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第八章 真実を知る者
第368話 二人の超人
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修練場に鳴り響く剣戟の音。体格差のある二人の男女が、互いに剣を打ち込み合う。
子供のような体格の少女は勿論シャーリーで、もう一人は彼女の師匠である亮太さん。二日間寝たきりだった、彼女の体を慣らすための模擬戦だと言うのに、俺の視線は追いつくのがやっとで、久しぶりにシャーロットに振り回されている。
それを受け止める亮太さんも余裕の表情で打ち合ってるし、こいつら人間か? と、疑わざるを得ない。セイクリッドであるシャーリーはともかく、本当はこの人、何者なのだろう。
「よーし、一旦休憩すんぞ。負荷をかけすぎても体に悪いからな」
「はい! ありがとうございました!!」
十分以上にも渡る本気の打ち込みが終わると、シャーリーにしては珍しい腹から声を出す挨拶が聞けて、ほんのちょっぴりびっくりする。戦いの中見せる彼女の脳筋癖は、二人のこの体育会系のノリのせいなのかも。
「見た目はそんなんでも、腕は鈍って無いみたいだな」
「そういう師匠こそ、衰えてないじゃない」
「年寄り扱いすんなって。魔王ぐらいの相手なら、今でも出来る自身がある。まっ、今となっちゃ聖剣に匹敵する武具もないし、サクラも居るからやらねーけど」
互いに軽口を叩き合い、お互いを称え合う師匠と弟子。そんな二人の会話の中に、耳を疑うような単語が混ざっていたことに俺は気がつく。
(えっと、亮太さんって、勇者とか、やってたりします?)
いくらシャーリーの師匠とは言え、魔王の相手が出来ると言い張り、聖剣を所持していた事をほのめかすような発言が聞こえれば、勇者と言う考えが自然と頭をよぎるというもの。二人して超人とか、ぶっちゃけありえない。
「いんや、勇者って呼ばれたことはないが、そこらに根付いた魔王と名乗る傲慢チキ野郎を、数体殴り飛ばしたことならあるぞ。魔神とか、魔皇帝なんてのとは、出来ればやり合いたくないがね。あんなのと戦ってたら、命がいくらあっても足りやしない」
「師匠の太刀筋なら、十分に通用すると思うけど」
「お前みたいのならともかく、ただの人間の俺には荷が重すぎんだよ。アスラとか名乗る魔神と殺りあった時は、生きた心地がしなかったしな」
「それだとまるで、私が人間じゃないみたいに聞こえるじゃない?」
「一応、お前も神の末端だろうが。本気のお前と殺りあったら、勝てる自信なんてね―よ」
そして、やっぱり二人は超人であり、今の俺たちがどれだけヤバい相手と戦っているのかをもう一度教えられる。
魔王なんて言ったら、ゲームでラスボスはれるようなのが大半だけど、この世界だと二軍みたいな扱いなんだよな。プロより凄いアマチュアがいるように、魔神より強い魔王だって世の中には当然いるのだろうけど、全体的な水準で考えると、最強クラスの相手と俺達は戦い続けてるわけで、命があるだけめっけものなのか……あぁ、クソ! 今のでまた、忘れかけてた朝美のことを思い出しちまった。
「それに、自幻流なんてでたらめな動き、俺には出来ないって―の」
けれど、亮太さんの意外な発言に、俺の中の湿っぽい空気は全て吹き飛ばされてしまう。
(え? 亮太さんって、自幻流の開祖じゃないんですか?)
