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第四章前編 新生サタルニア魔女王国移住編

アキラとの出会い

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 地下牢へ行く。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なっ!なんだこれは!

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      あ"あ"っ!スパイだ、投獄する。どけ!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      は、はぁ……


 血まみれ、ズタボロのなぎさを見て息を飲む。
 股間からも陵辱、強姦された後が手に取るように分かる。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ちょっとやりすぎじゃ……

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      あ"あ"っ!うっせぇ~なぁ~。姦れ!


 そう言うと、目の前で、暴行、陵辱、強姦が始まった。

(なぎさ)ぐぼっ!ぎゃっ!ま、待って!もう、もうやめてぇ~(悲鳴)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      はっ、シラけた。おい、飲みに行くぞ。
      その前に、小遣い、な(ニヤリ)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      また?

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      給金出たろ、半分よこせ!嫌ならコイツの拷問を続けるぞ(ニヤッ)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      わ、分かったよ。

(なぎさ)……(ニヤリ)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      ゴミ捨てたら行くぞ。


 そう言うと、なぎさを牢に投げ込み、出て行った。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      酷ぇ~ことしやがる。おい、大丈夫か?

(なぎさ)でぇ~じょうぶでぇ~す。
       【ハイヒール】
    うっ!いや、大丈夫じゃなさそう(半泣)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前な。何したんだよ?

(なぎさ)スパイ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      は?

(なぎさ)だそうです。わけわかんない。いきなり掴まれて、そんなこと言われて、今に至る。なんで?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんでって……そういえば、見ない顔だな。

(なぎさ)お初にお目にかかります。警ら宿舎に配属されました、メイドのなぎさです。よろしくお願いいたします。


 そう言うと、礼を決める。バッチリ貴族の礼式を。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あんた、貴族の出自か?

(なぎさ)いえ、庶民です。この度、ヤマト様に料理の腕と生活魔法を見込まれまして、雇っていただきました。
    以前は貴族の屋敷に勤めてました。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そこはやめたのか?

(なぎさ)はい、横領がバレて首になりました(テヘッ)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あのな!

(なぎさ)嘘です。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      嘘かよ!

(なぎさ)ヤマト様はそんなカスは雇わないでしょ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      か、カスって……
      あのな、ヤマト様は、見込みがあれば、訳アリでも雇うんだよ。
      それで改心させたり、守ってくれたりするんだよ。

(なぎさ)そうなんだ!いい人だね。あなたも訳アリのクチ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      うっせぇ~、もう寝ろ!

(なぎさ)寂しから、一緒に寝よ(照)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      アホか!

(なぎさ)でも、お腹空いた。ご飯まだだし。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      その状態で良く食う気になるなぁ~、ちょっと待ってろ(ため息)

(なぎさ)はーい。


 その間に"テラヒール"と"リカバリー""クリーン"で身体を治し、身綺麗にした。
 服はあえてボロボロのままで。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      飯持ってきたぞ。

(なぎさ)ん?こんなのいいの?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      特別だ。普段は違うが、あまりに見てられんからな。
      これ食って元気だせ。

(なぎさ)ありがとう、優しいね。


 3日が過ぎた。

(なぎさ)ねぇ~暇だぁ~。何かお話しして。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あのな。お前は一応囚人なんだぞ、大人しくしてろ。

(なぎさ)ヤダヤダ、暇で死にそうだもん。お話ししよ!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ったく、仕方ねぇ~な。

(なぎさ)あなた、お名前は?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ?俺か?俺の名前はアキラだ。

(なぎさ)ふぅ~ん、なんかかっこいいね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そ、そうか?

(なぎさ)うん。あなた鬼族よね、鍛え上げられた肉体にガタイの迫力!それに似合うかっこいい名前。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ガタイの迫力ねぇ~。

(なぎさ)それに、いつも怖い顔してるけど、ほんとは違うでしょ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前、面白いな。

(なぎさ)ん?だって目が違うもん。仕事の目でしょ?牢番だけに、舐められたらヤバいし。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんでそう思う。

(なぎさ)書類見てる時に時々見せる目がね。
    それに、アホ達にたかられた時の目。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      俺が怖がっていたと?

(なぎさ)いや、呆れてた目。だから、何かあるって思ったんだ。断らない理由が。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前、かなり鋭いな。 

(なぎさ)だって、スパイですから。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なっ!

