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あいつとBLしたい編
50.選定の泉でマリッジブルー*
しおりを挟む聖母神殿を出て直ぐに地下茎へ潜り、聖王の森にある『選定の泉』へ。
ニョキッと生えましたよ。
どうしてここへやってきたかというと、聖母が「創聖神チーニバウタ様に会いたいなら泉の水を飲めばいいじゃな~い♡」って教えてくれたらからです。
前も、根っこからごきゅごきゅ飲んだことあるけど、創聖神は現れませんでしたよと返したら、「木根で飲んだから気づかれてないのかも♡」と。
気づいてお爺ちゃん。
この箱庭世界で一番偉い神がボケている件。知りたくなかったそんな事実。知ったところで会うことをやめる気はないけれども。
なぜにボケ老人へと面会を求めるかというとですね、結婚報告です。一応あれ、私の生みの親らしいから、報告くらいしておこうと思いまして。
森の奥の小さな泉。聖王選定の時にしか辿り着けないとされるその泉に、時期外れなのに二回もやってきてしまった私は何者でしょうね。
答え、聖樹たん。
創聖神の使徒で(たぶん)聖王のお嫁さん(になるかもしれない)。
聖母アドバイスに従って、泉の縁から覗き込んで水を手で掬い、飲みます。ごくごく。
木だから、木らしく、ミネラルウォーター的なのは根っこで吸い上げたい派なのですが、相手が耄碌しているのなら、しょうがない。
きちんと手で掬って、飲みましょうね。ごくごく。
ぷはー。冷たくて爽快なお味。水を掬った手も、ひんやり心地良い。
木だけど、そういうの、感じるんですねー。木なのに、五感が、あるんですねー。
聖王の森の深層なだけに、木々が深くて木陰も多いのですけれど、本日とっても良い天気のポカポカ陽気でございまして、少し冷たい水で頬を濡らすと気持ちいい。
だからか知らないけれど、服、脱いじゃった。真っ裸で泉の中に、どぼーん。
複雑編み込みの服を脱いでまで水を求めるなんて、今日の聖樹たん、どうかしてるぜ。
しかも聖樹として目覚めて、初めての水浴びです。ひゃっふーん。
ああ、きもちゃよいぞ~~。
前世でスイミング講座を受講しておいて良かったですね。
楽しく犬かきです。え、そこはカエル泳ぎじゃないのと是非つっこんでください。
どっちも、泳げますよ。ス~イスイスイ。
そうやって泉の真ん中あたりに来た時でした。
ゴポゴポ泡の出ているところを発見しまして、なんだろうと近づいたらば、そこからイケメンが現れたのです。
ふぁ?!
「よお、聖樹たん。元気しとるようじゃの」
イッケメーン! イケメンなのに口調が爺!
褐色肌で黒髪ロングなイケメン爺がチーニバウタ翁だなんて信じられない……!
体なんて細身なのに腹筋割れて細マッチョとか、嘘でしょ……?!
衝撃の肉体美を晒しつつ、白い歯キラン☆ 芸能人みたいだね。
しかし、なぜに素っ裸で出て来やがりましたかね、この変態爺は……ろしゅつきょう?
「失敬な。誰が露出狂じゃい」
あ、私の思考をナチュラルに読みましたね。やっぱり神様です。
読んでくれるなら話が早い。聖王と結婚しますよ私の生みの親。
結婚式くる? 神様席あるか知らないけど、来るなら招待状を出すからさ。
「聖王の結婚式なら聖列席があるじゃろ。聖霊体で活動しとるやつらは招待しても大丈夫じゃぞ」
「お爺ちゃんは?」
「こりゃ、せめてパパと呼ばんか」
「しょうがねえパパですねえ。じゃあ、パパも聖霊体でバージンロード歩いてくれます?」
「勿論じゃ。わしの可愛い聖樹たんの為じゃからのう」
ひゃだパパったら私にデロ甘じゃないですか。
「いつの間にか大きゅうなりおって……」
しみじみしちゃったチーニバウタ翁は、どこからか和菓子と緑茶を取り出して、「一杯やろまい」と、私にも湯呑を手渡す。
泉のど真ん中で和風ティーパーティーが始まりましたよ。
「前世の物ばかりじゃ。懐かしいじゃろ」
「私に合わせてくれたんですね。ありがとうパパ」
すっかりこちらの世界に溶け込んでましたけども、前世の文化も懐かしいっちゃ懐かしい。
泉の周りに咲く樹木は薄ピンク色の五枚花を咲かせているし、花弁が風に舞って泉に波紋を広げている光景は、実に風流です。
「ところでバージンロード言うとったが、おみゃーさんバージンじゃにゃぁのにバージンロードとはこれ如何に?」
急に名古屋のじーちゃんしゃべりでどうしたパパ。
前世の旦那側義父を思い出してしまうがね。
「そんなこと言ったら、全花嫁の過半数が処女性なんか失ってますよ」
「嘆かわしいのう。もうどうせなら血まみれロードにすべきじゃ」
「神様のくせにひどいこというな」
本当にこの爺さんは神様なんですかねえ?
