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第二章後編 新生サタルニア魔女王国、イステリア王国、復興・開発・発展編

開発と発展

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 ハイリヒへの招待が終わり、サタルニアに戻ってきたなぎさ。
 今回は奥方達も一緒だ。

(ユエ)私はマリア・テレシアに会ってくるわ。

(なぎさ)うん、お願い。

(シア)ではこのギルド街ナギサを開発、発展させましょう。

(なぎさ)了解。


 早速、調査と分析に入る。

(シア)農業がおざなりですよね、漁業に関しては壊滅的です。

(なぎさ)ギルド街と言うだけに、採取、討伐に力を入れがちだからね。

(シア)林業は不思議な循環ですよね。

(なぎさ)あゝ、"トロント"の特性があるからこその林業だからね。

(シア)で、ですが、農業、やりましょう。漁業もやります。

(なぎさ)そうきたか。

(シア)ええ、拠点という以上、話題は必要です。農作物のブランド化や"まさか"の魚の養殖、話題には充分ですからね。

(なぎさ)なるほどな。


 シア達は早速取り掛かった。
 農業分野をシアが、養殖分野をティオとエルムが主導する。

(ギルドマスター ふたなり 鬼族 ショウ)
      まさかここで魚を獲るとは思わなかったな。

(なぎさ)養殖っていう、陸の上で育てる方法があるんよ。
    しかし、ここでやると言うとは思わなかった。
    その分、成功すれば(ニヤリ)

(ギルドマスター ふたなり 鬼族 ショウ)
      話題には充分だな(ニヤリ)

(なぎさ)今回みたいなこちらからの提案した場合は、失敗もあるから、成功しないと支払い対象にならないから安心して。

(ギルドマスター ふたなり 鬼族 ショウ)
      そうなのか?かなり大掛かりになっているが。

(なぎさ)構わない、要請があってじゃないから。
    要請の場合は技師の育成が前提だから、ズルズル伸ばされたら意味ないんで、いきなり支払い対象だけど、
    今回みたいな場合、試験的にやって可能だったら技師の育成になるから、順番が逆だしね。

(ギルドマスター ふたなり 鬼族 ショウ)
      なるほどな、じゃあ、甘えさせてもらう。

(なぎさ)せっかくだから、良い街にしようよ、ショウ街長(ニヤリ)

(ギルドマスター ふたなり 鬼族 ショウ)
      言うじゃねぇ~か(ニヤリ)


 ひと月程してベルガー達がやってきた。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      なんか凄い事になってないか?なぎさ。

(イステリア王国近衛騎士団副団長:女 ソラ・シャーナ)
      あんな大きい建物って、何かの施設よね。

(なぎさ)まぁね。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      サナは元気か?

(なぎさ)あゝ、毎晩姦られまくって喜んでるよ。一層のこと、娼館で働かないかって話もある。

(イステリア王国近衛騎士団副団長:女 ソラ・シャーナ)
      えっ?

(なぎさ)ツテはあるから安心して良い。

(イステリア王国筆頭魔道士:女 サナ・シナー)
      わ、私、やってみたい(照)

(イステリア王国近衛騎士団副団長:女 ソラ・シャーナ)
      サナ!

(なぎさ)ギルド街ナギサのみの活動で、非常勤でやれば良い。

(イステリア王国筆頭魔道士:女 サナ・シナー)
      や、やります!

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      もう、好きにしろ(諦めた目)


 早速サナは娼館に登録した。
 マリ達の紹介だから安心している。
 マリ達が勤務している系列だそうで、
 "元イステリア王国筆頭魔道士のバリネコ、サナ"として、一躍有名になっていた。
 非常勤ということも人気のひとつとなり、カリスマ娼婦の一角を担うようになっていた。
 もちろんサキュバス達による"避妊の淫紋"がエロく刻まれており、避妊対策は万全であった。
 しかし、いつでも消せるとはいえ、色々刻み過ぎてないか?
 まぁ、本人が良いなら良いけどね。

(なぎさ)で、何の用事?娼館ならマリ達に会員証もらってるでしょ?

