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婚活中だった人々
ハットベルの場合1
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熊さんと鳥さんの話です。ほのぼの
FAいただきました!
お持ち帰り、だとおお(`⊙ω⊙´)
SFさん(@SF30844166)ありがとう
。゚.o。*:.●。.:*。゚.o。*:.●。.:*。゚.o。*:.●
魔熊種のハットベルは蜂蜜が大好きである。
琥珀色の蜂蜜が入った蜂蜜壺を常に携行しており、それは仕事へ行く時も手放さない。
ハットベルの仕事は、魔王城の裏に広がる "魔森" を管理する団体に雇われた学術調査員である。
魔森には魔国中の植物をぎゅっと詰めた植生が蔓延り、魔国中を見て回るより効率的に植生サンプルを手に入れることができて便利なのだ。
魔熊種であるハットベルの見た目は二メートルを越える熊人間である。
熊型と人型で、姿形を時と場合によって使い分けている。
ハットベルの仕事上、熊型──毛深い短毛で太い熊毛に全身が覆われ、頭部も熊そのものの姿でいることが一番多い。熊型だと力を揮いやすいのだ。
学術調査といっても危険の多い魔森の中、一人で野草を狩り、魔物と対峙し、目的サンプルを手に入れなければならない。
五感に優れ、腕力にも優れる熊型のままでいる方が有利だった。
そんなハットベル御年30歳。寿命数百年の魔熊種の中でも結婚適齢期である。
先日は婚活パーティーなるものにも参加し、お年頃の娘とキャッキャウフフとする予定で…………できなかった。
それどころか話しかけることも出来ず蜂蜜ばかり舐めていた。逃避行動である。
舞台上ではシャボン玉吹いて終わった。
実はハットベルさん、シャイなのである。
それも究極のシャイさ。
女の子を見れば隠れるし逃げる。
おしゃべりなんか以ての外。
周囲に女の子がいる状態の婚活パーティー会場で、逃げないで椅子に座ってただけでも、かなり頑張った方なのだ。
逃避行動で蜂蜜舐めてたけど。
蜂蜜は魔熊種の仲間が手塩にかけて養蜂したものだ。蜂箱設置の際、下調べに協力したのを縁に、ハットベルが要求すれば、いつも破格で譲ってくれる。ありがたい。ほぼ蜂蜜で生きてるハットベルには非常にありがたいことだ。
蜂蜜を壺型保存容器に入れ、常に携行しているのは長年のクセみたいなものだった。
常にそこにぶら下げてないと落ち着かないレベルにまで達してしまっていた。
その大事な大事な蜂蜜壺を持って、今日もハットベルは仕事で、植生豊かにしてワンダーそしてちょっとミステリアスな "魔森" へと、熊毛たっぷりに覆われた大きな足を踏み入れた。
*
その日、午前中にチェックする箇所を見終わって、腰の蜂蜜壺に手をやる。
ハットベルの毛深いお手手は器用に蜂蜜壺の中の黄金色した液体を掬い取り、口元まで運ぶ。ど厚い舌も器用なもので、舌先を小刻みに震わせながらもベロベロと手に付着中の蜂蜜を舐める。
甘い甘い蜂蜜に舌鼓を打っていると、ハットベルの獣耳に何かしらの悲鳴が聞こえた。
気のせいでなければ、誰かがこの "魔森" で危険に曝されている声だ。
たまにいるのだ。関係者以外は立ち入り禁止なこの森に、度胸試しやらなんやらで足を踏み入れるおバカさんが。
ハットベルは耳を澄ませながら茂みを掻き分けて歩いた。
数分後、見つけた侵入者は蔦植物に絡め捕られ、木の上の方で磔になっていた。
「ふえぇぇーぇん」なんて泣き声を上げている。
「あ! 助けてー! そこの熊さん助けてー!」
樹上からハットベルを視認したらしい侵入者。手足どころか体中を緑色した蔦植物に巻き巻きされているが首は動かせるようで、ハットベルに向けたその顔は、どこかで見たことのある顔だった。
ハットベルは木に登り侵入者を助けた。
大きな熊の図体だが木登りは得意だ。
木から降りる時も侵入者を担いで降りて、緑の蔦まみれの侵入者を地面に優しく置いた。
「ふへー助かった。ありがとう熊さん……て、あれれ? 熊さん前に見たことある熊さん?」
雁字搦めになっている緑の蔦を熊爪に引っ掛けて解いていたら、侵入者にそう言われ、ハットベルも先程、既視感を覚えたことを思い出す。
そういえば、この声も聴いたことがある。
あれは明るく軽快に歌う小鳥の歌だったような……。
「やっぱそうだ! 熊さん知ってる熊さん婚活パーティーに来てた。私、リンだよ。魔鳥種のリンラン。婚活パーティーで歌を歌ったよ」
