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桃野郎が君臨するぞ編
88、進撃してピーチスメル*
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「その桃臭って俺にも効くと思う?」
「少量なら鬼には効かないと思うわよ。それにもう、この辺のは全部、私が吸い取ってあげたわよ♡」
わあ、メイさんめちゃ頼りになるう。
あ、でも、メイさんには避難指示を出しておいたはず。
臣下淫魔や天使たち、特にジェイラルとジェミアル親子と逃げろって言っておいたのに、どうしてここに居るんだ?
「天使たち、み~んな残って冒険者たちの避難誘導してるわ。うちの家臣たちも同様、ね♡」
「えっ、天使は偽体じゃないから逃げないと……シーラとルディナも、中級モンスターじゃ、やつには勝てないし」
「大丈夫よ。荒らしとはいえ、攻撃しない者や明らかに格下のモンスターには手を出していないじゃない。こっちから攻撃しなければ安全よ♡」
「確かに、そうだけど……でも、何かあったら」
避難中に何かあってもいけないと思って、低級モンスターたちには食人鬼のエスプーサとモルモも付けている。
俺との通訳にも役立ってくれるけど、こういう時、意思疎通できる上に強い高級モンスターである食人鬼たちは、とても頼りになる。
メイさんも、そうだ。普段だって臣下淫魔たちを連れて自主的にダンジョン内を警邏してくれている。
天使たちも、俺が細かく指示しなくてもジェイラルと、後から合流したディプタスも一緒に指示系統を整えてダンジョン内の物販と流通とを取り仕切ってくれている。
皆の働きっぷりには本当にいつも感謝しているのだ。
「ありがとうシオくん♡ ダンジョンマスター様、私たちは貴方に想ってもらえて幸せだわ。だからこそ、私たちも貴方を守りたいの。自主的に残っている子たちは自己責任よ。気にしないで♡」
「ダンジョンマスター略してダンマスよ、わしも同じ思いじゃぞ」
バッケン爺ちゃんまで……。
「ここは、わしの隠居ダンジョンじゃ。好き勝手されては堪らん。して、やつは今どこじゃ? フロストの小僧を倒してから、第六階層へは降りたじゃろ」
黒画面を見る。荒らし野郎の現在地は第六階層アイレン区か。
第六階層へ降ると、ランダムにどれかの迷路に飛ばされる。そこから時計回りに進んで行き、最終的に必ず真ん中の橙鬼区へ辿り着くようになっているのだ。
ボスの妖精たちは担当区に居るとは限らないので、本来だったらボス妖精を探しながら迷路を踏破しなければならないが……。
「あやつ、迷路なんぞ無視か。壁を壊して突き進みよるな」
そうなのだ。妖精どころか迷路の壁さえ無視で、一直線に橙鬼区の城を目指している。
迷路の壁って、あんなにあっさり壊れるものだっけ?
かなり頑丈に造られた上で『不壊』の魔法もかけてあるはず。それを壊すだなんて……。
どこまでも非常識なやつだ。
「てめえ、コラ! 俺が丹精込めてつくったラブホテルを壊すんじゃねえよ! 肉壁も堪能しやがれコンチクショウがっ」
あ、馬鹿シレノス、出て来たら駄目じゃないか。
おそらく、荒らし野郎が最初に降り立ったのはシレノス区で、そこからラブホ壊しながらアイレン区に渡ったところ今ココってやつだな。
「酷いよ酷いよ! 僕が育てたお花の壁も壊してさ! 何様のつもりなの! 行け、シレノス! お仕置きしちゃええええ」
自分では動かないのがアイレンなのは知っていたけど、そうじゃない。
お前も出てくるな引っ込んでおけ。と、忠告しようとしたら、二人ともあっさりヤられてしまった。桃臭ことピーチスメルを嗅いでしまったらしい。
「ふや~ん、変な気持ちぃぃ」
「おいコラ、やんぞ、やりたくてやりたくてたまんねえぞ。よっ、と、おおっふ、おりゃあアア……!」
「やあぁぁんんいきなり激しすぎいぃ壊れちゃうぅぅんん」
一瞬の内に、目も当てられない18禁BL風景が広がってしまった。
ピーチスメルやばい。妖精にも効くとは、どんだけチートなんだ……。
「よし、わしが出ようかの」
