33 / 119
ゆるっとダンジョン構築編
32、困ったのばっかくるガチャ
しおりを挟む
親父に金五万枚も貰った。ひゃほーい! お小遣いくれる金持ち黄金竜様様だ。
「な・に・に・つ・か・お・う・か・な~」
つい階段を段飛ばしで登るくらい、浮かれている。
天守閣に辿り着き、ガチャった。
「……………………」
今日の魔界公爵のラインナップはトチ狂ってんな。野球用品や健康器具やジム用品などのスポーツ特化をやめて、ベビー用品にしたらしい。
ベビー服にベビー帽、ベビーベッド、ベビーカー、揺りかご、グルングルン回るメリーに、ガラガラに、馬型のロディなどなど……。
まだハルネラさん孕んでもいないのに、このじいじは浮かれポンチだな。
そして人は、自分以上に浮かれているやつを見ると、すん、と落ち着けるのだった。
うん、金五万枚は健全な使い道を模索しよう。
天界王子からは装飾と動物シリーズに、ふわふわぬいぐるみが加わった。動物型が多いが、海の生き物や宇宙人にうさ耳生えた奇妙な物体もいるな。天界王子は何を狙っているのか? 迷走してんなと思うわけで。
まあでも、女性へのプレゼントに最適かもしれない。宝石の付いたぬいぐるみも有るしな。
マザーはどれが好きだろう。やっぱウサギかな。U-SA-GI じゃないやつ。
まとめて【物置 レベル5】に転送された。レベル5な物置は初期より収納面積が増えている。車一台分くらいが、今や車二台分を収納できるくらいの大型ガレージになった。百人乗ってもだいじょうぶ。
『えー、えー、業務連絡、業務連絡』
黒画面のスピーカーボタンをタップする。今なら皆ダンマスルーム内にいるから、ダンマスルーム全体に声が行き渡るようボリューム調整して声を飛ばした。
『赤鬼夫妻は魔界公爵からの贈り物があるので物置を覗いて見て下さい。また、天界王子からぬいぐるみが届いたので、欲しい人は好きなぬいぐるみを持って行って下さい。
以上、ダンジョンマスターのシオでした』
さーて、お待ちかねのレアだ。
魔天卵、貯めれば貯めるほど良いやつ出る説を信じて今回、240個を一気にハッピーイースターした。
高杯一つ30個積めるから、なんと8個もの高杯が勢揃い。
私見だけど、十個に一個くらいの割合でモンスターや罠、特殊な能力を持つ生き物やらが出る気がするので、十連ガチャ気分で卵割ったわけだ。
そしてレア探し。中でも当たりは中級モンスターかな。可愛い子がいいな。
魔卵からは【泥ゴーレム】【岩ゴーレム】【鉄ゴーレム】【木ゴーレム】とゴーレムシリーズが出た。今、藻スラ卵をあげ続けている【岩ゴーレム レベル5】がいるから、ゴーレム連隊でもつくろうか。
他にも【森バード】【鍵バード】【クシャミガデ草】【ハナデ草】【ハナヒッカケ草】【ネム草】【ダル草】【カエリタ草】と、低級モンスターと罠が出た。
草罠シリーズが……なんとも言えん。
天卵からは【木精霊】【水精霊】【光精霊】と小さな精霊が生まれた。どれも丸い玉だけど属性で色が違うっぽい。
どいつも懐いてくる。可愛い。
小さな精霊たちに癒されていたら、「ダンジョンマスター様、お世話になります」と声をかけられ、そちらを見たら、人型のモンスターたちが勢揃いして、こちらへ膝を折っていた。
え。えーと?
鬼と鴉と悪魔と天使……かな?
