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第八章 真実を知る者
第393話 女神が部屋にやってくる
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星空に照らされた深い森、木々のざわめきが聞こえるほど静かな場所に一人の少女が寂しそうに座っている。
彼女が身につけている服は、布切れのようにボロボロだけど、きめ細やかな肌からは気品が溢れ出ていて、ホタルが楽しそうに彼女の周りでダンスを踊っている。
(……シャー、リー?)
その少女には見覚えがあって、青いポニーテールが振り返ると、優しい笑顔が俺の事を迎えてくれた。
「トオル」
無くしてしまったはずのもの。目の前にいる、かけがえのない少女へと手を伸ばすと、彼女の表情が奇妙な方向へ歪み始める。
「なんで、たすけてくれなかったの? あなたのせいでわたし、こン無カラだ似ナッ血ゃッタぁー~」
シャーリーの声とは思えない毒々しい発音と、みるみるうちに溶けて行くヘドロのような皮膚が合わさって、俺の中に芽生えた恐怖が恐ろしい勢いで膨れ上がっていく。
地面に落ちた肌色の液体が触手状に重なり合うと、俺の体を縛り上げ逃さぬように宙へと持ち上げる。そして、見るもおぞましい怨念の塊となったシャーリーが、俺の頭から襲いかかると……
(!? ……今の、また)
そこでこの幻想は、終わりを告げる。
亮太さんの家に来て以来、一人になると必ずこの夢を見るようになっていて、皆と離れると酷く落ち着かない。正確には、幻覚と表現するのが正しいのだろうけれど、その程度の違い、気にするような程でもないだろう。
おそらくこれは、彼女の事を忘れるなという忠告であり、今の俺に対する罰。思い悩むなと亮太さんから言われたばかりだけど、彼女を忘れるなんてこと、一時たりとも俺にはできそうになかった。
頭の中の妄想のように、彼女が異形の化け物にされていたら……俺は、どうしたら良いのだろう。窓から顔を覗かせる綺麗な満月を眺めながら、そんな事を俺は考えていた。そういえば、こっちの世界にも月ってあるんだな。
物思いにふけりながら見上げる円の中心は、丸顔で可愛らしい幼女なあの娘の面影を映し出し、俺の心を苦しめていく。この国を守りたいと願った彼女が、もしも魔神に作り変えられてしまったら、悪の心に操られ、やりたくないことを彼女はやらされてしまう。
各地で暴れ、大切なものを壊すシャーリー……正気に戻ったその先で、記憶が残っていたとしたら、彼女はきっと後悔する。そんな妄想を並べただけでも、呼吸が詰まって苦しかった。
力を貸す。皆はそう言っていたけど、果たして俺は彼女を取り戻せるのだろうか? 想いだけは人一倍あっても、自信なんてものは正直ない。
「トオル様、入っても、よろしいでしょうか?」
(ああ、いいよ)
そんな折、ドアを叩く音と共に、クルスの声が聞こえて来た。
一人で居る事に耐えきれなくなった俺は、彼女の問に肯定の意思を返すと、すぐさまドアが開き、女神の姿の美しい女性が部屋の中へと入ってくる。その体には、普段の鎧やレオタードの下着とも違う白のネグリジェを着込んでおり、その背中には今まで見たことのない白銀の翼を広げていた。
(な、なんだよ。そんな、珍しい格好して)
「こういう姿は、その……お嫌い、でしょうか?」
しかも、手を繋ぐ事すらまだのような初々しい恋人のように頬を赤らめさせ、自信なさげに近づいてくるのだからたまらない。一応キスは済ませているはずなのに、俺の頭まで羞恥でおかしくなってくる。
(き、嫌いなわけ無いだろ。清楚な悪魔も、痴女な天使も受け入れる。俺はそういう男だぜ。むしろ、好みだけで言ったら、節操が無さすぎて嫌われるぐらいの淫魔剣さ。ほんと、自分がこんなに我儘で、意志が弱かったなんて、バルカイトのこと笑ってらんねえよな)
絶世の美女とも呼べるクルスの美しさに、普段絶対に使わない口調で適当な言葉を並べ立てると、彼女は少し落ち着いたのか、小さな笑い声を俺に向かって聞かせてくれる。
「シャーロットさんや、アサミさんも言っていましたけど、トオル様は優しくて、真面目すぎるんですよ」
(そうは言うけど、本当に真面目な奴が、何股かもわからないようなこんな状況作るかよ)
最近みんなが積極的すぎて、照れ隠しをすることが多くなったからか、キャラ付けがブレまくりな自分がいる。普通に女の子と話をするぐらいまでは慣れてきたけど、エッチな会話というか、破廉恥な態度を取られると真っ当でいられないよな、俺。
「トオル様は正直者すぎて、皆様の愛を、誠実に受け止め過ぎなんです」
(そういうのを、たらしって言うんだろ。本当に誠実な男ってのは、本命以外の愛の言葉なんか、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ捨てて行くもんだ)
「振った女性の皆様方が、不幸になられたとしても、ですか?」
(少なくとも、実らない恋に縛られて生き続けるよりかは、遥かにマシだと思うが?)