(なぎさ)だって、そう言われて投獄されたもん。
    もうお嫁に行けなくなっちゃったよ、孕んだらどうします?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      いや、どうしますって、お前な(ため息)

(なぎさ)そうそう、お近づきの印に、はいどうぞ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おお、悪りぃ~な。

(なぎさ)それ美味しいよねぇ~。最近ハマってるんよ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そりゃお前、ここの串焼きは美味いで有名だからな。

(なぎさ)そうそう、教えてもらって早速行ったもんね。まだあるよ。
    ついでにこれも、甘いの好きだから、ぶどうの果実酒だけど。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      奇遇だな、俺も甘いの好きでな。

(なぎさ)なら、これハマるよ。三叉亭のスイーツ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そりゃ"三叉亭"って言えば、この辺りでは有名だ。
      うちの領地では、No.1だからな。

(なぎさ)それでか!ちなみにコレ、りんごのパイなんだけど、人気ありそうだった。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      よく買えたな。"三叉亭のりんごのパイ"って言やぁ~並ぶの必至の人気商品だ。

(なぎさ)ホールで買ってきたから、食べよ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、皿取ってくるわ。


 そう言うと、皿を取りに行ったアキラ。

(なぎさ)ちょっと天然なとこ、あるかな?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      皿取ってきたぞ。って、どうした?

(なぎさ)囚人なの、忘れてた。あはは(汗)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      !そうだった。お前、囚人じゃねぇ~か!

(なぎさ)大人しくしてます。


 そう言うと、出した物を収納しようとした。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      黙っててやるから、食おうぜ(ニヤッ)

(なぎさ)話の分かる人、好きよ(ニヤリ)


 そう言うと、スイーツ以外にも、串焼きはもちろん、ウインナーやら豆やらつまみになる物を持ち出し、酒盛りが始まった。

(なぎさ)アイツら、ひどひんれすよ。人から借りたお金は踏み倒しへ、貸した金はボッタくるんれふよ!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで知ってるんだ?

(なぎさ)そりゃ毎朝食堂で喚いてるんれふ、嫌でも知ってまふ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ま、毎朝?!

(なぎさ)そうれふよ!人が毎朝食事作ってんのに、気分悪いっちゃありゃしない!分かりまふ?この気持ひ。ひひひっ(酔笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お、おう、てかもう飲むな。絡み酒になってるぞ。

(なぎさ)えっ?絡むんでふか?もう、えっちぃ~、にゃはははは(酔爆笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      こ、コイツに酒はヤバい(汗)

(なぎさ)なんれふかぁ~?今日は朝まで飲むんでふ。
    あんなことがあったんだ、飲まんとやってられないれふよ!ひゃっはっはぁ~(酔笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      分かった、分かったから、この一杯だけにしろよ。

(なぎさ)にゃあ、ケチ。私が奢るれふ。もっと酒持って来い!なんつって。にゃはは。寝る。


 そう言うと、なぎさはアキラに倒れこんで、いびきをかき出した。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前、ここで寝るか(はぁ~)他のヤツらなら犯されるぞ(ため息)

(なぎさ)にゃはは、アキラぁ~……


 そんな寝言を言いながら、寝ていた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      仕方ねぇ~なぁ~。


 アキラは牢内に薄い毛布を引き、上に寝かせた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      風邪ひかねぇ~かな?

 
 なぎさの身体に布をかけた。

 朝がきた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おい!朝だ!飯だ!

(なぎさ)ふにょ?朝ら?うえぇ~気持ち悪ぃ~、頭痛い(涙目)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      だからもう飲むなって言ったろ。

(なぎさ)あっ!しまった!薬盛ってたのに!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あ"あ"っ!

(なぎさ)ボクに(嘘)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで自分に盛るんだよ!

(なぎさ)あんなことされたら、もう生きていけない……

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      待て、早まるな!

(なぎさ)ごめん、アキラ。生んであげれなけて(涙目)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      何を生むんだよ!

(なぎさ)さあ?がんばれば、何かが生めるかも。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      生めねぇ~よ!

(なぎさ)赤ちゃんなら生める。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      生まなくて良いから!

(なぎさ)冷たい、あの夜のことは(涙目)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      どの夜だよ!

(なぎさ)昨日の夜。できちゃったかもしれない(嘘)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      できねぇ~よ!何もしてねぇ~よ!

(なぎさ)あっ!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      今度は何!

(なぎさ)出して、片付けなきゃ!残ってたら、マズい!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      出さねぇ~よ!俺が片付ける!

(なぎさ)どれがどれか分かる?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      うっ!

(なぎさ)仕方ないなぁ~。


 そう言うと、なぎさは牢を開けて出た。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おい!

(なぎさ)どいて!これでしょ?これもだし。これも、これも。あっ!それ忘れてた。


 なぎさが片付けてる。

(なぎさ)はい、これ、鍵。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで持ってんだよ!

(なぎさ)ん?そこの壁に掛かってた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      掛けてあんだよ!保管場所だ!

(なぎさ)そうなんだ。


 そう言うと、なぎさは牢に戻り、鍵をかけた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで戻るんだよ!

(なぎさ)アキラが困るから。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お、おう、助かる……違う!
      お前、牢出たよな。

(なぎさ)うん。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで逃げねぇ~んだよ!

