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竜に優しくない世界は胸くそ悪い
しおりを挟む気づいたら前にも来たことある空間。
魂の休養所とかいうところである。
色とりどりのガゼボが乱立するその中で、私好みな英国風東屋は今も健在だった。心なしか前より大きいような。それでいてお花の種類が増えたような気がしないでもない。
東屋の中をキョロキョロ見回してしていたら声を掛けられる。
『あの坊主は気に入ったか』
キタ。簾ハゲオッサン。いつも通りの事務員だか公務員だかのルックで腹出てるね。
『余計なことは言わんでいい。その様子だとお気に召してないようだな。ふむ。やつは消去しようか』
早まるな。お気軽になんつーこと言うんだハゲ。
『あれはあれで孤独な魂でな。生まれ変わっても生まれ変わっても恋愛に失敗するんだ』
え、不憫。だから今世では恋愛成就の特典つけたのね。
『魂ポイントが貯まってて丁度良かったんだ』
転生特典てポイント制なの?!
『そうだ。転生記念は生まれ変わりの回数に応じて渡しておる』
あの子の転生記念は魔眼だっけ。
けっこういいものだ。遠視と透視は確実っぽいし。
もしかして、あの子も私と同じで強い魂なんじゃない?
『いや、お前ほどじゃない。魔眼もな、元より視力の良い魔鳥種にとったら、あまり意味のないものだ』
そういや鳥の視力って優れているよね。人には見えない紫外線すら認識できるんだっけ。
猛禽類なんて空中から野鼠ハントが可能な超視力をもっている。暗いところが見えない鳥目っていうのは、鳥が昼行性だからなだけで、別に夜目が効かないわけじゃない。
『なんでも使い方次第だ。厨二頭なら他の能力も見出せるだろう』
オッサンまでも厨二と……。
だいたい厨二病って勇者が患っているものじゃない?
『おお。やつらを勇者にすると楽しいことやらかすから、そうしておるのだ』
そうですか。
『ただちょっと暴走するな。酷いと世界に大穴空けたり』
その話、詳しく。
『聖獣に厨二病をプラスアルファしたのは初めてだ。まあ、お前ならそういうのでもコントロールできそうだったからやったまで。信用してるぞ』
いい感じに責任を押し付けないでオッサン。あと、私の質問に答えろ。
『お前も成長すれば【神の御業】の範囲が広がる。がんがれ。ああそれと、竜についてもう一度調べてみろ。あれは世界にとっての要なのに他種族からの扱いが酷い。その辺も、お前なんとかしろ』
はあああ? なんとかしろって、ちょ、オッサン!
言い捨ててオッサンは毛の一本も残さず消える。元より残せる毛が極少数なれど。
私の周囲が闇に包まれた。本当にあのオッサンは勝手だな。あれが【世界の理】かもしれないと思うと、この世界も不憫である。
「いつか全部むしり取ってやるわクソハゲ」
そりゃもうツルッツルにな。
「それは誰のことだ」
「誰ってそりゃ…………」
自分が目覚めたのに気づかず文句を言い続けてたら、突然、目の前にフィンの顔がドアップだ。
「フィン?!」
白い髪に底が見えない漆黒の瞳。ディムナの時とは違う本来の彼の美顔が視界いっぱいに映って何コレ何かのご褒美ですか――――って、私、仰向け状態なんだけど。
そして頭に違和感。これは……お膝枕ではないかな?
はわわわわ膝枕だこれ膝枕! 膝枕されてますよ私……! 彼氏の膝枕なんてレアな上に初体験。慌てる戸惑うどどどどどうしたらいいんだ?!
「あ、あう、あう、フィン、フィン……っ」
「顔、赤いし熱い。もう少し寝てていい」
そう言って起き上がろうとした私を再び膝枕へ。
ふが……! 鼻血出そう。いや出したらあかんよ。
乙女として、ここは恥じらいをもって接するべきだ。だけど興奮止まらず心拍数は跳ね上がり血圧は急上昇。顔面はド真っ赤に違いない。
熱があるとしたらばそれは自家発電です。
「うなされてたみたいだけど、大丈夫か?」
こくこく頷いてからこの状況に至りどういうことかと周りを観察する。
落ち着こう。私、落ち着こう。
見上げる天井は氷の屋根。フィンが座っているところというか、私が膝枕されているここは氷の椅子だね。場所は氷の神殿だ。
氷だから直に座ると冷たいわけだけど、そこは魔法でなんとかしてあるから人体の熱で溶けることもない。魔法便利。
この氷の神殿自体にもハイエルフ様特製防護魔法がかかっていて、火口から程近い位置に鎮座しているのに暑くないし、噴火するマグマや火山ガスからも守ってくれて安心安全である。
「あの子どうなったの?」
落ち着いて観察し終えたら気になったのは不死鳥フェオのこと。
フィンは顔を顰めて答えてくれた。そんな顰めっ面なのに私の恋人は美形だなどういうこった。
「残念ながら殺し損ねた」
いやね。そういうこと聞きたいわけじゃなくて、卵から孵ったかどうか、きちんと不死鳥として復活したかどうかを聞きたいのです。
どうしたのでせうか? と、もう一度尋ねたら、フィンは顔を神殿の入口の方へと向けた。私も追って、そちらへ視線を巡らす。
「ピッピ、ピエ~」
(た、た、た、たしゅけろ~!)
