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第一章後編 ハイリヒ王国復興編
ハイリヒ王国復興発展編①
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なぎさがベースキャンプに帰って来た。
入り口には門兵の如く見張りが2人立っている。いやなんで?
近づくと、ゲートを開け、サッと片膝を付いて出迎える。だからなんで?
別にそこまでしなくても。
ここ、戦場でも敵地でも無いからとは言ってはみたがダメだった。
嫌な予感がする。マジで嫌な予感がする。
ゲートを入ると、ほらな、だからしたんだよ、嫌な予感が!
並んで出迎えたと思ったら、一斉に片膝を付き、頭を垂れる。
その数、護衛担当198人、身の回り等メイド担当100人、総数298人、荘厳な光景である。
帰りたい、そのまま王宮内に用意された部屋に戻ろうとして、シアとレムに両脇を固められる。
めっちゃ楽しそうだ。もの凄くいい笑顔だ。泣いていいですか(涙目)
物理担当最強兵器シアと竜人も認める物理担当人型最終兵器レムに固められて、抵抗出来るやつ居る?
ガッチリ固められて、みんなの前にドナドナされるなぎさ。
わぁ~お、ユエもティオもいい笑顔だ。
他のみんなは笑いを堪えるのに必死やんか!
エンジェ、お前、声殺して完全に笑ってるよな(涙目)
(なぎさ)あ、いや、とりあえず、みんなは仕事に戻ってください。
(一同)はっ!
5人が駆け寄ってきて、跪く。
コイツらが居たあぁぁぁ~っ!
(なぎさ)えーっと、じゃあ、行こうか。これからその後をついての会議をしなければいけないから。
(五人)はっ!
(なぎさ)みんな、会議をしようか。
(なぎさ以外)はっ!
(なぎさ)お前らワザとやってるよな!(涙目)
会議室に向かう。中に入ると五人も入ってきた。なんで?
(なぎさ)あぁ、君たちは……
(シア)いいじゃないですか。ここの話を伝えてもらえたら助かるじゃないですか。
(なぎさ)わかった。じゃ、始めよう。
まず、奴隷解放だけど、即始める。
査定も終わり、宰相のリコイルも徹底的に調べ上げたと言ってる。
諜報機関も投入しての調査もして、漏れは無いと言い切った。
買取り価格にも自信がある、水増しはあり得ないと。
国家政策としてもやるだけに、逆らえば国家反逆罪として処罰することも約束した。
(シア)完璧じゃないですか!流石です。
(なぎさ)同時に復興発展にも取り掛かる。
最初の話通り、こちらからの貸付けで、金利は23.7%。
開発発展の足枷になるようなら、相談する事を約束した。
これが原因で遅れたり、増税になったりしないために。
その為の返済期日無しという事で。
給金、維持費、災害対策等、全て込みで回せる自信のあるって。
20%って言いかけて断られた。
あと、王配との給金も全額受け取ることを約束させられた(汗)
大丈夫かな?まぁ大丈夫って言うから、相手の威信もあるんで了承しました。
(ユエ)はぁ……このお人好し(微笑)
(ティオ)まぁ、なぎさ様だからのう(微笑)
(なぎさ)様って言うな(涙目)
(雫・ヤマト)庶民の生活が気になるんだろ?そこまで言うなら大丈夫だ。
(玲・アカギ)アコギな事して儲けるんじゃない。真っ当な報酬だ。
(椿・シナノ)それで私たちが幸せになる。良いことじゃないか。
(フェロ)何から手をつける?
(なぎさ)まぁ、道路、街道の整備でしょ。空白地帯にも要るし、神殿や迷宮への道も要るでしょう。
(エルム)まぁ、そうなるよね。
(なぎさ)ついでに旧国の土地の浄化と整地。整地はもう更地にして、開発しやすくする。
時短だ、時短!
(ユエ)で、費用は?
(なぎさ)・・・えっ?
(シア)だ・か・ら、整地と浄化の費用は?
(なぎさ)・・・言ってない。
(なぎさ以外)な・ぎ・さ・ちゃん♡(怒笑)
(なぎさ)は、はい(涙目)行ってきます(半泣)
ユエはリリアナのところへ行き、道路、街道整備と旧国の土地を浄化し更地にすることを説明した。
その方が開発しやすく、早いと。
瓦礫の撤去も含め、とりあえずは保護魔法で永久保証を付けるが、其方の用意が出来次第解除すると。
(リリアナ女王)解除してしまうのか……
(なぎさ)今まで整備していた人の食い扶持を奪うわけにもいかないし、仕事量も増えるから増員も必要でしょ。
それが整う迄ですよ。少しずつ解除していきます。
(リリアナ女王)わかった。費用はこちらで計算するが良いですか?
(なぎさ)もちろん。
話をつけて帰ってきた。もちろん五人は付き従っている。
(シア)な・ぎ・さ・ちゃん♡(射殺す目)
(なぎさ)そんな事言っても、相場とか知らんやん(涙目)
(ユエ)はぁ~。まぁリリアナなら、誠意を見せるでしょう。
私たちの時代の相場は知ってるし、この時代の物価も調べるから、騙されることは無いでしょ。
(ティオ)考え過ぎてないかのう。そんなことで国を滅ぼしたくないだろうしのう。
(フィル)それは言える。ユエ、考え過ぎ。
(フェロ)たしかに中央貴族や王族には警戒するよな。
(玲・アカギ)いい印象は無いわな。
(なぎさ)浅い付き合いだけど、大丈夫な気がする。戦前の様子を見て下手な事はしないというか、出来ないと思う。
それだけに対応とか間違えないようにしないとと思う。
横柄にしたり、生意気な態度とったりして、余計な敵を作らない方がいいし、
しょうもない妨害とか増えたらムカつくし、スマートに儲けたいやん。
くだらん損失出したくないしな。
(ユエ)それはそう思う。まぁ礼儀は必要だしね。
とりあえず、見通しは立った。
では、資金を用意するか。
(なぎさ)とりあえず、ギルド行ってみよう。
話のこともあるし、ある程度売り捌いて資金を作らなアカンから。
(ユエ)そうね、そうしましょ。どこのギルドに行く?
(なぎさ)そりゃあやっぱり、イレイサでしょ。ギルドマスのアーミアさんとこじゃない?
(シア)ですよねぇ。
早速イレイサに飛ぶ。今回の戦争で大丈夫だったのか気になるが。
イレイサと思われる場所に到着した。
ものの見事に潰されていたが、もう自力で復興している。
まぁ、まだ町という状態ではないが、とりあえず雨風しのげる状態にはなっていた。
ギルドのあった場所に行くと、簡単な建物と倉庫っぽい建物があった。
冒険者って逞しいなぁ。
ギルドに入ってみる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
おぉ~。これはこれは、この度の戦争の大英雄、なぎさ様御一行ではないか!
(なぎさ)アーミアさん!趣味悪いですよ!イステニに行こう。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あー待って待って、もう言わないから、行かないで!!
(なぎさ)やっぱり、やられたんですね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あぁ。思いっきりやられたな。しかし逞しいだろ、これが冒険者だよ(誇)
(なぎさ)ええ、凄いです。もう迷宮潜ってるんですね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
ああ、それが食い扶持だからな。
戦争なんて関係ない、自分達の食い扶持が優先だからな。
それだけにギルドの復活は最優先になる。
みんな進んで協力してくれるよ。食と住は重要だからな。特に食。
(なぎさ)じゃあ、ある程度売り捌くつもりやったけど、今度にした方がいいね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
いや、喜んで買い取らせてもらう。
その方が価格も安定させる事が出来るし、それを使う職の連中が助かる。
いくら戦後でも高騰すれば売れない、早く相場に戻さないといけないからな。
(なぎさ)じゃあ、リストアップしてくれるかな、あるだけ対応するから。
(ギルドマスター:女 アーミア)
わかった、恩にきる。
で、戦前の話だが、なんでも部位が落ちてるというか、
捨てられてある事が頻発した時期があった。
しかも、低ランク冒険者向けのものばかり。
なんか知らないか?(ニヤリ)
(なぎさ)いや、知らないけど。
(ギルドマスター:女 アーミア)
目が泳いでるが?
(なぎさ)そんなわけないでしょう。身に覚えないし。
なんで笑うのユエさんたち。
雫三姉妹なんて、顔背けて笑ってるよね?肩動いてるよ。
(ギルドマスター:女 アーミア)
まぁ、みんな有り難がってたからいいけどね。
でも、低ランクが欲出して奥まで行ったらダメだから、
やるなら一声かけてくれ。
(なぎさ)まぁ、やる時があれば、必ず声かけるよ。
(ギルド職員:女 アミ)
ギルマス、リストです。
(ギルドマスター:女 アーミア)
これなんだが、どれぐらいあるか?
(なぎさ)うーん、全部有るよ、数もある。それどころか、まだまだある。
(ギルドマスター:女 アーミア)
ま、まだまだあるのか(汗)とりあえず、それだけにしてくれ。
(なぎさ)もちろん、予算もあるでしょうし、価格崩壊したら大変ですからね。
でも、それだけ買い取って、他の冒険者は大丈夫ですか?
(ギルドマスター:女 アーミア)
えっ?あ、あぁ大丈夫だ。そんな事心配するのか?変わった奴だな(微笑)
(なぎさ)食い扶持潰すような真似はしたくないですから。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あ、あぁそうか、やはりばら撒いたのは、お前だな、なぎさ(微笑)
普通の冒険者はそんな事なんて考えないからな。
今回の戦争も、この程度で終わったのも、あんたらの活躍のおかげだしな。
(なぎさ)へっ?
(ギルドマスター:女 アーミア)
冒険者の情報網を甘く見過ぎだな。
当然、王都にも冒険者は居るわけで、その瞬間を見た奴は腐るほど居る。
その後、自由都市アロンソ、フェアベルゲンと駆けつけ、大活躍。
特にフェアベルゲンでの死闘は冒険者の間では、もはや伝説だよ。
そう言えば、フェアベルゲンでの死闘を題材にしたオペラと演劇が出来る。
もう告知はされてるから、前売り券は完売、追加公演も決まっている。
(なぎさ)はあぁ?
(ギルドマスター:女 アーミア)
ただし、主人公の名前を"なぎさ"にするか、似た名前にするかを迷っているとか。
近々相談したいような事を言ってたな(笑)
(なぎさ)分かりました、逃げます。
(ギルドマスター:女 アーミア)
無理だ、捜索の依頼が全てのギルドに出てる。
諸事情もあるから、捕獲じゃなく、あくまで居場所の連絡だ。
まぁ、適当に逃げまくって冒険者の食い扶持になってやってくれ。
ギルドの調査で達成かどうか判断されるんで、ギルドには顔出してやってくれ。
莫大な儲けが算出されているんでな。
頃合いはギルマスが直接伝える事になっている。
言われない限り、逃げてやってくれ(爆笑)
(なぎさ)笑い事かよ(涙目)なぁ、みんなあぁ?(涙)
全員顔を伏せて笑ってる。声を殺して笑ってる。肩がピクピク動いてる。
神を見るように目を輝かせているのは、五人の使徒たちだった。
(なぎさ)で、あまり聞きたくないけど、あの話は?
(ギルドマスター:女 アーミア)
あの話?
(なぎさ)いや、なんでも無い。さぁ、帰ろか。
(ギルドマスター:女 アーミア)
まだ、金は渡してないが?(ニヤリ)
(なぎさ)下の受付じゃなくて?(ニヤリ)
(ギルドマスター:女 アーミア)
負けた。あの話は………………専属は無しだ。
(なぎさ)ほぅ。
(ギルドマスター:女 アーミア)
なんだ、喜ばんな。
(なぎさ)嫌な予感がすると、本能が警鐘を鳴らしている(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
つまらん(笑)ガーン!と言う顔が見たかったがな。
(なぎさ)ほら、やっぱり!(半泣)
(ギルドマスター:女 アーミア)
喜べ、専属は無し。全てのギルドが専属として助力してもらう権利を持った。
もちろん、国とも事を構えるつもりは無いので、国が必要な時はギルドに要請することと。
(なぎさ)ほぅ、それは断る!国は国、ギルドはギルド。別々でないと協力はしない。
敵に回したければ回せばいい。当然こちらも相手になる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
はぁ~。言うと思ったよ、みんな出てこい。
ぞろぞろと、ん?ナチエスさんとナチリスさん、なんで居るの?
(ギルドマスター:女 ナチエス)
お久しぶりです、なぎさ様。
(なぎさ)どうしたんです?ナチエスさん、ナチリスさんも。
(ギルドマスター:女 ナチエス)
此処に居るバカ共がな、あぁ、一応此奴らもギルマスなんですが……
『そう言えば素直に協力する、ギルドを敵に回す度胸など、冒険者には無い』
と寝言をほざいた訳で、まぁ一芝居打たせてもらったんです。
此奴ら、なんか勘違いしてるみたいで。
だから、この事は許してください。
国の復興発展を国家政策でやる事は知っているし、
婚姻されて王配になった事も知っているんで、そんなバカな考えは無いです。
(ギルドマスター:女 アーミア)
だから最初に声掛けたオレが憎まれ役だよ、こんな損な話あるか?
(なぎさ)ご愁傷様です(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
で、何処かの専属ではないのは確かで、協力要請した時は助けて欲しい。
ギルドと国の架け橋になってもらえたら助かる。
ギルドもより良く発展させたい。
もちろん、依頼料は払うから、手伝って欲しい。
で、このバカ共なんだが、約束通り本日この場をもって、
ギルマスの地位を剥奪、ギルド永久追放と決定した。
後任はこちらで選任するので、就任したら、会ってやって欲しい。
王都のギルドで顔合わせしたいんだが、いいかな?
(なぎさ)そういうことならいいですよ。就任したら、連絡ください。
(ギルドマスター:女 アーミア)
では、これが買取り分、これがこの件の協力料、で、これがこの件での配当。
地位と全財産を賭ける約束だったんで、これがなぎさの取り分だ(笑顔)
(なぎさ)わぁ、すっごいいい笑顔(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
凄い事やるんだろ?これ、使ってくれ。
(なぎさ)ありがとう、助かる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
換金した方がいいだろ。御用達の商人が居るから任せろ。
ギルドの名に賭けて、最高値で売り捌く(ニヤリ)
(なぎさ)了解、任せた(ニヤリ)
それから王宮のベースキャンプに戻った。
(シア)なぎささん(ため息)
(なぎさ)何?