確かに私の思考は筒抜けのようですし、私の心を読んで、前世での私の愛する嗜好品を出してはくれましたよ。
けどねえ……。
違和感があんだよなあ。
「ねえ、パパ。どうしてパパの髪の毛は真っ黒なの?」
「これはのう、さっきまで厄の眷属を采配しておったからじゃよ」
「じゃあ、どうして肌まで日に焼けたように黒いの?」
「これもな、厄モンスターを生み出す仕事をしとったからじゃよ」
「…………パパは聖なる存在じゃないの?」
「そもそも聖なるものとは、厄と表裏一体なのじゃよ」
結論から述べられてしまった。
「リヴァイアサンみたいに?」
「あれと対峙したのなら知っとるじゃろ。聖なる存在が堕ちると厄モンスターとなるんじゃ。厄モンスターは聖なる存在を憎み、攻撃する。聖なる存在が不幸になるよう仕向けるんじゃ」
なかなか面倒臭い存在ですよね、厄モンスターって。
「それじゃあ、パパも厄の神様になるかもしれないってこと?」
「既にそうじゃが」
「マジで?」
「マジじゃよ」
創聖神なんて格好良い肩書で呼ばれているのは聖なるもの側からだけで、厄モンスターにしたらチーニバウタ翁は魔神とか暗黒神とか、なんかそんな闇っぽい神様になっちゃうらしい。
「だから聖王選抜のシステムが残酷なんだ……!」
この泉が『選定の泉』なのは、ここで創聖神チーニバウタから認められた者だけが聖王になれるから。
メトジェの兄弟たちが、ここで屍になった理由は、選ばれなかったからだもの。
「聖王に嫁ぐ前に知っておいた方がええかものう」
そう言って教えてくれたのは、そもそも聖王とはどういう存在かについてだった。
「初代聖王がどうやって聖王になったか知っておるか?」
「ムトジャイルが? ……そういや知りませんねえ」
気づいたら王様になっていたから。元より王位を継ぐべき人物だったと聞いている。でも、国を追われて私のところに辿り着いて、傷を癒したら帰って行った。
故郷で即位したからじゃないの?
「戦争で幾万もの命を奪ったからじゃよ」
「ふぁ?!」
リアルで、ふぁ?! しちゃったよ。
マジでムトジャイル……あんなに優しい顔しといて独裁者だったのか…………。
「幾万もの屍の上で頂点に立ったんじゃ。英雄じゃろが」
「いや、そ、だけど……」
前世でも、戦争で死んだら英霊ってシステムあったけどさあ。
「わしも最初は魔王にしてやろうかと思ったんじゃが」
「ひゃめてー!(やめて)」
「心が守られておったから聖王にしたんじゃ」
「守られ?」
「そうじゃ。聖樹たんの愛じゃよ」
「ふぁ?!」
こっ恥ずかしいよ愛とか……!
で、え、なに、私の初恋がコーティングしてたのムトジャイルの心を?
「だからの、選定の時も聖樹たんとの相性を見極めて、変な性癖を持つやつはお断りし、腐女子的腐れ思考を理解できぬものは弾き、聖樹たん好みのイケメンで…………(云々)」
え、え、どええ、ちょ、ちょっと待って、聖王選定に私の嗜好を反映させてましたの……?!
