エルフに優しい この異世界で

風巻ユウ

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甘いものは幸せを運んでくる

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 眼鏡を手に入れた。色々と悩んだけど赤フレームの眼鏡にした。
 ちょっとインテリに見えないかね。どやあ。
 これで壁にぶつからないし、柱にもごっつんこしないし、階段で滑るなんてこともない。快適無敵の生活を手に入れて、その日の私、ちょっと自慢げにエルフ村を散歩したよ。

 最初に喫茶店のリザ姉さんのところに寄って眼鏡自慢。そして今日焼いたマドレーヌを渡す。喫茶店で出してくれているのだ。
 雑貨屋のハルナおばさんにも眼鏡自慢。おばさんにはクッキーとパウンドケーキを渡す。これもお店の一角で売ってもらっているのだ。
 鍛冶屋のムキムキ親方と花屋のクリュセさんと、緑樹図書館にまで足を運んで司書のリブロさんにも眼鏡自慢しつつ手土産の焼き菓子を渡した。
 どんだけだ私。まだ行くけどね。
 次は村長である曽お祖父様のところへ。家に上がらせてもらってから直ぐに、クリュセさんからもらったお花を飾りました。

「あれえ? シャドランは?」

 いつもなら焼き菓子の匂いで飛んでくる甘党な大伯父さんがいないよ。

「あいつなら今朝、荷物まとめて出てったわい」
「へ? いい歳こいて家出? なんで?」
「さあーて、やっと決心ついたんかのーぉ……」

 すっとぼけないで曽お祖父様。
 雑貨屋で買った餡子餅あげるから詳しく教えてください。
 ウルタンおじいちゃまも甘党である。ハルナおばさん作の至高の餡子で懐柔した結果分かったのが、シャドランたら彼女に会いに行ったっぽいってこと。
 これまでも時々会いに行っていたみたいだけど直ぐ帰って来ていたという。でも今回は大荷物持って行ったから、しばらく帰って来ないのでは~とのこと。
 それって……婿にでも入る気かシャドラン?
 相手のお姉様がどんな家の人か知らないけど、やっと鈍チン男が動いて良かったですね。私がラリエットに込められた想いを代弁したおかげかしらんと、ちょい誇らしげに思う。

 お母さんにいいお土産話が手に入ったなと、ほくほくしながら外見真っ白な樹木のウロにあるドアを開ける。ここはエルフ村唯一のお医者さんがいる診療所である。

「おや、リリエイラちゃん。起きれるようになったかい」
「はい。ロベルト先生お世話になりました。元気になったので御礼に来ました」

 いつもにこにこロベルト先生。茶髪に黒縁眼鏡の優しいお医者さんだ。エルフだからもちろん美形である。リリエイラちゃんは病弱だったので、産まれた時からお世話になりっぱなしの先生だ。
 七歳を境に健康になり、今回のことがあるまで滅多に病気しなかった私だけど、今回の騒動で久しぶりにお世話になりました。
 先生のくれた処方箋のおかげで痛みなく回復したわけだしね。御礼にと持ってきたロールケーキを渡す。ロールケーキの入っている箱は【熱操魔術】でずっと冷えた状態にあるので「冷たいですよ」と注意を促しつつ手渡しだ。

「ありがとう。リリエイラちゃんの作るお菓子いつも美味しいよ。魔術も随分上達したね。確かクールくんから習ってるんだっけ」

 はい。実は火山島から帰って直ぐ、クールさんから本格的に魔術とか習いたいってお父さんへ直談判したのだ。
 リリエイラちゃんの約束のこともあるし、どうしてもクール先生って呼びたかったという欲望もある。私情だらけだ。
 それでも、なんとか許可をもぎ取って、月に二~三回くらいの割合でクール先生から実践魔術を仕込んでもらった。
 場所はトレアスサッハ家だったりフラナンの泉の辺りだったり、その時の都合によりけりだったけど、今思えば半年に数回しか会えなかったディムナよりも沢山の時間をクール先生と過ごしたように思う。
 おかげで、魔力を扱う魔術と、理力を扱う理法の基礎は完璧になった。アプリから学ぶ以上に実践的で楽しく学べたよ。