(ユエ)まぁいいけど、お人好しっていうか、まぁ(ため息)
(ティオ)このままじゃと、ハインリッヒ王国、フェアベルゲン、ギルドの復興発展を請け負うことになるのう。
(フィル)ちょうどいい、全てに顔が利く。
(フェロ)それは言える。特にハイリヒとギルドは手中に収めたようなもの。これはデカい。
(雫・ヤマト)利用される側から利用する側に、この先を考えると利益は計りきれない。
(玲・アカギ)完全にこの世界の主導権はこちらだな。
(椿・シナノ)やり方間違えなかったら、覇王君臨だな。これは。
そんな物騒な事を話ながら盛り上がっていた。
覇王、悪くないな(ニヤリ)
それからリリアナ女王に会いに行った。
(リリアナ女王)なぎさ様、明日、奴隷解放宣言をしようと思います。
よろしくお願いします。
(なぎさ)分かりました。こちらの準備も出来ましたので、よろしくお願いします。
翌日、通達通り、奴隷を引き連れ王宮に集まる。
なぎさは魔法を使い、空に中継映像を映す。
もうそれだけで、響めきが起こっていた。
女王が登場した。
(宰相 リコイル)
静かに!これよりリリアナ女王様から、重大な発表がある。皆、心して聞くように!
会場が静まり返り、リリアナ女王が壇上に上がる。
(リリアナ女王)本日、集まってもらったのには、重大な話があるからである。
本日、今この時をもって、犯罪奴隷以外の奴隷を全員解放する。
これは国策であり、逆らう者は国賊となり、国家反逆罪で処刑する。
これは決定事項であり、反論は許さない。
一瞬、空気が凍りつき、そして大歓声が奴隷達の居る場所からおこる。
(宰相 リコイル)
鎮まれ!!今から内容を説明する。聞き漏らすことなく心して聞くように!
なぎさ、ユエ、シアが壇上に上がる。
(なぎさ)まず流れですが、現在奴隷の方々は、本人が『奴隷がいいの、たまんない♡』って人以外解放します。
やり方ですが、やはり所有者からすれば、『奴隷は財産』となっていますので、
皆さんを私たちが所有者から買い上げます。それと同時に奴隷を禁止します。
皆さんは、一度私たち"なぎさグループ"の立ち上げる、派遣会社の社員として登録します。
里などに帰りたい方は退職となり、幾分かの退職金が支給されます。
残った方は社員ですので、当然自由もありますし、給金も出ます。
社員寮もありますから、希望者は入寮してください。当面、寮費は無料です。頃合いをみて有料になりますが。
派遣なので、契約は我が社がやります。不正に安かったり、条件が悪かったりする場合は契約は成立しません。
また、不当な扱いを受けた場合、即報告してください。
ただし、虚偽報告であったり、労働が不誠実であった場合は、クビという処分になります。
監視役も付けますので、安心して仕事を頑張ってください。
監視役からの報告でも救済しますから、堂々と仕事に励んでください。
雇用主も監視対象ですから、不当な要求や扱いがあった場合、即契約破棄な上、賠償請求します。
私たち"なぎさグループ"を敵に回すわけですから、覚悟してくださいね(ニヤリ)
雇用主になる方で即必要という方は、この後にお金を受け取る時に申し出てください。
契約書を作成します。ただし、本人の意思もありますから、100%成立はしないと考えてください。
また、必要条件を記入する用紙を配りますので、
仕事内容、人数、一人当たりの給金、希望内容を記入して、後日我が社の方へお越し下さい。
条件に合う人を紹介します。
面接後、採用するかしないかを決め、契約という流れになります。
ここまで理解できましたでしょうか?
細かい質問等はお金受取り時にお尋ねください。私たちが対応します。
対応メンバーは、
私の妻たち
宰相 リコイル様
財務大臣 マヤノ様
近衛騎士団団長 シューマン様
近衛騎士団副団長 シラン様
が対応します。
今度は貴族達が響めく。相手が相手だ、逆らえない(怖々)
(シア)獣人のみんなぁ~!シアだよぉ~!!
この制度は、私たち獣人にも分け隔てなく適用されるから、心配しないでね!
逆に、私たちの特性を活かして、がっぽり稼ぎましょう。
貴方達には、私、シアとなぎささんが付いてるよぉ~!!
今度は奴隷たち、特に獣人たちから大歓声がおこる。
(ユエ)ただし、全く仕事をしない人は社員をクビになります。
退職じゃなくてクビだから、退職金は無いよ。
そこは勘違いしない事、わかった?
大歓声の中、無事終了する。
所有者だった者たちは、お金を受取りに、奴隷だった者たちは設置されたベースキャンプに行く。
とりあえず、即必要な者達は契約書に記入し、それを持ってベースキャンプに来る。
やはり、元愛玩奴隷がほとんどだった。
Rー18は、まぁ却下。シアがとりあえずは聞くけど、やはり不成立。
社交絡みは本人に確認をとり、成立した人は連れて行く。
契約内容を説明し、こちらの手数料と自分の手取りを教える。
手数料はガッツリ取られると諦めていたみたいだが、
こちらの手数料の低さ、手取りの多さ、手数料の使い道を聞くと泣きながら喜んでいた。
ベースキャンプの中身は映像で流していたので、これが社員寮になると発表された時には大歓声が起こり、
その後の説明映像を食い入るように見ていた。
シアが少人数づつ連れて案内し、順番に部屋に入れる。
一人一部屋、ベッド、トイレ、お風呂付き。感動して泣き崩れる者も居た。
とりあえず、獣人とそれ以外に分けたが、行き来OK、ある程度したら引越しするので、
その時は好きな部屋を選ぶことになると説明した。
部屋は一般的な広さにしたさが、100階建てなので色々改良しておいた。
食堂や大浴場、リラックスルームやトレーニング施設の増設など。
また、設置場所が、なぎさ達のベースキャンプの近くの場所に設置したことから、
派遣社員は王宮内に設置されたベースキャンプから出勤するという事になり、一気に地位が向上した。
そりゃなぎさ達の庇護下にあり、王宮から出勤する者達を雑に扱うような度胸のある雇用主は居ない。
(なぎさ)さてと、次いきますか。
(リリアナ女王)そうですね。次は何をされるのですか?
(なぎさ)次は道路かな、街道もやって、空白地帯の浄化と整地も。
街道の引き方で希望とかある?ここ通したいとか、ここ避けたいとか。
追加はどうにでもなる、町とか出来る前なら。
(リリアナ女王)そうですね。曲がってる街道が多いので、この際直線最短距離で。
後から町や村に合わせて分岐するという感じてお願いします。
(なぎさ)了解しました。
話はついた。早速明日か明後日から取り掛かるか。
派遣に関しては、何人か残ってもらえば大丈夫だし。
ベースキャンプに戻る。
通過儀礼を済ませて会議室へ。
(なぎさ)これで、とりあえず奴隷の件は見通しがついた。次は道路と街道なんだが。
(ユエ)もうやるの?
(なぎさ)早い方がいいやろ。変に道が出来る前にやってしまいたい。
(ユエ)いつからやるの?
(なぎさ)明日明後日ぐらいから。
奴隷の件は、何人か残ってもらえば大丈夫でしょ?
街道の話もまとまってるし。
(シア)どうゆう感じで引くんですか?
(なぎさ)ズバリ、直線最短距離で。村や町が出来たら、そこへ引き込む形で分岐させる。
農地等は当然避けて。
(シア)なるほど、効率的ですね。
(なぎさ)不可能なら迂回させるが、可能な限り最短距離で。
これなら輸送も早くなるし、防犯もしやすいだろうし。
(フェロ)しかし護衛は必要だから、冒険者の最低限の食い扶持は確保してるし。
(エルム)でも、最短距離になったから、護衛日数は減るよね。
(なぎさ)そこはギルドに頑張ってもらって、護衛料を引き上げてもらおうと思う。
以前と同じ費用になるように。
で、今日の件は1日で終わるはずはないから何人か残ってもらって、
後は街道と浄化整地にかかろうとう思う。
明日明後日あたりからやりたいけどいいかな?
(シア)ワーカーホリックですか、迷宮攻略並みのスケジュールですよ(ため息)
(ユエ)まぁ仕方ない。気になるんでしょ?やりましょう、明後日から。
(なぎさ)ごめんね、ありがとう。
翌日は街道組はゆっくり休養し、翌日に備えていた。
派遣契約も順調で、特に問題は無かった。
そりゃそうだ、近衛騎士団が引き継いでやっているんだ、文句をを言う奴は居ない。
っていうか、言いたくても言えない。女王の勅命で動いている。
問題児は処刑許可まで出てるんだから。
整備当日がやってきた。
魔法が必要なんでメンバーは、
なぎさ以外にユエ、エルム、エンジェ、ミヤビ。この五人で取り掛かる。
(なぎさ)では行きますか、シア、後お願いね。
(シア)了解です。もう一般公募はします?
(なぎさ)それは任せる。現場の判断でお願い。
(シア)分かりました。いってらっしゃいです。
五人は王都の正門前に行く。
(ユエ)どうやって整備するの?
(なぎさ)こんなんどうかな?魔動車をちょっと改造したんだけど。
(ミヤビ)ほう、前にあるものを押し除けて突き進む感じじゃのう。
(なぎさ)そうなんだけど、なんかなぁ。なんかいいアイデア無い?
土魔法を使うのはお決まりとして。
水魔法と併用した方が強度が出るかなぁとか。
整地については単に更地にするだけでいいから、土魔法のみで済むけど。
(ユエ)土魔法でしっかり固めれば大丈夫だけど、強度かぁ……
(エンジェ)混ぜない方がいいな、雨がりの後の道を見たらわかるように、逆に崩れやすくなる。
(なぎさ)そうか、じゃあ土魔法一本で。
(ミヤビ)退けた土はどうするのじゃ?
(なぎさ)ストレージに収納する。河川工事や港湾整備で使える。
(エルム)どこまで先読みしてるんですか?(ため息)まぁ、止めてもやるんでしょうけど(諦め)
(なぎさ)ま、まぁ、始めようか(汗)
それから、ガンガン走った。
魔力切れはなくても疲労はくるので、交代で進めていく。
途中、ギルドにも寄りながら。
まだギルマスは決まってないらしい。
どんどん街道を作っていく。
エルムの指示で農作地向きの場所は迂回して。
便利だな、自動マッピングスキル。
元エレノア共和国、元サンタナ帝国、元サスティナ帝国と、どんどん更地にしていく。
結構農作地向きが多いなぁ。そこには印を付けていき、あとから区画整理しやすくしておく。
(ユエ)なぎさ、まぁいいわ(はぁ~)
(なぎさ)何よ、耕作地、無駄にしたくないやんか。
(エルム)まぁそうですけどね(ため息)
どんどん進んでいく。
あれ、フェアベルゲンが見えてきた。
(なぎさ)なぁ、フェアベルゲン寄って行こうか?
(ユエ)そうね、街道のことも話した方がいいし。
そのままフェアベルゲンに。
(獣人:女①)あっ!なぎさ様、どうしたのですか?(喜)
(なぎさ)今、街道整備してるんだけど、その事を族長に話した方がいいと思って。
(獣人:少女①)じゃあ、私、行ってきます。
(なぎさ)ありがとう。
シラヌイが急いで来た。
(獣人:女②)なぎさ様、こちらへ。族長が楽しみにしています(喜)
(なぎさ)ありがとう。そんなに急がなくていいから。
シラヌイ、獣人女性②の案内で族長宅へ。
だから、外まで出迎えなくていいから。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様、お待ちしておりました。
(なぎさ)急なことなのに、ありがとう。
(兎人族 テーゼ族長)
いえいえ、街道整備の話とか。中へどうぞ。
中へ入るなぎさ達。
(兎人族 テーゼ族長)
で、どのようなお話を。
シュリがお茶を入れてくれる。いい香りだ。
(獣人:少女①)いい香りでしょ。これは去年収穫したものをねかせて、今、炒った物なんです。
そうすると香りが立って、凄く良い香りになるんです。
炒る前の状態でも保存は半年しかもたないですけど、凄く美味しいですよ。
(なぎさ)ほんといい香りだね。飲んだら口から鼻に抜ける香りも濃縮されて、もの凄くいいね。味も美味しい。
(獣人:少女①)これ、自慢の逸品です(ニヤリ)
(なぎさ)ふふふ、売ります?貴族なら高値で買うと思いますよって、いいの?そんなことして(笑)
(獣人:少女①)私だって商人来たら、買い物したい!
(なぎさ)あはははは(汗)
(兎人族 ヤマノ族長夫人)
これ、なぎさ様がお困りになってるじゃない。
(兎人族 テーゼ族長)
紹介いたします。こちらは妻のヤマノ、その子は家で住み込みのメイドをする事になったナイナです。
よろしくお願いします。
(兎人族 ヤマノ族長夫人)
はじめまして、族長夫人のヤマノです。この度、結婚しました♡
(なぎさ)あぁ、これはこれは、おめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
私はナイナっていいます。あの戦争の後、お母さんが体調を崩して死んじゃって……
族長が住み込みのメイドとして、助けてくださいました。
よろしくお願いします。
(なぎさ)族長!なんで早く教えてくれなかったのですか、助けられたかも知れないのに!
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
いいんです。私たちが望んだことですから。
父が早くに亡くなって、母が育ててくれたんですけど、
無理が祟って、体を壊してしまったんです。
それから母の看病をしなければならず、田畑とか財産を売りました。
でも、もう財産は尽きました。
それでもみんなは優しく助けてくれて、食べ物などを恵んでくれました。
それを母は気にして居たんです。
"もうみんなに迷惑をかけれない"いつもそう言ってました。
だからこれでよかったんです。母も喜んでいました。
"今まで迷惑かけてごめんなさい。これからは自分の為に生きて。"
って。それに最期に、
"ありがとう"
って言って、息を引き取ったんです。
だから満足しています。
(兎人族 テーゼ族長)
ナイナの両親は元々は庄屋でした。使用人からの評判も良く、兄貴分的な存在でした。
それゆえ、皆、助けようとしたのです。
ただ……
(なぎさ)子供は残酷、でしょ?
(兎人族 テーゼ族長)
はい、その事で仲間外れにされ、虐められる様になりました。
大人が叱っても、
(なぎさ)陰でやられる。仕舞いには見て見ないフリをする。面倒だから(静怒)
(兎人族 テーゼ族長)
は、はい。それゆえに何度も声をかけたのですが……
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
私が断ったんです。自分だけ仕事もしないのに食べさせてもらうのは嫌だったので。
(兎人族 テーゼ族長)
で、この際、私の家でメイドとして働かないかと。
私もこの年齢、一人暮らしはキツいものがあります。
身の回りの世話をしてくれる人が欲しかった。
娘達は、元々外の世界へ行きたがっていました。
娘達のブレーキになっていたのは"奴隷狩り"だけでした。
それさえなければと言い続けていたので、今回の話はこの上ない好機でした。
そうでなくても、なぎさ様の……と言って出て行ったでしょう。
それを知っていて長年見てきただけに、なぎさ様にお仕えすることを快諾しました。
またそのおかげで、こういう形でナイナを守ることが出来ました。ありがとうございます。
(なぎさ)まぁ、それなら良かった。
もし、外の世界に興味あるなら、族長と一緒に王都に来ればいいよ。
彼方には、少なくとも300人の仲間が居るから、
それに、族長の世話役は必要でしょ?(微笑み)
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様(半泣)
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
は、はい!(嬉笑)
(なぎさ)で、街道の話なんだけど、今、王都から最短距離で出来るだけ直線で引いてるんだ。
最短直線って話やったけど、農地に適した場所は迂回してるんよね。
で、とりあえず、旧サスティナ帝国から引くのをどうするか?って。
こちらの街道を直にフェアベルゲンに引いてもいいのか?