それで選ばれなかったやつ、可哀相じゃん?! 死に損じゃん?!
「別に、わしゃあ殺しとらんが」
「えーだって、この前ここ来た時、メトジェの兄弟がゴロゴロ死んで白骨化してて」
「そりゃあ勝手に殺し合ったんじゃろ。わしの所為じゃないもん」
ふるおああああああああ神様ーーぁぁ神様って残酷! これが神の実態だとでもいうのかあああああ……あ、厄の神様でもあった。
聖なる存在も、厄の存在も生み出す神様。創聖神様。
どちらにしても人類に対して残酷過ぎやしませんか?
「大体、ここに辿り着くまでに兄弟で足の引っ張り合いしおって、半数は削れとるわい。毎度毎度、飽きんやっちゃらだホイ」
「そんなお気軽なことじゃ……皆さん、命懸けだったろうし……」
「だが聖樹たんの婿の座は一つしかないぞい」
「だからそれー! それおかしいとこだって気づいてお爺ちゃん!」
「パパじゃ」
「パパー! 娘の婚活邪魔しないでー!」
わああ……っっっっ(涙)
「邪魔なんてしとらんもん。今代の婿はええ男じゃろ? 結婚まで決めたんじゃから、サイコーオブサイコーじゃろ?」
「ぐすん。確かにメトジェ最強に素敵ですが……」
「なんじゃ、不満があるのか? マリッジブルーかの?」
マリッジブルー……そうなのかなあ。結婚が決まってウキウキルンルンどころか、漠然とした不安に襲われてアンニュイな気分になってしまうという……マリッジブルー…………。
私は不安に思うことを相談した。相手は腐っても創聖神。たとえ私の婿探しを千年も続けている筋金入りの変態爺だろうと(まだ素っ裸であるこの爺は)私の生みの親です。
何かしらの解決策をください。聖王と聖樹の寿命差問題について。
「後継者つまり次代の聖王が即位すれば、前聖王は死ぬシステムじゃ」
「そこをなんとか」
「聖×聖カップルは普通両方とも長生きなんじゃが、聖王に関しては人間と変わらぬ寿命に設定してしまったのう。これは人外×人間カプ好きのわしの好みの問題でもあるが、それで聖樹たんがショボンしちゃうのは気が引けるのう」
「ところどころの腐男子的発言は見逃してあげますから、解決策を。はよう。解決しておくれ」
寿命を一緒にしてくれるとかさあ!
「子供を作らなければ万事解決じゃが」
「子供は欲しいの。パパも孫を抱っこしたいでしょ?」
「うへへ、そうじゃのう~聖樹たんの子なら圧倒的可愛さじゃろうて」
デレデレになりましたよこの爺。もう一押し。
「そもそもですよ。子作りのために若返ったり、相手と相応しい年齢になるよう調節できるという小技まで披露しておきながら、子孫残したら死んでしまうとはなにごとですか。蜻蛉ですか。儚すぎやしませんか?」
「うむ。だからの、若いままで子供バンバン作れるシステムなんじゃろが。これまでの聖王だって若い姿のまま死んだんじゃぞ。ほんとマジで、これまでの聖王を見てみい。代々の記憶を引き継ぎ、より強い者を作ろうと頑張っておったんじゃぞ」
「半端な記憶という知識の継承があっても、醜い兄弟争いは無くなりませんでしたよ。是正すべきです」
私、これまでの聖王システムを根底から見直してもらうべく、必死に主張。ここで改善しておかなければ、今後の子孫へ悪影響を及ぼしますからね。
明るい未来を我が手に!
どこかの政党のようなスローガンを打ち立て、熱く主張すること一時間。
チーニバウタ翁も折れてくれて、「ほんじゃらば、聖樹たんの言う通りに」となった。
やったぜ……! これからの未来は私たちで作るんだ……!
「寿命問題はどうする気かの? 言っておくが、新しい聖王システムは次世代からで、今代の聖王には予定通り寿命で死んでもらうぞい」
「ぴどい!(ひどい)」
どう改善しても死に別れ方向へ持って行く、この腐爺脳なんとかして。
そう、うっすら垣間見えていたけれど、この爺は腐男子なのです。しかも性癖が未亡人万歳系。私とは相容れぬ腐れ方向……!