「早まるなバッケン爺ちゃん。その年齢で初体験は不味い」
「何を言うとる。わしは永遠の攻めジジイじゃぞ」
いや、そういう問題でもなくて。俺がそういう話題を出したのが悪かったな。でも、やっぱりそういう問題じゃねえかな? ピーチスメルを嗅いだ者は等しくホモォしてしまうわけだからして……。
「ならば、単独行動が吉じゃて。カップルでおったらアーッなことになるんじゃろ」
「いやいや、カップルじゃなくても催淫効果あるんだってば。でだ、あいつ普通に強いんだよ。ピーチスメルなくても最強チートなんだぞ。強さ天元突破して爺ちゃんの百倍は強いからな」
「さすがに百倍は無理ねえ~諦めなさいな♡」
「ぬう…………」
メイさんにも諭されて何とかバッケン爺ちゃんの行動を止めたが、放っておけば何かしでかしそうなのは明白だ。
お年寄りのくせに行動力ありすぎだろ。
うちに隠居して15年くらいになるけど、ちっとも隠居してない。孫を蹴落とすことしか考えていないらしく、ダンジョンで研究したことをせっせと論文にまとめて本国へ送るのは勿論、メンドイ村のことや派遣されてきた魔導士の素行も全て報告して孫を追い詰めているという。
この間、自慢げに語ってました。
そんなバッケン爺ちゃんには橙鬼のお手伝いをお願いしようと思う。
橙鬼の様子を黒画面モニターで探ったら、橙鬼区の城塔てっぺんで不敵に笑うやつがいた。
橙鬼である。
紛うことなき橙鬼だが、修羅を潜った野武士っぽい顔つきになっている。この短い間に何があった橙鬼よ……。
傍にはタモンとエル君もいるようなので少し安心。二人とも正体は天使だ。偽体は持たないけどエル君は超絶賢いしタモンは俺が幼いエルセス君に持たせたチートアイテムの数々を使いこなすことができるだろう。
いざとなっても元よりBLカプだから、そこも安心。
問題は橙鬼だ。
やる気……いや、殺気に満ちている。
渾身の『ぼくがかんがえたさいきょうのしなりお』がシカトされて腸煮えたぎっている。わかる。俺も橙鬼に短時間で初攻略された時、シナリオスキップされたのかと思ったらめたくそ腹立ったもの。
気持ちは分かるが無茶して欲しくない。
あいつ、ここに来た当初だって迷走して短期間の内に三回も帰省していた前科があるのだ。追い詰められたら何をしでかすか分からないのが橙鬼というやつである。
そんなことをバッケン爺ちゃんにも説明しつつ、無謀なことしがちな橙鬼のサポートを頼んだ。
「ええぞい」
うっきうきわくわくなバッケン爺ちゃん。
俺はというと、第六階層の真中に聳える城塔へ移動魔法陣を展開して爺ちゃんが消えるまでを見送り、そっと息を吐く。
「お疲れねシオくん♡」
「メイさん……でも、休んではいられない。こうしてる間にも、あ、キングたちが」
カーディス区のモンスターたちのまとめ役、キング・オルグハイとキング・ウルクハイが荒らし野郎の前に立ちはだかった。
「相変わらず、あの子たちったらムッキムキね♡」
淫魔なメイさん、キングたちの評価をしながらも膝に寝かせていたフロストの腹筋を触る。
映像をオカズに現物を触るというお得感満載の所業だね。
「ぅン」って身を捩りだしたフロストは、淫魔の手管によってどんどんと発情していき、股間には立派な富士山が聳え立ったのだった。
せっかくピーチスメルは抜けたのに、淫魔に手をつけられてしまえば意味ない。
それ、どうする気だろう。
「んまっ、素敵な魔羅♡」
お口でジュポジュポやり始めた。いかがわしいお店のサービスかな。
「ぁぅ、ぁ、ぁ、ぁー」
眠りながら搾り取られるフロストが全身を震わせ身悶える中でも、淫魔の口撃は止まらない。
ぢゅっ、ぢゅ、ぢゅるるるる
淫らな音が響いて「ご馳走様♡」まで、フロストは唯ひたすら雪の上で踊り跳ねるしかなかった。
「少量なら鬼には効かないと思うわよ。それにもう、この辺のは全部、私が吸い取ってあげたわよ♡」
わあ、メイさんめちゃ頼りになるう。
あ、でも、メイさんには避難指示を出しておいたはず。
臣下淫魔や天使たち、特にジェイラルとジェミアル親子と逃げろって言っておいたのに、どうしてここに居るんだ?