 ついでに剣術も習った。使うことなんてないかもだけど知っておいて損はないでしょ。
 それよりダンス学べっていうツッコミはなしだ。
 ダンスほんと苦手……誰に学べばいいかもう見当もつかないしさ……。

 そんなことをロベルト先生にもお話したら、「ダンスならアネッサさんに習えばいいんじゃないかな」って言われた。
 ほ? そいつぁ思いつかなかったぜえ。
 社交界のダンスを習うなら貴族に習うのが一番だ。
 気安い貴族の女性というとメイニルお母様しか知らないのだけど、いくら呪いの魔導具の懸念がなくなったとはいえメイニルお母様の体調に関しては気を使ってしまうし、クール先生にダンスまで習うのも……先生、男性だし、尻込みしちゃうよね。
 アネッサお祖母様だったらエルフで貴族だ。エルフの踊りもへたくそな私にとったら、両方の踊りを学べて、彼女こそダンスコーチにぴったりである。

「まだお会いしたこともないんですけどね!」

 力強く駄目だしを自分でして、それから、しゅーんてなった。
 そうだった。まだアネッサお祖母様には会っても喋ってもいない。
 そんな私に助け船。

「明日、メイニルさんの回診に行くんだ。一緒に行こうか」

 ロベルト先生が神! 私は張り切って明日の約束をしたのだった。
 持つべきものは眼鏡仲間だね。眼鏡関係ないか。
 お父さんから須く外出の許可をもぎ取り、次の日はインスーロのトレアスサッハ家をロベルト先生と一緒に訪れた。

「いらっしゃい。リリエイラ・ブロドウェンさん」

 初めて会うアネッサお祖母様は、にこやかに私を迎えてくれる。
 白亜麻色の髪に優しそうな菫色の瞳がハイエルフ様そっくり。
 小柄で可憐な思った通りの美人エルフである。
 メイニルお母様もキュート形だから、お二人が揃うと親娘っていうより色違いのお人形さん二体のようだ。飾って愛でたい。

「はっ、はじめ、ましてアネッサお祖母様」
「あらあら緊張してるわね。リラックスなさって」

 ロベルト先生がメイニルお母様の診察をしている間、アネッサさんと二人きりになったからすごく緊張した。
 ディムナは留守らしい。イーガンさんも、クール先生まで……。私、すごいタイミングで訪れてしまったのかもしれない。
 ピンポイントでお祖母様と二人っきりでお話できる日に来てしまったのだ。
 転生特典の【絶対幸運】が発動したおかげかもしれない。小さい幸運ではあるね。

「ディムナの言う通りね。とっても愛らしいお嬢さんだわ。うちの孫はどうかしら。きちんと貴女に尽くしてるかしら。貴族男性はね、女性に尽くしてなんぼなのよ」
「尽くしてなんぼ……えと、はい。ディムナ、優しいデス。いっぱい、愛してくれマス」
「ふふふ。嬉しい」

 緊張してうまく話せないというか若干カタコトな私の言葉に、嬉しいと一言。その笑顔には魅了でも含まれているのか、私の心臓ドキドキが止まらないんだぜ。
 産まれていや憑依転生してこの方、数多くの美人エルフさんを見て来たけれど、さすがハイエルフ様の娘さんでクール先生の姉である。最強かもしれない。美貌がヤバイ。眩しい。魅力の最高峰。

 上がりっ放しの緊張はなかなか隠せないけれど、ダンスのお願いは気合で伝えた。
 何卒、このへっぴり腰を鍛えてください。ダンス本当に出来ないです。

「いいよいいよ~孫のお嫁さんと踊れるなんて、私は幸せなおばあちゃんね」

 ノリノリでワンツーステップ。あ、私まだ嫁じゃないです。嫁認定が唐突で早すぎるのもメイニルお母様との血筋を感じます。
 一先ずダンスを、お部屋の空いているところで教えてくださるということで、お茶もそこそこに、まずは足の運動から。ひーん。さっぱりリズムについてゆけぬぅ。コケた。
 簡単なステップだと教わったものでも、私には複雑怪奇です。頭と足が連動しないのよね。多分、頭の中で考え過ぎちゃうんだ。