(なぎさ)あっ!(テヘッ)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      "テヘッ"じゃねぇ~!もう意味分かんねぇ~よ!(泣)

(なぎさ)まぁまぁ、また差し入れするから、泣かないで。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんで出来んだよ!

(なぎさ)何故だろう。とりあえず、はい、朝ごはん。しっかり食べて、今日もお仕事、頑張って。


 温かい柔らかいパンにスクランブルエッグ、焼いたソーセージに牛乳をプレートに載せて差し出した。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんなんだよ、その心遣い。泣けるよ!


 そう言うと、朝ごはんを受け取った。

(なぎさ)私の朝ごはんは?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      こんな生ゴミ渡せるか!自分の食えよ。

(なぎさ)でも作ってくれたんでしょ?腐ったりしてるの?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      流石にそれはねぇ~。
      ただ、水みたいな野菜クズ入りスープとパン半分。それと昨日の残飯だ。

(なぎさ)食べる(輝く目)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんでだよ、なんで目が輝いてるんだよ。

(なぎさ)牢獄プレイ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      頭おかしいだろ!姦られ過ぎだろ!

(なぎさ)いや食べないと、アキラが困るでしょ?大丈夫だよ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      その心遣いが痛てぇ~よ!(号泣)


 なんだかんだとなぎさは受け取り、口をつけた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      クソマズいだろ?囚人用だ。とても食えたモンじゃねぇ~。

(なぎさ)素材の味が……

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      嘘つけ!

(なぎさ)ちょっとアレンジする。


 そう言うと、調理器具と材料を出した。

(なぎさ)これをこうして、これを足してと、これは焼く……

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おい……

(なぎさ)出来た!名付けて"牢飯スペシャル"!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      名付けなくて良いわ!

(なぎさ)あっ!冷めないうちに食べて、ボクの手作りだし。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんでここで手料理なんだよ!ババアが死んでから食ってないよ!

(なぎさ)愛情?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      泣くぞ!


 それから毎晩、なぎさは居なくなり、日の出前に帰ってくる。

(なぎさ)ただいま。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      "ただいま"じゃねぇ~!どこ行ってたんだ!

(なぎさ)ん?仕入れ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      は?

(なぎさ)ちょっと待ってね。


 そう言うと、なぎさは調理器やと何やら材料を取り出した。
 ジューっと焼ける良い匂い。

(なぎさ)はい、できた!今日はボア肉のステーキと新鮮な野菜のサラダ、オレンジ付き。牛乳とパンね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お、おう……


 朝ご飯を受け取り、なぎさに朝ごはんを渡す。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      俺に支給されるので悪い。
      干し肉とパン、スープだ。昨日、買い出しに行ったんで、三叉亭のミートパイを買ってきた。

(なぎさ)ありがとう、アキラ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      こっちこそ、いつもすまねぇ~。昼はなにが食いたい?

(なぎさ)うーん……任せる(笑顔)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      分かった。期待しとけ。

(なぎさ)はーい。


 地下牢における、囚人と牢番の会話だった(は?)
 ある日。

(なぎさ)ちょっと行ってくる。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おお、まだ明るいから気をつけろ。バレたら、何されるか分からんからな。

(なぎさ)はーい。


 もはや諦めの境地のアキラ。無事バレないで帰ってきたら良いか。そう思うことにしたらしい。

(なぎさ)ただいま。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あれ?今日は早かったな?

(なぎさ)いいもの見つけたから、晩御飯作りに帰ってきた。じゃん!


 なぎさは"稲"を持っていた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      良いものってそれか?馬のエサじゃねぇ~か。

(なぎさ)そ・れ・が、美味しい料理になるんよねぇ~。ギルド街ナギサで大人気の料理に。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なんだそれ?

(なぎさ)まぁ、期待して。


 お前ら、囚人と牢番だよな。

 なぎさは早速調理に入る。
 見たことの無い調理法にアキラは興味津々である。

 もう一度言う、お前ら、囚人と牢番だよな。

(なぎさ)その白いのがご飯っていう、"稲"から採れる"米"から作った料理なんだよ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      へぇ~。って、これ、卵か?!

(なぎさ)そうだよ、これは"親子丼"って言って、鶏肉をたまけきと出汁で煮て、卵で閉じた物をご飯に乗せてるの。
    基本、そういう料理は"丼"って言うんだ。
    さあ、冷めないうちに食べて。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お、おお、しかしこんなに卵を、めちゃくちゃ豪華だ。

(なぎさ)アキラの為に奮発した(笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前な(笑顔)


 何度でも言う、お前ら……もういいや……

 アキラは一口食べて。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      !!う、美味い!こんなに美味いのは、初めて食べた。

(なぎさ)でしょ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そうだ、俺のはこれだ!