あれま。孵ってるじゃないか。
しかもピエタに捕獲されてペロペロ舐められているじゃないか。
竜の前足って短いけど、精いっぱい伸ばして不死鳥の雛を抱え込んでいるピエタ。
あんなに気に入ってベロベロ舐めているってことは、ピエタは満更でもないってことだ。
フェオの方は嫌がってるみたいだけど。と言うかですね、フェオくん。君、孵っても灰色なんだね。みにくいあひるの子みたいだよ。
姿かたちは鳥の雛。灰色の綿毛みたいな物体が、ピエタの涎でベトベトにされて呻いている。あまり不死鳥らしさは……ない。ないな。おかしいな。
一応、【ペントゥラート】には大体の人がイメージする通り、炎から生まれた紅色をベースに黄金を混ぜ込んだような不死鳥を描いたつもりだけど……。
そんな鳥としての優美さとかしなやかさとか、ないな。あれはただの灰色毛玉である。
「ピエタ、フェオのこと気に入ったの?」
「ピエエエ~ピエエ♪」
すごく喜んでいる。良かったねえ。
今はまだ動く毛玉ボールとか、お遊び興味対象だろうけど、もしかしたらそれ未来の恋人になるかもしれないから、ほどほどにしてあげてねとピエタに言い置いて、私はゆっくり起き上がった。
「ありがとうフィン」
「まだ寝てていいのに……」
いやいやフィンさん、そんな眉毛ハの字にしてショボーンとか……くっ、心臓が早鐘を打ちやがる。どんだけ私のハートをときめかせるつもりなんだろう。
フィンってもしかして心配性? 私が心配かけているのが悪いのだけど、それにしてもけっこうな構いっぷり。
「えーと、忘れない内に調べたいことが」
あるんだよ。簾ハゲオッサンが言うには竜がこの世界の要だとかかんとか。
もっと竜について調べろと。言われたから調べるというより、私も気になってしまったから調べよう。
いつも背負っているタブレットちゃんはどこかと見渡して、氷の机の上にマイ鞄があったので神器を取り出す。
「あれ? これって……」
鞄の傍に、もう見慣れた灰色のボールみたいな卵の殻が置いてあった。
「ああ。あいつの抜け殻」
と、フィンが言う。抜け殻って。まあ、その通りなんだろうけども『不死鳥の卵殻』ですね。大事なものじゃないか。こんなところに放置していいのかな。
「こっち戻って、エリは気絶して、あいつやっぱ殺そうと思ったら孵ったんだ。中身はどうでもいいけど殻は必要だろ。手に持ったら熱いから冷やしてた」
よく見たら卵殻はクラッシュアイスの山に囲まれ、その頂上に鎮座していた。
そうか。あれ熱かったのか。そりゃそうだよね。マグマの産湯に浸かっていたわけだし。
殻はそのまま置いておいて、三代目タブレットちゃんもとい神器を起動させる。
【世界図書館】で竜種に関する本をピックアップだ。
『竜種飼育指南書』
『竜卵の種類と見分け方』
『日々是調教』
『ドラゴン解体新書』
検索にかかる本は、どれも竜を隷属させたり飼ったりするものばかり。
竜の卵の捕獲方法やら末期に解体して素材にする方法など……読んでいると胸くそ悪くなってくるんですけど。
ピエタはこんなにも感情豊かで、まだ言葉は喋れないけれど一生懸命に意思を伝えてきてくれるのに、これらの本に書かれている竜たちは、そういった感情が欠如しているように思える。
やっぱり調べたって不快になるだけだよ。この世界は竜に優しくない。
「竜の何について調べてるんだ?」
「うーん。それがねえ、竜について調べろってだけで詳しくは聞いてなくて」
竜の何を調べたらいいか分からない。あの簾ハゲ、説明不足にも程があるだろ。
世界の空洞については聞き流されるし、無責任にも不死鳥の教育まで押し付けて、挙句の果てに竜種を救えだと。
その辺の愚痴をフィンに語り、フィンは真面目に聞いてくれるけど何故かお膝抱っこされました。態度が不真面目である。
くっつくの好きなので何も言えない私。もしここに他の誰かがいれば自重してくれるはず。今は二人っきりだからねえ。
(うおーいいいい助けもせんとイチャイチャすんな死ねそこの白髪頭)
「ピエンピエンピエエ~(べろべろべろ)」
(のおおオオォォ)
そちらこそイチャイチャしてますやんというツッコミは心の中で。あと、フェオの声はフィンには届いてないから詰っても無駄だよ。
(ひでえ! いつか喋って詰ってけちょんけちょんにしてやる!)
