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2:お友達に相談だ
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「え? で、それで付き合ってないとかマジか? それで、お前チンポコついてんのか? それとも猿だけにチンポコより尻の方を赤く腫らしてんのが常套か?」
下品な単語を交えて、でかい声でまくし立てる目の前の男は、オフェーリア・ガーズ連隊の『現大将ザリュ』だ。
あれからイェイリ・ソアラとは図書室で何度か会い、五度目に食事へと誘って、宮殿に併設している高級レストランでディナーをした。
土産に薔薇の花を一輪だけラッピングして渡したら、美しい顔を綻ばせ喜んでくれた。
あの笑顔だけで三杯の飯が食えるな。
傍から見たら恋人同士だろう。
だけど俺たちは付き合っていない。付き合っていないのである。
「なんで付き合ってないんだよチンポコお猿。尻腫らしてる場合じゃねえぞ」
「だまれ」
下品な表現するな。そんな風だから部下にモンスター代わりのゴールスポットにされてしまうんだぞ。反省しろお下品大将。
理由など明白だ。
イェイリ・ソアラ―――。
その名を聞いた時から気づいていた。
彼は東方における神秘の国、神国フソクベツのエンペラーだ。確か、『神帝』という階位のはず。一般人どころか皇帝と神が混じって神帝だ。畏れ多い存在である。
どうして、そんな大層な人物が、この国に滞在していて尚且つ、あんな寂れた図書館にいたのかは知らぬが、出逢ってしまったものは出逢ってしまったのだ。これを運命と言わずしてなんと言おう。
「他国の雲上人だ。付き合うなど…………手を触れることも、声を掛けることさえ、本来なら烏滸がましいことだろ」
「んえ。マジでそれいってんの? この宮殿におわす王族とも対等に喋れるお前が?」
王族と神帝を一緒にするなよ。この国の「愛嬌ある王様」に話しかけるのと、「凛として美しく上品で高貴なイェイリ様」に話しかけるのでは全然緊張の度合いが違うんだよ。
「まあよぉ、なんつーか、友情以上の親しみを感じておいて、そのまま放置されてるなんて可哀相。お前すっげー鬼畜だな。鬼の所業」
「何言ってんだ。それだとお前、まるでイェイリ様が俺に惚れてくれてるみたいに聞こえるじゃないか」
「その通りだよ」
「はあ?」
ザリュが言うには、食事に誘って、乗ってきた時点で気があるのだという。
「本気か?」
「本気も本気。マジだぜマジ。聞けば貞淑な神帝様だ。恋の噂も聞かねえ。伴侶もいないはず。ならよ、ドーンとアタックすべきだと思うぜえ」
うーむ。どこか愉快そうにサムズアップ主張するザリュの言うことだ。悪ノリなような気がして、信用して良いのかイマイチの判断がつかない。しかし、幼馴染で俺のことを熟知しているこいつの言である。少しは信じれるものかもしれない。
恐れ多くも、イェイリ様が、俺に惚れているということを―――。
もし、本当にそうなら、俺はとてつもなく幸せな男である。
下品な単語を交えて、でかい声でまくし立てる目の前の男は、オフェーリア・ガーズ連隊の『現大将ザリュ』だ。
あれからイェイリ・ソアラとは図書室で何度か会い、五度目に食事へと誘って、宮殿に併設している高級レストランでディナーをした。
土産に薔薇の花を一輪だけラッピングして渡したら、美しい顔を綻ばせ喜んでくれた。
あの笑顔だけで三杯の飯が食えるな。
傍から見たら恋人同士だろう。
だけど俺たちは付き合っていない。付き合っていないのである。
「なんで付き合ってないんだよチンポコお猿。尻腫らしてる場合じゃねえぞ」
「だまれ」
下品な表現するな。そんな風だから部下にモンスター代わりのゴールスポットにされてしまうんだぞ。反省しろお下品大将。
理由など明白だ。
イェイリ・ソアラ―――。
その名を聞いた時から気づいていた。
彼は東方における神秘の国、神国フソクベツのエンペラーだ。確か、『神帝』という階位のはず。一般人どころか皇帝と神が混じって神帝だ。畏れ多い存在である。
どうして、そんな大層な人物が、この国に滞在していて尚且つ、あんな寂れた図書館にいたのかは知らぬが、出逢ってしまったものは出逢ってしまったのだ。これを運命と言わずしてなんと言おう。
「他国の雲上人だ。付き合うなど…………手を触れることも、声を掛けることさえ、本来なら烏滸がましいことだろ」
「んえ。マジでそれいってんの? この宮殿におわす王族とも対等に喋れるお前が?」
王族と神帝を一緒にするなよ。この国の「愛嬌ある王様」に話しかけるのと、「凛として美しく上品で高貴なイェイリ様」に話しかけるのでは全然緊張の度合いが違うんだよ。
「まあよぉ、なんつーか、友情以上の親しみを感じておいて、そのまま放置されてるなんて可哀相。お前すっげー鬼畜だな。鬼の所業」
「何言ってんだ。それだとお前、まるでイェイリ様が俺に惚れてくれてるみたいに聞こえるじゃないか」
「その通りだよ」
「はあ?」
ザリュが言うには、食事に誘って、乗ってきた時点で気があるのだという。
「本気か?」
「本気も本気。マジだぜマジ。聞けば貞淑な神帝様だ。恋の噂も聞かねえ。伴侶もいないはず。ならよ、ドーンとアタックすべきだと思うぜえ」
うーむ。どこか愉快そうにサムズアップ主張するザリュの言うことだ。悪ノリなような気がして、信用して良いのかイマイチの判断がつかない。しかし、幼馴染で俺のことを熟知しているこいつの言である。少しは信じれるものかもしれない。
恐れ多くも、イェイリ様が、俺に惚れているということを―――。
もし、本当にそうなら、俺はとてつもなく幸せな男である。
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