衣食住に満たされた異世界で愛されて過ごしました

風巻ユウ

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三柱の世界

世界滅亡のお知らせ

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 キャー!のび○さんのエッチぃ!のような可愛らしいビンタではなく、魔法で強化した強烈なストレートをかましたので、ルークスさんは勢いづいて脱衣所のドアに激突。そのままドアの蝶番もブッ飛び、扉ごと廊下へと彼は倒れ込んだ。
 思ったより威力があったようである。ルークスさんはピクリとも動かない。
 まるで屍のようだ。

 私は濡れた体をふわふわバスタオルで拭いてから部屋着に着替えた。
 部屋着は上下灰色のスウェットである。
 着替えが終了した頃にルークスさんが起きだしたので、そそくさと逃げた。
 犯人は現場を足早に立ち去るのみ。
 ルークスさんのあの様子なら、しばらくボーとしててくれてることだろう。
 記憶も吹っ飛ぶ勢いで殴ったから、都合よく風呂上りにばったり映像は脳内から消去されてるといいな。と、浅はかな思いを抱きつつ怪我の手当をするために救急箱を手にする。救急箱は実家から届いた荷物に入っていた。

 この世界にいきなり飛ばされたけれど、実は後から実家からの荷物が頻繁に届いている。最初の一回目はハンコ押さなくても大丈夫なのかなあとズレた心配をしてしまったが、二回目からは「私って何を送ったっけ?」と中身の心配ばかりをするようになった。
 荷物は十箱くらい一気に送ったはずなのに、こうして小分けに届くのはなんでだろうね。そのへんも不思議。

「ルークスさん、こっちこっち、ここ座って下さいよ」
「…あ、ああ…私はなにがどうしてあそこに倒れてたんだろう?」

 首を傾げつつリビングに来たルークスさんを呼びソファに座らせる。
 その左頬にはくっきりと私のグーパンチ型が付いていた。
 そして案の定、記憶に混乱をきたしているようだ。しめしめ。

「そんなことより首の怪我、手当しますね」

 私のパンチングにより怪我どころか首筋も痛めてそうである。まとめて手当しよう。有無を言わさずルークスさんの顎を上に持ち上げ首を出してもらい、そこへ、食品用ラップを貼り付けた。ラップには稲森家秘伝の手作り軟膏が塗ってある。
 秘伝だからして中身は私も知らない。これを首回りぐるっと一周、傷口の上に貼り付けたのだ。更に上から包帯で巻いて固定して出来上がり。これぞ稲森家伝統の、湿潤療法である。同じように左頬の腫れにも軟膏を塗ったラップを貼り、その上からガーゼして医療用テープで固定してあげた。

「異世界の治療法か?なんか首回りに違和感があるんだが…」
「我が家伝統の治療法です。塗布した傷薬にはメントール成分が含まれてるみたいですね。だからスースーすると思います。効いてる証拠だから気にしないでください」

 成分の中身を気にしたら負けだ。
 知っているのはセイボリーが入ってることくらい。だから清涼な香りがする。

 私だって幼い頃から怪我したらこの手作り軟膏を塗りたくられた。効果はまあ、痛くはなくなるし怪我も早く治るかもしれない。それから何より傷痕がなくなる。

 これには実体験があって、幼稚園児だった頃、友達と一緒に手を繋いでいて一緒に転んで一緒に膝を擦りむいたことがあった。お互いにお互いの家で治療を受け、後日、傷跡を見比べてみたところ、同じ程度の怪我をしたというのに私の傷痕の方が綺麗に完治していたのだ。これには幼い私もびっくりだった。私の膝小僧の方がつるつるで、友達も羨ましがっていたもんだ。

 どうしてこんな秘伝まる秘とつくような軟膏が我が家に伝わっているかというと、お爺ちゃまが旅の格闘家だったからである。ストリートでファイトしてた系である。聞きかじりだから本当のことかどうか知らないけれど、武者修行時代に手に入れた軟膏レシピが基だという。道場を興し嫁を貰い、傷の絶えない人生のお供にと良妻賢母なお婆ちゃまが既存のレシピから改良して完成させたのがこの薬とかかんとか。