「ですが、トオル様にはそれができなかった。誰一人として、悲しむ顔を見たくなかったからです」
ただ、何でこんな不倫騒動ドタバタ会議になっているのかは、俺にもさっぱりわからん。
(ったく、俺は一人の女の子を愛して、その娘と一生添い遂げるつもりだったんだけどな。なんでこんな、だめな男になっちまったんだか)
「それはきっと、トオル様自身が、自分はもてない人間だと思い込んでいたからです。あちらの世界の常識が、それを許さなかった部分もあるでしょうし」
向こうの世界じゃ重婚不可で、不倫は文化……もとい、悪い事と言われてきたけど、そんな中でも俺に惚れてくれたのは朝美だけだし、ぶっちゃけそれも奇跡だよな。
持ち上げてくれるクルスには悪いけど、俺は至って平凡な、そこら辺に居るモブキャラみたいな男だよ。いや、もてないという意味では結婚してるモブキャラ以下、引きこもり予備軍の、エキストラにすらなれない男に違いない!
なんて、そこまで卑下することもないか。あんまり自分を下に見すぎると、こっちの世界で出会った皆に失礼だものな。
「であれば、これも運命だったんです。この世界へとたどり着き、多くの女性を幸せにする。女の子をはべらせ続けるなんてこと、誠実で真面目でなければ出来ないことですよ」
だからといって、女の子をはべらせるのが真面目って考え方は、流石に無理があると思う。
(クルスの言ってることは、詭弁にしか聞こえないけどな。それに、女の子を惹きつけるだけだったら、カッコつけて悪ぶって、適当にご機嫌取ってるやつのほうが多いんじゃないのか?)
「それは、彼女たちが幸せだと思いこんでいるだけです。自身の愛に溺れ、周りが見えていないんですよ。そういう男は来るものは拒まず、去る者は追わず。文句を言えばさようなら。そんなものです。それに比べてトオル様は、皆の幸せを、真剣に考えてくれているじゃないですか。ほら、やっぱり真面目です」
クルスの言う通り、たしかに俺は皆の幸せを第一に考えるよう努力はしている。とは言え、愛想を尽かしたならいなくなっても構わない、なんて自虐はよく言うし、全ての女の子に一生を捧げたからって、誠実って考え方はちょっとな。
(そんなの言い回しの違い、ただの言葉遊びじゃねえか)
「そうかもしれませんね。ですが、物の見方一つで、世界はこんなにも違う側面を見せてくれる。それを教えてくれたのは、トオル様ですよ」
不可抗力とは言え、沢山の変な常識を彼女に植え付けてしまった事は認めるが、それを一般的に当てはめるのは流石にはばかられる。なにせ俺は、自他ともに認める変態なのだ。変態の常識がまかり通ったら、この世が終わってしまう。
(別に、俺じゃなくても誰かがいつか、お前に教えてくれたはずだよ)
「トオル様は、真面目で優しい方ですが、その素直じゃないところだけが、玉に瑕ですよね」
(嫌いになったか?)
