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ゆるっとダンジョン構築編
11、魔法して黒雷撃
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この世界には魔法があるらしい。
魔力があるやつは魔法を使えるらしい。
召喚陣の魔法を既に見ているから、あまり驚きはしなかったけど、俺にも魔法が使えるのかな。気になる。
黒画面を開いて調べてみた。開いて直ぐのホーム画面にはステータスが表示されている。ステータスには俺の魔力値なんかも表示されている。
≪ステータス≫
――――――――――――――――
塩板シオ【男】
種族:鬼
職業:ダンジョンマスター
レベル:チート【体力並・魔力最高極位値】
能力:鬼能力【暗視・眩視・鈍感・爪剣】
称号:日本育ち
――――――――――――――――
俺ってばチートなんだってさ。異世界トリップの王道をいってるよな。しかし体力は並。体力も最高極位値とやらにしてくれたらいいのに。そこは普通かよ。
魔力が多いなら魔法を覚えられるだろう。
ということで、魔法、魔法……と、あった。買い物の画面で、普通に魔法が売っていた。しかも【魔法使いたいだけ使い放題】っていうサービスまでみつけた。三ヶ月間無料体験の後に月額で銅十五枚払えば、この世界の魔導士が使う初級・中級・上級並の魔法を、俺の能力専用にカスタマイズして全て使いたい放題らしい。
買うっきゃない。ポチッとな。これで魔法が鬼使えるぞ。
試しに、あっちの木に向かって何か撃ってみよう。近くに赤鬼がいて筋トレしているけど、気にしない。
筋トレに使っているのは野球グッズの中にあったダンベルだな。俺は使わないから赤鬼にあげたやつ。
【魔法使いたいだけ使い放題】のページを開ける。ずらりと並ぶ魔法タイトルのラインナップ。映画告知のようにムービーが流れているものまである。無駄に動画完成度が高い。
……(視聴中)……。
やっぱり炎系や雷系が派手でいいなあ。よし、木に向かって〈黒雷撃〉ってのやってみよう。人間用の雷撃を俺用カスタマイズしたら黒くなっちゃったらしい。
すっ、と前に突き出した手の周りに魔法陣が展開される。この世界の魔法は陣を描いて魔力を導くのが主流なのだそう。
技名の〈黒雷撃〉と、わざわざ声に出さずとも、陣がしっかり描かれていれば発動する。陣から黒く鋭い雷撃が迸った。
ズドォォンバリバリ────ィィ!
辺りに物凄い雷音が響く。
やった。木が丸焦げに。うおっふ。買ったばかりの木が、木がぁぁ!
木、真っ黒こげ焦げ炭化して煙を吹いている。あぁ……こうなるって予想すべきだった。雷の攻撃だもの。木が一本、台無しになることくらい予想ついただろうに、俺。
「おぉ~、すごい威力っすね」
赤鬼の間の抜けた声が聞こえる。あいつは木の傍にいたはずだけど、攻撃の余波を食らってもいないみたいだ。ピンピンしている。
野球のユニフォームを着てバットを肩に担ぐあいつは、どこをどう見ても高校球児だ。爽やか青春かよ。これだからイケメンは。
俺は、すんと鼻を鳴らして、黒焦げの木は片付けた。地図上で削除すれば現実でも消え、所持品として取っておくか焼却炉かを選択できたので、焼却炉へポイ。
……焼却炉のアイコンがマグマ溜まりなんだが。ポイしたらゴポゴポッてSE鳴ったんだが。怖えよ。
ちなみに所持品のアイコンは、花模様のがま口鞄。かわいい。
今日はダンジョン日和だ。俺の考えたダンジョンを創るんだ。異議は認めない。
チャワードへの怒りは保ちつつも、現実で何をすればいいのか、この世界に馴染もうとしている俺は結構タフなのかもしれん。
それもそうかもな。日本でも、意識が芽生えた頃には児童養護施設に居たわけだ。周りは親の愛情に飢えた子供たちがいっぱいで、数少ない養護職員たちから自分だけ特別に扱ってもらおうと必至だった。押し合い圧し合いの喧嘩沙汰なんて日常茶飯事だ。タフに育たなきゃ、やってられん。
庭園を出て正面の桜を横目に見る。マザーが桜の木の下で楽しそうにしていた。
鬼ヶ城の正面から続くところは何も無い。道でもつくるか。
【並木道 春】を購入。
「ひゃあ、桜がいっぱい……!」
マザーが大感激といった様相で両手を上げてくるくる回り出した。落ちてきた桜の花弁も、マザーと一緒にくるくる回っている。