 そう言うと、肉の串焼き、焼きそばみたいなもの、パン包み。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      これは俺の激推しだ。
      街中の屋台を食べ歩いた結果、ここにたどり着いた。
      今では常連だけに、サービスしてくれたり、新商品の試し食いもする仲だよ。

(なぎさ)なるほど!ちょっと食べる。
    おっ!美味しいっ!屋台でこんなに美味しいの?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      だろう。ここはこの街一と言っても過言ではないと思うぞ。

(なぎさ)この麺も美味しい!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      それはな、"焼き麺"って言うんだ。タレにこだわっていて、麺とよく絡むんだ。

(なぎさ)なるほど、タレに秘密があるんだ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      麺にもこだわっているんだよ、それは自家製だ。

(なぎさ)なるほど、自家製麺にそれを活かした秘伝のタレって組み合わせなんだ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そうだ、どちらかが主張するんじゃなく、
      合わせ技ってところが旨みをより引き立ててると思っている。

(なぎさ)だよねぇ~。上手くまとまってるよね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      だろ。

(なぎさ)この白いパンは?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      それは、ひき肉と野菜を混ぜたのを白パンで包んだ"肉パン"だ。
      野菜もコリコリした歯応えのあるのも入っていて美味い。

(なぎさ)どれどれ。うわっ!美っ味!ひき肉もたくさん入っているし、野菜が甘い!コリコリした野菜も最高!!
    それに、白パンに出汁というか、肉汁?がしみてて、美味しい!!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      だろ?これを主食にしても良いぐらいだ。

(なぎさ)うんうん、パンの代わりにこれっていうのもいいかも!
    でも、ひょっとして……

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      気づいたか?これ全部、同じ屋台だ。

(なぎさ)マジで!一つの屋台で作ってるの?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ああ、ここの親父はこだわりが強くてな。
      屋台価格でこの味を完成させたんだ。

(なぎさ)凄いね。何台か出してんの?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      いや、一台だけだ。こだわった結果、味を守る為に親父が直接調理してる。
      仕込みも誰にも手伝わせねぇ~な。

(なぎさ)凄いね。職人だ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ああ、もはや料理職人よ(笑)


 牢屋の食事、豪華だなぁ(笑)

(なぎさ)でも、食費とか大丈夫?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、問題ない。内職でレース編みをしてんだ。

(なぎさ)ぶっ!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      うるせー。言いたいことは分かる(笑)

(なぎさ)ひょっとして、街で見かけたレース専門店に売ってたやつ?あれ、凄く高かったよ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、あそこにも納品してる。オーダーもあるんだ。

(なぎさ)凄げぇ~!

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      当然、屋台の安物もある。違いは使う糸だ。

(なぎさ)マジで!屋台でもいい値段してたよ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      だろ?(ニヤリ)

(なぎさ)ひょっとして、キラ作って書いてあるやつ?あれ、同じ店なら高価だったよ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      そうだ、創作者名はキラにしてある。実名使えば、ここじゃあな。

(なぎさ)だよねぇ~。


 そんな話で盛り上がると、

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      俺な、里では期待されてたんだよ。

(なぎさ)うんうん。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      このガタイだ。同然騎士団に入り、将来は近衛騎士になるだろうって勝手に決められてな。
      俺はそんなのなりたいとは一度も思わなかった。
      普通に静かに暮らしたかった。
      だから騎士団試験には行かなかったんだ。
      ワザと落ちてもバレるからな。
      俺より弱ぇ~ヤツも受けるからな、手抜をぬけばすぐ分かる。
      そしたら、里の裏切り者と罵られて追い出された。
      ある意味、スッキリしたけどな、これで自由になれるってな。
      で、流れ着いたのがここ、イスティ領だ。
      このナリだ、飲み屋で働いていたところをヤマト様にスカウトされた。
      給金が良かったのと、ヤマト様が直々にスカウトしに来たし、何度も口説いてきたから、根負けしたよ。
      でも、俺に警らの仕事は向いてなかった。
      嫌なんだよ、ああいうの相手にするのをな。
      そのうち、あのジャンとかいうヤツが入ってきて、目を付けられてな。
      訓練と称して挑んできやがった。
      適度にあしらったんだが、手抜きが気に入らねぇ~と里のことを調べ、ゆすりに来た。
      好きにしろと言ったら、後輩を殺しやがった。
      強盗を捕まえる時の盾にしてな。
      それを俺のせいにしようとした。
      断れば、また死人が出るとな。
      だから、折れてやった。
      相手はお貴族様だ、しかもヤマト様の幼馴染と聞く。
      なら無駄だ、俺なんか信じてもらえんだろ。
      その時、牢番が歳で辞めたんだ。
      ちょうどいいから志願した。
      幸い、このガタイと目つきだ、即移動になった。
      それをあの野郎、左遷と言いふらし、仲間が死んだのは、俺が守らなかったからと言いまくった。
      あの時、俺は違う場所のガサ入れしてたんだけどな。
      時間が経つと記憶ってのはいい加減だ。
      元々いい加減なヤツのたまり場だ、面白いネタにはすぐ食いつく。
      ジャン予備軍みたいなバカも2人居る。
      ソイツらも面白がって、尾ひれをつけて言いまくりやがった。
      ジャンの取り巻き以外が言い出したんだ、今ではそれが真実になってるよ。笑えるわ。