とりあえず皆、立ってもらう。いつまでも膝をつかせるのは忍びない。
そして、もれなく全員が裸なので野球ユニフォームを着せる。
なんとなく、野球ユニフォームの子供用、短パンズボンが恐ろしく似合う鬼くんから、自己紹介を頼んだ。
「橙鬼です。あの、その、赤鬼くんが、もう働いてるって聞いて、ぼ、僕もっ、宜しくお願いしますっ」
オレンジ色の髪をしたショタっ子が、ぺこりと頭を下げる。
≪ステータス≫
――――――――――――――――
橙鬼【男】
種族:鬼人族
職業:ダンジョン派遣モンスター
能力:鬼能力低位値
称号:魔界伯爵の息子
――――――――――――――――
「魔界伯爵の子?」
「はいっ、僕、ステータス低くて、鬼としてお役に立てないのでっ、ふええ、全然派遣に呼ばれなくてっ、ぷええ」
今にも泣きそうなんだけど、ちょっとこれ、赤鬼ー!
『業務連絡ぅぅ赤鬼いいぃぃヘルプ! ヘルプミーィィ!』
スピーカーでお呼び出しだ。
「はいっすよ。どしたシオさん?」
「あの子と友達? 友達だよな? お前に任せた」
「んあれ? 橙くんじゃないか。こっち来たんか。久しぶりー。魔界と違ってここはまったりしてっから、そんな気負うなって」
赤鬼が橙鬼をフォローしてくれることになって、ホッと一安心。
どうやら橙鬼くん、初めてのダンジョン派遣らしく、先に呼ばれた赤鬼に負けないよう気張っていたみたい。
赤鬼一家に同居で、お任せしといた。
「主殿よ、宜しくお願い仕る」
渋辛い声で挨拶してくれたのは鴉。どう見ても鴉なのだけど、足が四つ、目が八つ、マフラー巻いてちょっとお洒落。喋り方に威厳がある。
≪ステータス≫
――――――――――――――――
八咫目鴉【雄】
種族:神獣族
職業:ダンジョン派遣モンスター
能力:神能高位値
称号:神鳥『新人管理官』
――――――――――――――――
「神族……新人管理官、ですか?」
「うむ。神獣族ではあるが、それほどかしこみて奉らむ者でもない。気軽に接して欲しい。ここはまだ初心ダンジョン故に、新人ばかりが派遣されて来よう。それら未熟者の監督を任されておる。たまに魔界へ報告をしに、帰省することを許して欲しい」
「あ、はい」
なんか偉い鴉が来ちゃった。【美人の湯】辺りに巣を作るとかで行ってしまったけど、バッケン爺ちゃんと生息域がかち合わないといいなあ。
「な・に・に・つ・か・お・う・か・な~」
つい階段を段飛ばしで登るくらい、浮かれている。
天守閣に辿り着き、ガチャった。
「……………………」
今日の魔界公爵のラインナップはトチ狂ってんな。野球用品や健康器具やジム用品などのスポーツ特化をやめて、ベビー用品にしたらしい。
ベビー服にベビー帽、ベビーベッド、ベビーカー、揺りかご、グルングルン回るメリーに、ガラガラに、馬型のロディなどなど……。
まだハルネラさん孕んでもいないのに、このじいじは浮かれポンチだな。
そして人は、自分以上に浮かれているやつを見ると、すん、と落ち着けるのだった。
うん、金五万枚は健全な使い道を模索しよう。
天界王子からは装飾と動物シリーズに、ふわふわぬいぐるみが加わった。動物型が多いが、海の生き物や宇宙人にうさ耳生えた奇妙な物体もいるな。天界王子は何を狙っているのか? 迷走してんなと思うわけで。
まあでも、女性へのプレゼントに最適かもしれない。宝石の付いたぬいぐるみも有るしな。
マザーはどれが好きだろう。やっぱウサギかな。U-SA-GI じゃないやつ。
まとめて【物置 レベル5】に転送された。レベル5な物置は初期より収納面積が増えている。車一台分くらいが、今や車二台分を収納できるくらいの大型ガレージになった。百人乗ってもだいじょうぶ。
『えー、えー、業務連絡、業務連絡』
黒画面のスピーカーボタンをタップする。今なら皆ダンマスルーム内にいるから、ダンマスルーム全体に声が行き渡るようボリューム調整して声を飛ばした。