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      なっ!なんで知ってる!あっ!いや、その……

(イステリア王国近衛騎士団副団長:女 ソラ・シャーナ)
      最っ低!(感情の消えた目)

(イステリア王国筆頭魔道士:女 サナ・シナー)
      不潔!(感情の消えた目)

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      お前が言う!?

(シア)で、何?

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      歓待の準備が出来ましたので、奥方様方をご招待に来ました。

(エンジェ)じゃあ、ユエに伝えるか。


 そう言うと、エンジェは"ゲート"を使い、魔王城へ

(エンジェ)ユエ、居る?

(ユエ)何?エンジェ。


 ユエはちょうどマリア・テレシアと団欒していた。

(エンジェ)イステリア王国の坊主が歓待するからイステリアに来てくれってさ。

(ユエ)面倒くさい(笑)

(エンジェ)それは皆同じ(笑)

(新生サタルニア魔女王国 ふたなり サキュバス マリア・テレシア女王)
      イステリア王国にも行かれるのですね。

(ユエ)あまり気が乗らないけどね。なぎさもあんまり行く気無いみたいだし。

(新生サタルニア魔女王国 ふたなり サキュバス マリア・テレシア女王)
      あらら。

(ユエ)まぁ、今後のバランス考えて顔は出すよ。長い付き合いになるかどうかは相手次第だけどね。

(エンジェ)なぎさはどちらかというと避けてるよね。

(ユエ)まぁ、私も今回のことは、思うところもあるからね。

(エンジェ)それも皆同じ。

(ユエ)仕方ない、行くだけ行くか。では、またねマリア。

(新生サタルニア魔女王国 ふたなり サキュバス マリア・テレシア女王)
      はい、ユエ様。よろしくお願いします。


 ユエとエンジェはなぎさのところへ。

(ユエ)なぎさ。

(なぎさ)行くか?仕方ない。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      よろしくお願いいたします。


 そう言うと。皆に連絡した。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      送迎の馬車が……

(なぎさ)要らない。


 そう言うと、魔動輸送機を出した。

(なぎさ)早くこれに皆乗せて。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      へっ?

(ユエ)早くしろよ(イラッ)

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      は、はひっ!


 そう言うと、指示されるままに貨物室に馬車ごと乗せた。

(なぎさ)行くよ。


 そう言うと、魔動輸送機でイステリア王国の王都に向かう。
 よほど早く終わらせたいんだな(笑)

 しばらくして王都が見えてきた。

(なぎさ)このまま王宮の庭に着陸するから連絡して。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      どうやって。

(なぎさ)魔道具は?

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      あっ!えーっと……これだ!


 ベルガーは早速、魔道具で連絡を入れる。

(なぎさ)あそこ広いよね。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      いや、噴水広場に頼む。

(なぎさ)ヤダ(笑)

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      なんでだよ!頼むよ(涙目)

(なぎさ)わぁ~ったよ。


 なぎさは噴水広場に着陸させた。
 女王達が出迎えに来た。
 中から荷物を下ろしていき、
 全部下ろしてから、搭乗口を開け降りた。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      お待ちしておりました、勇者なぎさ様と奥方様方。
      私、イステリア王国女王ユリコと申します。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      宰相のジンバです。

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      財務大臣のギャンナです、よろしくお願いいたします。

(ユエ)私はなぎさ嫁、筆頭のユエよ、以後よろしくね。

(イステリア組)よろしくお願いいたします。


 ユエさん、なんか雑。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      では、こちらへ。


 そう招かれて中に入る。
 露骨ではないが、遠巻きに囲っているようにも見えなくもないが、後ろが開いてないのが気に入らない。
 お前らが止められるわけ無いだろうに。

(ユエ)ユリコ、ちょっと聞いて良い?

(イステリア王国女王 ユリコ)
      はい、何でございますか?

(ユエ)私たちを囲っているつもり?後ろが開いていないけど。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      い、いえいえ、滅相にございません。


 そう言って振り返ると、たしかに後ろを塞いでいた。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      お前たち、何をしている!失礼ではないか!後ろを開けよ!