(なぎさ)じゃあ、後輩を守る為に?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      まぁ、自己満だ。ほんとはどうか分からねぇ~。
      ただ、万が一を考えるとな、やりかねん連中だからな。

(なぎさ)で、応じてるんだ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、しかし此処は良いぞ、誰にも合わねぇ~。
      相手は悪人だ、あんな連中、相手にするよりはマシだ。
      それに内職で稼いでるからな。
      ここの給金の倍だ。注文が多い時は3倍以上になる。
      金には困ってねぇ~。

(なぎさ)だから、孤児院に寄付もしてたんだ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なっ!なぜそれを知ってる。

(なぎさ)偶然だよ。迷子の子を連れて行ったら孤児院で、そこで聞いたんだ。
    元々は孤児だったんだよね。そう聞いてるって院長や孤児達から聞いた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      アイツら、余計なことを。

(なぎさ)良いやん、悪いことじゃないんだし。みんな喜んでたよ、良いとこあるじゃん。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      うるせーよ。

(なぎさ)じゃ、ちょっと行ってくる。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      今からか?

(なぎさ)うん、すぐ帰る。それに、明日、給金の日でしょ(笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あっ?そうだったかな?俺にはどうでも良いこった。

(なぎさ)流石一流職人、結婚して(笑)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      言ってろ(ぶっ!)

(なぎさ)なら、後でね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、気をつけろよ。


 そう言うと、なぎさは出て行った。

(なぎさ)ヤマト。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      待ってたぞ。

(なぎさ)決行日は明日。給金が支給された後ね。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      分かった、場所は?

(なぎさ)地下牢の入り口。そこで決着させる。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      分かった。


 それから、なぎさはアキラの話をした。
 ヤマトはぶち切れた。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      なんなんだそれは!

(なぎさ)相手はヤマトの幼馴染を主張してるやろ。それが泣き寝入りの最大の原因だよ。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      クソっ!

(なぎさ)多かれ少なかれ、泣き寝入りは半数かな。
    借金の踏み倒し、高金利での貸し付けで有無を言わさないネタになっている。
    アルフォード家の家名とヤマトの幼馴染。
    こんな後ろ盾に逆らえるのは居ないでしょ。
    もっと目を光らさないと。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      そうだったな、甘かった。

(なぎさ)諸悪の根源、潰すよ?
    アルフォード家について教えて。


 ヤマトはアルフォード家について詳しく話した。
 当主、ジルのこと、次期当主ジュニア、夫人ソフィア、姉妹、ユリアとミカのこと。
 任せてる自治区のこと。

(なぎさ)分かった、アルフォード家の事は任せてくれる?

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      あゝ、今の俺じゃあ、感情を抑える自信がないからな。

(なぎさ)任せて、悪いようにはしない。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      任せた。よろしく頼む。


 話は決まった、なぎさは地下牢に戻る。
 
(なぎさ)ただいま。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      おお、早かったな。用は済んだのか?

(なぎさ)うん、終わった。寝るね、おやすみ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あゝ、おやすみ。


 翌日。
 夕食の後、アキラは給金をもらいに行った。
 帰ってきて驚く。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      なぎさ?どこだ?


 アキラはなぎさを探すが、どこにも居なかった。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あん野郎!まさか!!


 慌てて外に出たところで、ジャンのグループに出会した。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      おい、どうした?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      いや、なんでもない。

(腰巾着① ふたなり 熊獣人)
      怪しいな、おい、地下牢だ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      待て、勝手に入るな!

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      なんでだ?何か都合でも悪いのか?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      いや、荒らされると困るからな。今整理中だ。

(腰巾着③ ふたなり 鬼族)
      どうだかな?

(腰巾着④ 女 狐獣人)
      おい!あのアマ、居ないよ!!

(腰巾着② ふたなり 狼獣人)
      アンタ、逃したね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      いや、そんなことはしてない。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      なら、なんで居ねぇ~んだ?あ"あ"っ!

(腰巾着④ 女 狐獣人)
      オトシマエ、必要よね(ニヤリ)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      給金、全部よこせ!黙っててやるからよぉ~。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      お前、いい加減にしろよ。

(腰巾着② ふたなり 狼獣人)
      アンタ、立場、分かってる?(ニヤリ)


 その時、なぎさが袋を抱えて帰ってきた。

(なぎさ)アキラ、どうしたの?