「いいえ。絶対にありえません」
どれだけ俺が変人であろうと、決して嫌いにならないという強い意志を彼女は示してくれるが、こいつは一体何をしに来たのかそろそろはっきりして欲しい。ネグリジェ一枚の、喋らなければ超美人なお姉さまを直視し続けるのは、童貞の俺には辛すぎる。
(それで、そんな格好で何の用なんだよ?)
「そうでした。トオル様の傷ついた御心を、少しでもお癒やしするためには子供の姿では不足すぎると思いまして。やはり、小さい方が好みとおっしゃられるのであれば、今からでもそちらの姿に戻りますが……」
(いや、いい! 幼女に慰められて喜ぶほど、俺は変態を極めていない!)
彼女いわく、俺の心を癒やすためにこのような格好で来たらしいが、普段よりも少し破廉恥な洋服を着ていれば殿方は喜ぶと思っているのならば……大体合ってるな。少なくとも俺は、そういう女の子の健気な頑張りには弱い方である。
それに、クルスはいつも幼児用パジャマみたいなのを着て寝てるし、シャーリーである程度の耐性がついているとは言え、彼女はやっぱり美しいのだから、所々透けて見える繊細な肌を見て興奮するなと言う方が無理というもの。
もちろん、クルスの幼女姿はそれはそれで可愛いけど、世間で言うところの、バブみを感じてオギャるような男にまで堕ちたつもりはなく、はっきりと言えるわけがない。改めて言っておくが、あくまで俺の精神は、イエスロリータノータッチである。
でも、彼女が俺を癒やしてくれると言うのなら、話だけでも聞いてもらおうかな。
(なあクルス、話……聞いてくれないか?)
「トオル様からのお申し出を、私が断るとお思いですか?」
(すまん……いや、こういう時は、ありがとう、か)
朝美もシャーリーもいなくなって、心の中に溜まっていたものが、少しだけ爆発しそうになりかけていた。
彼女が身につけている服は、布切れのようにボロボロだけど、きめ細やかな肌からは気品が溢れ出ていて、ホタルが楽しそうに彼女の周りでダンスを踊っている。
(……シャー、リー?)
その少女には見覚えがあって、青いポニーテールが振り返ると、優しい笑顔が俺の事を迎えてくれた。
「トオル」
無くしてしまったはずのもの。目の前にいる、かけがえのない少女へと手を伸ばすと、彼女の表情が奇妙な方向へ歪み始める。
「なんで、たすけてくれなかったの? あなたのせいでわたし、こン無カラだ似ナッ血ゃッタぁー~」
シャーリーの声とは思えない毒々しい発音と、みるみるうちに溶けて行くヘドロのような皮膚が合わさって、俺の中に芽生えた恐怖が恐ろしい勢いで膨れ上がっていく。
地面に落ちた肌色の液体が触手状に重なり合うと、俺の体を縛り上げ逃さぬように宙へと持ち上げる。そして、見るもおぞましい怨念の塊となったシャーリーが、俺の頭から襲いかかると……
(!? ……今の、また)
そこでこの幻想は、終わりを告げる。
亮太さんの家に来て以来、一人になると必ずこの夢を見るようになっていて、皆と離れると酷く落ち着かない。正確には、幻覚と表現するのが正しいのだろうけれど、その程度の違い、気にするような程でもないだろう。
おそらくこれは、彼女の事を忘れるなという忠告であり、今の俺に対する罰。思い悩むなと亮太さんから言われたばかりだけど、彼女を忘れるなんてこと、一時たりとも俺にはできそうになかった。
頭の中の妄想のように、彼女が異形の化け物にされていたら……俺は、どうしたら良いのだろう。窓から顔を覗かせる綺麗な満月を眺めながら、そんな事を俺は考えていた。そういえば、こっちの世界にも月ってあるんだな。
物思いにふけりながら見上げる円の中心は、丸顔で可愛らしい幼女なあの娘の面影を映し出し、俺の心を苦しめていく。この国を守りたいと願った彼女が、もしも魔神に作り変えられてしまったら、悪の心に操られ、やりたくないことを彼女はやらされてしまう。
各地で暴れ、大切なものを壊すシャーリー……正気に戻ったその先で、記憶が残っていたとしたら、彼女はきっと後悔する。そんな妄想を並べただけでも、呼吸が詰まって苦しかった。
力を貸す。皆はそう言っていたけど、果たして俺は彼女を取り戻せるのだろうか? 想いだけは人一倍あっても、自信なんてものは正直ない。
「トオル様、入っても、よろしいでしょうか?」
(ああ、いいよ)
そんな折、ドアを叩く音と共に、クルスの声が聞こえて来た。
一人で居る事に耐えきれなくなった俺は、彼女の問に肯定の意思を返すと、すぐさまドアが開き、女神の姿の美しい女性が部屋の中へと入ってくる。その体には、普段の鎧やレオタードの下着とも違う白のネグリジェを着込んでおり、その背中には今まで見たことのない白銀の翼を広げていた。
(な、なんだよ。そんな、珍しい格好して)
「こういう姿は、その……お嫌い、でしょうか?」
しかも、手を繋ぐ事すらまだのような初々しい恋人のように頬を赤らめさせ、自信なさげに近づいてくるのだからたまらない。一応キスは済ませているはずなのに、俺の頭まで羞恥でおかしくなってくる。
(き、嫌いなわけ無いだろ。清楚な悪魔も、痴女な天使も受け入れる。俺はそういう男だぜ。むしろ、好みだけで言ったら、節操が無さすぎて嫌われるぐらいの淫魔剣さ。ほんと、自分がこんなに我儘で、意志が弱かったなんて、バルカイトのこと笑ってらんねえよな)
絶世の美女とも呼べるクルスの美しさに、普段絶対に使わない口調で適当な言葉を並べ立てると、彼女は少し落ち着いたのか、小さな笑い声を俺に向かって聞かせてくれる。
「シャーロットさんや、アサミさんも言っていましたけど、トオル様は優しくて、真面目すぎるんですよ」
(そうは言うけど、本当に真面目な奴が、何股かもわからないようなこんな状況作るかよ)
最近みんなが積極的すぎて、照れ隠しをすることが多くなったからか、キャラ付けがブレまくりな自分がいる。普通に女の子と話をするぐらいまでは慣れてきたけど、エッチな会話というか、破廉恥な態度を取られると真っ当でいられないよな、俺。
「トオル様は正直者すぎて、皆様の愛を、誠実に受け止め過ぎなんです」
(そういうのを、たらしって言うんだろ。本当に誠実な男ってのは、本命以外の愛の言葉なんか、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ捨てて行くもんだ)
「振った女性の皆様方が、不幸になられたとしても、ですか?」
(少なくとも、実らない恋に縛られて生き続けるよりかは、遥かにマシだと思うが?)
「ですが、トオル様にはそれができなかった。誰一人として、悲しむ顔を見たくなかったからです」
ただ、何でこんな不倫騒動ドタバタ会議になっているのかは、俺にもさっぱりわからん。
(ったく、俺は一人の女の子を愛して、その娘と一生添い遂げるつもりだったんだけどな。なんでこんな、だめな男になっちまったんだか)
「それはきっと、トオル様自身が、自分はもてない人間だと思い込んでいたからです。あちらの世界の常識が、それを許さなかった部分もあるでしょうし」
向こうの世界じゃ重婚不可で、不倫は文化……もとい、悪い事と言われてきたけど、そんな中でも俺に惚れてくれたのは朝美だけだし、ぶっちゃけそれも奇跡だよな。
持ち上げてくれるクルスには悪いけど、俺は至って平凡な、そこら辺に居るモブキャラみたいな男だよ。いや、もてないという意味では結婚してるモブキャラ以下、引きこもり予備軍の、エキストラにすらなれない男に違いない!