「天使たち、み~んな残って冒険者たちの避難誘導してるわ。うちの家臣たちも同様、ね♡」
「えっ、天使は偽体じゃないから逃げないと……シーラとルディナも、中級モンスターじゃ、やつには勝てないし」
「大丈夫よ。荒らしとはいえ、攻撃しない者や明らかに格下のモンスターには手を出していないじゃない。こっちから攻撃しなければ安全よ♡」
「確かに、そうだけど……でも、何かあったら」
避難中に何かあってもいけないと思って、低級モンスターたちには食人鬼のエスプーサとモルモも付けている。
俺との通訳にも役立ってくれるけど、こういう時、意思疎通できる上に強い高級モンスターである食人鬼たちは、とても頼りになる。
メイさんも、そうだ。普段だって臣下淫魔たちを連れて自主的にダンジョン内を警邏してくれている。
天使たちも、俺が細かく指示しなくてもジェイラルと、後から合流したディプタスも一緒に指示系統を整えてダンジョン内の物販と流通とを取り仕切ってくれている。
皆の働きっぷりには本当にいつも感謝しているのだ。
「ありがとうシオくん♡ ダンジョンマスター様、私たちは貴方に想ってもらえて幸せだわ。だからこそ、私たちも貴方を守りたいの。自主的に残っている子たちは自己責任よ。気にしないで♡」
「ダンジョンマスター略してダンマスよ、わしも同じ思いじゃぞ」
バッケン爺ちゃんまで……。
「ここは、わしの隠居ダンジョンじゃ。好き勝手されては堪らん。して、やつは今どこじゃ? フロストの小僧を倒してから、第六階層へは降りたじゃろ」
黒画面を見る。荒らし野郎の現在地は第六階層アイレン区か。
第六階層へ降ると、ランダムにどれかの迷路に飛ばされる。そこから時計回りに進んで行き、最終的に必ず真ん中の橙鬼区へ辿り着くようになっているのだ。
ボスの妖精たちは担当区に居るとは限らないので、本来だったらボス妖精を探しながら迷路を踏破しなければならないが……。
「あやつ、迷路なんぞ無視か。壁を壊して突き進みよるな」
そうなのだ。妖精どころか迷路の壁さえ無視で、一直線に橙鬼区の城を目指している。
迷路の壁って、あんなにあっさり壊れるものだっけ?
かなり頑丈に造られた上で『不壊』の魔法もかけてあるはず。それを壊すだなんて……。
どこまでも非常識なやつだ。
「てめえ、コラ! 俺が丹精込めてつくったラブホテルを壊すんじゃねえよ! 肉壁も堪能しやがれコンチクショウがっ」
あ、馬鹿シレノス、出て来たら駄目じゃないか。
おそらく、荒らし野郎が最初に降り立ったのはシレノス区で、そこからラブホ壊しながらアイレン区に渡ったところ今ココってやつだな。
「酷いよ酷いよ! 僕が育てたお花の壁も壊してさ! 何様のつもりなの! 行け、シレノス! お仕置きしちゃええええ」
自分では動かないのがアイレンなのは知っていたけど、そうじゃない。
お前も出てくるな引っ込んでおけ。と、忠告しようとしたら、二人ともあっさりヤられてしまった。桃臭ことピーチスメルを嗅いでしまったらしい。
「ふや~ん、変な気持ちぃぃ」
「おいコラ、やんぞ、やりたくてやりたくてたまんねえぞ。よっ、と、おおっふ、おりゃあアア……!」
「やあぁぁんんいきなり激しすぎいぃ壊れちゃうぅぅんん」
一瞬の内に、目も当てられない18禁BL風景が広がってしまった。
ピーチスメルやばい。妖精にも効くとは、どんだけチートなんだ……。
「よし、わしが出ようかの」
「早まるなバッケン爺ちゃん。その年齢で初体験は不味い」
「何を言うとる。わしは永遠の攻めジジイじゃぞ」
いや、そういう問題でもなくて。俺がそういう話題を出したのが悪かったな。でも、やっぱりそういう問題じゃねえかな? ピーチスメルを嗅いだ者は等しくホモォしてしまうわけだからして……。
「ならば、単独行動が吉じゃて。カップルでおったらアーッなことになるんじゃろ」
「いやいや、カップルじゃなくても催淫効果あるんだってば。でだ、あいつ普通に強いんだよ。ピーチスメルなくても最強チートなんだぞ。強さ天元突破して爺ちゃんの百倍は強いからな」
「さすがに百倍は無理ねえ~諦めなさいな♡」
「ぬう…………」
メイさんにも諭されて何とかバッケン爺ちゃんの行動を止めたが、放っておけば何かしでかしそうなのは明白だ。
お年寄りのくせに行動力ありすぎだろ。
うちに隠居して15年くらいになるけど、ちっとも隠居してない。孫を蹴落とすことしか考えていないらしく、ダンジョンで研究したことをせっせと論文にまとめて本国へ送るのは勿論、メンドイ村のことや派遣されてきた魔導士の素行も全て報告して孫を追い詰めているという。
この間、自慢げに語ってました。
そんなバッケン爺ちゃんには橙鬼のお手伝いをお願いしようと思う。
橙鬼の様子を黒画面モニターで探ったら、橙鬼区の城塔てっぺんで不敵に笑うやつがいた。
橙鬼である。
紛うことなき橙鬼だが、修羅を潜った野武士っぽい顔つきになっている。この短い間に何があった橙鬼よ……。
傍にはタモンとエル君もいるようなので少し安心。二人とも正体は天使だ。偽体は持たないけどエル君は超絶賢いしタモンは俺が幼いエルセス君に持たせたチートアイテムの数々を使いこなすことができるだろう。
いざとなっても元よりBLカプだから、そこも安心。
問題は橙鬼だ。
やる気……いや、殺気に満ちている。
渾身の『ぼくがかんがえたさいきょうのしなりお』がシカトされて腸煮えたぎっている。わかる。俺も橙鬼に短時間で初攻略された時、シナリオスキップされたのかと思ったらめたくそ腹立ったもの。
気持ちは分かるが無茶して欲しくない。
あいつ、ここに来た当初だって迷走して短期間の内に三回も帰省していた前科があるのだ。追い詰められたら何をしでかすか分からないのが橙鬼というやつである。
そんなことをバッケン爺ちゃんにも説明しつつ、無謀なことしがちな橙鬼のサポートを頼んだ。
「ええぞい」
うっきうきわくわくなバッケン爺ちゃん。
俺はというと、第六階層の真中に聳える城塔へ移動魔法陣を展開して爺ちゃんが消えるまでを見送り、そっと息を吐く。
「お疲れねシオくん♡」
「メイさん……でも、休んではいられない。こうしてる間にも、あ、キングたちが」
カーディス区のモンスターたちのまとめ役、キング・オルグハイとキング・ウルクハイが荒らし野郎の前に立ちはだかった。
「相変わらず、あの子たちったらムッキムキね♡」
淫魔なメイさん、キングたちの評価をしながらも膝に寝かせていたフロストの腹筋を触る。
映像をオカズに現物を触るというお得感満載の所業だね。
「ぅン」って身を捩りだしたフロストは、淫魔の手管によってどんどんと発情していき、股間には立派な富士山が聳え立ったのだった。
せっかくピーチスメルは抜けたのに、淫魔に手をつけられてしまえば意味ない。
それ、どうする気だろう。
「んまっ、素敵な魔羅♡」
お口でジュポジュポやり始めた。いかがわしいお店のサービスかな。
「ぁぅ、ぁ、ぁ、ぁー」
眠りながら搾り取られるフロストが全身を震わせ身悶える中でも、淫魔の口撃は止まらない。
ぢゅっ、ぢゅ、ぢゅるるるる
淫らな音が響いて「ご馳走様♡」まで、フロストは唯ひたすら雪の上で踊り跳ねるしかなかった。
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