いえ、私とっても雑食なのですけども、ホラーや不幸話は苦手なの。ハッピーエンドがいいんです。お姫様は末永く王子様と幸せに暮らしましたエンドを望みます。
あーでもない、こーでもないと頭を捻っていた時でした。
「美樹、その男は誰だ?」
メトジェ聖王その人がやってきたのです。
「メトジェ!」
「しばらく会わない内に男をつくっていたなんて……」
「は? これですか? 違いますこれパパですよ」
「パパだあ? はっ、最近巷で流行っているという町で会った初対面のオッサンをパパと呼び一発やらせて金貰うという……援助交際!」
「違う! 果てしなく違う! これは本物のパパです創聖神チーニバウタ、私を生んだ父!」
私、懸命に説明しましたよ。裸ん坊のまま泉から上がって、メトジェのところへ行きながら。
「素っ裸のお前と真剣に向き合っていた素っ裸の変態男が、実の父親だと?」
「状況はそうなってますが、本当に創聖神なんです。魔樹だった私を寝ている間にこっそり聖樹にした変態腐れ爺がこれですよ」
「聖樹たーん、本当のこと罵り混じりで言われると、パパ照れちゃうぞい」
どこに照れ要素がございましたか?!
やっぱり変態だこの爺ちゃんは。
「百歩譲って、そいつが創聖神だと認めよう。だが、裸である必要はあるのか?」
「ないですね」
「必要ないのに裸なのか? お前も、あの顔が良い男も」
顔が良いってチーニバウタ翁のこと? メトジェってば、パパがイケメンで素っ裸で私と親密そうだから嫉妬したってこと?
なんという可愛さなのか私の恋人むしろ未来の旦那様は……!!!!!!
「ふむふむ。今代の聖王は分かっておるのう。褒めてもらったからには褒美を授けてやろうかの」
やった! 創聖神がメトジェにデレた!
目をスッと細めたチーニバウタ翁、その姿が、ふっと掻き消えたと思ったらメトジェの横へ。
「うわっ、何す……んうっ」
メトジェを羽交い絞めにして、チューーと、口付け。
────ぴい!!!!!!!!!!!
「んぐ、ん……ンふ、ふあっンくぅ……っ」
めちゃくちゃディーーーーーープなやつやんけ!
ぴぎゃあああああああああああああBL尊い! 違う! そいつぁ駄目だぜ創聖神たとえ私のパパでもゆるされねえ行為だ!!
私は号泣しながら創聖神の頬を殴り飛ばした。張り手ではないです。そんな生易しいものじゃないです。グーでパンチ略してグーパンしました。
「これはの、力を授けただけであって、決して他意はなく」
頬を腫らして言い訳する創聖神を前に、私は大号泣。
びえええん びええええん
メトジェを盗ったあ パパが盗ったあ
「嘘ですうう娘の旦那を寝取る気でした……! NTRは好きですが私のメトジェはだめぇぇあげません!!」
びえんびえんと激しく涙を噴射しながらメトジェに抱きつきます。頭振って額をグリグリ雄っぱいに擦りつけ、これは私のだと主張。
「どこがNTRか。わしの好物は、寡夫の心の隙間を埋めてあげるついでに体を従順に仕立て上げる心の不倫調教じゃい」
性癖暴露したチーニバウタ翁。この腐男子は創聖神のくせに闇属性なのですよね。
「不倫調教、だと……?」って、メトジェがドン引きしている。だよねだよねー。
亡くなった夫を想い貞淑に暮らす夫の熟れた体を暴くBLとか、不埒にも程があるよねー。
……やだそれ萌えるじゃん!
想像したら興奮した。んもう、チーニバウタお爺ちゃんのバカバカ!!
私、さらにプンプンしてメトジェの服に手をかける。久しぶりのメトジェ(の雄っぱい)お元気ですか?
