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第八章 真実を知る者
第409話 第八章 エピローグ 幸せな時を噛み締めて
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(……ここ、は? ……シャー、リー?)
いつの間に眠ってしまったのか、ぼ~っとする頭を抱えたままゆっくり目を覚ますと、むせび泣く幼女の顔が俺の瞳に飛び込んでくる。泣いている理由はわからないけれど、また俺はシャーリーを困らせてしまったらしい。
背中には目の荒い木材の感触があり、どうやら俺は亮太さんの家のリビングまで戻ってきたようだ。
だいぶ記憶が混濁しているけど、とにかく今はシャーリーを――
「トオル! トオルお兄さま! 無事で、無事で、よかった。本当に、よかったです!」
必死に思考を回しながら、かける言葉を探していると、彼女は全力で俺の刀身を抱きしめ、激しく頬をこすりつけてくる。いつもの彼女よりも積極的で、言葉遣いも何か違うけど、俺が目を覚ました事がよっぽど嬉しかったらしい。妹キャラを演じれば俺が喜んでくれるとか、クルス姉辺りにでも吹き込まれたのかな?
母親の幻想を求めただけに留まらず、妹まで押し付けるようなら最低の彼氏だけど、プレイの一環と考えればちょっとだけ俺も嬉しいかも。
(おいおい、そんな俺が喜ぶだろうからって、お兄様なんて――)
だが、お兄様という言葉を口にした瞬間、俺が今まで何をしていたのかを思い出し、頭の中がクリアになる。気を失う直前まで俺は、彼女の心の中にいて、もうひとりのシャーリーとも呼べる大切な存在を救ったのだ。
(今の、お兄様って呼んだのは、メイベル……か?)
「あ、ご、ごめんなさい。お兄さまが目を覚ましたのが嬉しくて、つい……」
あの一連の出来事は俺の見ていた夢でなく、彼女がこの場にいる事はとても喜ばしいはずなのに、何故かメイは気まずそうに俺の刀身から瞳をそらす。
(なんで、そこで謝るんだよ)
「だって、この体はお姉さまのもので、お兄さまの側にいられれば、ぼくはそれだけで充分って」
俺が気絶している間に一体何があったのかはわからないけれど、今までのメイとは打って変わって勢いがなく、意気消沈してしまっている。
許可をするまで喋るなと、シャーリーが彼女に命令したとは考えにくいけど、もしそんな状況になっていたら、ちょっとだけ悲しい。
シャーリーには悪いけど、女の子の事に関してだけは俺は贅沢な男だからな。シャーリーの妹がそこにいるなら、彼女とも触れ合えなければ気がすまないのである。
(メイの気持ちはわからんでもないし、その考え方については俺もとやかく言えないけど、それじゃさ、寂しすぎるだろ? シャーリーから何と言われようと、俺はメイとも話したい)
「お兄さま……」
(それと、お兄様禁止な。どうせ、反射的に声が出た時にシャーリーの体裁を取り繕おうとか考えてたんだろうけど、そうやってカッコつけて、自分を押し殺すのはやめろ)
どの口が言っているのかと、皆から罵倒されそうだけど、そういう俺だからこそ彼女が感じているであろう本当の寂しさが良く分かる。
側にいるだけで良いなんて言うのは、どう繕っても建前で、色々したいと欲にまみれるのが人間であり、男女というものなのである。
「ほら、言ったでしょ。トオルはそういうの気にしないし、むしろ嫌がるって」
「お姉さま……うん、わかった。えっと、トオル……お兄ちゃん。これで、いい、かな?」
(はい、よくできました)
精神世界の時とは違い、彼女の頭をなでてやることは出来ないけれど、メイは俺の言葉に満面の笑みを浮かべてくれる。シャーリーともしっかり仲直りできたみたいだし、この件については兼ね万々歳かな。
「どうせトオルのことだ。ただ単に、お兄ちゃんって呼ばれたいだけなんだろうけどな」
(そ、そんなことねーし)
それに、お兄様なんて呼ばれるほど俺は偉い人間じゃないし、そんな風に呼ばせていたらむず痒くて死んでしまう。
まぁ、バルカイトの言う通り、お兄ちゃん! って響きが好きなのもあるけど。
「良かったですね、トオル様。妹様がお出来になられて、これで寂しくありませんね」
(お、おう……そう、だな)
兄弟姉妹というカテゴリーの繋がりからか、義理の姉となった女神様が、異常なまでの反応を示した事に俺は恐怖する。
メイベルの妹キャラが定着したのを良いことに、姉としての地位をアピールする算段なのかと思いきや、彼女は本当に嬉しそうに静かに俺に微笑みかけてくる。
皆を平等に扱うと覚悟した手前、姉という特別な立場を隠すことばかり考えてしまう俺だけど、家族が増えたことを純粋に喜んでくれるクルス姉を見ていたら、情けない感情が込み上げて来た。
弱いところは、彼女に全て見せつけたと言っても過言ではないし、近い将来、皆に打ち明けるのも悪くないのかも。妹と姉に本妻、それから大勢の愛人に囲まれて……俺にはもったいなさすぎると言うか、久方ぶりに強烈な罪悪感に襲われていた。
「お兄、わたし、いらない子?」
(……そんな訳ないだろ。アイリも、俺にとっては大切な家族だよ)
それに、アイリみたいな引っ込み思案な女の子もいることだし、これからはもっと皆に気を配らないと。シャーロットなんか、同時に喋れる二重人格みたいなものだし、ますます気合を入れないと二人に振り回されちまう。
浮かない表情で話しかけてきたアイリを安心させ、心に活を入れながら俺の一番大切な人の顔を見上げると、いつもと何かが違うことに俺は気がつく。
それは、彼女の瞳の色であり、晴れ渡る空のような青色は左目だけに残り、反対側の瞳は、メイベルが乗り移っていた時の無邪気に澄み渡る琥珀色。いわゆる、オッドアイというやつになっていたのだ。
「私の顔に、何かついてる?」
初めて間近で見る不思議な輝きに心奪われていると、見つめられていることに気がついたシャーリーが、照れくさそうな表情で俺のことを見つめ返してくる。
(あ、いや、瞳の色が両方違うなって思ってさ。オッドアイって初めて見るから、なんか新鮮で)
「変じゃ、無いかしら」
「変じゃ、無いかな」
けれども、俺の返答は二人にとって予想外だったらしく、変わってしまった自分の部位を指摘された姉妹は、一つの声帯から別々の声音で同じ言葉を口にする。
天使と悪魔、驚異のメカニズムに驚きたいところではあったが、自分のしでかした失敗にすかさず俺はフォローを入れた。
(変なもんか。むしろ、俺個人としては綺麗でかっこよくて、凄く好きだよ。ごめんな、心配かけて)
「ううん、いいの。受け入れてくれるだけで、私にとっては凄く嬉しいから」
自分が気に入っているからと言って、何も考えずに不用意な発言はするべきじゃないなと猛省していると、彼女は俺の体を持ち上げ、椅子の上へと立てかける。
「それじゃあメイ。改めて、挨拶しよっか」
「うん、そうだね、お姉さま」
姉妹の突然の行動に、今度は俺が驚かされるが、新しい自分たちとのケジメを二人は俺につけたいらしい。俺にとっては一人、新しい彼女と妹が増えただけだと言うのに、そういう律儀な所が大好きなんだよな。
よし、俺も男だ。新たなシャーリーの出立に、喜びと敬意を持って応えよう。
「私、シャーリーこと、シャーロット・リィンバース」
「ぼく、メイこと、メイベル・リィンバース」
「「ふつつか者ですが、二人ともどもよろしくお願い致します」」
こうして俺とシャーリーとの間に、メイベルと言う名の新しい絆が刻まれる。
これから先、ジョナサン達との戦いがどうなっていくのかはわからないけれど、今はただ、家族の増えた幸せを、心から噛みしめるのであった。
いつの間に眠ってしまったのか、ぼ~っとする頭を抱えたままゆっくり目を覚ますと、むせび泣く幼女の顔が俺の瞳に飛び込んでくる。泣いている理由はわからないけれど、また俺はシャーリーを困らせてしまったらしい。
背中には目の荒い木材の感触があり、どうやら俺は亮太さんの家のリビングまで戻ってきたようだ。
だいぶ記憶が混濁しているけど、とにかく今はシャーリーを――
「トオル! トオルお兄さま! 無事で、無事で、よかった。本当に、よかったです!」
必死に思考を回しながら、かける言葉を探していると、彼女は全力で俺の刀身を抱きしめ、激しく頬をこすりつけてくる。いつもの彼女よりも積極的で、言葉遣いも何か違うけど、俺が目を覚ました事がよっぽど嬉しかったらしい。妹キャラを演じれば俺が喜んでくれるとか、クルス姉辺りにでも吹き込まれたのかな?
母親の幻想を求めただけに留まらず、妹まで押し付けるようなら最低の彼氏だけど、プレイの一環と考えればちょっとだけ俺も嬉しいかも。
(おいおい、そんな俺が喜ぶだろうからって、お兄様なんて――)
だが、お兄様という言葉を口にした瞬間、俺が今まで何をしていたのかを思い出し、頭の中がクリアになる。気を失う直前まで俺は、彼女の心の中にいて、もうひとりのシャーリーとも呼べる大切な存在を救ったのだ。
(今の、お兄様って呼んだのは、メイベル……か?)
「あ、ご、ごめんなさい。お兄さまが目を覚ましたのが嬉しくて、つい……」
あの一連の出来事は俺の見ていた夢でなく、彼女がこの場にいる事はとても喜ばしいはずなのに、何故かメイは気まずそうに俺の刀身から瞳をそらす。
(なんで、そこで謝るんだよ)
「だって、この体はお姉さまのもので、お兄さまの側にいられれば、ぼくはそれだけで充分って」
俺が気絶している間に一体何があったのかはわからないけれど、今までのメイとは打って変わって勢いがなく、意気消沈してしまっている。
許可をするまで喋るなと、シャーリーが彼女に命令したとは考えにくいけど、もしそんな状況になっていたら、ちょっとだけ悲しい。
シャーリーには悪いけど、女の子の事に関してだけは俺は贅沢な男だからな。シャーリーの妹がそこにいるなら、彼女とも触れ合えなければ気がすまないのである。
(メイの気持ちはわからんでもないし、その考え方については俺もとやかく言えないけど、それじゃさ、寂しすぎるだろ? シャーリーから何と言われようと、俺はメイとも話したい)
「お兄さま……」
(それと、お兄様禁止な。どうせ、反射的に声が出た時にシャーリーの体裁を取り繕おうとか考えてたんだろうけど、そうやってカッコつけて、自分を押し殺すのはやめろ)
どの口が言っているのかと、皆から罵倒されそうだけど、そういう俺だからこそ彼女が感じているであろう本当の寂しさが良く分かる。
側にいるだけで良いなんて言うのは、どう繕っても建前で、色々したいと欲にまみれるのが人間であり、男女というものなのである。
「ほら、言ったでしょ。トオルはそういうの気にしないし、むしろ嫌がるって」
「お姉さま……うん、わかった。えっと、トオル……お兄ちゃん。これで、いい、かな?」
(はい、よくできました)
精神世界の時とは違い、彼女の頭をなでてやることは出来ないけれど、メイは俺の言葉に満面の笑みを浮かべてくれる。シャーリーともしっかり仲直りできたみたいだし、この件については兼ね万々歳かな。
「どうせトオルのことだ。ただ単に、お兄ちゃんって呼ばれたいだけなんだろうけどな」
(そ、そんなことねーし)
それに、お兄様なんて呼ばれるほど俺は偉い人間じゃないし、そんな風に呼ばせていたらむず痒くて死んでしまう。
まぁ、バルカイトの言う通り、お兄ちゃん! って響きが好きなのもあるけど。
「良かったですね、トオル様。妹様がお出来になられて、これで寂しくありませんね」
(お、おう……そう、だな)
兄弟姉妹というカテゴリーの繋がりからか、義理の姉となった女神様が、異常なまでの反応を示した事に俺は恐怖する。
メイベルの妹キャラが定着したのを良いことに、姉としての地位をアピールする算段なのかと思いきや、彼女は本当に嬉しそうに静かに俺に微笑みかけてくる。