「……徹、同郷の、それもゲーム好きのお前にだから教えるが、いわゆるあれは、俺の黒歴史ってやつだ。普通の型だけでなく、戦いの中でも見破られにくい、変幻自在な動きがしたいって言うから、やり方だけ適当に教えたんだが、まさか本当にやってのけちまうとはな。こっちの世界流にアレンジこそしたものの、こいつの動きを見た時は、俺も度肝を抜かれたよ」
いやいや、度肝を抜かれたは俺の台詞だよ。シャーリーの必殺剣が、中二病あるあるの妄想黒歴史だったなんて、なかなかお目にかかれないぞ、こんな流派。しかも、魔神相手に有用だし……
「どんどん私が変人扱いされてる気がするんだけど、あんなの魔力の応用で、体に少し付与するだけじゃない」
「簡単に言うけどな、お前の魔力の使い方は、普通の人間にゃできね―んだよ。魔力を使った多段ブーストに、複数の部位への魔力付与。それから、多重魔法陣なんて膨大な魔力の使い方してたら、魔導の法則が乱れるつーか、精霊に愛想つかされちまう」
そんな、黒歴史を使いこなすシャーリーは、自分の凄さを全く理解していないようで、亮太さんに怒られてしまう。魔導については理解のリの字も無い俺だけど、亮太さんの言う通り、彼女がでたらめなのはよく分かる。
この世界の魔法って、精霊の力を借りて使うものだし、彼等に嫌われたらその時点で終わりなんだよな。だからなのかはわからないけど、魔神は魔法を使わないで体内の魔力を力に変えてるフシがあるし、シャーリーってほんとに凄い女の子なんだな。
「そういうものなの?」
「そういうもんだ! それだけ世界に愛されてんだよ、お前は」
「……そっか、愛されてるんだ、私」
精霊に愛された俺の王女様は、俺にもなかなか見せないような穏やかな表情を浮かべている。心の底から幸せそうに笑うシャーリーを見た亮太さんは、射るような視線で俺のことを睨みつけた。
「徹、男なら、ちゃんとこいつを幸せにしてやれよ」
(はい、もちろんです)
亮太さんにとって、自然に笑うシャーリーの姿は、たぶんきっと初めてなんだと思う。弟子の笑顔を守ってやれと、師匠なりの親心なんだろうな。
もちろん、二つ返事で俺は頷くし、彼女の笑顔を守るなんて当たり前のこと。だって、俺の大切な人には、いつだって笑っていて欲しいから。
それにしても、魔法か。今まで考えた事もなかったけど、俺にも使えるのかな?
修練場から覗き見れる裏庭の一角で、魔法の練習をしているアイリを見ながら、そんな事を俺は思う。珍しくクルスが指導しているし、カーラ並みの素質がアイリにはあるのかも。
「アイリさんは、炎の魔法が好きなのですね」
「ん、最初に聞こえた。わたしの、魔法」
ちょうどあちらも休憩中のようで、アイリの使う魔法について笑顔のクルスが尋ねている様子。落ち着き払った彼女の性格からは、煌々と燃え上がる炎のイメージは無いのだけれど、姉と一緒で胸のうちには熱いものを秘めているのかも知れない。
「そうでしたか。炎の精霊であるサラマンダーも、貴方のことを気に入っているみたいですし、そろそろ次のステップへ移る頃合いかと」
「!? いるの、精霊さん?」
けれど、普段のアイリはやっぱり子供で、あどけない表情を彼女はクルスに向けている。
「はい! アイリさんの隣で、今も激しく喜んでいます!」
不思議そうに見つめるアイリに、同じぐらいの身長の女神様が満面の笑みを浮かべているが、こういう時ぐらい大人の見た目に戻ればいいのにと思ってしまう。
今の状態だと、同年代の友達同士がじゃれ合っているようで戦乙女としての威厳の欠片も無いのだが、これはこれで微笑ましいし、まぁ、いいか。親しみやすいぐらいの方が、女神様の株も上がるだろうしな。
それにしても、サラマンダーが激しく喜ぶって、近くにいたら凄く熱そうなんだけど、そういう感覚ってやっぱり感じないのかね? 精霊って存在は概念に近いし、どこまで実在するのか俺にはまだわかりそうにない。
それとも、頭の中で疑いを持ち続けているから、彼等の存在が俺には感じ取れないのだろうか?