「そうか。ありがとう」
「どういたしまして」

 と、なんでここでまた抱き締められてるのかね私は。
 こう何度も同じことされるとまるで私に危機感が無いみたいだけど…そうなんだろうね、きっと。

「あの…私、スウェット女ですよ」
「どういう意味だ?」
「この姿もっさいでしょ」

 そう言って灰色な部屋着を見せつけるように上着を引っ張ってみせたが、

「とても愛らしい姿だと思っているが」

 ルークスさんにはイマイチ伝わらなかったようである。非常に残念だ。

『はいはい。いちゃこらは後でね。早いとこ食事にしましょう』

 ぱんぱんとアザレアさんが手を叩いて気がついた。
 しまった。お手伝いしそびれたよ。アザレアさんに食事の支度を全部やってもらってしまったことを侘びながら、私はダイニングの席についた。

 今夜のメニューは、今まで海の幸三昧が続いた反動からか、山の幸づくしだ。
 山芋のチーズ焼きとか超旨いんだけどどうしようこれ。
 メインは雉肉のグリル。香り高いキノコのソテーが添えられていて、これもとてつもなく美味しい。このキノコたちはどういうキノコなのだろう。
 一種類だけじゃなくて何種類も混ざっていて、分かったのはマッシュルームくらいだ。他のもアザレアさんに名前聞いたんだけど知らないキノコ名だった。
 この世界の言語は私の耳に入る時点で自動翻訳されており、地球に存在しないものは翻訳できずにピー音が入ったりする。
 でもキノコ名を聞いたときにはきちんと翻訳された言葉だったので、地球にも存在するキノコなのだろう。ただ私が知らなかっただけで。

 ん~しかしアザレアさんの料理の腕はピカイチですな。
 ルークスさんも黙々と、どの料理も残さずに食べている。本当に美味しいもの食べた時って、舌が勝手に味わうから無口になっちゃうんだよねえ。わかるわかる。
 皇族で美味しいものいっぱい食べてそうな彼の口にも合ったようで何よりだ。

「そういえばアザレアさん、ストーカーに狙われてるんですよね」

 食事の後、私が淹れたコーヒーを皆で飲みつつ、実家からの荷物に入ってたクッキーをつまんでたら、ふと思い出した。アザレアさんを付け狙って戦争まで起こしちゃった変態ストーカーがいるってこと。

『ん?フルオラ・ナビルミのことかしら?』
「名前は知りませんが、そんなのがいるってルークスさんから聞きました。町で襲われなかったんですか?心配してたんですよ」

 今更の話題でごめんよアザレアさん。確かに心配だったんだよあの時は。
 でもね、破廉恥な金髪野郎に流されまくって忘れるとこだったとは口が裂けても言えない。だから心でごめんなさい。

『まア~ありがとうね。でも心配するこっちゃないわよ。アイツには私が降臨したことバレてるとは思うけど、今のとこ襲われてないわん』
「そいつが戦争の引き金を引いたとも聞きました。警戒した方が良いと思いますけど…」
『そうなのよねえ。アイツ私が欲しいらしくて…私を捕まえるために、開戦前に聖霊王国の回りを囲むよう各国首脳へ根回ししやがったりしちゃったのよ』

 なんてこった。聞く限りじゃそのストーカー野郎は、アザレアさんに執着するあまり聖霊王国を滅ぼしたようなもんじゃないか。
 聖霊王国は小国だけど、聖霊という特殊な存在や勇者が建国した王国だということで、世界中の国々から一目置かれていたそうな。
 聖霊においては神聖視され、聖霊と交われば魔力の強い子が生まれるともいわれ、世界中で崇拝の対象であったはずなのだけど中には度が強すぎるやつもいたということだろう。
 それがフルオラ・ナビルミ。こいつの正体は誰も知らない。
 人に尋ねれば売人とも、呪師とも、錬金術師とも、はてまた宗教家とも噂されている謎の人物なのだそうだ。特に今回の戦争の引き金を引いた出来事から、"扇動者"としてどの国でも要注意人物にされてるそうな。いっそ全国指名手配犯にでもしてしまえ。と思わないでもない。

 多くの国々を渡り歩き、それぞれの国の貴族やら身分の高い人物へと取り入り、様々なコネクションを持っているというフルオラ・ナビルミ。
 聖霊が消えていく事件が起こった時、真っ先にこいつが疑われたらしい。
 そりゃそうだ。こいつ怪しいもん。つかクロだろこいつ。

「聖霊様が狙われている理由はなんですか?未だに他の聖霊様方は姿を現しません。貴殿だけがこうして降臨しておられるのも疑問です」
『あ~そっか。アンタには言っておいた方がいいわね。ハツネちゃんのことが心配なんでしょう』
「無論です。ハツネ殿は傍から見れば聖霊様の伴侶だ。かの"扇動者"もそう思っているはずです」
『今のところアイツが狙ってるのは私だけよ。でも目的の為なら手段を選ばないやつだから、ハツネちゃんを邪魔に思えば消しにかかるわね』

