入ってきた。
目の前に立たれた弥太郎がは物言いだげな目を向けるが、一向気にする様子はない。
「……おかげさまでな。男ぶりが上がったろう?」
吉夜が挑発に応える。
兵吾はふんと鼻を鳴らして、香代を見た。
「……っ……」
蛇のような目がまた恐怖を思い出させた。香代は唇を引き締めて目を逸らす。
兵吾が笑う。
「……御新造におかれては、相変わらずお美しい」
吉夜が眉を寄せた。香代はうつむくまいとしつつも、執拗な兵吾の視線に顔をさらすのが嫌で身動きが取れない。
「白い肌に、濡れたような黒髪……その上従順と来ては、手にした男はもう手放せまい。せっかく同じ町に暮らしていたのだから、一度くらい味わってみたかったものだ」
吉夜が殺気を帯びたのが分かった。香代は不安を感じて夫を見やる。
「――そう怖い顔をなさるな。ただの戯言でござろう」
兵吾は飄々と笑い、冷たい目で兄を見やった。
「のう、兄上? ――兄上も、若い時分から香代どのに懸想しておったではないか?」
とたん、弥太郎が表情をこわばらせた。
「ひ、兵吾。お主、なにを……!」
「せっかくなら、スレた婆ぁでも能面の許嫁でもなく、かわいいおなごに筆下ろしを願いたい、とかなんとか言っていたなぁ……」
ゾッ、と香代の背中を悪寒が走った。
吉夜が刀を引き寄せた。弥太郎が「兵吾っ!」と裏返った声で弟をたしなめる。二人の男の威圧を気にもせず、兵吾はへらへら笑っている。
「あのときは、残念だったよな。いいところまで行ったのに、探す奴らの声が聞こえて兄上がびびっちまってさぁ。先に逃げ出したのは兄上なのに、帰ったらまぁ怒り心頭で……俺はボコボコに殴られたっけ」
(やっぱり、あのときの二人組は……)
十年前。闇に近づく森の中。香代を組み敷いた二人の男――
吐き気がこみ上げ、うつむいた。喉にありもしない唾を飲み込む。ぐらぐらと視界が揺れる。ぎゅっと目を閉じてやりすごそうとしたとき、震える香代の手を、大きな手が包んだ。
香代が目を開くと、そこには気遣わしげな吉夜の顔があった。
(大丈夫……今は吉夜さまがいる……)
夫婦の視線のやりとりを、兵吾の哄笑が遮った。
「っははははは、そうだ兄上、覚えているか? あのときの兄上……イチモツをおっ勃てたまま、俺のこと殴ってたよな! ちっとも収まんねぇって怒ってさ……!! よっぽどあのとき、香代どのに突っ込みたかったんだろうなぁ!!」
兵吾は腹を抱えて笑うと、嘲笑を顔にはりつけたまま、兄に一歩近づいた。
「なあ兄上、いい機会じゃないか」
見下ろすように弥太郎に声をかける。
「ここで蓮本殿に頼んでみたらどうだ? 一度くらい、試させてもらえるかもしれんぞ。なにをしても反応しない嫁なんざ、抱いてもなんの面白みもない、爪の先ばかりでも香代殿のかわいさを分けてもらいたいもんだ、とぼやいていたのは二度や三度じゃきくまい。ちょうどここに、蓮本殿も夫婦で揃っているんだ、女の悦びを教えるのが男なのと同じく、男の悦びを教えるのは女にしかできまい。このまま爺いになってひからびるのはあまりに悲しかろう……蓮本殿の懐の広さを見込んで、のう」
「っ、兵吾ォ!!」
怒りのあまり真っ赤になった弥太郎が、憤怒の表情で弟を怒鳴りつける。
兵吾は怯むことなく、兄の叱責を笑い飛ばした。
「自分のことを棚に上げて、俺を売りとばそうだなんて勝手を許すわけがねぇだろう? はっ、頭もねぇ、意気地もねぇ、ただ弟を怒鳴るしか能のないアンタが、この家の家督を継ぐことがそもそもおかしな話だ。俺の方がよほど藩の重臣に相応しいのに、父上も何を考えてるんだか」
兵吾は興味を失ったように兄に背を向け、吉夜に向き直った。
「なあ、蓮本殿。江戸を知っているお主には、こんな田舎藩はおもしろみもなかろう。今からでも縁組を破棄して帰らぬか」
「お前ェに口出しされる謂れはねェ」
答える吉夜のみけんには、青筋が浮いている。初めて見る夫の怒気に、香代も怯んだ。
兵吾は面白くなさそうに鼻を鳴らし、今度は香代に目を向ける。
「ほんっと、羨ましいもんだなァ。まだ十五にならない頃でも、そそる身体だったんだ。熟した今はさぞかし――」
「それ以上言えば斬る」
吉夜の低い声と共に、刀の鍔を切る音が響いた。
兵吾は口の端を引き上げる。
「斬りたきゃ斬れ。首一つになっても噛みついて、道連れにしてやる」
その目に狂気が滲んでいる。香代は恐怖に息を飲んだ。
「こんな田舎に、あんたみたいな男が現れちゃ、さすがに俺も勝ち目はねぇ……どれだけ叩いても出て来ねぇ埃を作ってやろうと思ったらこのザマだ……しかもハシゴを外すのがクソ兄貴だなんて、寝覚めの悪い夢もあったもんだ」
