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ゆるっとダンジョン構築編
15、キスして魔力給餌
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「下着あざっす。着るものに拘りないっすよ。支給品で十分」
「そうか。じゃあ、あとは食……そういやマザーに聞いたな。飯は食わなくていいけど魔力が補給源だって。魔力はどこからどうやって食ってんだ?」
「よくぞきいてくれたっす! ぶっちゃけシオさんの魔力がうまそうで仕方ないっす!」
急にテンション上げたなこいつ。え、で、俺の魔力だって?
「俺の魔力でいいのか。どうやって渡せばいいんだ?」
「あちゃー。そこからっすか。まさか魔力給餌の仕方を知らないとは~」
魔力給餌? そんな用語があるのか。そういや俺、日本語しゃべっているけど赤鬼と会話成立しているよな。赤鬼も日本語しゃべっているのかな? 異世界なんだから言語も違うと思うけど、その辺どうなって……という、とめどないことを考えていたら、赤鬼が最接近。目の前にいた。さっきまで、もうちょっと離れて会話していたはず。なのに、いつの間にか距離を縮められ、小さく驚く。
「え────」
「鈍感なシオさんが美味しそうっすよ」
肩を掴まれ、顎を取られ、クイッと上げられる。視線が上向いて、赤鬼と真正面から見つめ合った。俺は視線を上にあげているのに、赤鬼は少し腰を屈めないと視線が合わないとは悲しい事態だ。俺の身長が低いってことだろう。高身長イケメンめ。そんな赤鬼の顔が、イケなメンがどんどんと近づいてくる。
「ん……?」
口に、何か、ふにっと、きたぞ? あと、口で息が吸えなくなったぞ。
「っん、んンん」
しゃべろうとしても声が出ない。口を塞がれているから。何に? 赤鬼の口にだよ! それに気づくまで何秒かかってんだ俺! 気づくまで抵抗もせずに口と口が重なりっ放しだった。気づいてから漸く抵抗し始めた。手で赤鬼の胸を押す。押せない。な、なんて硬い胸筋なんだ! ドンドン叩いても無意味な抵抗だった。
「ふ、ん、ンんんんっ」
首動かしたり、足を動かしても、無駄だった。顔は顎クイのまま固定され、足上げて脛を蹴ろうとしても赤鬼の脚が巧みに絡んでくる。ひええええ!
舌は絡んでないけども、これは確実にキスというやつだ。キスだ。キスって、キスって、こんな風にするもんだっけ? こういうのって恋人同士でやるもんじゃなかったっけ?
そうだ俺これ初キスだ。初めてのキスで、恋人でもない男と……うおっふ、そうだよこいつ男じゃん。なんで男と初キスせにゃならんのだぁぁ!
込み上げてくる怒りのままに、グーパンチで赤鬼の側頭部を殴りつけた。
「かっっ、てええぇぇ……!!」
効かなかったけど。唇は離れた。体も、物理的に距離を空けた。グーパンした右手を左手で抑える。マジ痛い。指おかしくなってないかこれ。しかし、それより何よりムカついたので、赤鬼をキッと睨みつけた。
「お、まえぇ……!」
「ん~、ごちそうさまっす」
「何美味しくペロリしてくれてんだァァ!」
「何って、シオさんの魔力っすよ。魔力の経口補給は基本す」
嘘だあぁぁ俺の初キスが経口補給なんて難しい用語にされちゃったぞ。どうなってんだ異世界!
「人間みたいに毎日食事するんで。あ、普通の食事も食べれるんで。でもやっぱシオさんが美味しいので、これからもヨロシクお願いしゃす」
爽やかに言われたぞ。恋人でもない、しかも野郎と毎日キスするとか、俺にとっちゃ血の気の引く出来事なんだけどォォ!
お前なんか、毎日、メザシでも食ってろバーカぁうあぁぁん!