『赤鬼夫妻は魔界公爵からの贈り物があるので物置を覗いて見て下さい。また、天界王子からぬいぐるみが届いたので、欲しい人は好きなぬいぐるみを持って行って下さい。
以上、ダンジョンマスターのシオでした』
さーて、お待ちかねのレアだ。
魔天卵、貯めれば貯めるほど良いやつ出る説を信じて今回、240個を一気にハッピーイースターした。
高杯一つ30個積めるから、なんと8個もの高杯が勢揃い。
私見だけど、十個に一個くらいの割合でモンスターや罠、特殊な能力を持つ生き物やらが出る気がするので、十連ガチャ気分で卵割ったわけだ。
そしてレア探し。中でも当たりは中級モンスターかな。可愛い子がいいな。
魔卵からは【泥ゴーレム】【岩ゴーレム】【鉄ゴーレム】【木ゴーレム】とゴーレムシリーズが出た。今、藻スラ卵をあげ続けている【岩ゴーレム レベル5】がいるから、ゴーレム連隊でもつくろうか。
他にも【森バード】【鍵バード】【クシャミガデ草】【ハナデ草】【ハナヒッカケ草】【ネム草】【ダル草】【カエリタ草】と、低級モンスターと罠が出た。
草罠シリーズが……なんとも言えん。
天卵からは【木精霊】【水精霊】【光精霊】と小さな精霊が生まれた。どれも丸い玉だけど属性で色が違うっぽい。
どいつも懐いてくる。可愛い。
小さな精霊たちに癒されていたら、「ダンジョンマスター様、お世話になります」と声をかけられ、そちらを見たら、人型のモンスターたちが勢揃いして、こちらへ膝を折っていた。
え。えーと?
鬼と鴉と悪魔と天使……かな?
とりあえず皆、立ってもらう。いつまでも膝をつかせるのは忍びない。
そして、もれなく全員が裸なので野球ユニフォームを着せる。
なんとなく、野球ユニフォームの子供用、短パンズボンが恐ろしく似合う鬼くんから、自己紹介を頼んだ。
「橙鬼です。あの、その、赤鬼くんが、もう働いてるって聞いて、ぼ、僕もっ、宜しくお願いしますっ」
オレンジ色の髪をしたショタっ子が、ぺこりと頭を下げる。
≪ステータス≫
――――――――――――――――
橙鬼【男】
種族:鬼人族
職業:ダンジョン派遣モンスター
能力:鬼能力低位値
称号:魔界伯爵の息子
――――――――――――――――
「魔界伯爵の子?」
「はいっ、僕、ステータス低くて、鬼としてお役に立てないのでっ、ふええ、全然派遣に呼ばれなくてっ、ぷええ」
今にも泣きそうなんだけど、ちょっとこれ、赤鬼ー!
『業務連絡ぅぅ赤鬼いいぃぃヘルプ! ヘルプミーィィ!』
スピーカーでお呼び出しだ。
「はいっすよ。どしたシオさん?」
「あの子と友達? 友達だよな? お前に任せた」
「んあれ? 橙くんじゃないか。こっち来たんか。久しぶりー。魔界と違ってここはまったりしてっから、そんな気負うなって」
赤鬼が橙鬼をフォローしてくれることになって、ホッと一安心。
どうやら橙鬼くん、初めてのダンジョン派遣らしく、先に呼ばれた赤鬼に負けないよう気張っていたみたい。
赤鬼一家に同居で、お任せしといた。
「主殿よ、宜しくお願い仕る」
渋辛い声で挨拶してくれたのは鴉。どう見ても鴉なのだけど、足が四つ、目が八つ、マフラー巻いてちょっとお洒落。喋り方に威厳がある。
≪ステータス≫
――――――――――――――――
八咫目鴉【雄】
種族:神獣族
職業:ダンジョン派遣モンスター
能力:神能高位値
称号:神鳥『新人管理官』
――――――――――――――――
「神族……新人管理官、ですか?」
「うむ。神獣族ではあるが、それほどかしこみて奉らむ者でもない。気軽に接して欲しい。ここはまだ初心ダンジョン故に、新人ばかりが派遣されて来よう。それら未熟者の監督を任されておる。たまに魔界へ報告をしに、帰省することを許して欲しい」
「あ、はい」
なんか偉い鴉が来ちゃった。【美人の湯】辺りに巣を作るとかで行ってしまったけど、バッケン爺ちゃんと生息域がかち合わないといいなあ。
1
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる