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第一章 剣になった少年
第23話 皆が皆適材適所
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バルカイトに持ち運ばれ廊下を進む俺。
途中で、英国紳士風のスーツを着た人間と何人かすれ違ったが、なるほどあれはこのギルドの制服だったのか。
ギルド二階の廊下はかなり広く取られ、四、五人程の人間が楽にすれ違えるような広さになっている。緊急時に大勢の人間が一斉に動けるように、と言う配慮であろう。
そういえばソイル達が着ていたのはノースリーブのぴっちりタンクトップに、だぼついた感じの長ズボンだったな。わりと格闘家なんかが着てそうな感じの。一目見てわかるように部隊によってそれぞれ制服が違うのかもしれないな。
「あ、バル兄さま~」
少々間の抜けた感じのする柔らかな声が廊下全体に響き渡った。聞こえてきた方向へと目を向けると、そこにはシスター服のような格好をしたショートカットの少女がおり、こちらに向かってゆっくりと走ってきていた。
「エリスか。お嬢さんの容体はどんな感じだ」
「はい、なんとか無事に峠は超えました。意識の方もじき回復すると思います」
エリスと呼ばれた少女は、満面の笑みを浮かべながらシャーロットの無事を伝えてくれた。彼女の綺麗な黒髪から覗く額には、少量の汗の粒が光り輝いている。彼女もシャーロットのために頑張ってくれたのだろう。俺は心の中で彼女に感謝の気持ちを述べながら、シャーロットの無事を確認しほっと胸をなでおろした。
「三日も頑張ってくれて、ありがとうなイリス」
「もう、やめてくださいバル兄様、子供じゃないんですから……恥ずかしいです」
バルカイトに頭を撫でられ、イリスの緑色の瞳がキュッと細められる。まるで兄妹のようなやりとりに心の奥がほっこりとする。そうか、俺がシャーロットと離れてからすでに三日も経過していたのか。
というかまて、今バル兄様とか呼ばれてたよな。まさか本当にこの二人兄妹?それにしては容姿も髪の色も全く似てないんだが、義理の兄妹とかなのだろうか。
なんてことを考えていると、下の階が何やら騒々しいことに気がついた。
「なんだ、何かあったのか」
その様子が気になったバルカイトが、向かっている方とは逆の方向、階段の方へと歩きだす。そして彼を追うようにエリスが一歩踏み出そうとした、その時だった。階段を登り現れた人物の姿を見て、俺達は驚きに目を見開いた。
「バルカイトか……悪い、どじっちまった」
現れたのは額から血を流し、右手で脇腹を抑えた格好のソイルだった。ボロボロの体を引きずりなんとか階段を昇ってきたようだが、壁に背中を預けるとその場から一歩も動けなくなってしまった。荒く吐き出される息が痛々しさに拍車をかけている。
「一体誰にやられたんだ」
俺を廊下に立てかけ、ソイルのもとへと一目散に駆け寄ったバルカイトは彼に肩を貸し、ゆっくりとした歩調で歩き始める。
「た、隊長!」
遅れて駆けつけたイリスも涙目になりながら必死に回復魔法を投射していた。
「ナベリウスが町の中心に突然現れて、こいつを……ガハッ」
吐血するバルカイトの姿を見て、一瞬、俺はあの時のシャーロットの姿を思い浮かべてしまった。心の中で少しばかし苦い味がした。
「いいから喋るな。イリス、お嬢さんの治療が終わったばかりで悪いが」
「わかってます。私なら大丈夫です」
そう言いながらも彼女の足はすでにガクガクと震えていた。シャーロットに対して三日三晩、ほぼ休むこと無くつきっきりで魔法を使い続けていたのだろう。彼女の体ももう限界のはずだ。それなのに彼女は魔法を唱えることをやめない。それほどまでに彼女にとってソイルは、大切な人なのであろう。
守りたい人が傷ついている時に何もできない俺と違って、こんな時に何かできる彼女が羨ましいと思った。また俺は見ているだけ。そんな感情がオレの心を再び締め付ける。
「なーにしょぼくれた顔してるんだよ」
鍔に軽い衝撃が走った。
俺の鍔に対してデコピンを繰り出しているのは、ソイルを部屋へと運び戻ってきたばかりのバルカイトだった。どうやらかなり長い時間、俺は物思いに耽っていたようだ。
(あ、いや……俺は無力だなって思ってさ)
デコピンをやめて欲しいと思いながらも、何故か彼の問いかけに、俺は反射的に答えてしまっていた。こんなやつにすら簡単に本音を漏らしてしまうなんて、俺の心は相当弱っているのだろうか。
「まーた若者が、そんな顔して悩んじゃって。いや、若いからこそ悩むのか」
(だってさ、泣きながらでもソイルに魔法を使い続けるイリスを見たら……さ)
情けない泣き言を漏らす俺に対して、バルカイトはおどけるように肩をすくめる。
「何言ってんだよ。それだったら俺だって、お前を直してやった事以外はてんで役に立ってないだろ?ようは適材適所よ、適材適所。一人で全部できるなんて思ってるやつは、ただの思い上がりか、ただのバカだ」
(それなら俺は何一つ)
再びそんな言葉を発する俺に、やれやれと、バルカイトはため息を吐いた。
「そんなことはないだろ。少なくともお嬢、ゴホン、嬢ちゃんを生かしたのはお前だ。お前らが戦った状況は俺にはわからないが、お前がいなかったら俺達が見つける前にあの娘は死んでたよ、確実にな。なんせ俺がお前たちをすぐに見つけられたのは、トオル、お前の位置を俺が割り出したからなんだからな」
(どう……いう……)
自信満々に語るバルカイトの内容に俺は驚いていた。
「言っただろ、俺はちょっと特殊な刀匠なんだ。一度見た剣の気配は忘れねえ」
あの時、あのタイミングで、どうしてバルカイト達が俺達の前に現れたのか、俺はずっと疑問に思っていたのだが、なるほど、俺の気配を辿ってきたというわけか。皆が予定の時間より早く行動を開始したのも、俺がナベリウスに吹き飛ばされたことによって、気配が急激に動いたことを感知して慌てて飛び出してきた、と言ったところだろうか。
「それに、お前のボロボロさ加減からして、体ははったんだろ。だったら自信を持て。お前のその行動があの娘をギリギリで生かしたんだって、な」
いつものようにバルカイトはウインクで話を締めくくった。ウインク自体は少し気持ち悪かったが、心の中はすっと支えが取れたように楽になった。
それは彼なりの励ましであり気休めだったのかもしれない。それでもシャーロットのために何かできていたと言ってもらえて、おれの心は少しだけ救われたような気がした。
(そうか、そうだな。少しだけ楽になったよ。ありがとう)
「そうそう、子供は素直が一番ってな」
バルカイトはまるで子供の頭でも撫でるように、俺の柄頭をグリグリと撫でまわした。彼の手の平はゴツゴツとしていて、少しばかり痛かった。子供扱いするなって反論しようかとも思ったけど、今はやめておくことにした。
「それじゃそろそろ嬢ちゃんの顔でも見に行くか」
そう言って改めて俺を持ち上げると、バルカイトは二階の奥の方、シャーロットの部屋へと向かって歩き始めた。
途中で、英国紳士風のスーツを着た人間と何人かすれ違ったが、なるほどあれはこのギルドの制服だったのか。
ギルド二階の廊下はかなり広く取られ、四、五人程の人間が楽にすれ違えるような広さになっている。緊急時に大勢の人間が一斉に動けるように、と言う配慮であろう。
そういえばソイル達が着ていたのはノースリーブのぴっちりタンクトップに、だぼついた感じの長ズボンだったな。わりと格闘家なんかが着てそうな感じの。一目見てわかるように部隊によってそれぞれ制服が違うのかもしれないな。
「あ、バル兄さま~」
少々間の抜けた感じのする柔らかな声が廊下全体に響き渡った。聞こえてきた方向へと目を向けると、そこにはシスター服のような格好をしたショートカットの少女がおり、こちらに向かってゆっくりと走ってきていた。
「エリスか。お嬢さんの容体はどんな感じだ」
「はい、なんとか無事に峠は超えました。意識の方もじき回復すると思います」
エリスと呼ばれた少女は、満面の笑みを浮かべながらシャーロットの無事を伝えてくれた。彼女の綺麗な黒髪から覗く額には、少量の汗の粒が光り輝いている。彼女もシャーロットのために頑張ってくれたのだろう。俺は心の中で彼女に感謝の気持ちを述べながら、シャーロットの無事を確認しほっと胸をなでおろした。
「三日も頑張ってくれて、ありがとうなイリス」
「もう、やめてくださいバル兄様、子供じゃないんですから……恥ずかしいです」
バルカイトに頭を撫でられ、イリスの緑色の瞳がキュッと細められる。まるで兄妹のようなやりとりに心の奥がほっこりとする。そうか、俺がシャーロットと離れてからすでに三日も経過していたのか。
というかまて、今バル兄様とか呼ばれてたよな。まさか本当にこの二人兄妹?それにしては容姿も髪の色も全く似てないんだが、義理の兄妹とかなのだろうか。
なんてことを考えていると、下の階が何やら騒々しいことに気がついた。
「なんだ、何かあったのか」
その様子が気になったバルカイトが、向かっている方とは逆の方向、階段の方へと歩きだす。そして彼を追うようにエリスが一歩踏み出そうとした、その時だった。階段を登り現れた人物の姿を見て、俺達は驚きに目を見開いた。
「バルカイトか……悪い、どじっちまった」
現れたのは額から血を流し、右手で脇腹を抑えた格好のソイルだった。ボロボロの体を引きずりなんとか階段を昇ってきたようだが、壁に背中を預けるとその場から一歩も動けなくなってしまった。荒く吐き出される息が痛々しさに拍車をかけている。
「一体誰にやられたんだ」
俺を廊下に立てかけ、ソイルのもとへと一目散に駆け寄ったバルカイトは彼に肩を貸し、ゆっくりとした歩調で歩き始める。
「た、隊長!」
遅れて駆けつけたイリスも涙目になりながら必死に回復魔法を投射していた。
「ナベリウスが町の中心に突然現れて、こいつを……ガハッ」
吐血するバルカイトの姿を見て、一瞬、俺はあの時のシャーロットの姿を思い浮かべてしまった。心の中で少しばかし苦い味がした。
「いいから喋るな。イリス、お嬢さんの治療が終わったばかりで悪いが」
「わかってます。私なら大丈夫です」
そう言いながらも彼女の足はすでにガクガクと震えていた。シャーロットに対して三日三晩、ほぼ休むこと無くつきっきりで魔法を使い続けていたのだろう。彼女の体ももう限界のはずだ。それなのに彼女は魔法を唱えることをやめない。それほどまでに彼女にとってソイルは、大切な人なのであろう。
守りたい人が傷ついている時に何もできない俺と違って、こんな時に何かできる彼女が羨ましいと思った。また俺は見ているだけ。そんな感情がオレの心を再び締め付ける。
「なーにしょぼくれた顔してるんだよ」
鍔に軽い衝撃が走った。
俺の鍔に対してデコピンを繰り出しているのは、ソイルを部屋へと運び戻ってきたばかりのバルカイトだった。どうやらかなり長い時間、俺は物思いに耽っていたようだ。
(あ、いや……俺は無力だなって思ってさ)
デコピンをやめて欲しいと思いながらも、何故か彼の問いかけに、俺は反射的に答えてしまっていた。こんなやつにすら簡単に本音を漏らしてしまうなんて、俺の心は相当弱っているのだろうか。
「まーた若者が、そんな顔して悩んじゃって。いや、若いからこそ悩むのか」
(だってさ、泣きながらでもソイルに魔法を使い続けるイリスを見たら……さ)
情けない泣き言を漏らす俺に対して、バルカイトはおどけるように肩をすくめる。
「何言ってんだよ。それだったら俺だって、お前を直してやった事以外はてんで役に立ってないだろ?ようは適材適所よ、適材適所。一人で全部できるなんて思ってるやつは、ただの思い上がりか、ただのバカだ」
(それなら俺は何一つ)
再びそんな言葉を発する俺に、やれやれと、バルカイトはため息を吐いた。
「そんなことはないだろ。少なくともお嬢、ゴホン、嬢ちゃんを生かしたのはお前だ。お前らが戦った状況は俺にはわからないが、お前がいなかったら俺達が見つける前にあの娘は死んでたよ、確実にな。なんせ俺がお前たちをすぐに見つけられたのは、トオル、お前の位置を俺が割り出したからなんだからな」
(どう……いう……)
自信満々に語るバルカイトの内容に俺は驚いていた。
「言っただろ、俺はちょっと特殊な刀匠なんだ。一度見た剣の気配は忘れねえ」
あの時、あのタイミングで、どうしてバルカイト達が俺達の前に現れたのか、俺はずっと疑問に思っていたのだが、なるほど、俺の気配を辿ってきたというわけか。皆が予定の時間より早く行動を開始したのも、俺がナベリウスに吹き飛ばされたことによって、気配が急激に動いたことを感知して慌てて飛び出してきた、と言ったところだろうか。
「それに、お前のボロボロさ加減からして、体ははったんだろ。だったら自信を持て。お前のその行動があの娘をギリギリで生かしたんだって、な」
いつものようにバルカイトはウインクで話を締めくくった。ウインク自体は少し気持ち悪かったが、心の中はすっと支えが取れたように楽になった。
それは彼なりの励ましであり気休めだったのかもしれない。それでもシャーロットのために何かできていたと言ってもらえて、おれの心は少しだけ救われたような気がした。
(そうか、そうだな。少しだけ楽になったよ。ありがとう)
「そうそう、子供は素直が一番ってな」
バルカイトはまるで子供の頭でも撫でるように、俺の柄頭をグリグリと撫でまわした。彼の手の平はゴツゴツとしていて、少しばかり痛かった。子供扱いするなって反論しようかとも思ったけど、今はやめておくことにした。
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