その後の食卓でめざしを出したけど、「めざしうめえっす」と本当に美味しそうに食べる赤鬼に何故だか敗北した気分に。
「そうか。じゃあ、あとは食……そういやマザーに聞いたな。飯は食わなくていいけど魔力が補給源だって。魔力はどこからどうやって食ってんだ?」
「よくぞきいてくれたっす! ぶっちゃけシオさんの魔力がうまそうで仕方ないっす!」
急にテンション上げたなこいつ。え、で、俺の魔力だって?
「俺の魔力でいいのか。どうやって渡せばいいんだ?」
「あちゃー。そこからっすか。まさか魔力給餌の仕方を知らないとは~」
魔力給餌? そんな用語があるのか。そういや俺、日本語しゃべっているけど赤鬼と会話成立しているよな。赤鬼も日本語しゃべっているのかな? 異世界なんだから言語も違うと思うけど、その辺どうなって……という、とめどないことを考えていたら、赤鬼が最接近。目の前にいた。さっきまで、もうちょっと離れて会話していたはず。なのに、いつの間にか距離を縮められ、小さく驚く。
「え────」
「鈍感なシオさんが美味しそうっすよ」
肩を掴まれ、顎を取られ、クイッと上げられる。視線が上向いて、赤鬼と真正面から見つめ合った。俺は視線を上にあげているのに、赤鬼は少し腰を屈めないと視線が合わないとは悲しい事態だ。俺の身長が低いってことだろう。高身長イケメンめ。そんな赤鬼の顔が、イケなメンがどんどんと近づいてくる。
「ん……?」
口に、何か、ふにっと、きたぞ? あと、口で息が吸えなくなったぞ。
「っん、んンん」
しゃべろうとしても声が出ない。口を塞がれているから。何に? 赤鬼の口にだよ! それに気づくまで何秒かかってんだ俺! 気づくまで抵抗もせずに口と口が重なりっ放しだった。気づいてから漸く抵抗し始めた。手で赤鬼の胸を押す。押せない。な、なんて硬い胸筋なんだ! ドンドン叩いても無意味な抵抗だった。
「ふ、ん、ンんんんっ」
首動かしたり、足を動かしても、無駄だった。顔は顎クイのまま固定され、足上げて脛を蹴ろうとしても赤鬼の脚が巧みに絡んでくる。ひええええ!
舌は絡んでないけども、これは確実にキスというやつだ。キスだ。キスって、キスって、こんな風にするもんだっけ? こういうのって恋人同士でやるもんじゃなかったっけ?
そうだ俺これ初キスだ。初めてのキスで、恋人でもない男と……うおっふ、そうだよこいつ男じゃん。なんで男と初キスせにゃならんのだぁぁ!
込み上げてくる怒りのままに、グーパンチで赤鬼の側頭部を殴りつけた。
「かっっ、てええぇぇ……!!」
効かなかったけど。唇は離れた。体も、物理的に距離を空けた。グーパンした右手を左手で抑える。マジ痛い。指おかしくなってないかこれ。しかし、それより何よりムカついたので、赤鬼をキッと睨みつけた。
「お、まえぇ……!」
「ん~、ごちそうさまっす」
「何美味しくペロリしてくれてんだァァ!」
「何って、シオさんの魔力っすよ。魔力の経口補給は基本す」
嘘だあぁぁ俺の初キスが経口補給なんて難しい用語にされちゃったぞ。どうなってんだ異世界!
「人間みたいに毎日食事するんで。あ、普通の食事も食べれるんで。でもやっぱシオさんが美味しいので、これからもヨロシクお願いしゃす」
爽やかに言われたぞ。恋人でもない、しかも野郎と毎日キスするとか、俺にとっちゃ血の気の引く出来事なんだけどォォ!
お前なんか、毎日、メザシでも食ってろバーカぁうあぁぁん!
その後の食卓でめざしを出したけど、「めざしうめえっす」と本当に美味しそうに食べる赤鬼に何故だか敗北した気分に。
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