「見れない、ざんねん」
「アイリさんにもいつか、見える時がやってきますよ」
精霊さんが見えない事にアイリも残念がっているし、後でクルスに直接聞いてみよう。魔法を使えるようになる、ヒントになるかもしれないし。
「それで、次の、ステップ?」
「おっと、そうでしたね。アイリさんは今、ここに願う、という詠唱方式をとっていますが、それを変え、我は願うと力強く叫んでみてください」
「我は、願う?」
「はい!」
「……ん、やってみる」
今まで気にしてこなかったけど、クルスの言う通り、この世界には二つの詠唱方式があることに俺も気がつく。細かな違いとかは全然わからないけど、精霊との親密度みたいなのがあって、言語としてそれを表しているんだろうな。
「我は願う、炎の精霊サラマンダー、爆炎の力となりて、わたしの害を、薙ぎ払え! エクスプロージョン!!」
そして、女神の指導通り、詠唱方式を変えたアイリが魔法を解き放つと、数十本の裏庭の木々が、爆炎によって一瞬のもとに消し飛んでしまう。
彼女がよく使っていた、単体攻撃魔法のフレイムドライブと比べるとその威力は雲泥の差で、あまりの違いに本人も驚き固まってしまっている。
クルスの使う爆炎魔法を何度か俺も見てきたけど、アイリの魔法も謙遜無く彼女の資質の高さを見せつけられた。
「激しくやるのは構わないが、あんまり木を薙ぎ倒さないでくれよー! 後でサクラに、俺がまた、怒られるんだからなー」
とは言え、人様の庭先を破壊する行為は決して褒められたものではなく、亮太さんから二人は注意喚起を受けてしまう。
「すみませーん! 次からは気をつけまーす!」
軽い雰囲気の女神の返事に不安を感じたものの、今は信じてみようと思い俺は二人を傍観することにした。
「さて、こっちももう一本、行っとくか?」
「はい!」
アイリの魔法に触発された弟子と師匠が立ち上がると、同時に俺も気合を入れ直す。今はシャーリーと俺の時間で、魔法の話は後回しだ。
二人の達人が全力で剣を振るい合う中、俺は無心で彼女の動きにこの体を合わせるのだった。
子供のような体格の少女は勿論シャーリーで、もう一人は彼女の師匠である亮太さん。二日間寝たきりだった、彼女の体を慣らすための模擬戦だと言うのに、俺の視線は追いつくのがやっとで、久しぶりにシャーロットに振り回されている。
それを受け止める亮太さんも余裕の表情で打ち合ってるし、こいつら人間か? と、疑わざるを得ない。セイクリッドであるシャーリーはともかく、本当はこの人、何者なのだろう。
「よーし、一旦休憩すんぞ。負荷をかけすぎても体に悪いからな」
「はい! ありがとうございました!!」
十分以上にも渡る本気の打ち込みが終わると、シャーリーにしては珍しい腹から声を出す挨拶が聞けて、ほんのちょっぴりびっくりする。戦いの中見せる彼女の脳筋癖は、二人のこの体育会系のノリのせいなのかも。
「見た目はそんなんでも、腕は鈍って無いみたいだな」
「そういう師匠こそ、衰えてないじゃない」
「年寄り扱いすんなって。魔王ぐらいの相手なら、今でも出来る自身がある。まっ、今となっちゃ聖剣に匹敵する武具もないし、サクラも居るからやらねーけど」
互いに軽口を叩き合い、お互いを称え合う師匠と弟子。そんな二人の会話の中に、耳を疑うような単語が混ざっていたことに俺は気がつく。
(えっと、亮太さんって、勇者とか、やってたりします?)