皆を平等に扱うと覚悟した手前、姉という特別な立場を隠すことばかり考えてしまう俺だけど、家族が増えたことを純粋に喜んでくれるクルス姉を見ていたら、情けない感情が込み上げて来た。
弱いところは、彼女に全て見せつけたと言っても過言ではないし、近い将来、皆に打ち明けるのも悪くないのかも。妹と姉に本妻、それから大勢の愛人に囲まれて……俺にはもったいなさすぎると言うか、久方ぶりに強烈な罪悪感に襲われていた。
「お兄、わたし、いらない子?」
(……そんな訳ないだろ。アイリも、俺にとっては大切な家族だよ)
それに、アイリみたいな引っ込み思案な女の子もいることだし、これからはもっと皆に気を配らないと。シャーロットなんか、同時に喋れる二重人格みたいなものだし、ますます気合を入れないと二人に振り回されちまう。
浮かない表情で話しかけてきたアイリを安心させ、心に活を入れながら俺の一番大切な人の顔を見上げると、いつもと何かが違うことに俺は気がつく。
それは、彼女の瞳の色であり、晴れ渡る空のような青色は左目だけに残り、反対側の瞳は、メイベルが乗り移っていた時の無邪気に澄み渡る琥珀色。いわゆる、オッドアイというやつになっていたのだ。
「私の顔に、何かついてる?」
初めて間近で見る不思議な輝きに心奪われていると、見つめられていることに気がついたシャーリーが、照れくさそうな表情で俺のことを見つめ返してくる。
(あ、いや、瞳の色が両方違うなって思ってさ。オッドアイって初めて見るから、なんか新鮮で)
「変じゃ、無いかしら」
「変じゃ、無いかな」
けれども、俺の返答は二人にとって予想外だったらしく、変わってしまった自分の部位を指摘された姉妹は、一つの声帯から別々の声音で同じ言葉を口にする。
天使と悪魔、驚異のメカニズムに驚きたいところではあったが、自分のしでかした失敗にすかさず俺はフォローを入れた。
(変なもんか。むしろ、俺個人としては綺麗でかっこよくて、凄く好きだよ。ごめんな、心配かけて)
「ううん、いいの。受け入れてくれるだけで、私にとっては凄く嬉しいから」
自分が気に入っているからと言って、何も考えずに不用意な発言はするべきじゃないなと猛省していると、彼女は俺の体を持ち上げ、椅子の上へと立てかける。
「それじゃあメイ。改めて、挨拶しよっか」
「うん、そうだね、お姉さま」
姉妹の突然の行動に、今度は俺が驚かされるが、新しい自分たちとのケジメを二人は俺につけたいらしい。俺にとっては一人、新しい彼女と妹が増えただけだと言うのに、そういう律儀な所が大好きなんだよな。
よし、俺も男だ。新たなシャーリーの出立に、喜びと敬意を持って応えよう。
「私、シャーリーこと、シャーロット・リィンバース」
「ぼく、メイこと、メイベル・リィンバース」
「「ふつつか者ですが、二人ともどもよろしくお願い致します」」
こうして俺とシャーリーとの間に、メイベルと言う名の新しい絆が刻まれる。
これから先、ジョナサン達との戦いがどうなっていくのかはわからないけれど、今はただ、家族の増えた幸せを、心から噛みしめるのであった。
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