(イステリア王国一同)
      はっ!はあぁ!失礼致しました!!


 一斉に左右に退いた後続組。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      大変失礼致しました。何卒、お許しください。

(ユエ)ええ、良いわ。


 ユエ様、口数が少ない。

(近衛騎士)緊張しているのか?


 ぼそっと呟いた近衛騎士が居た。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      バカか、お前!!(激怒)


 ぶち切れたベルガーがぶん殴る。

(近衛騎士)も、申し訳ございません。ひっ!(恐怖)


 謝る近衛騎士は、ベルガーの後ろから感情の消えた目で見るなぎさ嫁一同が見えてしまった。
 そして、その場で失神した。

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      大変失礼致しました(真っ青)

(ユエ)ふっ!(ニヤリ)


 ユエ様怖い。なんか言ってやってよ(怖)

 そして大広場を応接室に改造した部屋へ通された。
 たしかに15人だ、普段の応接室じゃ狭くて入らない。
 そして席につき、今後の事が話し合われる。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      では、話をさせていただきます。
      我が国の発展に寄与していただけるという事なのですが……

(ユエ)それはまだ決めてません。こちらの条件を飲まれるかどうかにかかっていますよ。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      も、もちろん、新生サタルニア魔女王国と同じ条件を飲む準備をしております。

(ユエ)ならいい。で、どの程度の物を?

(イステリア王国女王 ユリコ)
      も、もちろん、新生サタルニア魔女王国と同じ物を。

(ユエ)ちゃんと払いますか?

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      もちろん、払わせていただきます。利息も目一杯誠意を見させていただきます。

(ユエ)分かった。ならやりましょう。


 証文を交わし、早速取り掛かる。

(ユエ)私は新生サタルニア魔女王国に取り掛かるから、なぎさはイステリア王国をお願い。

(なぎさ)分かった。


 なぎさはインフラに取り掛かる。
 そして、技師育成の手はずや、河川工事、水車の建設に取り掛かっていた。
 かなり大掛かりのプロジェクトの為、1年が過ぎようとしていた。
 開発費用も莫大なものになりつつあり、もうすぐイステリア王国の国家予算の半分を超えようとしていた。
 そこで不穏な動きが……

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      女王様、今や開発費用は莫大な金額になっております。

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      もう国家予算の半分を超えました。まだまだあるようなので、
      このままでは国家予算を超えるのも時間の問題かと。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      しかし、あの条件では支払い期限は無く、こちらの誠意を見せてれば協力してくれるのでは。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      しかし、それでは将来か不安であります。
      そこで提案なのですが、この際婚姻されては如何でしょうか?
      妻となれば、費用は支払う必要がなくなるのでは?

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      そうか!夫婦の共同作業となると、そこに金銭のやり取りはなくなる。
      最高の設備をタダで享受できる!

(イステリア王国女王 ユリコ)
      そんなことで支払いが無効になるのだろうか?
      新生サタルニア魔女王国では、夫婦でありながら費用の支払いはしていると聞くが。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      あくまで聞く範囲です。交渉してみる価値はあるかと。


 そう言うと、なぎさに連絡し、応接室に呼ぶ。

(なぎさ)なるほどそうですか、婚姻を。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      はい、是非前向きに検討していただけると嬉しいです。

(なぎさ)分かった、ユエと相談しよう。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      よ、よろしくお願いします。


 なぎさはこの時、宰相と財務大臣が意味深な反応をしたのを見逃してはいなかった。

(なぎさ)ユエ、そういう話があるんだけど。

(ユエ)で、なぎさは?

