君の香に満ちて
わけあって嫁ぎ遅れている下士の娘・香代。
寺に花を生けることを楽しみに、穏やかな日々を過ごしていた。
そんな生活が、見知らぬ男との出会いを機に一転する……
重臣の嫡子に見初められた娘の、恋と香のものがたり。
江戸時代、架空の小藩を舞台にしたTL風時代小説です。
***
「存分に乱れろ。……そのための香だろう?」
「閨で女に噛まれた痕は、男の誉れだ」
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と書くほどの大きなお話ではありません😅
軽く読んでいただければー。
ボェの国の行政機構などについて今回は文中で説明していませんので、他の作品を読んでいない方は本編前の説明をぜひご覧ください。
(わからなくても読めると思います。多分)
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とても心に染み入る、素晴らしいお話でした。
一度読んで、また読み返したのですが、何度でも読みたくなるくらいです。
登場する色々なお香の描写が、まるで実際にこちらにも漂ってくるかのように感じました。
そして、吉夜と香代のキャラクターがとても魅力的で、吉夜は男らしく快活で懐が広く優しく思いやりがあって一途に一人の女を愛し抜く素敵な男性で、香代は過去の辛い経験から男性恐怖症だったが吉夜と出会って真実の愛を知り、トラウマを克服して強くなっていき、凛とした美しさを感じました。
兵吾の執念深さや悪意の塊には辟易しましたし、どうなることかとハラハラしましたが、ああいう結末になってホッとしましたし、何より最終話が美しくまとまっていて清々しい気持ちになりました。
番外編でも続編でも、また香代と吉夜の物語が読めたらな、と期待しています。
宮里澄玲さま
感想、ありがとうございます!
コテコテの時代ものでも恋愛ものでもなく、私なりに挑戦した作品だったので、何の反応もなかったらどうしようとソワソワしていました。
いただいた一言で心底むくわれた気持ちになっています。
とっつきやすく、読後感さわやかな作品を目指して書いたので、少しでもそんな余韻を感じていただけているなら安心しました。
どこかで吉夜視点を入れてもよかったな、と思いながら筆を置いたので、時間ができたら小話でも書くかもしれません。
本当に励みになるお言葉をありがとうございました!
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