(腰巾着② ふたなり 狼獣人)
      アンタ、どこ行ってたんだよ。

(なぎさ)買い物。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      舐めてんのか、犯すぞ!あ"あ"っ!

(なぎさ)おう、怖い怖い。またゆすりに来て怖い(笑)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      なんだと!!

(なぎさ)大人しくしている相手からしかカツアゲ出来ない小心者、
    家名と幼馴染を出さないとなにもできないカスどもでしょ?(ニヤリ)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      なんだと!お前ら殺れ!相手はスパイの脱獄者だ!

(四人)あゝ。


 四人は剣を抜き、襲いかかる。
 止めに入るアキラ。

(なぎさ)危ない!アキラ!


 なぎさはアキラを庇った。

(なぎさ)あっ!


 四人の剣がなきさに当たる。
 なぎさは斬られた。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      どうした?何があった。


 都合よく、ヤマトが現れた。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      叔父!この売女が脱獄しやがった!そこのアキラも共犯だ!

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      そうか。


 そう言うと、ヤマトは剣を抜き、四人を斬り捨てた。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      なっ!なんでだよ!こんな売女なんか斬っても良いだろ!

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      この売女?

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      ああ、そこの売女だ。拷問で手足折られながら陵辱されて喜んでる頭のおかしい淫乱女だ。
      俺の子種を喜んで中出しさせる売女だよ!あまりに慣れてて、こっちが引くようなカス女だ!

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      そうか。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      分かってくれたか、叔父。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      分かった。お前らがやったことがな。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      えっ?

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      全部メイドから報告が来てるんだよ(氷のような目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      でも、スパイの売女だ。それぐらい良いだろ。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      スパイの売女ねぇ~。

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      そうだ、その女はスパイの売女、気狂い淫乱女だ!

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      ほう、俺の嫁がスパイの売女、気狂い淫乱女ねぇ~(感情の消えた目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      えっ?

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      なぎさは俺の嫁だ。そしてマリア女王とミリア王女の王配だ!

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      う、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だぁぁぁっ!!(絶叫)

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)・・・(真っ青)

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      ほう、俺の言うことが信じられないと……
      しかも、俺の嫁に子種をぶち込んだ?あ"あ"っ!(感情の消えた目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      いや、間違いだ、何かの間違いだ!

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      なんの間違いだ?(感情の消えた目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      聞いてくれ叔父!コイツ、いや、この方は、俺たちの部屋を荒らしたんだ。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      ほう、それで?

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      だから……

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      やったと。こっちが潜入調査をしているとも知らずに(感情の消えた目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      えっ?

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      いい加減、お前らの悪事を裁く為に、なぎさは潜入調査をしてたんだよ。
      俺の頼みでな!(感情の消えた目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      あっ、あっ、あっ、あっ……

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      何か言いたいことは?

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      そ、そうだ。俺はアルフォード家の次男だ、由緒正しきアルフォード家の。
      親父たちを高く買ってくれてんだよな。それに免じて許してくれ、いや、ください。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      言いたいことはそれだけか?

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      えっ?

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      言いたいことはそれだけか?ジャン(射殺す目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      あ、兄貴。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      お前、何をやったか、分かっているのか?(冷たい目)

(ふたなり ドワーフ ジャン・アルフォード)
      お、親父?なんで……

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      話を聞いて、駆けつけた。いくらバカでも、それだけはあり得ないと思ったが……

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      想像の斜め上の、筋金入りのクズだったな……

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      せめて身内が処刑してやろう。


 そう言うと、ジルは剣を抜く。

(なぎさ)待って。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      なぎさ様。


 アルフォード家の2人が跪く。

(なぎさ)貴方が手を汚す必要はありません。とりあえず地下牢に監禁します。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      しかし、それでは。

(なぎさ)貴方達の処分は追って連絡します。それまで自宅謹慎してください。
    いいですか?自宅謹慎です、勝手に死ぬことは許しません。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      ははっ!


 ジルはジャンを地下牢にぶち込んで、ジュニアと共に引き上げた。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      あ、あ、貴方様は……

(なぎさ)ごめんなさい、騙して。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      数々のご無礼、申し訳ございません。今ここで、命にかえてお詫びいたします。


 そう言うと剣を突き刺そうとしたところを、なぎさに止められる。

(なぎさ)騙したんだから、そんな事しなくていいよ。

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      ただ、今まで黙っていたことは許しがたいな。
      その罰としてこの屋敷を追放する。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ははっ!今までありがとうございました。

(なぎさ)という事で、フリーになったアキラを、私の屋敷で雇います。
    勤務先はこの隣の地下牢の牢番でいい?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      へっ?

(なぎさ)この隣の地下牢、私、もらったから、そこの管理人を探してたの。
    アキラなら安心して任せられるから、是非引き受けてほしいんだけど。
    給金は月金貨2枚、ダメ?