謳い鳥なんだから言葉は喋れると思うけど、どうかな。
三倍返しされる方に一票入れておくね。
(うああぁぁんん)
なぜか泣いてしまった不死鳥のフェオ。
ピエタの本能全開おしゃぶりにもめげず強い子に育ってほしい。
「そういや前から思ってたけど、あの竜はオスなのだろうか」
「………………へあ?」
突然なに言い出すのフィンさんや。
ピエタはもう産まれた時からピエタと私が名付けて、あのクリクリっとした愛らしいお目めといいクリーム色のふわふわした鬣といい、どこをどう見ても可憐な男の子で……あれ?
「生殖器は見たことないかも」
「ああうん。その言い方で合ってるとは思う」
そうそうそうだよね。ピエタって名前も、ピエピエ囀る鳴き声から名付けただけで、きちんとオスだと確認して名付けたわけじゃない。
もしかしたらピエコかもしれないんだ。ピエミでもいいけど。
「ピエタがピエコでピエミでメスだった場合、フェオは喜ぶかな」
「そもそも異種間で番になれるのかという問題もある」
難しい問題だねえ。
将来どんな風になるのか知らないけれど、今は性別問題の方が大事だ。
私は早速、検索窓に『竜種 性別』と入力した。すると入力補助に『竜種 性別 名付け』と出たので、そっちで検索開始。
「大変だ。かわいかっこいい名前いっぱいある」
検索して出てきた『竜の番をつくるには』なんて本には、今まで成立した竜カップルの紹介がずらり。『竜名辞典』『竜名一覧早見表』なんてのもある。
「竜に名前を付けるのは基本だからな。隷属させるには名で縛るのが一番手っ取り早い」
魔物を隷属させる魔法だね。そういう魔導具もあるくらい、この世界では竜しかり魔物を縛る行為は当たり前のことなのだ。胸くそ悪い(二回目)
「"さて今度は、二匹が成体であるかチェックしましょう。幼竜の頃にはなかった雄性生殖器が外部に付属している方がオスです。逆にメスは内部に雌性生殖器が形成され、卵を産む為の器官が発達しています。生殖孔の位置は図2を参照してください"」
『竜の性と繁殖』という本を音読する。保健体育の授業並に恥ずかしい内容だ。一気に読めば恥ずかしくない。
難しい言葉で書いてあるが内容は竜の性交についてである。
へー。竜の性行為って、そんな風なんだ……。
人間と似ているようで、ちょっと違うね。雄性生殖器は二本あるとかさ。色んな新事実に感心していたらフィンさんの手が怪しくなってきましたよ。
服の上からだけど、私のふにふにしたとこ。や、ぷにぷにしたとこ。を、いたずらな手が這う。
「フィン……こういうのはまだ早いんじゃないかと」
思うよ。どうですかいね。
「前に温泉でもしただろ」
ああうん。一緒に温泉入ったのは、後にも先にも鬼神にコンテンパンにされた後三日寝込んだディムナが目覚めてくれて嬉しくて勢いで誘ってしまった、あの時きりだ。
あの時は……裸のまま色んなとこ触られた。今の比じゃないくらい。そのことを思い出したら顔が一気に熱くなる。
「いや、いやいやあの時は調子こいてたというかなんというか!」
「服の上からでもわかる。エリの体温とか息遣いが……あの日に見たことを思い出させてくれるんだ」
な、なんつーこと言いやがりますか?!!
何見たの? あの日何を見たの?! と、勢い込んで聞いたらフィンは超いい笑顔になった。ああん素敵な笑顔。じゃなくて。
「こんな貧乳で何が楽しいの……」
一向に成長しない胸を見やってぼやく。前世でもどっちかというと貧乳の部類でしたが、成人していたのでさすがにこれよりは育っていた。
今はほらお子様体型なわけじゃん。色気もなにもあったもんじゃないと思うわけで。
「いつか大きくなると思うと待ち遠しい」
正直だねフィンどした?! そう返そうとした私より先に、フェオの方から魂の雄叫びが轟いた。
「リア充爆発しろおおおおっっ!!!!!!」
お前、産まれて最初に発した言葉がそれかよ。産声がそれでいいのかね。
「やっぱあいつ半殺し」
暴虐の白い牡牛が獲物を睨む。
「あひイ……っ!」
獲物、怯む。怯えるくらいなら最初から言わなきゃいいのに。
とりあえずフィン、どこぞの鬼を連想する目でフェオを半殺そうとするのはやめたげてください。あれでも一応、聖獣なので。
結局、竜種について調べ損ねた。
焦ることでもないし、ぼちぼち調べましょってことで。
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