フェアベルゲンが新たに獲得した穀倉地帯からの街道というか、輸送路は引かなくていいのか?
って事を聞きたくて。
ハイリヒ絡みはかなり何本もギルドの町とも繋げて引くから、便利になるだろうけど、複雑になると思う。
町を中心に四方八方に引く。要望があれば、王都直行路も別に引くから。
(兎人族 テーゼ族長)
全ての町を繋げる訳ですな。
(なぎさ)そうです、あとサスティナ帝国みたいに広いところは、各管理区からも合流地点に向けて引く予定。
後は使ってみて、改良するつもり。
そのメイン街道から、フェアベルゲンの指定場所に引く?ってこと。
引けは、人の行き来はあると思うし、迷惑かもしれん。
分岐点に関所を作る手もあるけど、常駐の必要があるし。
常駐場所に転移魔法陣を設置して行き来する手もあるけど……
面倒かなと。
街道引けば、商人も来やすくはなるけど。
まぁ、魔法で制限かけれるけど、わざわざ仕事が増えるのもなぁと。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
じゃあ、お茶は……
(なぎさ)それは大丈夫。売るなら僕らのグループ会社が売るから、直接取りに来る。
ただ、王都での管理、販売には何人か来てもらえたら助かる。
ナイナが族長を横目で見る。族長、どうする。
(兎人族 テーゼ族長)
派遣契約とかいう……
(なぎさ)いや、直接扱うから、僕らのグループ会社の社員。直接雇う。
(兎人族 テーゼ族長)
なっ!なぎさ様直々に。
(なぎさ)僕らも商売するから商会は作る。それを全て束ねるのが要るから、グループ会社というのが統括するんよ。
そこのフェアベルゲン部門。前話した後ろ盾ね。
社員だから、給金は払うよ。品物の売り上げはフェアベルゲンに持ってくる。
あくまで後ろ盾だけって約束だったでしょ?
その収入で増産したり、みんなで分けたり、好きに使えばいいやん。
商人呼ぶなら、色々買えて楽しめるやろうし。
(兎人族 テーゼ族長)
そ、それはいけません!なぎさ様の分が!せめて幾分かはお取りください。
(なぎさ)でも約束したし。
(兎人族 テーゼ族長)
では、こちらで何か考えさせてください。いくらなんでもそれはいけません。
(なぎさ)うーん、わかった。でも無理はしないでね。せっかくなら、みんなで楽しく幸せに、だから(微笑み)
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
なぎさ様(輝く目)
あぁあ、また1人、使徒が爆誕した。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様(感謝)
(なぎさ)で、話を戻してと。
街道や運搬路はどうしようか?
(兎人族 テーゼ族長)
そうですね、必要無いです。
(なぎさ)何か運ぶのに便利な道具とかは?
(兎人族 テーゼ族長)
それもやめときます。お気遣いありがとうございます。
(エルム)なんで?せっかく……
(なぎさ)エルム!族長が要らないって言ってんだから。
(エルム)でも……。
(なぎさ)多分、勘違いしてると思うぞ?エルム。
テーゼ族長が要らないというのは、困ってないからだよ。
良からぬ事を考えるバカどもが居る。
普段から身体を鍛える必要があるが、日頃の作業がいいトレーニングになっているという事。
獣人の特性をフルに活かすなら、今の方が都合がいいって事だよ。
下手に整地したら、侵入しやすくなるし、防衛もしにくくなる。
不整地の様に見えて、彼等には使い勝手のいい、自然の城壁のようになってるんだよ。
この森の中で戦闘するのに、庭の様に歩き回れる彼等には敵わないだろ?
吹っ飛ばすならともかく、そんな戦力で来る奴らは戦争にでもならないと有り得ない。
それに、その時は、もちろん僕らも駆けつける。
しかし、僕らが戦闘するのは森の外、最前線だよ?
この中を自由に歩き回りながらのゲリラ戦向きじゃないでしょ?
僕らが加勢する戦争なら、最前線で魔法ぶっ放して削る係りだよ?
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様、そこまで理解されていたのですか……
たしかに整地は魅力的です。しかし、防衛を考えると……
それと、言われるようにトレーニングです。
重い荷物をこんな足場の悪いところで運ぶ。
一見バカみたいですが、それで体幹とバランス感覚が鍛えられる。
基礎を鍛えるのにはこれ以上向いている場所はないんです。
(なぎさ)ですよね。シアが物理担当最強兵器と言われる理由を考えていたんです。
それと戦闘状態を。体のブレがない。無駄の無い動きで綺麗に決める。
そう簡単に出来る事ではないと思ったのと、
雫三姉妹も大概ですが、それと引けを取らない動きでした。
戦争兵器ホムンクルスと同じ動きを生身でやれる。
それでこの結論になったんですよ。
(エンジェ)よく見てるな、なぎさ。
(なぎさ)そりゃ、物理ならシアに、パワーならレムに教えて欲しいと思ってるからね。
魔法はユエ、回復系はエルム、蘇生系はエンジェ、刀術は雫三姉妹、弓術はフィルに。
やはり強くなりたいし、上手くなりたい。
オールマイティーにある程度出来るだけで、極めて無いからね。
せっかくいい師匠が居るんだから、教えて欲しいよ。
かなりごり押しで凌いでいるから、やっぱね(微笑)
(ユエ)ティオには?
(なぎさ)上手くなってからの格闘戦かな?桁外れのパワーと防衛力、こういう相手との戦い方だね。
まだまだヒヨッコですから(笑)
(ユエ)鍛えてあげる。任せて。
(エルム)卑怯だなぁ、なぎさは(笑)まぁ、任せなさい。
(エンジェ)わかってるじゃない、なぎさ。任せな(ニヤリ)
(ミヤビ)あのぅ~、妾は?
(なぎさ)・・・・。
(ミヤビ)なんでじゃ!妾も魔法全般が得意じゃ!回復、蘇生、攻撃、防衛、生活どれでもこいじゃ。
大体、妾は蘇生魔法の第一人者なのを忘れてはおらぬか?
(なぎさ)ごめん、忘れてた(笑顔)ってか、エンジェじゃなかったっけ?
(ミヤビ)その笑顔、腹立つのじゃぁ~!!(笑)
(テーゼ族長)なぎさ様はまだ上を目指されるのですか……凄いです。
(なぎさ)なんかね、後悔したくなくて……やれるだけやりたいから。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様……
(なぎさ)とまぁ、そういう事で街道は回避するけど、穀倉地帯と酪農地帯のところは注意してね。
運搬路は要るから。
可能な限り離すけど、ほとんど近所だから。
こちらも境界は特に警戒するようにさせるけど。
(兎人族 テーゼ族長)
分かりました。こちらも警戒させます。なぎさ様ばかりに負担をかけさせる訳にはいきません。
せっかくですから、今晩は一緒に食事でもいかがでしょうか?
(なぎさ)そう?なら、お言葉に甘えて。
ナイナが出て行く。なんとなく察しがつく。
シアが言ってた、フェアベルゲンの人はお祭り好きだと。
理由があれば、心置きなく飲めるからと。
食事は広場に行く事になった。予想通り。
でも、楽しそうだ。王都に行った仲間の事や、奴隷解放の事など色々聞かれる。
(獣人:女①)皆さん元気にしておりますか?
(なぎさ)あぁ、元気にしてるよ。色々慣れないと思うけど、凄くよくやってくれて、滅茶苦茶助かってるよ。
(獣人:女②)それで、奴隷解放の方はどうなりましたでしょうか?
(なぎさ)予定通りだよ。もう大体終わった。
後は派遣先との契約だね。住処は王宮内のベースキャンプに居るから、心配ないよ。
何人かは帰って来た?
(獣人:女①)あぁ、それがそのぅ……
(獣人:女②)手紙だけです。これなんですよ。
今後はなぎさ様の庇護下で仕事が出来るし、とりあえずの生活費も住処もいただけた。
これからは働けば働くほど楽しい生活が出来る。
もう帰りたくない。
仕事の紹介はしてもらえる。
やる気があって真面目に働くなら、こっちに来ないか?
なぎさ様に恥をかかせる様なことは許さんがな。
この手紙だけが来ました。
まぁ生きてて、この先幸せになれるならいいですけどぉ~……
我慢出来ずに抜け出して、奴隷にされて、悲しませて、あんなバカ知らないですよ。
でもね(涙目)でもね(半泣)
羨ましいぃぃぃっ!!!!!(号泣)
(なぎさ)そっちかよ!
(獣人:女②)もうね、今日は飲むんです!とことん飲むんです!!いいです、とことん飲みますからね!!!
ということで、なぎさ様、お付き合いくださいね♡
(なぎさ)えっ?
(獣人:女①)いいじゃないですか、なぎさ様。王都の事、色々教えてくださいよぉ~
私達もエロエロ教えちゃいますからぁ~♡
(なぎさ)アンタもう酔ってるやろ(涙)
(獣人:女①)飲んでないですろう。まだまだシラフですにゃん♡
ダメだ、コイツ酔ってる。ちょっと呂律が怪しい(涙)
前回の宴を見ているだけに、これは逃げにゃきゃヤバい。
(獣人:少女①)あっ!なぎさ様。王都のお話してください(上目遣い)
(なぎさ)わかった、じゃぁ~あっちへ行こうか(ほっ)
(獣人:女③)ふわぁ~、にゃぎしゃしゃまどあぁ~、にゃんで席はにゃれろんですくわぁ~?
アンタみたいなのから逃げる為だよ。
(なぎさ)えっ、この子がお話ししたいからだよ?
(獣人:女③)しょんにゃん、わたひも入れてくどぅあさいよぉ~、エロい意味じゃなひれふよぉ~(エロ笑)
(なぎさ)ちょっと離れた方がいいよね?
(獣人:少女①)えっ?何故ですか?特に問題無いですけど……
問題あるわ!少女にこの状況は教育上問題あるわ!色々と!
(獣人:女④)ふひゃぁ~、にゃぎしゅあさまだぁ~。みんにゃ、にゃにはにゃしてるのぅ?ゲップ。
(獣人:少女①)もう、お姉ちゃん。またそんなに飲んで(ため息)
(獣人:女④)ぬわ、まだしょんなに飲んでまふぇん。酔ってないれふひょ。うっぷ。
いや、飲んでる、充分飲んでる、アンタが一番呂律が回ってないから。さっきからゲップ止まんないやん。
(なぎさ)この子みたいに、しっかりしなきゃ。もうこれにしたら?
(獣人:女④)もう、にゃぎしゃしゃまぁ~、しょんにゃにのましゅいてどうしゅる気でちゅか?もう、えっつういぃ(エロ笑)
(なぎさ)何言ってるん。この子の貰って飲みな、ほんと。
ごめん、それ貰っていい?
(獣人:少女①)はい、いいですよ。もうひとつ持って来てたので。でもなぎさ様の分が……
(なぎさ)あぁ、後で貰うから、これあげて、ごめんね。ほら、これ、果実水。
(獣人:女④)にゃうぅ~、やっぶありよわしゅ気じゅあにゃいでつくわぁ~(エロ笑)
(なぎさ)なんで果実水で酔うんだよ!これ、果実水だよねぇ。
(獣人:少女①)はい、果実酒です。
(なぎさ)ほらぁ~、果実水って言ってるやん。この子だって飲んでるし。
(獣人:女④)にゃはは、えっち♡
(なぎさ)なんでだよ、これにしなって、果実水。この子だって飲んでるって言ってるやん、ねぇ。
(獣人:少女①)ええ。もう姉ちゃん、果実酒にしなさいよ、飲み過ぎよ。
(なぎさ)ほらぁ~、そうしなさいって。果実水に。
(獣人:少女①)そうですよ、果実酒にしときなさいって、お母さんに怒られても知らないよ?
(獣人:女④)大丈夫れふ、宴の時は怒らない決まりれふ。うぃ~、にゃはは。
わたひ、にゃははって笑ふと、可愛いひれすよ♡
(なぎさ)もう知らないよ?じゃあ、これ飲んじゃうからね。あっ!これ、甘くて美味しい!!
(獣人:女②)にゃは、フェアベルゲン特しゃんの、果実酒いひっくれす。おいひいれひょ(嬉)
(なぎさ)あぁ、ほんとこれ美味しい。
(獣人:少女①)なぎさ様、私、取ってきますから、待ってて下さい。
(なぎさ)あっ!いいってって、早!
(獣人:女①)わたひたひににとっては、庭れふからぁ~ひゃはは♡(エロ笑)
ヤバい、逃げたい、めっちゃ逃げたい。でもあの子を放っとく訳にもいかないわなぁ……
(獣人:少女①)なぎさ様ぁ~、いっぱい取って来ちゃいました(テヘッ)
(獣人:少女②)私にもお話聞かせてください(輝く目)
私もいっぱい取って来ました(笑)
いいよ、いいけど、ここで?ここでいいの?ほんとに?マジで?
沢山食べ物と果実水を持ってきた。
まぁいいか、知~らない。
みんな嬉しそうに話を聞いている。めっちゃ楽しいなぁ。
(なぎさ)……こんな感じかな?お父さんお母さんの許可もらったら、遊びにおいで、案内するから(微笑み)
(獣人:少女①②)はーい!(笑顔)
(獣人:女①)わたひたひは?
(なぎさ)酒飲んで暴れなかったらね。
(獣人:女①②③④)ふあぁ~ひ。にゃはははは(嬉笑)
(なぎさ) じゃあ、そろそろ寝ようかな。よっと?あれ?なんだこれ?
(獣人:少女①)?なぎさ様?果実酒飲んだじゃないですか?少しだけですけど。
(なぎさ)そう?結構飲んだけどなぁ、果実水。
(獣人:少女②)いえいえ、少ないですよぉ~、私たちの1/3しか飲んでませんよ?
(なぎさ)そっかぁ~、でもこの果実水、美味しかったわぁ~(笑顔)
(獣人:女①)でひょでひょ、フェアベルゲン特製果実酒いれふ。いひひ(酔笑)
(なぎさ)はいはい、わかったから。でもこれ、特産品になるよ。果実水。
(獣人:少女①)じゃあ、フェアベルゲン特製、果実酒として売れますか?
(なぎさ)やってみる価値あると思ふよ。あれ?なんかおかしい、暑いんだけど……
(獣人:少女②)?果実酒飲んだからですよ?
(なぎさ)うん、果実水飲んだよ?一緒にねぇ?
(獣人:少女①)はい、でもいつもより美味しかったです。果実酒!
(獣人:少女②)そうそう、お話、楽しかったもん!いつもの何倍か美味しかった。果実酒。
(なぎさ)??果実水??
(獣人:少女①)果実酒です。
(なぎさ)だから、果実水よね?