「あ、おいこら、美樹……っ」
「ここか? ここがええのんか?」
開襟した胸をチュッチュ吸ってはペロペロ舐める。
んっんっ、この味、この味はまさしくメトジェです。
「はぁはぁ。我慢できません」
「目が血走ってやがる……! っう、そこ」
サクランボ色に色づいた粒を、ぱっくんちょ。唇で挟んでもごもご。舌先でもつっついて、涎でべとべとにしていく。
「んぅっ、メトジェ……手が……」
好き放題にメトジェの雄っぱいを愛でていたら、メトジェの手が私のお尻を掴んだ。
「裸で誘ってくるお前が悪い」
「ふぁい、私がわるいです……シましょー……」
メトジェの指が私のお股に入って、こすこすこす。
「うにゃ……ぁ、ぁー」
いいのーそこ、そこー。お尻振っておねだりしつつ、ちゅっとメトジェの口に吸いつく。
消毒しなきゃね。ちゅっちゅ角度変えながら徐々に深くしていって、もうベロベロ。舌の絡ませ合い方、過去最高に乱れてしまった。
「っは、は、ああん、メトジェ……ぇ」
この後、神の目憚らず合体してしまいました。
だってさ、一か月ぶりなんだよ。一ヶ月もメトジェと離れ離れで、再会したと思ったら嫉妬されるわNTRれそうになるわで私の心はマリッジブルー通り越して修羅道だよ。
アンニュイになんか生きていられません。障害があるなら乗り越えようじゃないか。
子供が王様になったらメトジェ死んじゃうとか、ほんと、ふざけんなって感じ。
「メトジェぇ~子供、子供つくろう」
「美樹……、もちろんだ……っ」
「さっき、ちから、もらったんだよね?」
「ああ……創聖神から……」
「それ、使おう。子供、全力で強い子つくる……っ、なら、子供を長生きさせちゃお……ぅ、ぁ、ンふ……はぁ、ぁぁ……」
久しぶりのバオオンがうめえよう。
下に聖樹マットレス敷いたとはいえ、野外での合体。
私は押し倒されてパオンを受け入れて、アンアン真っ最中。
パンパン響く音は私の尻たぶ揺れてるからだな。ということは、めっちゃ衝かれているのですね。
あーん、キモチイイよ~う。
やがて中に子種をもらって、荒い息のメトジェが私をぎゅうぅぅって抱き締めてくれる。
私も抱き締め返して、大好きの気持ちを伝えた。
「……子供を長生きにって、どういうことだ?」
終わった後に聞いてきたメトジェ。あはは。ヤってる時は全力だもんね。考える暇ないか。
かくかくしかじか、聖王システムについて、創聖神から聞いたことを伝える。
「なるほど。なら、子供の即位までの期間が、お前の寿命でもいいわけだ」
「そうですそうです。可能な限り成長がゆっくりで長生きな子なら、即位も遅いはず」
私の寿命がどれくらいかっていうのは、はっきりわからないけどね。
でもね、わかることはある。
私も全力で子供つくるってこと。
樹齢もしかしたら何万年も生きることができるだろう聖樹だけれど、子孫を残すと寿命が縮まる気がするのです。
だからね、子供にはのんびりゆっくり生きてもらって、メトジェがそろそろ死にてえって思ったら即位させようぜ。その時に私がいるかどうかはわからないけれど……と言ったら、
「俺が死にたいと思う時は、お前の寿命が近い時だ」って……。
メートジェーー!!
素敵なことのたまって下さる聖王様。
御礼に、聖樹マットレスへと組み伏せた。
気持ち良くしてあげる!! ね♡
翼の間に顔埋めてメトジェの綺麗な背中を舐める。
滾った聖樹棒を後ろから差し込んだ。
「んああー……っ」
背を反らしてメトジェが喘ぐ。私の腕の中で、ビクビク跳ねる体が快感の渦に囚われている。
股間が、熱い……。
「愛してますよ……私の旦那様」
「あ……っふ、はは……抱かれてる俺が旦那で、いいのか?」
「メトジェが可愛いからいいんですーぅ」
もっと善がれと腰を振る。一ヶ月ぶりな割にメトジェのお尻は従順で、私のパオーンを根元まで全部うまうましてくれた。
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