(なぎさ)乗り気ではない。宰相と財務大臣の反応が碌なことを考えていないと考える。

(リリー)それは良く気づいたね、その通りだよ。
    婚姻すれば、夫婦の共同作業、費用はチャラに出来ると宰相と財務大臣の入れ知恵。
    女王がそれに乗った。
    新生サタルニア魔女王国でのことには懐疑的なだけに、この案で乗り切れると考えたな(静怒)

(ユエ)ほおぉ、面白いこと考えるじゃない(静怒)

(シア)"分からせる"必要があるです(怒)

(なぎさ)辞めだ、即中止する(激怒)

(ユエ)謁見を要求しよう、"婚姻について"で。

(フェロ)どんな反応をするか、楽しみだね(静怒)


 早速、ユエから"婚姻の事について"返事がしたいと伝える。
 誰が行くかは言っていない。
 もちろん嫁ーズ全員参加。
 良い返事を期待して、喜んで明日にでもお会いしたいと返事がくる。
 イステリア王国の滅亡、カウントダウンとは知らずに(笑)

 呼びに来たメイドに付いて行く、嫁ーズ一同。
 何も聞かされていないメイド達は、特に不思議がっていなかった。

(王宮メイド)女王様、ユエ様方が来られました。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      入れ。


 その言い方にイラッとする。
 いや、それは仕方ないと思うぞ。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      これはこれはユエ様方、わざわざありがとうございます。

(ユエ)いえ、お気になさらず。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      で、どうでしょうか?

(ユエ)はい、はっきりお断りします。

(フェロ)婚姻すれば費用はチャラ、そんな見え透いた婚姻、許す訳がないでしょ(苦笑)

(シア)なかなか、舐められたものです(苦笑)

(リリー)私たちの諜報機関、舐めてない?

(イステリア王国女王 ユリコ)
      いや、それは……

(エンジェ)そこの宰相の入れ知恵だよな。

(フィル)財務大臣が便乗。

(ティオ)それに乗ったのがお主じゃな。

(雫・ヤマト)怪しい動きがあれば、即中止の約束だったが?

(なぎさ)ボクも気に入らない。

(玲・アカギ)為政者としては、あるまじき行為。

(椿・シナノ)今になって、出し惜しみか?

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      むぐぐぐぐ。

(なぎさ)此処はイステリア王国、しかも王宮内だ。

(雫・ヤマト)生きて出られると思うなよ?

(ティオ)と言いたいのか?

(シア)実際どうか、やってみます?

(イステリア王国近衛騎士団団長:男 ベルガー・サーメン)
      ちょっと待ってくれ!いや、待ってください!


 慌ててベルガー達がやって来た。

(イステリア王国近衛騎士団副団長:女 ソラ・シャーナ)
      私たちの命を差し出します。だから待ってください。

(ティオ)ほぅ(感情の消えた目)

(ユエ)しかし、張本人達が反省してない。

(フェロ)今までの事は、王都民全員が見ている。現在も中継中。

(フィル)魔道具で空に投影してる。

(ティオ)王都民はどう思うだろうのう。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      えっ?

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      も、申し訳ございません。

(ユエ)で?

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      えっ?

(シア)それだけです?

(なぎさ)ユエ。

(ユエ)ええ。


 そう言うと、魔法を発動させる。
 "雷竜"が指先に集まり、小さい球状になる。

(ユエ)お前だ。


 射殺すように睨みつけ、反省のカケラも無い近衛騎士に投げる。
 光る球状の雷竜が、近衛騎士のお尻から体内に入った。

(近衛騎士)な、何しやがる!(射殺す目)

(ユエ)お前、反省してない。生け贄だ、死ね。


 そう言うと、ユエは指を鳴らす。

(近衛騎士)@#?!


 悲鳴を上げる暇もなく、身体が破裂した。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      ひ、ひいぃ!(どん引き)

(ユエ)ちょっとは反省する気になった?


 ユエは光の球体を幾つも作り、投げた。
 女王、宰相、財務大臣、反抗的な近衛騎士達の体内に入る。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      まっ、待ってくれ!いや、待ってください。
      金はいくらでも払う、だから命だけは!(半泣)

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      ほんとです、いくらでも用意します。何世代かかってでもお支払いします。
      命だけは許してください(泣)

(近衛騎士)い、嫌だ、嫌だ、死にたくない!!