(獣人:少女②)果実酒ですよ?果実酒!お酒です。
(なぎさ)へっ?
(獣人:女①)にゃぎしゃしゃまぁ~、果実しゅいと果実しゅ間違えたのれすかぁ?
でも、それ、普段飲むひずでしょう?
(なぎさ)何言ってりゅか、わかりゃん。あっ!ヤバい(汗)
(獣人:少女①)なぎさ様、普段私たちが飲んでる水です、果実酒って。子供の頃から飲んでる物です。
(なぎさ)なっ!そ、そうにゃの?うわ、ヤバいにゃ(涙目)
(獣人:女②)にゃぎしゃしゃまが、にゃ、って言ったにゃ、可愛いにゃあぁ~、いひひひ(酔笑)
(なぎさ)にゃにをにゅう、しょんにゃこ……いや、ヤバいにゃ、どうちよう(涙)
(獣人:少女①)ひょっとして、なぎさ様はお酒弱いです?
(なぎさ)ふにゃ、めちゃくちゃ弱いにゃ、飲めにゃいにゃ(半泣)
(獣人:女③)にゃはは、だいろうふ、だいにょうぶ、吐いたらにゅけまふ(酔笑)
(獣人:少女②)・・・どうしよう、7杯も飲ませちゃった(焦)
(なぎさ)だひろうふ、心配にゃい。だかりゃ、気にしにゃいへ(微笑み)
(獣人:女④)しゃしゅか、にゃぎしゃしゃま、惚れまふ、もう濡れてまふうっ、にゃはははは(エロ笑)
(なぎさ)にゃんてころ、言ってりゅ、教にくろう、よくにゃひは。おっぷ、ヤバっ(涙目)
(獣人:女①)仕方にゃひにゃあ、お姉にゃんが、介抱しまふ。うふふふふ(エロ笑)
(獣人:女②)じゅるいじょ、にゃぎしゃしゃまは、わらひが介抱しゅるのら。ひゃははは(エロ笑)
(獣人:女③)みんにゃで介抱しゅるのら、みんなこい!アンタらも来てくりぇ~、じひんかにゃひ、にはは(エロ笑)
(獣人:少女①)わかったから、もう抱きつかない!
(獣人:少女②)何やってんですか!お姉ちゃん、舐めちゃダメ!
(獣人:女④)にゃめてもひぇらにゃいかりゃ!にぇ~え、にゃぎしゃしゃま。うはは(エロ笑)
ヤバい、逃げたい、それ以上に食べられゲフォゲフォゲフォ、じゃない、なんとかしないと吐いて潰れる。
ユエを見ると……わぁ、いい笑顔だ!エルムは楽しそう!エンジェなんて笑いながら、ガン見してるし。
ユエ、エルム、手を振るな。エンジェ、お前、女神のくせに、なんで親指で下を指す。
鬼だ、悪魔が3人居る。
その後は記憶が無い。飛んだな、こりゃ。
あの6人に担がれて拉致られたらしい。その後は何があったかは全く記憶に無い。
お決まりの如く、朝は悲惨だ。このまま朝が来なけれいいのに。永久に。
カッコよく言ったところで、事態は好転しない。
(なぎさ)ううっ、頭が……うーん、重い……
(獣人:女①)うっ!……あっ!なぎさ様、おうえぇぇぇっ!ご、ごめ、おえぇぇぇっ!がぼぐぼぼぼっ!
(なぎさ)うぷっ!気にして、いや、気にしない、おち、おうえぇぇぇっ!がぐぼがぐぼぼ!
(獣人:女②)ううぅっ、はあぁ、な、何やってんの!早くどきなさい!ほら早ぐぼっ!うっ!おえぇぇぇっ!
(なぎさ)うっ!っぷぅ、落ち着い、ぷはあぁ~、おえっ!
(獣人:少女①)うーん、うっ、この臭い、えっ?な、なぎさ様!お姉ちゃん達、早く退いて、だ、大丈夫ですか、なぎさ様。
お顔を、うっ!おええぇぇぇっ!臭いが……あっ!ごめんなさ、うっ!うおえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)うんぷぅ……ぷはっ!
(獣人:女④)ううん……ち、ちょっと、何やってんの、なぎさ様、今退かしますから、もう少しお待ちください。
ほら、アンタら!退きなって、退きなさ、うっ!うえっ、おえぇぇぇっ!!!
(獣人:女①)ちょっと、私に掛けないで!私の下になぎさ様がいるうっ!お、おえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)ちょっと待って、ちょっと待って、鼻と耳に入ったぁ(半泣)うっ!うえぇぇぇっ!げろろろろぅ~っ(涙目)
(獣人:少女②)お姉ちゃん達、何やってんですか、なぎさ様、今、きゃあっ!
危ない、なぎさ様大うっ、おっ、おえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)うわっぷ、ぷふうぅ~、大丈夫?怪我してない?
(獣人:女③)はっ、おはよ……アンタら何やってんだ!なぎさ様、すぐ退かします!
おりゃっ!退け、退くんだよっつうっ、うぷっ、ぐほあああああっ!
(なぎさ)うんんんんっぷ、皆、一回落ち着こう、うええぇぇぇっ!!!オロロロロぉ~!
あぁあ、もうデロデロのどろどろ、7人ともゲロ吐き掛けあいながらの吐きまくり。
なんとかしようと、もがくからこそ集まってくるが、全員酷い二日酔い。
下手に力むと吐いてしまう。誰もが誰かのゲロ塗れになって、もがく、滑る、転ける、吐く。
皆、全身ドロドロになって、最終的には力尽きて寄り添いあって意識が飛ぶ。
(なぎさ)うーん……はっ!あぁ、ちょっとはマシになった。っていうか、スッキリした。あれ?
(獣人:少女①)うーん、あっ!なぎさ様、うわっ!ご、ごめんなさい。なんてことを……
(なぎさ)いや、気にするな、ほら(笑)
(獣人:少女①)あっ、あぁ……。なんか、ごめんなさい。
(なぎさ)いいって、なんだかんだで楽しかったし(笑)
で、みんなこんなけ吐きまくったんだけど、あんなに二日酔いが酷かったのに、今なんかスッキリしてるんや。
なんで。
(獣人:少女①)えっ?あのぅ~、いつもですけど……何故です?
(なぎさ)普通っていうか、あれだけ二日酔いが酷いと薬飲むなり、治癒院で処置するなりしないと、
そう簡単には治らないけど。
しかも、状態異常に効く"リカバリー"は効かないんだ。
(獣人:少女①)そうなんですか?私たちだと、お酒は飲んだ場合、二日酔いしても吐くと抜けて治まりますけど。
それ以上になるのは、余程飲み過ぎないとなりませんし、下手したら死にます。
宴の時でも翌朝は二日酔いが普通ですし、最悪でもその日の夜までには復活します。
それ以上になるなら、怒られて、しばらく禁酒させられます。
だから、普段は吐いて抜ける程度に抑えますし、
宴でも翌日の夜までには復活出来る程度にしか飲みませんから。
なんか間違ってるような気がするけど、気のせいか?
飲んだら、二日酔いで吐くこと前提なんだ……そうなんだ……
(なぎさ)でも、僕は獣人じゃないから、体質が違うと思うんだけど、今、凄くスッキリしてるんよね。
酒好きでバカみたいに飲む人間たちは、そう簡単にはならないって聞くよ?
ひょっとして、お酒自体が違うのかな?
それだと王都に連れて行った人達に言わないと、向こうで潰れたら取り返しがつかないことになる。
早く抜けるお酒ほど質がいいと聞いたことがある。
だから、人間が飲んでるような質の悪い酒を、いつもの感覚で飲んたら……
(獣人:少女①)もう、なぎさ様ったら、どっちの種族ですか(笑)
心配しないでください。子供の頃から飲んでますから、質の良し悪しは飲めば分かります。
そんな心配は不要かと。しかも、なぎさ様のお付きとして行ってますから、失態は万死に値します。
(なぎさ)ば、万死って……そこまで気を張ってたら……
じゃあ、せめてベースキャンプの中では気楽に飲めるようにしたいなぁ……
そのお酒は沢山ある?持って帰ってあげたいんだけど。
元々王都に居た人達は慣れているだろうし、特に社交の場に出ていた人達は、酒場では飲まないだろう。
飲んだところで大丈夫だろうし。
(獣人:少女①)えっ?は、はい、沢山あると思います。族長さんに言って来ます。
(なぎさ)おっと、待って。そのまま行くの?(笑)
(獣人:少女①)あっ!
(なぎさ)みんな起きたら、お風呂に入ろう。お風呂セット出すから。
この家の裏は広いね、畑とかじゃないなら、そこに設置しよう。
他にあったら、そこに設置するよ?広ければ広いほどいい。
他の皆んなも使えるし。
(獣人:少女①)あっ!それならいい場所があります。すっごく広いです(キラキラした目)
(なぎさ)いいねぇ、邪魔にならない場所なら常設出来るよ。
(獣人:少女①)なら、あそこがいいかも。分かりました、行きましょう!(輝く目)
(なぎさ)うん、みんな起きたらね(笑)
(獣人:少女①)あっ!(テヘッ)
それからしばらくして、みんな起きた。ドロドロでろでろ状態で。
(なぎさ)じゃあ、お風呂入ろうか。
(獣人:女②)お風呂って、あの噂の(嬉目)
(なぎさ)邪魔にならない広い場所があるって言うから、この際、常設しちゃう?
(獣人:女&少女)わーい♪
連れて行ってくれた場所はかなり広かった。
(なぎさ)ここで大丈夫?
(獣人:女&少女)はい!
(なぎさ)じゃあ出すね、かなりデカいの出せるなぁ(笑顔)
広さに合わせたお風呂セットを出した。
みんな言葉を失ってた。
(なぎさ)こんなもんかな?じゃ、入ろうか(微笑み)
(獣人:女&少女)はい!喜んで!!
中に入ると、最新最高の設備を前にテンションアゲアゲで大喜び!
使い方を説明して、ゆっくりくつろぐ。
(獣人:女②)なぎさ様、これを皆んなで使っていいのですか?
(なぎさ)いいよ。男女で分けるなら、もう一つ出すよ?場所変えて。
この場所目一杯使ってるから。同じ場所なら半分の大きさにするし。
(獣人:女③)是非、別々の場所で!
(なぎさ)混浴用も要るなら……
(獣人:女&少女)要りません!
(なぎさ)了解!
(獣人:少女①)あっ!でもそれなら、なぎさ様と一緒には……
(なぎさ)無理やね。男性陣に殺される(爆笑)
(獣人:女①)混浴用、要ります!
(なぎさ)はい(笑)でも、場所の問題があるから、族長さんに許可取ってね。
それからゆっくりくつろいでいると、獣人達が集まってきた。
(獣人:女①)なぎさ様がお風呂を出してくださいました。
ここ以外にも男性用と混浴用も出してくださると言ってくださいました。
族長と場所を決めようと思っています。
わぁ~お、盛り上がり半端ない。
ん?出すのが、男性用と混浴用?それって……
(獣人:女)じゃあ、今から私たちも使っていいよね!
(獣人:女①)もちろん!
(獣人:女一同)やったぁ~!!
(なぎさ)じゃ、そういうことで。
(獣人:少女①)なぎさ様、どこへ行くんです?
(なぎさ)へっ?
ガシッと両肩を掴まれる。
(獣人:女②)どちらに行かれるんです?なぎさ様(笑顔)
(獣人:女③)そうそう、私たちだけで説明は出来ませんよ?しっかり教えていただかないと(笑顔)
(獣人:少女①)私たち、子供も居ますから、危ないですよ(上目遣い)
(獣人:女④)という事で……お前ら、剥け!!
(獣人:女一同)きゃあぁ~(悦)
(なぎさ)えっ?ちょ、ちょっと待て!ちょっとぉ~!!(喜)
襲いかかる獣人女性一同。
目を逸らして祈る獣人男性一同。
お前ら助けろよ!
まぁ、嫌ではないが(爆)
そのあと、使い方を説明して、わからないところは手伝って習得してもらった。
凄く喜んでいたから、色々あったけど、まぁいいか(照)
そのあと、族長の許可が出たという事で、設置にかかる。
流石、混浴用は女性用より広い場所だった。かなりデカいのが設置出来た。
次、男性用は…………なんでこんなに狭く遠いの?
もうちょっと広い場所にしようよ、いくらなんでも……
なんか力関係が垣間見えるなぁ……
(なぎさ)流石にちょっと……ボクも入るんだし……
(獣人:少女①)なぎさ様がですか?何故です?
(獣人:少女②)なぎさ様は奥方様方が居るじゃないですか、混浴用ですよ?
(獣人:女④)男どもは口ばっかりで、役に立たんのですよ。
荷物運ばしゃ、すぐヘタれて文句を言う。
先の戦争でも、私たちの方が撃破数、多いんですよ!どう思います?
(獣人:女③)"自分達は頭脳担当だ"とか偉そうな事言って、ただ呑んだくれているだけですし!
(獣人:女②)決めれなくて、私たちが決めることになるし!
(獣人:女①)しかも穴だらけで、結局は私たちが仕切ってますからね!
(なぎさ)ソ、ソウナンデスカ。大変デスネ(怖)
野郎ども、力になれんかった。諦めろ。
まぁしかし、男たちも喜んでいた。それでいいのか?いいならいいが。
そろそろ出発して、街道整備の続きをしよう。
出発前にテーゼがやって来た。
(兎人族 テーゼ族長)
もう出発されるんですね、なぎさ様。
今回は立派なお風呂を設置していただき、ありがとうございます。
(なぎさ)いえいえ、喜んでくれたので、よかったです。
あのぅ~、男性用がですね(ボソっ)
(兎人族 テーゼ族長)
いいんです女性陣が怖いですから、なんかすみません(ボソっ)
それと、これがお酒です。
そこまで気を使っていただき、ありがとうございます。
(なぎさ)いえ、みんなしっかりしてくれるので助かってますから(笑顔)
(兎人族 テーゼ族長)
お酒はまだまだありますし、販売も考えて、少し多めに作ろうと考えています。
特産品になるようなら本格的に増産しますので、よろしくお願いします。
(なぎさ)分かりました。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
その時は、私が管理者として行きます!(キラキラした目)
(なぎさ)あはは、いいんですか?族長。
(兎人族 テーゼ族長)
えぇ私も結婚しましたし、この子がそれで幸せなら、それで良いのです。
(なぎさ)分かりました。頑張って売り込みます(ニヤリ)
(兎人族 テーゼ族長)
よろしくお願いします(ニヤリ)
入り口には門兵の如く見張りが2人立っている。いやなんで?
近づくと、ゲートを開け、サッと片膝を付いて出迎える。だからなんで?
別にそこまでしなくても。
ここ、戦場でも敵地でも無いからとは言ってはみたがダメだった。
嫌な予感がする。マジで嫌な予感がする。
ゲートを入ると、ほらな、だからしたんだよ、嫌な予感が!