「こういうのは男性にお任せしちゃうのもアリなのよ。何も考えないで~リラックスリラックス」

 アネッサお祖母様のリードで踊ってみる。私がごちゃごちゃ考え出す前に腕を引いて脚を絡めてワンツーワンツー。

「はわわ、あわわわわ」
「ふふっ。可愛いお嬢さん」

 ぎゃー! なんだかヅカなあの人みたーい。ひゃはーん! な気持ちで顔は真っ赤、頭の中は真っ白にして、気づけば一曲踊れていたわけで……びっくりです。
 音楽を鳴らす魔導蓄音機が止んでも、また少しだけステップ練習をして、私の中のプチ社交界は終わった。

「はぁ、はぁ……なんでこんな疲れるん……」
「ダンスって優雅に見えてけっこう体力使うのよね。お茶にしましょうか。お茶請けはリリエイラさんがくださったアレにしましょ」

 と、お祖母様はいそいそとお紅茶を淹れてくださる。この家ではディムナだけじゃなくアネッサお祖母様も、なんとイーガンさんまでも紅茶は自分で淹れるそうで。
 貴族なのにええんですかと思うが淹れて下さるお茶は秀逸なのでハフハフしながらいただく。ふあー疲れた体に染みますのう。
 お茶請けは、私が持参したプリンである。あったかい冷たいのコラボである。

「んぅ~~お口の中で幸せがトロけるうぅ」

 アネッサお祖母様、プリンが気に入ったようで一口一口大事に食べてくださいます。ありがとうございます。
 もう一つの手土産、ロールケーキもありますので切り分けますね。何個に切ればいいかなと思ったところで予期せぬお客さんがやってきた。

「プリン! アネッサ、それ、プリンじゃないですかーぁぁ!」

 ハイエルフ様の登場である。突然のことで私びびる。
 アネッサさんは気にせず幸せそうにプリンを頬張る。動じないとこすご。

「あら、お母様いらっしゃい。ごきげんよう。このプリンはリリエイラさんの手作りでしてよ」
「お邪魔しますよアネッサ。やっぱりリリエイラちゃんの……! 私にもください!」

 甘いもの食すところにハイエイルフ様あり。どこでどうやって私たちがプリンを食べていることを察知したのだろう。謎っすわ。
 ハイエルフ様にプリンをあげて、「はう~ん、おいひいいいい」幸せの雄叫びを聞きながらロールケーキを分ける。とりあえず六等分でいこう。
 フルーツたっぷり入れたから是非フルーツ大好きクール先生にも分けてあげたかったのだけれど、このままだとここにいる女子の腹に全部収まるだろうなと目算する。
 さてこそ、この後にいらしたメイニルお母様も加わって、三人の女子パワーで持参したスイーツは消えた。
 プリンは十個以上持ってきたはずなんだけどなあ。おかしいなあ。

「エルフって皆さん甘いもの好きなんでしょうか」
「作って持ってきたのリリエイラちゃんだと思うけど」

 私のことは置いておいてですねえロベルト先生。こう言っちゃなんだけどロベルト先生も甘党でしたよね。今も普通にプリン二個食べてたでしょ。
 シャドランにはいつも味見役をお願いして、味見だけでいいのにけっこうバクバク食べられてしまうのよね。だからやつも甘党だと思う。
 お父さんもお母さんも食後のデザートを欠かさない。リザ姉さんの喫茶店では飲み物を頼むと甘いものが付いてくるのが当たり前。
 村の雑貨屋さんにもハルナおばさんの手作りスイーツがいつも並んでいる。それを見て私も何か手作りをお菓子を卸させて欲しいって交渉したもの。
 鍛冶屋のスメス親方も花屋のクリュセさんも、司書のリブロさんだって「働いた後は甘いものが一番」って声を揃えて言っていた。
 ふむ。エルフは甘党ってことでファイナルアンサー。あと酒好きでもある。