(イステリア王国女王 ユリコ)
      も、申し訳ございません。私が悪いのです。どうか、どうか、お許しください(泣)


 泣きながら土下座して謝る女王たち。
 静まり返りながら、中継を見ている王都民。

(フェロ)ちょっと、分からせる必要かあるよね(ゴミを見る目)

(シア)お金の問題じゃないんですよ。

(エンジェ)信頼関係の問題だな。あ"あ"っ!


 マフィアエンジェ、発動(笑)

(ユエ)これで許す。


 そう言うと、幾つもの"雷竜"を放った。
 それぞれなぎさの投入したインフラや施設を次々破壊していく。
 王都民は言葉を失い、絶望した。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      ひ、ひぃ!!!

(イステリア王国女王 ユリコ)
      ・・・(絶句)

(なぎさ)ユエ。気持ちは分かるけど、やり過ぎだよ。王都民は関係ないやん。

(シア)な・ぎ・さ・さん♡

(なぎさ)はい!

(フェロ)お人好しだなぁ、放っておけば良いじゃん。

(なぎさ)そういう訳にもね。庶民の生活は守ろうよ。

(ユエ)なら、最低限なら認める。それ以上はダメよ。

(なぎさ)分かった。


 そう言うと、なぎさは修復にかかった。
 しかし、ちょっとでも上のレベルをやろうとする度にユエからしばかれていた。
 修復が完了すると、ユエは皆を呼びつけた。
 今回も生中継である。

(ユエ)修復は終わったわ、今までの費用と主費用は支払うこと。支払わなければ、分かってるよね。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      はひっ!(怖)

(ユエ)ただし利息はお任せするわ、貴方達の誠意に期待する。分かった。

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      はい!(涙目)

(なぎさ)全て永久保証付き、壊れることはないから安心して。余計なことをしない限りね。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      あ、ありがとうございます。大切に使わせていただきます(泣)

(ユエ)では引き上げましょう。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      えっ?

(ユエ)約束を破り信頼関係は壊れました。費用は徴収しますが、お付き合いはこれっきりと言うことで。

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      そ、そんな……

(シア)仕方ないですね、私たちはサタルニアの開発発展もありますから。

(フェロ)彼方は約束を守ってしっかり支払ってくれてますから、最上級の設備を投入してるけどね。


 それを聞いてイステリア王国組は絶望した。
 このままでは国力の差は絶望的なほど開く。
 そんな事になったら、国家存亡の危機になりかねない。

(イステリア王国財務大臣 ギャンナ)
      何とかそれだけは……
      お金は払います、サタルニアの倍、いえ3倍支払います。
      どうか考え直してはもらえないでしょうか?

(フェロ)だから、お金の問題じゃないんだよ。分かってないなぁ(イラッ)

(レム)私たちは貴方達のような為政者に都合良く使われ、捨てられた経験のある者ばかりなんだよね。

(エルム)だから、そんな方々とはもう金輪際お付き合いはしないと決めているんよ。

(フィル)だから無理。

(イステリア王国女王 ユリコ)
      そんな……

(雫・ヤマト)何も焦らなくても良いじゃないか、新生サタルニア魔女王国と友好関係を築けば問題ないじゃないか。

(玲・アカギ)新しい国が出来たんだ、国王も代わって新しくなった。問題ないのでは?

(椿・シナノ)それとも貴国はどの国とも国交を持たないおつもりで?

(なぎさ)それは無理強いしちゃダメだよ、相手もある事なんだから。
    相互不干渉を希望したら、国交は無理だからね。

(エルム)それはあるわね。

(エンジェ)強引に迫ったり、潜入したりしたら戦争になるわな。

(リリー)私たちの全力支援のある国相手に?面白い(ニヤリ)

(イステリア王国宰相 ジンバ)
      あっ、あっ、あっ、あっ……

(イステリア王国女王 ユリコ)
      そ、そんな……


 絶望する女王たち、唖然とする王都民。
 そんな事は知らんと見せつけるように、魔動飛行船で新生サタルニア魔女王国へ飛び立った。
 

 
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