自由になった手足をバタバタさせ、はしゃぐように言い募る侵入者の名前はリンラン。本人が……いや、本鳥が名乗った通り、魔獣族は魔鳥種。頭に三本の冠羽と、背中に鳥の羽を生やしている羽毛は月白の鳥女だ。
ちょっとだぼついた服にジャンバー、下は地厚めのスカートでスニーカーと、活発な格好をしている。スカートが膝上で、健康的に張りがあってスレンダーな足が見えているのが、ハットベルにとってちょっと目に毒だった。
「あ、あの時の~ぉ」
と、ハットベルも思い出して、のんびり声を上げる。
視線は華奢な女性の太腿から足首を、つい眺め讃えながらだったけれど許してほしい。普段は女性に縁のない独り寂しい熊だから。
「綺麗な、歌だった」
女性の足を見つめながらだったけど、ハットベルはあの時に感銘を受けたことを、きちんと伝えた。
するとリンランの冠羽はピクピク動き、瞳を輝かせて喜んだ。
「覚えててくれたんだ。嬉しい!」
「─────────うお?!」
しかもハットベルに思いっきり抱きついてきた。
いきなりのことでハットベルは小さな熊目を白黒させてしまったが、女性に抱きつかれて悪い気はしない。
意外と大きな胸の感触が熊毛を通して伝わってきて、思わずハットベルもリンランの腰に腕を回した。
「熊さん、ありがとう。お名前は? 多分、婚活パーティーで紹介あったと思うけど、私トリ頭だから忘れちゃった」
魔鳥種の特性で聞いたことを三歩あるいて忘れるなんてことは、しょっちゅうある。だからこそ普段からメモをとる。
リンランは懐からメモ帳と鉛筆を出して、名前を書きつける気満々の姿勢を見せた。
「ハットベルだ。婚活パーティーでは名乗らなかった。すまん」
ずっと蜂蜜舐めてたからとは恥ずかしくて口に出せず。
「そなの? じゃあ私、初めて熊さんの名前聞くんだね。
ハットベル…………うんよし、書けた。ちゃんと覚えるけど、もし忘れちゃったらごめんね。その時はこのメモを見て思いだすからね!」
そう力強く宣言して三秒後、「はれ? 熊さんの名前って……」とメモを見ていたリンランは、「ああっ、そうだ私これからアイリスちゃんに会いに行くとこだったあぁ」と忙しなく飛び去ってしまった。
羽を広げ、ぐんっと青空へと飛び立つリンランの鳥後ろ姿を、ハットベルは熊瞳を眇めて眺める。
魔鳥種は人の形をとったまま空を飛べるのか。凄いな。
そんな風に思ってから、また魔森の奥へと午後のフィールドワークに出掛けた。
FAいただきました!
お持ち帰り、だとおお(`⊙ω⊙´)
SFさん(@SF30844166)ありがとう
。゚.o。*:.●。.:*。゚.o。*:.●。.:*。゚.o。*:.●
魔熊種のハットベルは蜂蜜が大好きである。
琥珀色の蜂蜜が入った蜂蜜壺を常に携行しており、それは仕事へ行く時も手放さない。
ハットベルの仕事は、魔王城の裏に広がる "魔森" を管理する団体に雇われた学術調査員である。
魔森には魔国中の植物をぎゅっと詰めた植生が蔓延り、魔国中を見て回るより効率的に植生サンプルを手に入れることができて便利なのだ。
魔熊種であるハットベルの見た目は二メートルを越える熊人間である。
熊型と人型で、姿形を時と場合によって使い分けている。
ハットベルの仕事上、熊型──毛深い短毛で太い熊毛に全身が覆われ、頭部も熊そのものの姿でいることが一番多い。熊型だと力を揮いやすいのだ。
学術調査といっても危険の多い魔森の中、一人で野草を狩り、魔物と対峙し、目的サンプルを手に入れなければならない。
五感に優れ、腕力にも優れる熊型のままでいる方が有利だった。
そんなハットベル御年30歳。寿命数百年の魔熊種の中でも結婚適齢期である。
先日は婚活パーティーなるものにも参加し、お年頃の娘とキャッキャウフフとする予定で…………できなかった。
それどころか話しかけることも出来ず蜂蜜ばかり舐めていた。逃避行動である。
舞台上ではシャボン玉吹いて終わった。
実はハットベルさん、シャイなのである。
それも究極のシャイさ。
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おしゃべりなんか以ての外。
周囲に女の子がいる状態の婚活パーティー会場で、逃げないで椅子に座ってただけでも、かなり頑張った方なのだ。
逃避行動で蜂蜜舐めてたけど。
蜂蜜は魔熊種の仲間が手塩にかけて養蜂したものだ。蜂箱設置の際、下調べに協力したのを縁に、ハットベルが要求すれば、いつも破格で譲ってくれる。ありがたい。ほぼ蜂蜜で生きてるハットベルには非常にありがたいことだ。
蜂蜜を壺型保存容器に入れ、常に携行しているのは長年のクセみたいなものだった。