しばらくマザーが喜ぶを姿を目瞼に焼き付けてから、桜の並木道を歩いて行った。
魔力があるやつは魔法を使えるらしい。
召喚陣の魔法を既に見ているから、あまり驚きはしなかったけど、俺にも魔法が使えるのかな。気になる。
黒画面を開いて調べてみた。開いて直ぐのホーム画面にはステータスが表示されている。ステータスには俺の魔力値なんかも表示されている。
≪ステータス≫
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塩板シオ【男】
種族:鬼
職業:ダンジョンマスター
レベル:チート【体力並・魔力最高極位値】
能力:鬼能力【暗視・眩視・鈍感・爪剣】
称号:日本育ち
――――――――――――――――
俺ってばチートなんだってさ。異世界トリップの王道をいってるよな。しかし体力は並。体力も最高極位値とやらにしてくれたらいいのに。そこは普通かよ。
魔力が多いなら魔法を覚えられるだろう。
ということで、魔法、魔法……と、あった。買い物の画面で、普通に魔法が売っていた。しかも【魔法使いたいだけ使い放題】っていうサービスまでみつけた。三ヶ月間無料体験の後に月額で銅十五枚払えば、この世界の魔導士が使う初級・中級・上級並の魔法を、俺の能力専用にカスタマイズして全て使いたい放題らしい。
買うっきゃない。ポチッとな。これで魔法が鬼使えるぞ。
試しに、あっちの木に向かって何か撃ってみよう。近くに赤鬼がいて筋トレしているけど、気にしない。
筋トレに使っているのは野球グッズの中にあったダンベルだな。俺は使わないから赤鬼にあげたやつ。
【魔法使いたいだけ使い放題】のページを開ける。ずらりと並ぶ魔法タイトルのラインナップ。映画告知のようにムービーが流れているものまである。無駄に動画完成度が高い。
……(視聴中)……。
やっぱり炎系や雷系が派手でいいなあ。よし、木に向かって〈黒雷撃〉ってのやってみよう。人間用の雷撃を俺用カスタマイズしたら黒くなっちゃったらしい。
すっ、と前に突き出した手の周りに魔法陣が展開される。この世界の魔法は陣を描いて魔力を導くのが主流なのだそう。
技名の〈黒雷撃〉と、わざわざ声に出さずとも、陣がしっかり描かれていれば発動する。陣から黒く鋭い雷撃が迸った。
ズドォォンバリバリ────ィィ!
辺りに物凄い雷音が響く。
やった。木が丸焦げに。うおっふ。買ったばかりの木が、木がぁぁ!
木、真っ黒こげ焦げ炭化して煙を吹いている。あぁ……こうなるって予想すべきだった。雷の攻撃だもの。木が一本、台無しになることくらい予想ついただろうに、俺。
「おぉ~、すごい威力っすね」
赤鬼の間の抜けた声が聞こえる。あいつは木の傍にいたはずだけど、攻撃の余波を食らってもいないみたいだ。ピンピンしている。
野球のユニフォームを着てバットを肩に担ぐあいつは、どこをどう見ても高校球児だ。爽やか青春かよ。これだからイケメンは。
俺は、すんと鼻を鳴らして、黒焦げの木は片付けた。地図上で削除すれば現実でも消え、所持品として取っておくか焼却炉かを選択できたので、焼却炉へポイ。
……焼却炉のアイコンがマグマ溜まりなんだが。ポイしたらゴポゴポッてSE鳴ったんだが。怖えよ。
ちなみに所持品のアイコンは、花模様のがま口鞄。かわいい。
今日はダンジョン日和だ。俺の考えたダンジョンを創るんだ。異議は認めない。
チャワードへの怒りは保ちつつも、現実で何をすればいいのか、この世界に馴染もうとしている俺は結構タフなのかもしれん。
それもそうかもな。日本でも、意識が芽生えた頃には児童養護施設に居たわけだ。周りは親の愛情に飢えた子供たちがいっぱいで、数少ない養護職員たちから自分だけ特別に扱ってもらおうと必至だった。押し合い圧し合いの喧嘩沙汰なんて日常茶飯事だ。タフに育たなきゃ、やってられん。
庭園を出て正面の桜を横目に見る。マザーが桜の木の下で楽しそうにしていた。
鬼ヶ城の正面から続くところは何も無い。道でもつくるか。
【並木道 春】を購入。
「ひゃあ、桜がいっぱい……!」
マザーが大感激といった様相で両手を上げてくるくる回り出した。落ちてきた桜の花弁も、マザーと一緒にくるくる回っている。
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