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      は、はあ……

(ふたなり 熊獣人 ヤマト・イスティ男爵)
      なぎさが困ってんだ、嫌じゃなければ引き受けてやってくれ。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      はい!喜んで引き受けさせていただきます。
      なぎさ様、これからは、貴方の剣となり盾となりお支えさせていただきます。

(なぎさ)うん、お願いね。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ははぁぁぁっ!!


 アキラはなぎさの前に跪いて、足先にキスをした。
 忠誠の証である。

(なぎさ)地下牢で寝泊まりしてるみたいだから、何か足りないものがあったら言ってね。
    貴方は私の大事な部下なんだから。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      ははっ!


 なぎさ達と別れ、新しい職場に行き、度肝を抜かれる。
 デカいふかふかのベッド、豪華な執務室、シャワーに風呂、全室快適装備に鍛錬場?
 趣味のレース編みの専用室まである。
 どうやってるのか、地下なのに、空も外も見える。

(牢番 ふたなり 鬼族 アキラ)
      な、なんじゃこりゃぁ~!!
  

 その頃、アルフォード家は大変なことになっていた。
 屋敷に着いた二人を見て、

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      あ、貴方……

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      あゝ、本当だった。
      しかも売女、気狂い淫乱女他暴言の数々。
      暴行、陵辱、強姦、しまいには手足を折り子種までぶち込んだ。
      極めつけは、目の前で斬りつけて手負いにした。

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      ・・・。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      そのお相手が、ヤマトの妻であり、マリア女王とミリア王女の王配だ。

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      はっ……(卒倒)

(女 エルフ 長女 ユリア・アルフォード)
      ち、ちょっと待って……お、王配でヤマト様の妻……終わった……

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      あのバカ、今どこ?ブチ殺してくるわ!!

(ふたなり ドワーフ 父 ジュニア・アルフォード)
      なぎさ様といえば、あのゴルシ軍団の四人の夫でもあり、
      この新生サタルニア魔女王国の建国の立役者。
      現ギルド街ナギサの由来になった英雄。
      破滅のスタンピートから命がけで無傷で守りきり、
      今回のクーデターをミリア王女と共に鎮圧し、
      悪魔の所業と言われた刑罰を科しながら、誰一人、死者を出さなかった功労者。

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      殺す!コロス!殺す!一度や二度殺したぐらいじゃ気が済まない!
      行ってくる!ヤマト様のところに行けば分かるはず!!(殺気)

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      待て待て待て!気持ちはわかる。しかし、我々には自宅謹慎という命が出ている。


 2週間の間にジャン・アルフォードの処刑が密かに行われた。
 そして、アルフォード家に使者がきた。

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      アルフォード家当主、ジル・アルフォード。
      この度の所業における処罰を伝える。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      はっ!


 終わった。私の代で、アルフォード家は取り潰しになり、妻子とも処刑だ。
 どんな顔して先祖に会えば良い、代々アルフォード家はイスティ家を補佐してきた。
 自治区を任されるほどの厚い信頼があった。
 それは全て、代々のご先祖様のおかげであり、それに報いるように応えてきた。
 なのに、私はなんてことを……
 私はヤマトに甘え過ぎた、幼馴染だからという甘い考えがこの度の取り返しのつかない事を引き起こした。
 悔いても悔いきれない。
 ご先祖様に申し訳が立たない。

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      この度のことについては、当事者、ジャン・アルフォードの処刑をもって終わりとする。
      今後、このようなことを起こさぬよう、精進せよ。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      は?


 全員、呆気にとられた。
 まさか、だ。
 信じられない。

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      聞いていなかったのか?

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      いえ、そのようなことは……我々は処刑にならないのでしょうか?

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      ならぬ。これまで通り、自治区の治区に勤めよとのお言葉である。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      はぁ……

(使者①    ふたなり ダークエルフ)
      不満か?

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      い、いえ、滅相もございません。

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      失礼を承知で伺います。なぜでしょうか?

(使者②   ふたなり 狐獣人)
      なぎさ様の勅命である。
      そなた達の日頃の行い、治区の状況、区民の評判、次期当主の将来性、
      夫人ソフィア・アルフォード、長女ユリア・アルフォードの至宝というべき芸術性を評価されたのだ。

(使者③   ふたなり 鬼族)
      なぎさ様はそういう方たちには、手厚く保護される。

(使者④   女 熊獣人)
      逆に、アルフォード家の社交界での評判を気にしておられた。

(使者⑤   男装 猫獣人)
      なぎさ様からは、困ったことがあれば、必ず頼ってくるようにとの伝言である。

(使者⑥   男装 豹獣人)
      既にジャン・アルフォードの処刑は秘密裏に行われた。公表する予定も無い。

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      な、なんと……(感涙)

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      なぎさ様……我々アルフォード家は子々孫々、命に代えてもお支えさせていただきます。

(使者④   女 熊獣人)
      ならぬ!それはなぎさ様が一番嫌うことだ。

(女 エルフ 長女 ユリア・アルフォード)
      えっ?