並んで出迎えたと思ったら、一斉に片膝を付き、頭を垂れる。
その数、護衛担当198人、身の回り等メイド担当100人、総数298人、荘厳な光景である。
帰りたい、そのまま王宮内に用意された部屋に戻ろうとして、シアとレムに両脇を固められる。
めっちゃ楽しそうだ。もの凄くいい笑顔だ。泣いていいですか(涙目)
物理担当最強兵器シアと竜人も認める物理担当人型最終兵器レムに固められて、抵抗出来るやつ居る?
ガッチリ固められて、みんなの前にドナドナされるなぎさ。
わぁ~お、ユエもティオもいい笑顔だ。
他のみんなは笑いを堪えるのに必死やんか!
エンジェ、お前、声殺して完全に笑ってるよな(涙目)
(なぎさ)あ、いや、とりあえず、みんなは仕事に戻ってください。
(一同)はっ!
5人が駆け寄ってきて、跪く。
コイツらが居たあぁぁぁ~っ!
(なぎさ)えーっと、じゃあ、行こうか。これからその後をついての会議をしなければいけないから。
(五人)はっ!
(なぎさ)みんな、会議をしようか。
(なぎさ以外)はっ!
(なぎさ)お前らワザとやってるよな!(涙目)
会議室に向かう。中に入ると五人も入ってきた。なんで?
(なぎさ)あぁ、君たちは……
(シア)いいじゃないですか。ここの話を伝えてもらえたら助かるじゃないですか。
(なぎさ)わかった。じゃ、始めよう。
まず、奴隷解放だけど、即始める。
査定も終わり、宰相のリコイルも徹底的に調べ上げたと言ってる。
諜報機関も投入しての調査もして、漏れは無いと言い切った。
買取り価格にも自信がある、水増しはあり得ないと。
国家政策としてもやるだけに、逆らえば国家反逆罪として処罰することも約束した。
(シア)完璧じゃないですか!流石です。
(なぎさ)同時に復興発展にも取り掛かる。
最初の話通り、こちらからの貸付けで、金利は23.7%。
開発発展の足枷になるようなら、相談する事を約束した。
これが原因で遅れたり、増税になったりしないために。
その為の返済期日無しという事で。
給金、維持費、災害対策等、全て込みで回せる自信のあるって。
20%って言いかけて断られた。
あと、王配との給金も全額受け取ることを約束させられた(汗)
大丈夫かな?まぁ大丈夫って言うから、相手の威信もあるんで了承しました。
(ユエ)はぁ……このお人好し(微笑)
(ティオ)まぁ、なぎさ様だからのう(微笑)
(なぎさ)様って言うな(涙目)
(雫・ヤマト)庶民の生活が気になるんだろ?そこまで言うなら大丈夫だ。
(玲・アカギ)アコギな事して儲けるんじゃない。真っ当な報酬だ。
(椿・シナノ)それで私たちが幸せになる。良いことじゃないか。
(フェロ)何から手をつける?
(なぎさ)まぁ、道路、街道の整備でしょ。空白地帯にも要るし、神殿や迷宮への道も要るでしょう。
(エルム)まぁ、そうなるよね。
(なぎさ)ついでに旧国の土地の浄化と整地。整地はもう更地にして、開発しやすくする。
時短だ、時短!
(ユエ)で、費用は?
(なぎさ)・・・えっ?
(シア)だ・か・ら、整地と浄化の費用は?
(なぎさ)・・・言ってない。
(なぎさ以外)な・ぎ・さ・ちゃん♡(怒笑)
(なぎさ)は、はい(涙目)行ってきます(半泣)
ユエはリリアナのところへ行き、道路、街道整備と旧国の土地を浄化し更地にすることを説明した。
その方が開発しやすく、早いと。
瓦礫の撤去も含め、とりあえずは保護魔法で永久保証を付けるが、其方の用意が出来次第解除すると。
(リリアナ女王)解除してしまうのか……
(なぎさ)今まで整備していた人の食い扶持を奪うわけにもいかないし、仕事量も増えるから増員も必要でしょ。
それが整う迄ですよ。少しずつ解除していきます。
(リリアナ女王)わかった。費用はこちらで計算するが良いですか?
(なぎさ)もちろん。
話をつけて帰ってきた。もちろん五人は付き従っている。
(シア)な・ぎ・さ・ちゃん♡(射殺す目)
(なぎさ)そんな事言っても、相場とか知らんやん(涙目)
(ユエ)はぁ~。まぁリリアナなら、誠意を見せるでしょう。
私たちの時代の相場は知ってるし、この時代の物価も調べるから、騙されることは無いでしょ。
(ティオ)考え過ぎてないかのう。そんなことで国を滅ぼしたくないだろうしのう。
(フィル)それは言える。ユエ、考え過ぎ。
(フェロ)たしかに中央貴族や王族には警戒するよな。
(玲・アカギ)いい印象は無いわな。
(なぎさ)浅い付き合いだけど、大丈夫な気がする。戦前の様子を見て下手な事はしないというか、出来ないと思う。
それだけに対応とか間違えないようにしないとと思う。
横柄にしたり、生意気な態度とったりして、余計な敵を作らない方がいいし、
しょうもない妨害とか増えたらムカつくし、スマートに儲けたいやん。
くだらん損失出したくないしな。
(ユエ)それはそう思う。まぁ礼儀は必要だしね。
とりあえず、見通しは立った。
では、資金を用意するか。
(なぎさ)とりあえず、ギルド行ってみよう。
話のこともあるし、ある程度売り捌いて資金を作らなアカンから。
(ユエ)そうね、そうしましょ。どこのギルドに行く?
(なぎさ)そりゃあやっぱり、イレイサでしょ。ギルドマスのアーミアさんとこじゃない?
(シア)ですよねぇ。
早速イレイサに飛ぶ。今回の戦争で大丈夫だったのか気になるが。
イレイサと思われる場所に到着した。
ものの見事に潰されていたが、もう自力で復興している。
まぁ、まだ町という状態ではないが、とりあえず雨風しのげる状態にはなっていた。
ギルドのあった場所に行くと、簡単な建物と倉庫っぽい建物があった。
冒険者って逞しいなぁ。
ギルドに入ってみる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
おぉ~。これはこれは、この度の戦争の大英雄、なぎさ様御一行ではないか!
(なぎさ)アーミアさん!趣味悪いですよ!イステニに行こう。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あー待って待って、もう言わないから、行かないで!!
(なぎさ)やっぱり、やられたんですね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あぁ。思いっきりやられたな。しかし逞しいだろ、これが冒険者だよ(誇)
(なぎさ)ええ、凄いです。もう迷宮潜ってるんですね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
ああ、それが食い扶持だからな。
戦争なんて関係ない、自分達の食い扶持が優先だからな。
それだけにギルドの復活は最優先になる。
みんな進んで協力してくれるよ。食と住は重要だからな。特に食。
(なぎさ)じゃあ、ある程度売り捌くつもりやったけど、今度にした方がいいね。
(ギルドマスター:女 アーミア)
いや、喜んで買い取らせてもらう。
その方が価格も安定させる事が出来るし、それを使う職の連中が助かる。
いくら戦後でも高騰すれば売れない、早く相場に戻さないといけないからな。
(なぎさ)じゃあ、リストアップしてくれるかな、あるだけ対応するから。
(ギルドマスター:女 アーミア)
わかった、恩にきる。
で、戦前の話だが、なんでも部位が落ちてるというか、
捨てられてある事が頻発した時期があった。
しかも、低ランク冒険者向けのものばかり。
なんか知らないか?(ニヤリ)
(なぎさ)いや、知らないけど。
(ギルドマスター:女 アーミア)
目が泳いでるが?
(なぎさ)そんなわけないでしょう。身に覚えないし。
なんで笑うのユエさんたち。
雫三姉妹なんて、顔背けて笑ってるよね?肩動いてるよ。
(ギルドマスター:女 アーミア)
まぁ、みんな有り難がってたからいいけどね。
でも、低ランクが欲出して奥まで行ったらダメだから、
やるなら一声かけてくれ。
(なぎさ)まぁ、やる時があれば、必ず声かけるよ。
(ギルド職員:女 アミ)
ギルマス、リストです。
(ギルドマスター:女 アーミア)
これなんだが、どれぐらいあるか?
(なぎさ)うーん、全部有るよ、数もある。それどころか、まだまだある。
(ギルドマスター:女 アーミア)
ま、まだまだあるのか(汗)とりあえず、それだけにしてくれ。
(なぎさ)もちろん、予算もあるでしょうし、価格崩壊したら大変ですからね。
でも、それだけ買い取って、他の冒険者は大丈夫ですか?
(ギルドマスター:女 アーミア)
えっ?あ、あぁ大丈夫だ。そんな事心配するのか?変わった奴だな(微笑)
(なぎさ)食い扶持潰すような真似はしたくないですから。
(ギルドマスター:女 アーミア)
あ、あぁそうか、やはりばら撒いたのは、お前だな、なぎさ(微笑)
普通の冒険者はそんな事なんて考えないからな。
今回の戦争も、この程度で終わったのも、あんたらの活躍のおかげだしな。
(なぎさ)へっ?
(ギルドマスター:女 アーミア)
冒険者の情報網を甘く見過ぎだな。
当然、王都にも冒険者は居るわけで、その瞬間を見た奴は腐るほど居る。
その後、自由都市アロンソ、フェアベルゲンと駆けつけ、大活躍。
特にフェアベルゲンでの死闘は冒険者の間では、もはや伝説だよ。
そう言えば、フェアベルゲンでの死闘を題材にしたオペラと演劇が出来る。
もう告知はされてるから、前売り券は完売、追加公演も決まっている。
(なぎさ)はあぁ?
(ギルドマスター:女 アーミア)
ただし、主人公の名前を"なぎさ"にするか、似た名前にするかを迷っているとか。
近々相談したいような事を言ってたな(笑)
(なぎさ)分かりました、逃げます。
(ギルドマスター:女 アーミア)
無理だ、捜索の依頼が全てのギルドに出てる。
諸事情もあるから、捕獲じゃなく、あくまで居場所の連絡だ。
まぁ、適当に逃げまくって冒険者の食い扶持になってやってくれ。
ギルドの調査で達成かどうか判断されるんで、ギルドには顔出してやってくれ。
莫大な儲けが算出されているんでな。
頃合いはギルマスが直接伝える事になっている。
言われない限り、逃げてやってくれ(爆笑)
(なぎさ)笑い事かよ(涙目)なぁ、みんなあぁ?(涙)
全員顔を伏せて笑ってる。声を殺して笑ってる。肩がピクピク動いてる。
神を見るように目を輝かせているのは、五人の使徒たちだった。
(なぎさ)で、あまり聞きたくないけど、あの話は?
(ギルドマスター:女 アーミア)
あの話?
(なぎさ)いや、なんでも無い。さぁ、帰ろか。
(ギルドマスター:女 アーミア)
まだ、金は渡してないが?(ニヤリ)
(なぎさ)下の受付じゃなくて?(ニヤリ)
(ギルドマスター:女 アーミア)
負けた。あの話は………………専属は無しだ。
(なぎさ)ほぅ。
(ギルドマスター:女 アーミア)
なんだ、喜ばんな。
(なぎさ)嫌な予感がすると、本能が警鐘を鳴らしている(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
つまらん(笑)ガーン!と言う顔が見たかったがな。
(なぎさ)ほら、やっぱり!(半泣)
(ギルドマスター:女 アーミア)
喜べ、専属は無し。全てのギルドが専属として助力してもらう権利を持った。
もちろん、国とも事を構えるつもりは無いので、国が必要な時はギルドに要請することと。
(なぎさ)ほぅ、それは断る!国は国、ギルドはギルド。別々でないと協力はしない。
敵に回したければ回せばいい。当然こちらも相手になる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
はぁ~。言うと思ったよ、みんな出てこい。
ぞろぞろと、ん?ナチエスさんとナチリスさん、なんで居るの?
(ギルドマスター:女 ナチエス)
お久しぶりです、なぎさ様。
(なぎさ)どうしたんです?ナチエスさん、ナチリスさんも。
(ギルドマスター:女 ナチエス)
此処に居るバカ共がな、あぁ、一応此奴らもギルマスなんですが……
『そう言えば素直に協力する、ギルドを敵に回す度胸など、冒険者には無い』
と寝言をほざいた訳で、まぁ一芝居打たせてもらったんです。
此奴ら、なんか勘違いしてるみたいで。
だから、この事は許してください。
国の復興発展を国家政策でやる事は知っているし、
婚姻されて王配になった事も知っているんで、そんなバカな考えは無いです。
(ギルドマスター:女 アーミア)
だから最初に声掛けたオレが憎まれ役だよ、こんな損な話あるか?
(なぎさ)ご愁傷様です(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
で、何処かの専属ではないのは確かで、協力要請した時は助けて欲しい。
ギルドと国の架け橋になってもらえたら助かる。
ギルドもより良く発展させたい。
もちろん、依頼料は払うから、手伝って欲しい。
で、このバカ共なんだが、約束通り本日この場をもって、
ギルマスの地位を剥奪、ギルド永久追放と決定した。
後任はこちらで選任するので、就任したら、会ってやって欲しい。
王都のギルドで顔合わせしたいんだが、いいかな?
(なぎさ)そういうことならいいですよ。就任したら、連絡ください。
(ギルドマスター:女 アーミア)
では、これが買取り分、これがこの件の協力料、で、これがこの件での配当。
地位と全財産を賭ける約束だったんで、これがなぎさの取り分だ(笑顔)
(なぎさ)わぁ、すっごいいい笑顔(笑)
(ギルドマスター:女 アーミア)
凄い事やるんだろ?これ、使ってくれ。
(なぎさ)ありがとう、助かる。
(ギルドマスター:女 アーミア)
換金した方がいいだろ。御用達の商人が居るから任せろ。
ギルドの名に賭けて、最高値で売り捌く(ニヤリ)
(なぎさ)了解、任せた(ニヤリ)
それから王宮のベースキャンプに戻った。
(シア)なぎささん(ため息)
(なぎさ)何?
(ユエ)まぁいいけど、お人好しっていうか、まぁ(ため息)
(ティオ)このままじゃと、ハインリッヒ王国、フェアベルゲン、ギルドの復興発展を請け負うことになるのう。
(フィル)ちょうどいい、全てに顔が利く。
(フェロ)それは言える。特にハイリヒとギルドは手中に収めたようなもの。これはデカい。
(雫・ヤマト)利用される側から利用する側に、この先を考えると利益は計りきれない。
(玲・アカギ)完全にこの世界の主導権はこちらだな。
(椿・シナノ)やり方間違えなかったら、覇王君臨だな。これは。
そんな物騒な事を話ながら盛り上がっていた。
覇王、悪くないな(ニヤリ)
それからリリアナ女王に会いに行った。
(リリアナ女王)なぎさ様、明日、奴隷解放宣言をしようと思います。
よろしくお願いします。
(なぎさ)分かりました。こちらの準備も出来ましたので、よろしくお願いします。
翌日、通達通り、奴隷を引き連れ王宮に集まる。
なぎさは魔法を使い、空に中継映像を映す。
もうそれだけで、響めきが起こっていた。
女王が登場した。
(宰相 リコイル)
静かに!これよりリリアナ女王様から、重大な発表がある。皆、心して聞くように!