なんて、そこまで卑下することもないか。あんまり自分を下に見すぎると、こっちの世界で出会った皆に失礼だものな。
「であれば、これも運命だったんです。この世界へとたどり着き、多くの女性を幸せにする。女の子をはべらせ続けるなんてこと、誠実で真面目でなければ出来ないことですよ」
だからといって、女の子をはべらせるのが真面目って考え方は、流石に無理があると思う。
(クルスの言ってることは、詭弁にしか聞こえないけどな。それに、女の子を惹きつけるだけだったら、カッコつけて悪ぶって、適当にご機嫌取ってるやつのほうが多いんじゃないのか?)
「それは、彼女たちが幸せだと思いこんでいるだけです。自身の愛に溺れ、周りが見えていないんですよ。そういう男は来るものは拒まず、去る者は追わず。文句を言えばさようなら。そんなものです。それに比べてトオル様は、皆の幸せを、真剣に考えてくれているじゃないですか。ほら、やっぱり真面目です」
クルスの言う通り、たしかに俺は皆の幸せを第一に考えるよう努力はしている。とは言え、愛想を尽かしたならいなくなっても構わない、なんて自虐はよく言うし、全ての女の子に一生を捧げたからって、誠実って考え方はちょっとな。
(そんなの言い回しの違い、ただの言葉遊びじゃねえか)
「そうかもしれませんね。ですが、物の見方一つで、世界はこんなにも違う側面を見せてくれる。それを教えてくれたのは、トオル様ですよ」
不可抗力とは言え、沢山の変な常識を彼女に植え付けてしまった事は認めるが、それを一般的に当てはめるのは流石にはばかられる。なにせ俺は、自他ともに認める変態なのだ。変態の常識がまかり通ったら、この世が終わってしまう。
(別に、俺じゃなくても誰かがいつか、お前に教えてくれたはずだよ)
「トオル様は、真面目で優しい方ですが、その素直じゃないところだけが、玉に瑕ですよね」
(嫌いになったか?)
「いいえ。絶対にありえません」
どれだけ俺が変人であろうと、決して嫌いにならないという強い意志を彼女は示してくれるが、こいつは一体何をしに来たのかそろそろはっきりして欲しい。ネグリジェ一枚の、喋らなければ超美人なお姉さまを直視し続けるのは、童貞の俺には辛すぎる。
(それで、そんな格好で何の用なんだよ?)
「そうでした。トオル様の傷ついた御心を、少しでもお癒やしするためには子供の姿では不足すぎると思いまして。やはり、小さい方が好みとおっしゃられるのであれば、今からでもそちらの姿に戻りますが……」
(いや、いい! 幼女に慰められて喜ぶほど、俺は変態を極めていない!)
彼女いわく、俺の心を癒やすためにこのような格好で来たらしいが、普段よりも少し破廉恥な洋服を着ていれば殿方は喜ぶと思っているのならば……大体合ってるな。少なくとも俺は、そういう女の子の健気な頑張りには弱い方である。
それに、クルスはいつも幼児用パジャマみたいなのを着て寝てるし、シャーリーである程度の耐性がついているとは言え、彼女はやっぱり美しいのだから、所々透けて見える繊細な肌を見て興奮するなと言う方が無理というもの。
もちろん、クルスの幼女姿はそれはそれで可愛いけど、世間で言うところの、バブみを感じてオギャるような男にまで堕ちたつもりはなく、はっきりと言えるわけがない。改めて言っておくが、あくまで俺の精神は、イエスロリータノータッチである。
でも、彼女が俺を癒やしてくれると言うのなら、話だけでも聞いてもらおうかな。
(なあクルス、話……聞いてくれないか?)
「トオル様からのお申し出を、私が断るとお思いですか?」
(すまん……いや、こういう時は、ありがとう、か)
朝美もシャーリーもいなくなって、心の中に溜まっていたものが、少しだけ爆発しそうになりかけていた。
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