(使者③   ふたなり 鬼族)
      なぎさ様はそなたのような者が、命を粗末にするのを最も嫌う。
      生きていれば救えたかもしれない、その可能性を放棄することを嫌う。
      なぎさ様に支えたいなら、決して死ぬな。
      老衰以外は認めない。
      そのように考えるお方なのだ。
      これからも健康には気を使い、良き治区に努めるように。

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      なら、せめて有事の際は、いの一番に駆けつけ……

(使者④   女 熊獣人)
      それも、そなたはならん!
      そなたは次期当主、現当主、ジル・アルフォードを補佐し、将来はこの自治区を治区せねばならん。
      そなたが抜けてしまえば、誰が区民を守るのだ?
      そういう事だ。なぎさ様を悲しませる行為は慎むように。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      そ、そんな事まで、なぎさ様は……

(使者⑥   男装 豹獣人)
      かのお方は、そういうお方だ。

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      なぎさ様(感泣)

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      なぎさ様、貴方は私たちの神さまです。

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      あのぅ~、私は??

(使者①    ふたなり ダークエルフ)
     えっ?


 慌てて使者が書状を見直す。

(使者⑤   男装 猫獣人)
      あゝ、そのぅ~……えーっと………………日々精進せよ(焦)

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      分かりました、分かりましたよ(涙目)
      なら、私はなぎさ様の騎士になります、さぁ行きましょう、王都へ。
      我がアルフォード家が裏切らぬように、私たちが人質になるます!


 気持ちは分かるが……噛んでるぞ。

(使者④   女 熊獣人)
      いや、その必要は……

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      なぎさ様のような素晴らしい方にお支えしなくて、誰に支えろと言うのですか!
      私の命、じゃなくて、人生をかけてお支えいたします!

(使者④   女 熊獣人)
      それは、まぁ、持ち帰って進言しよう。ん?王都?

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      王配にお支えするなら、王都でしょ?では、行きましょう!

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      いや、待て待て、今から聞くから、待て。


 使者が魔道具でヤマトにお伺いを立てる、ヤマトがゴルシに、ゴルシがミリアに伝え、返事を待つ。
 ミリアより、"面白いから連れてこい"との命を受け、ミカの王都行きが決まる。

(使者①   ふたなり ダークエルフ)
      ミリア王女より、王都に来られよとの事なので、後日、ぎゅっ……

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      後日ならば、この使者様を手厚くもてなしてお待ちしておりますので、是非。

(使者④   女 熊獣人)
      分かった、分かったから。今から行こう、まずはヤマト様のところだ。

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      はい!

(ふたなり ドワーフ 長男 ジュニア・アルフォード)
      待て、ミカ!お前、荷物は。

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      要らない、待ってらんない。

(女 エルフ 長女 ユリア・アルフォード)
      待ちなさい、ミカ。ほら、荷物を早く!

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      武器も持たずにどうやって支えるんだ(ため息)

(ふたなり エルフ 次女 ミカ・アルフォード)
      あっ!忘れてた!


 貴族令嬢が見せてはいけない速度で走り回って、武器をかき集めてきた。
 お前、"邪魔"とか言って、ドレスの裾、破いたよな。

(ふたなり ドワーフ 父 ジル・アルフォード)
      では、これをなぎさ様にお渡ししてください。


 そう言って、ジルは先祖代々の家宝の短剣を使者に託した。

(ふたなり エルフ 母 ソフィア・アルフォード)
      私のものも、お渡しください。お願いいたします。


 そう言って、ソフィアは自身の家宝のブローチを託した。
 後日、なぎさから送り返されたそれらには、
 短剣には、威力増幅、強化、メンテナンスフリーの魔法が、
 ブローチには、結界、状態異常回復、毒耐性、疲労回復、ハイヒールが付与されていた。
 ジルとソフィアはその心遣いに感涙した。
 狂信者爆誕である。
 その後、ジル・アルフォードは社交界でのなぎさ様関係の取りまとめ役に、
 ジュニアはその補佐兼青年部取りまとめ役、
 ソフィアとユリアはなぎさを讃える為に讃美歌を作り、各地のリサイタルで布教して回った。
 また自治区には、なぎさの像が建てられ、生誕日が9の月13と分かると、
 毎年、9の月13は、盛大な生誕祭が執り行われるようになった。

 なぎさ、大変だな、凄い事になってるぞ(笑)
 
 

 
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ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。 異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。 異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。 自分の領地では奴隷は禁止していた。 奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。 そして1人の奴隷少女と出会った。 彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。 彼女は幼いエルフだった。 それに魔力が使えないように処理されていた。 そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。 でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。 俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。 孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。 エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。 ※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。 ※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。

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