無能のレッテル裏返してみたら、実は最強でした 〜ハズレ授能持ちの無能と蔑まれていた少年、ある日とんでもない力に目覚める〜

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第2章 学院編

第20話 学校生活の幕開け

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あれからしばらくして、入学式が行われた。
入学式の後は、各自寮へ荷物運び。基本的な家具は既に設置されているのだが、それぞれ持ち込みたいものはあるだろう。ルイスも、入学式前に購入していた魔術教本や、お気に入りの家具などを運んだ。寮は王立というだけあって、中々広かった。ルイスは一番下のクラスなので、ボロくて狭い寮を覚悟していたが、どうやら杞憂に終わったようだった。


──そして、翌日。
ルイスは学院内の廊下を歩いていた。今日から授業が始まる。昨日は入学式だけだったので、初めて教室に入ることになる。ルイスは教室へたどり着くと、自分の名前が書かれている席に座った。すると──


「──あ、おはよー! 君名前なんて言うの?」


いきなり隣の席の人が話しかけてきた。驚きつつも隣を見ると、短く切り揃えられた綺麗なピンクの髪の少女だった。

「……! え、えっと……ルイス。ルイス・サストレだ」

実はルイス、平然を装っているが、かなり緊張している。

「ルイス君ね。これからよろしく‼︎」
「あ、あぁ。よろしくな、……えっと……」

彼女が手を差し出してきたので、ルイスは握手した。が、彼女の名前をまだ聞いていなかった。

「フェリナ・テニモワール。呼び捨てでいいよ」

そう言ってニコッと笑った。よく見てみると美人だ。これはモテるんだろうな、なんて思いつつ、何となくカーネルのことを考えてしまった。



「──その国は、津波によって甚大な被害を受けました。あ、そろそろ時間ですね」

黒板にチョークを走らせていた若い男性教師は、時計を確認するとチョークを置き、号令を行う。

「ふぅ。お昼休憩だー! ルイス君、一緒に学食行かない? ここのは絶品らしいよ!」

フェリナは両腕を伸ばしてから、ルイスにそう訊いてきた。ルイスは悩んだ。お昼はカーネルと一緒に摂ると約束している。だが、美人からのお願いというものはなんとも断りづらいものだ。どうしようかと頭を抱えていると、フェリナは気を遣ってくれた。

「別に都合が悪いならいいよ!」
「悪い……。今度また誘ってくれ」

フェリナも一緒にいいか、昼食中に訊いてみるか。



学食は凄まじい混み具合だった。今日は最初の昼休みなので、まだ学食に行った事のない新入生たちが多く来ているのだろう。現在ルイスとカーネルは長い列に並びながら新しい学校生活について話し合っていた。

「授業難しかったな。勉強めんどくせぇ……」

ルイスが気怠そうに呟いた。カーネルはそんなルイスの様子を見て、やれやれ、とため息を吐く。

「分からないところは私が教えてあげるわよ」
「助かる……」


ルイスとカーネルはそれぞれ注文し受け取ってから、ちょうど空いた二人席に座った。

──と、その時。



「あれ? あー、そーゆーことか! 既に予定してたって訳ね! やるじゃん、ルイス君!」



ピンク髪の美少女が話しかけてきた。
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