兵吾はひとりごちて、けどな、と開き直った口調で続けた。
「それでも、父上は俺を切り捨てられない。母上に取り憑いた狐は、俺のことを嫌って逃げるからな。俺さえいれば十和田家は安泰ってわけだ。――今回はえらく長くかかったが、読経してた坊主も、控えてた医者も帰された。母上の床上げももうじき……」
「――いい加減にしろ、兵吾」
低い声と共に、すっ、と戸の開く音がする。
弥太郎と兵吾が、はっと息を飲んだ。
「……父上」
「どうしてここに……」
家の主、十和田兵右衛門が、けわしい顔でそこに立っていた。
家の中に、以前漂っていた焼香の香りはもうない。
和尚がお役御免になったと聞いたから、香は焚いていないのだろう。
すぐに、ふたりを呼び出した張本人が現れた。
十和田兵右衛門の長男であり嫡男の弥太郎だ。
弥太郎は兵吾よりも小柄で、おとなしそうな男だった。香代と吉夜の前に腰掛けるなり、目も合わせずに頭を下げる。
香代はうろたえたが、吉夜は落ち着いたものだ。「顔を上げられませ」と静かに言った。
「怪我人ふたりを呼びつけて、初ッぱなからその態度とはいかがなものか……まァ、要件はあらかた分かっちゃいるが」
「……申し訳ござらぬ」
「謝ってもらいたくてわざわざ足を運んだわけじゃねェ。引き渡すもんを引き渡してもらおう」
吉夜の口調は珍しく江戸っ子のままで、苛立ちが感じられる。
弥太郎は胸元から何かを出して、「……これに」と膝の前に滑らせた。
「あ――」
香代は思わず声をあげかけ、両手で口を押さえた。そこにあったのは吉夜からもらったお守りだ。
(燃えてしまったものだと……)
香代が唖然としたのと同じく、吉夜も拍子抜けしたらしい。弥太郎とお守りを見比べて眉を寄せる。
「……これを、どこで」
「……庭に」
弥太郎はため息まじりに答えた。
「土を掘り返した跡があり……呪詛の類いかとさらってみたら、それが」
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「拾いものを庭に埋めるたァ……犬のやる所業だな」
吉夜は舌打ちをして小袋を手にし、自分の袂にしまった。
(よかった……)
香代はそれだけでも嬉しくてほっとした。涙すら浮かんだが、吉夜の視線に気づいてどうにか耐える。
「……それで? まさかこれだけのために俺たちを呼んだわけじゃねェだろう」
「……」
弥太郎はまた何も言わず頭を下げた。
「……この度、貴殿らの周りで起こった出来事の数々……お忘れいただくことはできまいか」
「無理だね」
吉夜はあっさり一蹴した。あまりの即答に、香代の方がぎょっとする。
「……吉夜さま」
「俺が女を孕ませたってェのは、根も葉もない噂だから忘れてやってもいい。が、妻とその兄貴が襲われたのは話が別だ。きっちり落とし前つけてもらおうか」
「……落とし前」
弥太郎が目を上げる。吉夜はああとうなずいた。
「お前さんの弟を差し出せ。――俺がぶった切ってやる」
吉夜は置いた鞘を手にした。かすかな鍔鳴りの音が聞こえる。
声と表情から本気だと分かり、香代の顔から血の気が引いた。
吉夜は構わず、冷笑を浮かべて弥太郎を見据えている。
「安心しろ。人を斬ったことはないが、藁の束を一刀両断する程度の腕はある。無駄な抵抗をしなければ苦しまずに逝かせてやらァ」
「……それは……」
弥太郎が目を泳がせた、そのときだった。
がらりと戸が開いて、当人――兵吾が姿を現す。
「……これはこれは、蓮本殿。少し見ない間に人相が変わられましたな」
兄の姿が見えていないかのような態度で、兵吾は中に入ってきた。
目の前に立たれた弥太郎がは物言いだげな目を向けるが、一向気にする様子はない。
「……おかげさまでな。男ぶりが上がったろう?」
吉夜が挑発に応える。
兵吾はふんと鼻を鳴らして、香代を見た。
「……っ……」
蛇のような目がまた恐怖を思い出させた。香代は唇を引き締めて目を逸らす。
兵吾が笑う。
「……御新造におかれては、相変わらずお美しい」
吉夜が眉を寄せた。香代はうつむくまいとしつつも、執拗な兵吾の視線に顔をさらすのが嫌で身動きが取れない。
「白い肌に、濡れたような黒髪……その上従順と来ては、手にした男はもう手放せまい。せっかく同じ町に暮らしていたのだから、一度くらい味わってみたかったものだ」
吉夜が殺気を帯びたのが分かった。香代は不安を感じて夫を見やる。