会場が静まり返り、リリアナ女王が壇上に上がる。
(リリアナ女王)本日、集まってもらったのには、重大な話があるからである。
本日、今この時をもって、犯罪奴隷以外の奴隷を全員解放する。
これは国策であり、逆らう者は国賊となり、国家反逆罪で処刑する。
これは決定事項であり、反論は許さない。
一瞬、空気が凍りつき、そして大歓声が奴隷達の居る場所からおこる。
(宰相 リコイル)
鎮まれ!!今から内容を説明する。聞き漏らすことなく心して聞くように!
なぎさ、ユエ、シアが壇上に上がる。
(なぎさ)まず流れですが、現在奴隷の方々は、本人が『奴隷がいいの、たまんない♡』って人以外解放します。
やり方ですが、やはり所有者からすれば、『奴隷は財産』となっていますので、
皆さんを私たちが所有者から買い上げます。それと同時に奴隷を禁止します。
皆さんは、一度私たち"なぎさグループ"の立ち上げる、派遣会社の社員として登録します。
里などに帰りたい方は退職となり、幾分かの退職金が支給されます。
残った方は社員ですので、当然自由もありますし、給金も出ます。
社員寮もありますから、希望者は入寮してください。当面、寮費は無料です。頃合いをみて有料になりますが。
派遣なので、契約は我が社がやります。不正に安かったり、条件が悪かったりする場合は契約は成立しません。
また、不当な扱いを受けた場合、即報告してください。
ただし、虚偽報告であったり、労働が不誠実であった場合は、クビという処分になります。
監視役も付けますので、安心して仕事を頑張ってください。
監視役からの報告でも救済しますから、堂々と仕事に励んでください。
雇用主も監視対象ですから、不当な要求や扱いがあった場合、即契約破棄な上、賠償請求します。
私たち"なぎさグループ"を敵に回すわけですから、覚悟してくださいね(ニヤリ)
雇用主になる方で即必要という方は、この後にお金を受け取る時に申し出てください。
契約書を作成します。ただし、本人の意思もありますから、100%成立はしないと考えてください。
また、必要条件を記入する用紙を配りますので、
仕事内容、人数、一人当たりの給金、希望内容を記入して、後日我が社の方へお越し下さい。
条件に合う人を紹介します。
面接後、採用するかしないかを決め、契約という流れになります。
ここまで理解できましたでしょうか?
細かい質問等はお金受取り時にお尋ねください。私たちが対応します。
対応メンバーは、
私の妻たち
宰相 リコイル様
財務大臣 マヤノ様
近衛騎士団団長 シューマン様
近衛騎士団副団長 シラン様
が対応します。
今度は貴族達が響めく。相手が相手だ、逆らえない(怖々)
(シア)獣人のみんなぁ~!シアだよぉ~!!
この制度は、私たち獣人にも分け隔てなく適用されるから、心配しないでね!
逆に、私たちの特性を活かして、がっぽり稼ぎましょう。
貴方達には、私、シアとなぎささんが付いてるよぉ~!!
今度は奴隷たち、特に獣人たちから大歓声がおこる。
(ユエ)ただし、全く仕事をしない人は社員をクビになります。
退職じゃなくてクビだから、退職金は無いよ。
そこは勘違いしない事、わかった?
大歓声の中、無事終了する。
所有者だった者たちは、お金を受取りに、奴隷だった者たちは設置されたベースキャンプに行く。
とりあえず、即必要な者達は契約書に記入し、それを持ってベースキャンプに来る。
やはり、元愛玩奴隷がほとんどだった。
Rー18は、まぁ却下。シアがとりあえずは聞くけど、やはり不成立。
社交絡みは本人に確認をとり、成立した人は連れて行く。
契約内容を説明し、こちらの手数料と自分の手取りを教える。
手数料はガッツリ取られると諦めていたみたいだが、
こちらの手数料の低さ、手取りの多さ、手数料の使い道を聞くと泣きながら喜んでいた。
ベースキャンプの中身は映像で流していたので、これが社員寮になると発表された時には大歓声が起こり、
その後の説明映像を食い入るように見ていた。
シアが少人数づつ連れて案内し、順番に部屋に入れる。
一人一部屋、ベッド、トイレ、お風呂付き。感動して泣き崩れる者も居た。
とりあえず、獣人とそれ以外に分けたが、行き来OK、ある程度したら引越しするので、
その時は好きな部屋を選ぶことになると説明した。
部屋は一般的な広さにしたさが、100階建てなので色々改良しておいた。
食堂や大浴場、リラックスルームやトレーニング施設の増設など。
また、設置場所が、なぎさ達のベースキャンプの近くの場所に設置したことから、
派遣社員は王宮内に設置されたベースキャンプから出勤するという事になり、一気に地位が向上した。
そりゃなぎさ達の庇護下にあり、王宮から出勤する者達を雑に扱うような度胸のある雇用主は居ない。
(なぎさ)さてと、次いきますか。
(リリアナ女王)そうですね。次は何をされるのですか?
(なぎさ)次は道路かな、街道もやって、空白地帯の浄化と整地も。
街道の引き方で希望とかある?ここ通したいとか、ここ避けたいとか。
追加はどうにでもなる、町とか出来る前なら。
(リリアナ女王)そうですね。曲がってる街道が多いので、この際直線最短距離で。
後から町や村に合わせて分岐するという感じてお願いします。
(なぎさ)了解しました。
話はついた。早速明日か明後日から取り掛かるか。
派遣に関しては、何人か残ってもらえば大丈夫だし。
ベースキャンプに戻る。
通過儀礼を済ませて会議室へ。
(なぎさ)これで、とりあえず奴隷の件は見通しがついた。次は道路と街道なんだが。
(ユエ)もうやるの?
(なぎさ)早い方がいいやろ。変に道が出来る前にやってしまいたい。
(ユエ)いつからやるの?
(なぎさ)明日明後日ぐらいから。
奴隷の件は、何人か残ってもらえば大丈夫でしょ?
街道の話もまとまってるし。
(シア)どうゆう感じで引くんですか?
(なぎさ)ズバリ、直線最短距離で。村や町が出来たら、そこへ引き込む形で分岐させる。
農地等は当然避けて。
(シア)なるほど、効率的ですね。
(なぎさ)不可能なら迂回させるが、可能な限り最短距離で。
これなら輸送も早くなるし、防犯もしやすいだろうし。
(フェロ)しかし護衛は必要だから、冒険者の最低限の食い扶持は確保してるし。
(エルム)でも、最短距離になったから、護衛日数は減るよね。
(なぎさ)そこはギルドに頑張ってもらって、護衛料を引き上げてもらおうと思う。
以前と同じ費用になるように。
で、今日の件は1日で終わるはずはないから何人か残ってもらって、
後は街道と浄化整地にかかろうとう思う。
明日明後日あたりからやりたいけどいいかな?
(シア)ワーカーホリックですか、迷宮攻略並みのスケジュールですよ(ため息)
(ユエ)まぁ仕方ない。気になるんでしょ?やりましょう、明後日から。
(なぎさ)ごめんね、ありがとう。
翌日は街道組はゆっくり休養し、翌日に備えていた。
派遣契約も順調で、特に問題は無かった。
そりゃそうだ、近衛騎士団が引き継いでやっているんだ、文句をを言う奴は居ない。
っていうか、言いたくても言えない。女王の勅命で動いている。
問題児は処刑許可まで出てるんだから。
整備当日がやってきた。
魔法が必要なんでメンバーは、
なぎさ以外にユエ、エルム、エンジェ、ミヤビ。この五人で取り掛かる。
(なぎさ)では行きますか、シア、後お願いね。
(シア)了解です。もう一般公募はします?
(なぎさ)それは任せる。現場の判断でお願い。
(シア)分かりました。いってらっしゃいです。
五人は王都の正門前に行く。
(ユエ)どうやって整備するの?
(なぎさ)こんなんどうかな?魔動車をちょっと改造したんだけど。
(ミヤビ)ほう、前にあるものを押し除けて突き進む感じじゃのう。
(なぎさ)そうなんだけど、なんかなぁ。なんかいいアイデア無い?
土魔法を使うのはお決まりとして。
水魔法と併用した方が強度が出るかなぁとか。
整地については単に更地にするだけでいいから、土魔法のみで済むけど。
(ユエ)土魔法でしっかり固めれば大丈夫だけど、強度かぁ……
(エンジェ)混ぜない方がいいな、雨がりの後の道を見たらわかるように、逆に崩れやすくなる。
(なぎさ)そうか、じゃあ土魔法一本で。
(ミヤビ)退けた土はどうするのじゃ?
(なぎさ)ストレージに収納する。河川工事や港湾整備で使える。
(エルム)どこまで先読みしてるんですか?(ため息)まぁ、止めてもやるんでしょうけど(諦め)
(なぎさ)ま、まぁ、始めようか(汗)
それから、ガンガン走った。
魔力切れはなくても疲労はくるので、交代で進めていく。
途中、ギルドにも寄りながら。
まだギルマスは決まってないらしい。
どんどん街道を作っていく。
エルムの指示で農作地向きの場所は迂回して。
便利だな、自動マッピングスキル。
元エレノア共和国、元サンタナ帝国、元サスティナ帝国と、どんどん更地にしていく。
結構農作地向きが多いなぁ。そこには印を付けていき、あとから区画整理しやすくしておく。
(ユエ)なぎさ、まぁいいわ(はぁ~)
(なぎさ)何よ、耕作地、無駄にしたくないやんか。
(エルム)まぁそうですけどね(ため息)
どんどん進んでいく。
あれ、フェアベルゲンが見えてきた。
(なぎさ)なぁ、フェアベルゲン寄って行こうか?
(ユエ)そうね、街道のことも話した方がいいし。
そのままフェアベルゲンに。
(獣人:女①)あっ!なぎさ様、どうしたのですか?(喜)
(なぎさ)今、街道整備してるんだけど、その事を族長に話した方がいいと思って。
(獣人:少女①)じゃあ、私、行ってきます。
(なぎさ)ありがとう。
シラヌイが急いで来た。
(獣人:女②)なぎさ様、こちらへ。族長が楽しみにしています(喜)
(なぎさ)ありがとう。そんなに急がなくていいから。
シラヌイ、獣人女性②の案内で族長宅へ。
だから、外まで出迎えなくていいから。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様、お待ちしておりました。
(なぎさ)急なことなのに、ありがとう。
(兎人族 テーゼ族長)
いえいえ、街道整備の話とか。中へどうぞ。
中へ入るなぎさ達。
(兎人族 テーゼ族長)
で、どのようなお話を。
シュリがお茶を入れてくれる。いい香りだ。
(獣人:少女①)いい香りでしょ。これは去年収穫したものをねかせて、今、炒った物なんです。
そうすると香りが立って、凄く良い香りになるんです。
炒る前の状態でも保存は半年しかもたないですけど、凄く美味しいですよ。
(なぎさ)ほんといい香りだね。飲んだら口から鼻に抜ける香りも濃縮されて、もの凄くいいね。味も美味しい。
(獣人:少女①)これ、自慢の逸品です(ニヤリ)
(なぎさ)ふふふ、売ります?貴族なら高値で買うと思いますよって、いいの?そんなことして(笑)
(獣人:少女①)私だって商人来たら、買い物したい!
(なぎさ)あはははは(汗)
(兎人族 ヤマノ族長夫人)
これ、なぎさ様がお困りになってるじゃない。
(兎人族 テーゼ族長)
紹介いたします。こちらは妻のヤマノ、その子は家で住み込みのメイドをする事になったナイナです。
よろしくお願いします。
(兎人族 ヤマノ族長夫人)
はじめまして、族長夫人のヤマノです。この度、結婚しました♡
(なぎさ)あぁ、これはこれは、おめでとうございます。こちらこそよろしくお願いします。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
私はナイナっていいます。あの戦争の後、お母さんが体調を崩して死んじゃって……
族長が住み込みのメイドとして、助けてくださいました。
よろしくお願いします。
(なぎさ)族長!なんで早く教えてくれなかったのですか、助けられたかも知れないのに!
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
いいんです。私たちが望んだことですから。
父が早くに亡くなって、母が育ててくれたんですけど、
無理が祟って、体を壊してしまったんです。
それから母の看病をしなければならず、田畑とか財産を売りました。
でも、もう財産は尽きました。
それでもみんなは優しく助けてくれて、食べ物などを恵んでくれました。
それを母は気にして居たんです。
"もうみんなに迷惑をかけれない"いつもそう言ってました。
だからこれでよかったんです。母も喜んでいました。
"今まで迷惑かけてごめんなさい。これからは自分の為に生きて。"
って。それに最期に、
"ありがとう"
って言って、息を引き取ったんです。
だから満足しています。
(兎人族 テーゼ族長)
ナイナの両親は元々は庄屋でした。使用人からの評判も良く、兄貴分的な存在でした。
それゆえ、皆、助けようとしたのです。
ただ……
(なぎさ)子供は残酷、でしょ?
(兎人族 テーゼ族長)
はい、その事で仲間外れにされ、虐められる様になりました。
大人が叱っても、
(なぎさ)陰でやられる。仕舞いには見て見ないフリをする。面倒だから(静怒)
(兎人族 テーゼ族長)
は、はい。それゆえに何度も声をかけたのですが……
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
私が断ったんです。自分だけ仕事もしないのに食べさせてもらうのは嫌だったので。
(兎人族 テーゼ族長)
で、この際、私の家でメイドとして働かないかと。
私もこの年齢、一人暮らしはキツいものがあります。
身の回りの世話をしてくれる人が欲しかった。
娘達は、元々外の世界へ行きたがっていました。
娘達のブレーキになっていたのは"奴隷狩り"だけでした。
それさえなければと言い続けていたので、今回の話はこの上ない好機でした。
そうでなくても、なぎさ様の……と言って出て行ったでしょう。
それを知っていて長年見てきただけに、なぎさ様にお仕えすることを快諾しました。
またそのおかげで、こういう形でナイナを守ることが出来ました。ありがとうございます。
(なぎさ)まぁ、それなら良かった。
もし、外の世界に興味あるなら、族長と一緒に王都に来ればいいよ。
彼方には、少なくとも300人の仲間が居るから、
それに、族長の世話役は必要でしょ?(微笑み)
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様(半泣)
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
は、はい!(嬉笑)
(なぎさ)で、街道の話なんだけど、今、王都から最短距離で出来るだけ直線で引いてるんだ。
最短直線って話やったけど、農地に適した場所は迂回してるんよね。
で、とりあえず、旧サスティナ帝国から引くのをどうするか?って。
こちらの街道を直にフェアベルゲンに引いてもいいのか?