常にそこにぶら下げてないと落ち着かないレベルにまで達してしまっていた。
その大事な大事な蜂蜜壺を持って、今日もハットベルは仕事で、植生豊かにしてワンダーそしてちょっとミステリアスな "魔森" へと、熊毛たっぷりに覆われた大きな足を踏み入れた。
*
その日、午前中にチェックする箇所を見終わって、腰の蜂蜜壺に手をやる。
ハットベルの毛深いお手手は器用に蜂蜜壺の中の黄金色した液体を掬い取り、口元まで運ぶ。ど厚い舌も器用なもので、舌先を小刻みに震わせながらもベロベロと手に付着中の蜂蜜を舐める。
甘い甘い蜂蜜に舌鼓を打っていると、ハットベルの獣耳に何かしらの悲鳴が聞こえた。
気のせいでなければ、誰かがこの "魔森" で危険に曝されている声だ。
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ハットベルは耳を澄ませながら茂みを掻き分けて歩いた。
数分後、見つけた侵入者は蔦植物に絡め捕られ、木の上の方で磔になっていた。
「ふえぇぇーぇん」なんて泣き声を上げている。
「あ! 助けてー! そこの熊さん助けてー!」
樹上からハットベルを視認したらしい侵入者。手足どころか体中を緑色した蔦植物に巻き巻きされているが首は動かせるようで、ハットベルに向けたその顔は、どこかで見たことのある顔だった。
ハットベルは木に登り侵入者を助けた。
大きな熊の図体だが木登りは得意だ。
木から降りる時も侵入者を担いで降りて、緑の蔦まみれの侵入者を地面に優しく置いた。
「ふへー助かった。ありがとう熊さん……て、あれれ? 熊さん前に見たことある熊さん?」
雁字搦めになっている緑の蔦を熊爪に引っ掛けて解いていたら、侵入者にそう言われ、ハットベルも先程、既視感を覚えたことを思い出す。
そういえば、この声も聴いたことがある。
あれは明るく軽快に歌う小鳥の歌だったような……。
「やっぱそうだ! 熊さん知ってる熊さん婚活パーティーに来てた。私、リンだよ。魔鳥種のリンラン。婚活パーティーで歌を歌ったよ」
自由になった手足をバタバタさせ、はしゃぐように言い募る侵入者の名前はリンラン。本人が……いや、本鳥が名乗った通り、魔獣族は魔鳥種。頭に三本の冠羽と、背中に鳥の羽を生やしている羽毛は月白の鳥女だ。
ちょっとだぼついた服にジャンバー、下は地厚めのスカートでスニーカーと、活発な格好をしている。スカートが膝上で、健康的に張りがあってスレンダーな足が見えているのが、ハットベルにとってちょっと目に毒だった。
「あ、あの時の~ぉ」
と、ハットベルも思い出して、のんびり声を上げる。
視線は華奢な女性の太腿から足首を、つい眺め讃えながらだったけれど許してほしい。普段は女性に縁のない独り寂しい熊だから。
「綺麗な、歌だった」
女性の足を見つめながらだったけど、ハットベルはあの時に感銘を受けたことを、きちんと伝えた。
するとリンランの冠羽はピクピク動き、瞳を輝かせて喜んだ。
「覚えててくれたんだ。嬉しい!」
「─────────うお?!」
しかもハットベルに思いっきり抱きついてきた。
いきなりのことでハットベルは小さな熊目を白黒させてしまったが、女性に抱きつかれて悪い気はしない。
意外と大きな胸の感触が熊毛を通して伝わってきて、思わずハットベルもリンランの腰に腕を回した。
「熊さん、ありがとう。お名前は? 多分、婚活パーティーで紹介あったと思うけど、私トリ頭だから忘れちゃった」
魔鳥種の特性で聞いたことを三歩あるいて忘れるなんてことは、しょっちゅうある。だからこそ普段からメモをとる。
リンランは懐からメモ帳と鉛筆を出して、名前を書きつける気満々の姿勢を見せた。
「ハットベルだ。婚活パーティーでは名乗らなかった。すまん」
ずっと蜂蜜舐めてたからとは恥ずかしくて口に出せず。
「そなの? じゃあ私、初めて熊さんの名前聞くんだね。
ハットベル…………うんよし、書けた。ちゃんと覚えるけど、もし忘れちゃったらごめんね。その時はこのメモを見て思いだすからね!」
そう力強く宣言して三秒後、「はれ? 熊さんの名前って……」とメモを見ていたリンランは、「ああっ、そうだ私これからアイリスちゃんに会いに行くとこだったあぁ」と忙しなく飛び去ってしまった。
羽を広げ、ぐんっと青空へと飛び立つリンランの鳥後ろ姿を、ハットベルは熊瞳を眇めて眺める。
魔鳥種は人の形をとったまま空を飛べるのか。凄いな。
そんな風に思ってから、また魔森の奥へと午後のフィールドワークに出掛けた。
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