「――そう怖い顔をなさるな。ただの戯言でござろう」
兵吾は飄々と笑い、冷たい目で兄を見やった。
「のう、兄上? ――兄上も、若い時分から香代どのに懸想しておったではないか?」
とたん、弥太郎が表情をこわばらせた。
「ひ、兵吾。お主、なにを……!」
「せっかくなら、スレた婆ぁでも能面の許嫁でもなく、かわいいおなごに筆下ろしを願いたい、とかなんとか言っていたなぁ……」
ゾッ、と香代の背中を悪寒が走った。
吉夜が刀を引き寄せた。弥太郎が「兵吾っ!」と裏返った声で弟をたしなめる。二人の男の威圧を気にもせず、兵吾はへらへら笑っている。
「あのときは、残念だったよな。いいところまで行ったのに、探す奴らの声が聞こえて兄上がびびっちまってさぁ。先に逃げ出したのは兄上なのに、帰ったらまぁ怒り心頭で……俺はボコボコに殴られたっけ」
(やっぱり、あのときの二人組は……)
十年前。闇に近づく森の中。香代を組み敷いた二人の男――
吐き気がこみ上げ、うつむいた。喉にありもしない唾を飲み込む。ぐらぐらと視界が揺れる。ぎゅっと目を閉じてやりすごそうとしたとき、震える香代の手を、大きな手が包んだ。
香代が目を開くと、そこには気遣わしげな吉夜の顔があった。
(大丈夫……今は吉夜さまがいる……)
夫婦の視線のやりとりを、兵吾の哄笑が遮った。
「っははははは、そうだ兄上、覚えているか? あのときの兄上……イチモツをおっ勃てたまま、俺のこと殴ってたよな! ちっとも収まんねぇって怒ってさ……!! よっぽどあのとき、香代どのに突っ込みたかったんだろうなぁ!!」
兵吾は腹を抱えて笑うと、嘲笑を顔にはりつけたまま、兄に一歩近づいた。
「なあ兄上、いい機会じゃないか」
見下ろすように弥太郎に声をかける。
「ここで蓮本殿に頼んでみたらどうだ? 一度くらい、試させてもらえるかもしれんぞ。なにをしても反応しない嫁なんざ、抱いてもなんの面白みもない、爪の先ばかりでも香代殿のかわいさを分けてもらいたいもんだ、とぼやいていたのは二度や三度じゃきくまい。ちょうどここに、蓮本殿も夫婦で揃っているんだ、女の悦びを教えるのが男なのと同じく、男の悦びを教えるのは女にしかできまい。このまま爺いになってひからびるのはあまりに悲しかろう……蓮本殿の懐の広さを見込んで、のう」
「っ、兵吾ォ!!」
怒りのあまり真っ赤になった弥太郎が、憤怒の表情で弟を怒鳴りつける。
兵吾は怯むことなく、兄の叱責を笑い飛ばした。
「自分のことを棚に上げて、俺を売りとばそうだなんて勝手を許すわけがねぇだろう? はっ、頭もねぇ、意気地もねぇ、ただ弟を怒鳴るしか能のないアンタが、この家の家督を継ぐことがそもそもおかしな話だ。俺の方がよほど藩の重臣に相応しいのに、父上も何を考えてるんだか」
兵吾は興味を失ったように兄に背を向け、吉夜に向き直った。
「なあ、蓮本殿。江戸を知っているお主には、こんな田舎藩はおもしろみもなかろう。今からでも縁組を破棄して帰らぬか」
「お前ェに口出しされる謂れはねェ」
答える吉夜のみけんには、青筋が浮いている。初めて見る夫の怒気に、香代も怯んだ。
兵吾は面白くなさそうに鼻を鳴らし、今度は香代に目を向ける。
「ほんっと、羨ましいもんだなァ。まだ十五にならない頃でも、そそる身体だったんだ。熟した今はさぞかし――」
「それ以上言えば斬る」
吉夜の低い声と共に、刀の鍔を切る音が響いた。
兵吾は口の端を引き上げる。
「斬りたきゃ斬れ。首一つになっても噛みついて、道連れにしてやる」
その目に狂気が滲んでいる。香代は恐怖に息を飲んだ。
「こんな田舎に、あんたみたいな男が現れちゃ、さすがに俺も勝ち目はねぇ……どれだけ叩いても出て来ねぇ埃を作ってやろうと思ったらこのザマだ……しかもハシゴを外すのがクソ兄貴だなんて、寝覚めの悪い夢もあったもんだ」
兵吾はひとりごちて、けどな、と開き直った口調で続けた。
「それでも、父上は俺を切り捨てられない。母上に取り憑いた狐は、俺のことを嫌って逃げるからな。俺さえいれば十和田家は安泰ってわけだ。――今回はえらく長くかかったが、読経してた坊主も、控えてた医者も帰された。母上の床上げももうじき……」
「――いい加減にしろ、兵吾」
低い声と共に、すっ、と戸の開く音がする。
弥太郎と兵吾が、はっと息を飲んだ。
「……父上」
「どうしてここに……」
家の主、十和田兵右衛門が、けわしい顔でそこに立っていた。
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