フェアベルゲンが新たに獲得した穀倉地帯からの街道というか、輸送路は引かなくていいのか?
って事を聞きたくて。
ハイリヒ絡みはかなり何本もギルドの町とも繋げて引くから、便利になるだろうけど、複雑になると思う。
町を中心に四方八方に引く。要望があれば、王都直行路も別に引くから。
(兎人族 テーゼ族長)
全ての町を繋げる訳ですな。
(なぎさ)そうです、あとサスティナ帝国みたいに広いところは、各管理区からも合流地点に向けて引く予定。
後は使ってみて、改良するつもり。
そのメイン街道から、フェアベルゲンの指定場所に引く?ってこと。
引けは、人の行き来はあると思うし、迷惑かもしれん。
分岐点に関所を作る手もあるけど、常駐の必要があるし。
常駐場所に転移魔法陣を設置して行き来する手もあるけど……
面倒かなと。
街道引けば、商人も来やすくはなるけど。
まぁ、魔法で制限かけれるけど、わざわざ仕事が増えるのもなぁと。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
じゃあ、お茶は……
(なぎさ)それは大丈夫。売るなら僕らのグループ会社が売るから、直接取りに来る。
ただ、王都での管理、販売には何人か来てもらえたら助かる。
ナイナが族長を横目で見る。族長、どうする。
(兎人族 テーゼ族長)
派遣契約とかいう……
(なぎさ)いや、直接扱うから、僕らのグループ会社の社員。直接雇う。
(兎人族 テーゼ族長)
なっ!なぎさ様直々に。
(なぎさ)僕らも商売するから商会は作る。それを全て束ねるのが要るから、グループ会社というのが統括するんよ。
そこのフェアベルゲン部門。前話した後ろ盾ね。
社員だから、給金は払うよ。品物の売り上げはフェアベルゲンに持ってくる。
あくまで後ろ盾だけって約束だったでしょ?
その収入で増産したり、みんなで分けたり、好きに使えばいいやん。
商人呼ぶなら、色々買えて楽しめるやろうし。
(兎人族 テーゼ族長)
そ、それはいけません!なぎさ様の分が!せめて幾分かはお取りください。
(なぎさ)でも約束したし。
(兎人族 テーゼ族長)
では、こちらで何か考えさせてください。いくらなんでもそれはいけません。
(なぎさ)うーん、わかった。でも無理はしないでね。せっかくなら、みんなで楽しく幸せに、だから(微笑み)
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
なぎさ様(輝く目)
あぁあ、また1人、使徒が爆誕した。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様(感謝)
(なぎさ)で、話を戻してと。
街道や運搬路はどうしようか?
(兎人族 テーゼ族長)
そうですね、必要無いです。
(なぎさ)何か運ぶのに便利な道具とかは?
(兎人族 テーゼ族長)
それもやめときます。お気遣いありがとうございます。
(エルム)なんで?せっかく……
(なぎさ)エルム!族長が要らないって言ってんだから。
(エルム)でも……。
(なぎさ)多分、勘違いしてると思うぞ?エルム。
テーゼ族長が要らないというのは、困ってないからだよ。
良からぬ事を考えるバカどもが居る。
普段から身体を鍛える必要があるが、日頃の作業がいいトレーニングになっているという事。
獣人の特性をフルに活かすなら、今の方が都合がいいって事だよ。
下手に整地したら、侵入しやすくなるし、防衛もしにくくなる。
不整地の様に見えて、彼等には使い勝手のいい、自然の城壁のようになってるんだよ。
この森の中で戦闘するのに、庭の様に歩き回れる彼等には敵わないだろ?
吹っ飛ばすならともかく、そんな戦力で来る奴らは戦争にでもならないと有り得ない。
それに、その時は、もちろん僕らも駆けつける。
しかし、僕らが戦闘するのは森の外、最前線だよ?
この中を自由に歩き回りながらのゲリラ戦向きじゃないでしょ?
僕らが加勢する戦争なら、最前線で魔法ぶっ放して削る係りだよ?
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様、そこまで理解されていたのですか……
たしかに整地は魅力的です。しかし、防衛を考えると……
それと、言われるようにトレーニングです。
重い荷物をこんな足場の悪いところで運ぶ。
一見バカみたいですが、それで体幹とバランス感覚が鍛えられる。
基礎を鍛えるのにはこれ以上向いている場所はないんです。
(なぎさ)ですよね。シアが物理担当最強兵器と言われる理由を考えていたんです。
それと戦闘状態を。体のブレがない。無駄の無い動きで綺麗に決める。
そう簡単に出来る事ではないと思ったのと、
雫三姉妹も大概ですが、それと引けを取らない動きでした。
戦争兵器ホムンクルスと同じ動きを生身でやれる。
それでこの結論になったんですよ。
(エンジェ)よく見てるな、なぎさ。
(なぎさ)そりゃ、物理ならシアに、パワーならレムに教えて欲しいと思ってるからね。
魔法はユエ、回復系はエルム、蘇生系はエンジェ、刀術は雫三姉妹、弓術はフィルに。
やはり強くなりたいし、上手くなりたい。
オールマイティーにある程度出来るだけで、極めて無いからね。
せっかくいい師匠が居るんだから、教えて欲しいよ。
かなりごり押しで凌いでいるから、やっぱね(微笑)
(ユエ)ティオには?
(なぎさ)上手くなってからの格闘戦かな?桁外れのパワーと防衛力、こういう相手との戦い方だね。
まだまだヒヨッコですから(笑)
(ユエ)鍛えてあげる。任せて。
(エルム)卑怯だなぁ、なぎさは(笑)まぁ、任せなさい。
(エンジェ)わかってるじゃない、なぎさ。任せな(ニヤリ)
(ミヤビ)あのぅ~、妾は?
(なぎさ)・・・・。
(ミヤビ)なんでじゃ!妾も魔法全般が得意じゃ!回復、蘇生、攻撃、防衛、生活どれでもこいじゃ。
大体、妾は蘇生魔法の第一人者なのを忘れてはおらぬか?
(なぎさ)ごめん、忘れてた(笑顔)ってか、エンジェじゃなかったっけ?
(ミヤビ)その笑顔、腹立つのじゃぁ~!!(笑)
(テーゼ族長)なぎさ様はまだ上を目指されるのですか……凄いです。
(なぎさ)なんかね、後悔したくなくて……やれるだけやりたいから。
(兎人族 テーゼ族長)
なぎさ様……
(なぎさ)とまぁ、そういう事で街道は回避するけど、穀倉地帯と酪農地帯のところは注意してね。
運搬路は要るから。
可能な限り離すけど、ほとんど近所だから。
こちらも境界は特に警戒するようにさせるけど。
(兎人族 テーゼ族長)
分かりました。こちらも警戒させます。なぎさ様ばかりに負担をかけさせる訳にはいきません。
せっかくですから、今晩は一緒に食事でもいかがでしょうか?
(なぎさ)そう?なら、お言葉に甘えて。
ナイナが出て行く。なんとなく察しがつく。
シアが言ってた、フェアベルゲンの人はお祭り好きだと。
理由があれば、心置きなく飲めるからと。
食事は広場に行く事になった。予想通り。
でも、楽しそうだ。王都に行った仲間の事や、奴隷解放の事など色々聞かれる。
(獣人:女①)皆さん元気にしておりますか?
(なぎさ)あぁ、元気にしてるよ。色々慣れないと思うけど、凄くよくやってくれて、滅茶苦茶助かってるよ。
(獣人:女②)それで、奴隷解放の方はどうなりましたでしょうか?
(なぎさ)予定通りだよ。もう大体終わった。
後は派遣先との契約だね。住処は王宮内のベースキャンプに居るから、心配ないよ。
何人かは帰って来た?
(獣人:女①)あぁ、それがそのぅ……
(獣人:女②)手紙だけです。これなんですよ。
今後はなぎさ様の庇護下で仕事が出来るし、とりあえずの生活費も住処もいただけた。
これからは働けば働くほど楽しい生活が出来る。
もう帰りたくない。
仕事の紹介はしてもらえる。
やる気があって真面目に働くなら、こっちに来ないか?
なぎさ様に恥をかかせる様なことは許さんがな。
この手紙だけが来ました。
まぁ生きてて、この先幸せになれるならいいですけどぉ~……
我慢出来ずに抜け出して、奴隷にされて、悲しませて、あんなバカ知らないですよ。
でもね(涙目)でもね(半泣)
羨ましいぃぃぃっ!!!!!(号泣)
(なぎさ)そっちかよ!
(獣人:女②)もうね、今日は飲むんです!とことん飲むんです!!いいです、とことん飲みますからね!!!
ということで、なぎさ様、お付き合いくださいね♡
(なぎさ)えっ?
(獣人:女①)いいじゃないですか、なぎさ様。王都の事、色々教えてくださいよぉ~
私達もエロエロ教えちゃいますからぁ~♡
(なぎさ)アンタもう酔ってるやろ(涙)
(獣人:女①)飲んでないですろう。まだまだシラフですにゃん♡
ダメだ、コイツ酔ってる。ちょっと呂律が怪しい(涙)
前回の宴を見ているだけに、これは逃げにゃきゃヤバい。
(獣人:少女①)あっ!なぎさ様。王都のお話してください(上目遣い)
(なぎさ)わかった、じゃぁ~あっちへ行こうか(ほっ)
(獣人:女③)ふわぁ~、にゃぎしゃしゃまどあぁ~、にゃんで席はにゃれろんですくわぁ~?
アンタみたいなのから逃げる為だよ。
(なぎさ)えっ、この子がお話ししたいからだよ?
(獣人:女③)しょんにゃん、わたひも入れてくどぅあさいよぉ~、エロい意味じゃなひれふよぉ~(エロ笑)
(なぎさ)ちょっと離れた方がいいよね?
(獣人:少女①)えっ?何故ですか?特に問題無いですけど……
問題あるわ!少女にこの状況は教育上問題あるわ!色々と!
(獣人:女④)ふひゃぁ~、にゃぎしゅあさまだぁ~。みんにゃ、にゃにはにゃしてるのぅ?ゲップ。
(獣人:少女①)もう、お姉ちゃん。またそんなに飲んで(ため息)
(獣人:女④)ぬわ、まだしょんなに飲んでまふぇん。酔ってないれふひょ。うっぷ。
いや、飲んでる、充分飲んでる、アンタが一番呂律が回ってないから。さっきからゲップ止まんないやん。
(なぎさ)この子みたいに、しっかりしなきゃ。もうこれにしたら?
(獣人:女④)もう、にゃぎしゃしゃまぁ~、しょんにゃにのましゅいてどうしゅる気でちゅか?もう、えっつういぃ(エロ笑)
(なぎさ)何言ってるん。この子の貰って飲みな、ほんと。
ごめん、それ貰っていい?
(獣人:少女①)はい、いいですよ。もうひとつ持って来てたので。でもなぎさ様の分が……
(なぎさ)あぁ、後で貰うから、これあげて、ごめんね。ほら、これ、果実水。
(獣人:女④)にゃうぅ~、やっぶありよわしゅ気じゅあにゃいでつくわぁ~(エロ笑)
(なぎさ)なんで果実水で酔うんだよ!これ、果実水だよねぇ。
(獣人:少女①)はい、果実酒です。
(なぎさ)ほらぁ~、果実水って言ってるやん。この子だって飲んでるし。
(獣人:女④)にゃはは、えっち♡
(なぎさ)なんでだよ、これにしなって、果実水。この子だって飲んでるって言ってるやん、ねぇ。
(獣人:少女①)ええ。もう姉ちゃん、果実酒にしなさいよ、飲み過ぎよ。
(なぎさ)ほらぁ~、そうしなさいって。果実水に。
(獣人:少女①)そうですよ、果実酒にしときなさいって、お母さんに怒られても知らないよ?
(獣人:女④)大丈夫れふ、宴の時は怒らない決まりれふ。うぃ~、にゃはは。
わたひ、にゃははって笑ふと、可愛いひれすよ♡
(なぎさ)もう知らないよ?じゃあ、これ飲んじゃうからね。あっ!これ、甘くて美味しい!!
(獣人:女②)にゃは、フェアベルゲン特しゃんの、果実酒いひっくれす。おいひいれひょ(嬉)
(なぎさ)あぁ、ほんとこれ美味しい。
(獣人:少女①)なぎさ様、私、取ってきますから、待ってて下さい。
(なぎさ)あっ!いいってって、早!
(獣人:女①)わたひたひににとっては、庭れふからぁ~ひゃはは♡(エロ笑)
ヤバい、逃げたい、めっちゃ逃げたい。でもあの子を放っとく訳にもいかないわなぁ……
(獣人:少女①)なぎさ様ぁ~、いっぱい取って来ちゃいました(テヘッ)
(獣人:少女②)私にもお話聞かせてください(輝く目)
私もいっぱい取って来ました(笑)
いいよ、いいけど、ここで?ここでいいの?ほんとに?マジで?
沢山食べ物と果実水を持ってきた。
まぁいいか、知~らない。
みんな嬉しそうに話を聞いている。めっちゃ楽しいなぁ。
(なぎさ)……こんな感じかな?お父さんお母さんの許可もらったら、遊びにおいで、案内するから(微笑み)
(獣人:少女①②)はーい!(笑顔)
(獣人:女①)わたひたひは?
(なぎさ)酒飲んで暴れなかったらね。
(獣人:女①②③④)ふあぁ~ひ。にゃはははは(嬉笑)
(なぎさ) じゃあ、そろそろ寝ようかな。よっと?あれ?なんだこれ?
(獣人:少女①)?なぎさ様?果実酒飲んだじゃないですか?少しだけですけど。
(なぎさ)そう?結構飲んだけどなぁ、果実水。
(獣人:少女②)いえいえ、少ないですよぉ~、私たちの1/3しか飲んでませんよ?
(なぎさ)そっかぁ~、でもこの果実水、美味しかったわぁ~(笑顔)
(獣人:女①)でひょでひょ、フェアベルゲン特製果実酒いれふ。いひひ(酔笑)
(なぎさ)はいはい、わかったから。でもこれ、特産品になるよ。果実水。
(獣人:少女①)じゃあ、フェアベルゲン特製、果実酒として売れますか?
(なぎさ)やってみる価値あると思ふよ。あれ?なんかおかしい、暑いんだけど……
(獣人:少女②)?果実酒飲んだからですよ?
(なぎさ)うん、果実水飲んだよ?一緒にねぇ?
(獣人:少女①)はい、でもいつもより美味しかったです。果実酒!
(獣人:少女②)そうそう、お話、楽しかったもん!いつもの何倍か美味しかった。果実酒。
(なぎさ)??果実水??
(獣人:少女①)果実酒です。
(なぎさ)だから、果実水よね?
(獣人:少女②)果実酒ですよ?果実酒!お酒です。
(なぎさ)へっ?
(獣人:女①)にゃぎしゃしゃまぁ~、果実しゅいと果実しゅ間違えたのれすかぁ?