 まぢすか。変態に狙われるのはそこの金髪野郎だけで十分だよ。

『幸い、この家は良い隠れ蓑になるわ。アンタのスキルでも見通せなかったんでしょ』

 ふふん、と勝ち誇ったようにアザレアさんが言うもんだから、ルークスさんは罰の悪そうな顔で、それでいて悔しそうにしていた。
 アザレアさんルークスさんの【目】に気づいてたんだね。
 つーか、あんたらは仲が良いのか悪いのか…。多分だけど男の友情でも芽生え始めたっぽいよね。片方オカマだけど。

「それで、狙われてる理由は何ですか?前に聞いた話だと聖霊が消えていく事件は突然起こったみたいな、お茶を濁したかんじでしたけど…本当はアザレアさん犯人を知ってるんですよね。というか、犯人はフルオラ・ナビルミとかいう変態ですよねえ」
『正解よハツネちゃん。あの変態ったら、私を狙うだけじゃ飽き足らず聖霊王国にいる聖霊たちの魔力を奪っていったわ。アイツが狙ってるのは聖霊に宿る魔力なのよ。私は当時いた聖霊の中で一番力が強かったから真っ先に狙いに来ただけの話よん』

 さり気なく俺最強TUEEE宣言だね。まあ、アザレアさんが聖霊の中でも規格外ぽいのは気づいてたから特に驚きもない。聖霊ボックスの容量も多いし、他の聖霊たちが消えてく中で最後まで残ったのも実力だろう。

「…ならば、聖霊様を"扇動者"に渡せば万事解決ですな」

 ルークスさん爽やかに言い放つ。それは言っちゃなんねえよお。
 あんたさっきアザレアさんにディスられたの根に持ってるでしょ。

『言ったわねん。アイツがどうして聖霊の力を集めてるかご存知かしら守護騎士ルークス。今、アイツが何をしているか知っていれば…私の魔力が奪われた暁には、この世界にもっと残酷なことが起こるわよ』
「もっと残酷なこと…………」
「…何が起こってるんです?」

 心当たりでもあるのか、ルークスさんが押し黙ってしまったけど、私は詳細を聞きたくて説明を促す。

「…今回起こった大規模な戦争もそうなのだが、"扇動者"の口車に乗った各国の重要人物たちも小競り合いをしている。ある国では王位を巡って、ある国では市民が革命を、またある国では奴隷蜂起が起こっている」

 それぐらいなら地球でも起こってる。
 小さな小競り合いが大規模な紛争や世界大戦になってしまうことも歴史で習った。
 ただ、いち扇動者がこれ以上の残酷なことを起こすというのはどういうことなのか、平和な日本に暮らしてた私にはいまいち想像がつかない。

「小競り合いの起こっている国々では必ず"扇動者"の影が残る。私はその影を【目】で追って"扇動者"の情報を収集しているんだ」
「影ってのは例えですよね?」
「いや、なんというか…本当に黒い影を残すんだ。それが何なのかはさっぱり分からない。解明も進んでいない」
『その影ってやつが聖霊の成れの果てよ』

 え?!アザレアさんがぶっこんでキタアアアア
 聖霊の成れの果てとか不穏極まりないよそれええええええ

「まさか…!あの、巨大な黒岩の塊が?!」

 実際にその成れの果てとかいう影を見たことがあるルークスさんも、かなり驚いている。影というのは比喩表現だったのか。実物は巨大な黒岩の塊ってことでファイナルアンサー?

『アイツは聖霊の力を集めて巨大な一枚岩モノリスを建造してる。それぞれの国に置き土産して、最終的には蓄積させた聖霊たちの力を解放するつもりよ』
「その情報はいったいどこから」
「解放された力はどうなるの?もしかしてそれ爆発するんじゃない?!」

 私はルークスさんの台詞を遮り、勢い込んでアザレアさんに質問をぶつけた。
 だって聖霊の力って強大な魔力なわけでしょ。それを溜め込んで解放するって、圧縮したエネルギーを一気に解き放つイメージしかわかない。それって爆弾じゃん。

『もちろん爆発するわ。すべての一枚岩モノリスが解放されれば世界が更地になる。世界中の国や人、生きとし生ける物が滅亡するわね』

 がーん。どえらいこと聞いちゃった。
 そしてとんでもない世界に来てしまったと改めて認識したのだった。
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