ダンジョン鬼ヶ島には変なやつばっかくるぴえん

風巻ユウ

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桃野郎が君臨するぞ編

98、呼んでよ切なげに**

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「あむぅ……ん、桃、じゃなくてタオジン・ユア」
「タオって呼べ」
「んじゃ、それで……んふ、ちゅ……、んん、少し、しゃべらせろ、吸いつくな」
「なんだ? 俺とのキス、思い出したか?」
「いや、そっちじゃなくて……ああっ」

 桃野郎ことタオジンの手が下の方に伸びる。
 俺の鬼棒、さっき暴発したおかげで萎えていたけど、湿り気を帯びたそこは温かい手に包み込まれて再び膨らんだ。
 つまり勃起した。
 少し扱かれただけなのに勃つとは本当にチョロいヤツ。

「思い出せないなら犯す」
「え、元からギラついてたくせに」
「合意でやろうと思っていた」
「え、嘘だ。俺のこと無理やり一回イかせたくせに」
「だからもう、聞かない。お喋りはここまでだ黒鬼」
「ひ​────んっ」

 俺の鬼棒を持って舐め出したタオジンこの野郎やっぱ桃野郎。
 先端を舌でツンツン、ペロペロ、ソフトクリームを食べるように舐め回す。

「ふやぁぁ、あ、あ、あう、これ、いい……」

 ううー、巧いじゃねえか。肉厚な舌の感触が敏感な突端をコスコスする度に、俺の腰は勝手に揺れてしまう。
 更に舐め舐めだけではなく、口の中にパクッと入れられた日にゃ、口蓋に挟まれ身動きとれなくなった鬼棒は、強引な舌責めの刑に処されて涙を流し始めた。

 またイきそうになったけど耐える。
 零れた涙は先走りってやつ。

 桃野郎の喉は時折にゴク、ゴクッて嚥下して動いている。唾液を飲み込む音だと思いたい。
 それでも淫らな音だと認識して体は熱くなるのだが。

 なんとか再びの暴発の欲望を抑え込んだ頃、桃野郎が顔を上げた。

 潤んだ瞳で睨み返す。

「可愛い」って微笑まれた。

「はああ?! おま、ちょ──ヒィ」

 尻の孔に指を入れられる。急だなオイイ! 
 そのまま、ほじほじ。窄まった穴は思ったより丁寧な手つきで掘られてゆく。
 ゆっくりと人差し指だけを回したり引いたり。同時に前も弄りながら解すので不快感もなく、逆に気持ち良いと思う。

 丹念に後ろの蕾を綻ばせてくれるタオジンの桃髪に触れ、指で梳いた。柔らかい髪だ。意外と線細いな。

 クチュクチュッ……と、凸と凹が出会った下半身からは絶え間なく水音が聞こえる。滑りよくするために何かを塗り付けたらしい。
 何かのアイテムを使った気配はなく、勝手に桃野郎の手の平から生み出された粘液のようだ。

 桃果汁かな? 頭パア状態で適当なことを思った。

 粘液が塗られてから、尻孔のヒリつきは彼方へと飛んだ。逆に送り込まれる性感刺激に「ぁ、ぅぁ、ぁ」俺の体が痺れていく。

 懇切丁寧に柔らかくされた俺の後腔。そこに桃野郎が雄根をくっつけてきた頃には、すっかりめろめろ。入れられるのを待ち侘びて、体が熱く火照っていた。

「…………」
「ひぅ……、う、ぅぅー」

 無言で入れられる。俺の中、タオジンの立派な桃棒に割り拡げられていく。
 指なんかと比べ物にならない物量が初めての隘路を広げ、そこで止まる。

「痛いか?」

 どうやら気遣われているようだ。穿孔をほぐすのも時間をかけてくれたし、案外こいつ可愛いとこある。

「痛くはない」

 広げられている違和感はあるけど、乾いて擦れてもいないし、むしろ弾力を保ちつつも柔らかで今にも亀頭すべてをぱくんと飲み込めそうだった。
 脚を左右に割られて腰を上げると、俺の反ってしまった鬼棒バナナの向こうに結合部が見えた。

 初めて飲み込まされる異物なのに、なぜか美味しそうに涎垂らして咥えている俺の尻アーナちゃんめ。チョロいヤツだよ、おい。

 タオジンの野郎も結合部をじっと見つめていた。何ぞ感慨深いことでもあったのだろうか。

 ゆるゆると腰を動かし始めた。
 俺は甘やかな刺激を感じ取って「あっふ、ぁぁ……」って喘いでいた。

 逞しい物の先っぽが出たり入ったりするだけでゾクゾクする。それが
 不快ではなく快感だと思ったら、後はもう快楽に飲まれていくだけ。

「ぁふっ、ぅふっ」

 徐々に結合が深まる。俺の中が慣らされていく。桃野郎の形に……。

 ぎゅっと眉根を寄せ、知らない内に目尻に溜まっていた涙を、ぽろぽろ零した。

 気持ち良くて変になりそうだ。初めてなのに。無理やり強要されていることなのに、どうして……。

 薫る桃の匂いは相変わらず。これに抗えないから仕方ないと諦め、強引に開かれた体は素直に桃臭のする欲棒を奥深くまで迎え入れた。

「あー、ああっ、ン、あ、ああぁっ」

 ずぷずぷっと腰を進めて来やがった。
 俺の体は内側に屈折した状態。桃野郎の両腕の中に抱え込まれ、がっちりホールドされたまま激しく揺さぶられる。

 激しくされる前、獲物を弄ぶように小刻みなストロークを続けている内は、俺の角や頬や髪を撫でたり、指腹で顎から唇をなぞり流した涙さえ拭ってくれていたのに、ホールドされてからは容赦なく突き込まれ、俺の息は絶え絶えだ。

 ひぃん、ちょい待てよ。挿入時は気遣いを見せていたお前、どこいったよ!?

 組み敷かれ、両腕は抑えられての種付けプレス真っ最中、俺の視線は当てもなく彷徨う。涙で溢れた視界は一秒たりとも俺を犯す野郎の顔なんざ映しちゃいない。

 荒い息が耳元で聞こえる。息の合間に「黒鬼……、黒鬼……」と俺を呼ぶ声がする。

 そんな切なげに呼んでおきながら、俺を性の捌け口にするんだな変態桃野郎め。

「ふぅ、ぐす……」

 涙でぐしぐしする鼻粘膜もう限界。
 せめてもの仕返しに肩を噛んでやった。
 背中にいっぱいひっかき傷つくってやった。
 ついでに噛んだ後は洟つけてやった。
 お前の肩びちょびちょだからな。ざまあみろ。

「黒鬼、可愛い……」

 汚してやったのに嬉しそうな顔すんな変態め。

「俺の名前、呼んでくれ黒鬼」

 無茶ぶりされた。
 めっちゃ腰振りながら言われても、俺の口からは「あーあー」とか「うーうー」くらいしか出ない。

「イク時にも、呼んでくれ」

 いやいやだからさ、無理だってば。相手の名前を呼びながら絶頂とか難易度高いから。
 ただでさえピーチスメルで頭パアなのに、会ったばかりで合体強要してきた相手の名前を呼べとか絶対ムリ。

「っ、出る、」

 それよりも何よりも、こいつが先にイク方が早かったけども。
 こいつのちんちんチョロくね?

 桃野郎が放った精を受け切ってから、目を瞑る。

「おやすみだバーカ!」
「ハァハァ……黒鬼?!」

 目を閉じた後も、やつの焦った顔が瞼に焼き付いたので、満足だ。

 マジ寝るから。ぐう。
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