でも、それ、普段飲むひずでしょう?
(なぎさ)何言ってりゅか、わかりゃん。あっ!ヤバい(汗)
(獣人:少女①)なぎさ様、普段私たちが飲んでる水です、果実酒って。子供の頃から飲んでる物です。
(なぎさ)なっ!そ、そうにゃの?うわ、ヤバいにゃ(涙目)
(獣人:女②)にゃぎしゃしゃまが、にゃ、って言ったにゃ、可愛いにゃあぁ~、いひひひ(酔笑)
(なぎさ)にゃにをにゅう、しょんにゃこ……いや、ヤバいにゃ、どうちよう(涙)
(獣人:少女①)ひょっとして、なぎさ様はお酒弱いです?
(なぎさ)ふにゃ、めちゃくちゃ弱いにゃ、飲めにゃいにゃ(半泣)
(獣人:女③)にゃはは、だいろうふ、だいにょうぶ、吐いたらにゅけまふ(酔笑)
(獣人:少女②)・・・どうしよう、7杯も飲ませちゃった(焦)
(なぎさ)だひろうふ、心配にゃい。だかりゃ、気にしにゃいへ(微笑み)
(獣人:女④)しゃしゅか、にゃぎしゃしゃま、惚れまふ、もう濡れてまふうっ、にゃはははは(エロ笑)
(なぎさ)にゃんてころ、言ってりゅ、教にくろう、よくにゃひは。おっぷ、ヤバっ(涙目)
(獣人:女①)仕方にゃひにゃあ、お姉にゃんが、介抱しまふ。うふふふふ(エロ笑)
(獣人:女②)じゅるいじょ、にゃぎしゃしゃまは、わらひが介抱しゅるのら。ひゃははは(エロ笑)
(獣人:女③)みんにゃで介抱しゅるのら、みんなこい!アンタらも来てくりぇ~、じひんかにゃひ、にはは(エロ笑)
(獣人:少女①)わかったから、もう抱きつかない!
(獣人:少女②)何やってんですか!お姉ちゃん、舐めちゃダメ!
(獣人:女④)にゃめてもひぇらにゃいかりゃ!にぇ~え、にゃぎしゃしゃま。うはは(エロ笑)
ヤバい、逃げたい、それ以上に食べられゲフォゲフォゲフォ、じゃない、なんとかしないと吐いて潰れる。
ユエを見ると……わぁ、いい笑顔だ!エルムは楽しそう!エンジェなんて笑いながら、ガン見してるし。
ユエ、エルム、手を振るな。エンジェ、お前、女神のくせに、なんで親指で下を指す。
鬼だ、悪魔が3人居る。
その後は記憶が無い。飛んだな、こりゃ。
あの6人に担がれて拉致られたらしい。その後は何があったかは全く記憶に無い。
お決まりの如く、朝は悲惨だ。このまま朝が来なけれいいのに。永久に。
カッコよく言ったところで、事態は好転しない。
(なぎさ)ううっ、頭が……うーん、重い……
(獣人:女①)うっ!……あっ!なぎさ様、おうえぇぇぇっ!ご、ごめ、おえぇぇぇっ!がぼぐぼぼぼっ!
(なぎさ)うぷっ!気にして、いや、気にしない、おち、おうえぇぇぇっ!がぐぼがぐぼぼ!
(獣人:女②)ううぅっ、はあぁ、な、何やってんの!早くどきなさい!ほら早ぐぼっ!うっ!おえぇぇぇっ!
(なぎさ)うっ!っぷぅ、落ち着い、ぷはあぁ~、おえっ!
(獣人:少女①)うーん、うっ、この臭い、えっ?な、なぎさ様!お姉ちゃん達、早く退いて、だ、大丈夫ですか、なぎさ様。
お顔を、うっ!おええぇぇぇっ!臭いが……あっ!ごめんなさ、うっ!うおえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)うんぷぅ……ぷはっ!
(獣人:女④)ううん……ち、ちょっと、何やってんの、なぎさ様、今退かしますから、もう少しお待ちください。
ほら、アンタら!退きなって、退きなさ、うっ!うえっ、おえぇぇぇっ!!!
(獣人:女①)ちょっと、私に掛けないで!私の下になぎさ様がいるうっ!お、おえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)ちょっと待って、ちょっと待って、鼻と耳に入ったぁ(半泣)うっ!うえぇぇぇっ!げろろろろぅ~っ(涙目)
(獣人:少女②)お姉ちゃん達、何やってんですか、なぎさ様、今、きゃあっ!
危ない、なぎさ様大うっ、おっ、おえぇぇぇっ!!!
(なぎさ)うわっぷ、ぷふうぅ~、大丈夫?怪我してない?
(獣人:女③)はっ、おはよ……アンタら何やってんだ!なぎさ様、すぐ退かします!
おりゃっ!退け、退くんだよっつうっ、うぷっ、ぐほあああああっ!
(なぎさ)うんんんんっぷ、皆、一回落ち着こう、うええぇぇぇっ!!!オロロロロぉ~!
あぁあ、もうデロデロのどろどろ、7人ともゲロ吐き掛けあいながらの吐きまくり。
なんとかしようと、もがくからこそ集まってくるが、全員酷い二日酔い。
下手に力むと吐いてしまう。誰もが誰かのゲロ塗れになって、もがく、滑る、転ける、吐く。
皆、全身ドロドロになって、最終的には力尽きて寄り添いあって意識が飛ぶ。
(なぎさ)うーん……はっ!あぁ、ちょっとはマシになった。っていうか、スッキリした。あれ?
(獣人:少女①)うーん、あっ!なぎさ様、うわっ!ご、ごめんなさい。なんてことを……
(なぎさ)いや、気にするな、ほら(笑)
(獣人:少女①)あっ、あぁ……。なんか、ごめんなさい。
(なぎさ)いいって、なんだかんだで楽しかったし(笑)
で、みんなこんなけ吐きまくったんだけど、あんなに二日酔いが酷かったのに、今なんかスッキリしてるんや。
なんで。
(獣人:少女①)えっ?あのぅ~、いつもですけど……何故です?
(なぎさ)普通っていうか、あれだけ二日酔いが酷いと薬飲むなり、治癒院で処置するなりしないと、
そう簡単には治らないけど。
しかも、状態異常に効く"リカバリー"は効かないんだ。
(獣人:少女①)そうなんですか?私たちだと、お酒は飲んだ場合、二日酔いしても吐くと抜けて治まりますけど。
それ以上になるのは、余程飲み過ぎないとなりませんし、下手したら死にます。
宴の時でも翌朝は二日酔いが普通ですし、最悪でもその日の夜までには復活します。
それ以上になるなら、怒られて、しばらく禁酒させられます。
だから、普段は吐いて抜ける程度に抑えますし、
宴でも翌日の夜までには復活出来る程度にしか飲みませんから。
なんか間違ってるような気がするけど、気のせいか?
飲んだら、二日酔いで吐くこと前提なんだ……そうなんだ……
(なぎさ)でも、僕は獣人じゃないから、体質が違うと思うんだけど、今、凄くスッキリしてるんよね。
酒好きでバカみたいに飲む人間たちは、そう簡単にはならないって聞くよ?
ひょっとして、お酒自体が違うのかな?
それだと王都に連れて行った人達に言わないと、向こうで潰れたら取り返しがつかないことになる。
早く抜けるお酒ほど質がいいと聞いたことがある。
だから、人間が飲んでるような質の悪い酒を、いつもの感覚で飲んたら……
(獣人:少女①)もう、なぎさ様ったら、どっちの種族ですか(笑)
心配しないでください。子供の頃から飲んでますから、質の良し悪しは飲めば分かります。
そんな心配は不要かと。しかも、なぎさ様のお付きとして行ってますから、失態は万死に値します。
(なぎさ)ば、万死って……そこまで気を張ってたら……
じゃあ、せめてベースキャンプの中では気楽に飲めるようにしたいなぁ……
そのお酒は沢山ある?持って帰ってあげたいんだけど。
元々王都に居た人達は慣れているだろうし、特に社交の場に出ていた人達は、酒場では飲まないだろう。
飲んだところで大丈夫だろうし。
(獣人:少女①)えっ?は、はい、沢山あると思います。族長さんに言って来ます。
(なぎさ)おっと、待って。そのまま行くの?(笑)
(獣人:少女①)あっ!
(なぎさ)みんな起きたら、お風呂に入ろう。お風呂セット出すから。
この家の裏は広いね、畑とかじゃないなら、そこに設置しよう。
他にあったら、そこに設置するよ?広ければ広いほどいい。
他の皆んなも使えるし。
(獣人:少女①)あっ!それならいい場所があります。すっごく広いです(キラキラした目)
(なぎさ)いいねぇ、邪魔にならない場所なら常設出来るよ。
(獣人:少女①)なら、あそこがいいかも。分かりました、行きましょう!(輝く目)
(なぎさ)うん、みんな起きたらね(笑)
(獣人:少女①)あっ!(テヘッ)
それからしばらくして、みんな起きた。ドロドロでろでろ状態で。
(なぎさ)じゃあ、お風呂入ろうか。
(獣人:女②)お風呂って、あの噂の(嬉目)
(なぎさ)邪魔にならない広い場所があるって言うから、この際、常設しちゃう?
(獣人:女&少女)わーい♪
連れて行ってくれた場所はかなり広かった。
(なぎさ)ここで大丈夫?
(獣人:女&少女)はい!
(なぎさ)じゃあ出すね、かなりデカいの出せるなぁ(笑顔)
広さに合わせたお風呂セットを出した。
みんな言葉を失ってた。
(なぎさ)こんなもんかな?じゃ、入ろうか(微笑み)
(獣人:女&少女)はい!喜んで!!
中に入ると、最新最高の設備を前にテンションアゲアゲで大喜び!
使い方を説明して、ゆっくりくつろぐ。
(獣人:女②)なぎさ様、これを皆んなで使っていいのですか?
(なぎさ)いいよ。男女で分けるなら、もう一つ出すよ?場所変えて。
この場所目一杯使ってるから。同じ場所なら半分の大きさにするし。
(獣人:女③)是非、別々の場所で!
(なぎさ)混浴用も要るなら……
(獣人:女&少女)要りません!
(なぎさ)了解!
(獣人:少女①)あっ!でもそれなら、なぎさ様と一緒には……
(なぎさ)無理やね。男性陣に殺される(爆笑)
(獣人:女①)混浴用、要ります!
(なぎさ)はい(笑)でも、場所の問題があるから、族長さんに許可取ってね。
それからゆっくりくつろいでいると、獣人達が集まってきた。
(獣人:女①)なぎさ様がお風呂を出してくださいました。
ここ以外にも男性用と混浴用も出してくださると言ってくださいました。
族長と場所を決めようと思っています。
わぁ~お、盛り上がり半端ない。
ん?出すのが、男性用と混浴用?それって……
(獣人:女)じゃあ、今から私たちも使っていいよね!
(獣人:女①)もちろん!
(獣人:女一同)やったぁ~!!
(なぎさ)じゃ、そういうことで。
(獣人:少女①)なぎさ様、どこへ行くんです?
(なぎさ)へっ?
ガシッと両肩を掴まれる。
(獣人:女②)どちらに行かれるんです?なぎさ様(笑顔)
(獣人:女③)そうそう、私たちだけで説明は出来ませんよ?しっかり教えていただかないと(笑顔)
(獣人:少女①)私たち、子供も居ますから、危ないですよ(上目遣い)
(獣人:女④)という事で……お前ら、剥け!!
(獣人:女一同)きゃあぁ~(悦)
(なぎさ)えっ?ちょ、ちょっと待て!ちょっとぉ~!!(喜)
襲いかかる獣人女性一同。
目を逸らして祈る獣人男性一同。
お前ら助けろよ!
まぁ、嫌ではないが(爆)
そのあと、使い方を説明して、わからないところは手伝って習得してもらった。
凄く喜んでいたから、色々あったけど、まぁいいか(照)
そのあと、族長の許可が出たという事で、設置にかかる。
流石、混浴用は女性用より広い場所だった。かなりデカいのが設置出来た。
次、男性用は…………なんでこんなに狭く遠いの?
もうちょっと広い場所にしようよ、いくらなんでも……
なんか力関係が垣間見えるなぁ……
(なぎさ)流石にちょっと……ボクも入るんだし……
(獣人:少女①)なぎさ様がですか?何故です?
(獣人:少女②)なぎさ様は奥方様方が居るじゃないですか、混浴用ですよ?
(獣人:女④)男どもは口ばっかりで、役に立たんのですよ。
荷物運ばしゃ、すぐヘタれて文句を言う。
先の戦争でも、私たちの方が撃破数、多いんですよ!どう思います?
(獣人:女③)"自分達は頭脳担当だ"とか偉そうな事言って、ただ呑んだくれているだけですし!
(獣人:女②)決めれなくて、私たちが決めることになるし!
(獣人:女①)しかも穴だらけで、結局は私たちが仕切ってますからね!
(なぎさ)ソ、ソウナンデスカ。大変デスネ(怖)
野郎ども、力になれんかった。諦めろ。
まぁしかし、男たちも喜んでいた。それでいいのか?いいならいいが。
そろそろ出発して、街道整備の続きをしよう。
出発前にテーゼがやって来た。
(兎人族 テーゼ族長)
もう出発されるんですね、なぎさ様。
今回は立派なお風呂を設置していただき、ありがとうございます。
(なぎさ)いえいえ、喜んでくれたので、よかったです。
あのぅ~、男性用がですね(ボソっ)
(兎人族 テーゼ族長)
いいんです女性陣が怖いですから、なんかすみません(ボソっ)
それと、これがお酒です。
そこまで気を使っていただき、ありがとうございます。
(なぎさ)いえ、みんなしっかりしてくれるので助かってますから(笑顔)
(兎人族 テーゼ族長)
お酒はまだまだありますし、販売も考えて、少し多めに作ろうと考えています。
特産品になるようなら本格的に増産しますので、よろしくお願いします。
(なぎさ)分かりました。
(兎人族 族長家メイド ナイナ)
その時は、私が管理者として行きます!(キラキラした目)
(なぎさ)あはは、いいんですか?族長。
(兎人族 テーゼ族長)
えぇ私も結婚しましたし、この子がそれで幸せなら、それで良いのです。
(なぎさ)分かりました。頑張って売り込みます(ニヤリ)
(兎人族 テーゼ族長)
よろしくお願いします(ニヤリ)
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俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
【R-18】寝取られが合法の世界に転生したので種付け師としてヤりまくる
そーだえんそ
ファンタジー
特に夢を持たないままブラック企業へ就職し働きすぎで過労死してしまった男は、異世界へと転生した。
転生した世界ではなんと「種付け師」という、寝取ることを専門にした役職が存在していた。
フールとして新たな人生をはじめた男は「種付け師」となってヤりまくる生活を送ることに!
※♡喘ぎあり
※数字の後に♡:R-18シーンあり ♥:中出しあり
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