「決めた。シャドランのお嫁さんには甘いものを贈ろう」

 つい口をついて出たのが、シャドランのまだ見ぬ彼女さんにラリエットのお返しで何をあげようか考えていた私の戯言である。
 まだ具体的に甘いものの何をあげるかすら決めてないのに、ホントつい……ごめんシャドラン。
 後で考えたら、私がここでポロリしなけりゃ慎ましやかに挙げるはずの結婚式も、エルフ村上げての大結婚披露宴パーティーになんか発展しなかったろうにねえ……。

「なんですってシャドランくんにお嫁さん?」一番耳聡いのはハイエルフ様。
「シャドラン? あー、あらまあ、あの子結婚したの?」いえ、まだですアネッサお祖母様。
「クールが言ってたわあ。お相手の方、ハーフエルフなのですってね」

 へえ。彼女さん半エルフなんだあ。珍しいね。
 竜について世界図書館を漁った時についでに調べたところによると、この世界で異種間婚姻したら産まれる子供はどちらかの種族で産まれるらしい。
 どちらでもなく、両親両方の特徴を受け継ぐ"混血児"と呼ばれる子供が産まれる確率は非常に低い。
 それでも産まれてしまったら、どちらの種族でも育てられないから、捨てられるか酷いと間引かれるのだそう。

 半エルフも混血児なので産まれる確率が非常に低い。
 エルフが他種族と交わると大抵が他種族の方が産まれる。特に人間と婚姻すると必ず人間が産まれる。メイニルさんやディムナだってそうだよね。
 もし半エルフが産まれた場合、島エルフだけのエルフ村で混血児は育てられないから、孤児院などの施設へ預け、親切な里親がつくのを待つしかない。
 コネがあれば養父母を個人的に探してもあげれるけど、大体が施設行きだ。だから多分、その彼女さんも出身は孤児施設なんじゃないかなあ。

「結婚これから? なになに、どうしてそんなに彼女を待たせてるのよ」
「それがねお母様……」
「えええシャドランくん責任とらなきゃ駄目ですよ」
「でしょでしょ。おばあ様もそう思うわよね」

 女三人がかしましい。シャドランの彼女さんを話題の中心に、シャドランの不誠実さが問題視されております。
 私が撒いた種だけど、拾う暇もなく実っていき、遂には……。

「じゃあ、エルフ村で結婚式しちゃいましょう」とハイエルフ様。
「賛成~!」諸手を挙げて喜ぶメイニルお母様。
「いいよいいよ~!」ニヨニヨ笑顔が鬼神にそっくりなアネッサお祖母様。

 決まった。決まってしまった。これはポロリした私が悪いのだろうか。ごめんよシャドラン。そんな気持ちで私はまた余計な一言を発する。

「でもシャドラン、今、家出してるよ」

 曾お祖父様に聞いてきたことをチクル私。ああ悪気はないのシャドラン許して。敬愛する大伯父様を思うあまり真実をしゃべってしまうの。

「家出ですって?!」
「責任逃れするつもりか!」
「とっ捕まえましょう!」

 ハイエルフ様、アネッサお祖母様、メイニルお母様に目を付けられたシャドランは、後日、花神連合王国にいたところをハイエルフ様に見つかり本当にとっ捕まった。
 なんでもシャドラン、彼女さんと住む家を王国内で探していたそうな。
 それを聞いた女傑三人方も満足したみたいで、結婚式はエルフ村でやりなさいと再度念押ししたのだった。

「あそこで首を縦に振らなきゃ僕は…………」

 ぶるぶる震えながらシャドランは村の酒場でクール先生とうちのお父さんに語ったんだそうだ。ご愁傷様です。
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