いくらシャーリーの師匠とは言え、魔王の相手が出来ると言い張り、聖剣を所持していた事をほのめかすような発言が聞こえれば、勇者と言う考えが自然と頭をよぎるというもの。二人して超人とか、ぶっちゃけありえない。
「いんや、勇者って呼ばれたことはないが、そこらに根付いた魔王と名乗る傲慢チキ野郎を、数体殴り飛ばしたことならあるぞ。魔神とか、魔皇帝なんてのとは、出来ればやり合いたくないがね。あんなのと戦ってたら、命がいくらあっても足りやしない」
「師匠の太刀筋なら、十分に通用すると思うけど」
「お前みたいのならともかく、ただの人間の俺には荷が重すぎんだよ。アスラとか名乗る魔神と殺りあった時は、生きた心地がしなかったしな」
「それだとまるで、私が人間じゃないみたいに聞こえるじゃない?」
「一応、お前も神の末端だろうが。本気のお前と殺りあったら、勝てる自信なんてね―よ」
そして、やっぱり二人は超人であり、今の俺たちがどれだけヤバい相手と戦っているのかをもう一度教えられる。
魔王なんて言ったら、ゲームでラスボスはれるようなのが大半だけど、この世界だと二軍みたいな扱いなんだよな。プロより凄いアマチュアがいるように、魔神より強い魔王だって世の中には当然いるのだろうけど、全体的な水準で考えると、最強クラスの相手と俺達は戦い続けてるわけで、命があるだけめっけものなのか……あぁ、クソ! 今のでまた、忘れかけてた朝美のことを思い出しちまった。
「それに、自幻流なんてでたらめな動き、俺には出来ないって―の」
けれど、亮太さんの意外な発言に、俺の中の湿っぽい空気は全て吹き飛ばされてしまう。
(え? 亮太さんって、自幻流の開祖じゃないんですか?)
「……徹、同郷の、それもゲーム好きのお前にだから教えるが、いわゆるあれは、俺の黒歴史ってやつだ。普通の型だけでなく、戦いの中でも見破られにくい、変幻自在な動きがしたいって言うから、やり方だけ適当に教えたんだが、まさか本当にやってのけちまうとはな。こっちの世界流にアレンジこそしたものの、こいつの動きを見た時は、俺も度肝を抜かれたよ」
いやいや、度肝を抜かれたは俺の台詞だよ。シャーリーの必殺剣が、中二病あるあるの妄想黒歴史だったなんて、なかなかお目にかかれないぞ、こんな流派。しかも、魔神相手に有用だし……
「どんどん私が変人扱いされてる気がするんだけど、あんなの魔力の応用で、体に少し付与するだけじゃない」
「簡単に言うけどな、お前の魔力の使い方は、普通の人間にゃできね―んだよ。魔力を使った多段ブーストに、複数の部位への魔力付与。それから、多重魔法陣なんて膨大な魔力の使い方してたら、魔導の法則が乱れるつーか、精霊に愛想つかされちまう」
そんな、黒歴史を使いこなすシャーリーは、自分の凄さを全く理解していないようで、亮太さんに怒られてしまう。魔導については理解のリの字も無い俺だけど、亮太さんの言う通り、彼女がでたらめなのはよく分かる。
この世界の魔法って、精霊の力を借りて使うものだし、彼等に嫌われたらその時点で終わりなんだよな。だからなのかはわからないけど、魔神は魔法を使わないで体内の魔力を力に変えてるフシがあるし、シャーリーってほんとに凄い女の子なんだな。
「そういうものなの?」
「そういうもんだ! それだけ世界に愛されてんだよ、お前は」
「……そっか、愛されてるんだ、私」
精霊に愛された俺の王女様は、俺にもなかなか見せないような穏やかな表情を浮かべている。心の底から幸せそうに笑うシャーリーを見た亮太さんは、射るような視線で俺のことを睨みつけた。
「徹、男なら、ちゃんとこいつを幸せにしてやれよ」
(はい、もちろんです)
亮太さんにとって、自然に笑うシャーリーの姿は、たぶんきっと初めてなんだと思う。弟子の笑顔を守ってやれと、師匠なりの親心なんだろうな。
もちろん、二つ返事で俺は頷くし、彼女の笑顔を守るなんて当たり前のこと。だって、俺の大切な人には、いつだって笑っていて欲しいから。
それにしても、魔法か。今まで考えた事もなかったけど、俺にも使えるのかな?
修練場から覗き見れる裏庭の一角で、魔法の練習をしているアイリを見ながら、そんな事を俺は思う。珍しくクルスが指導しているし、カーラ並みの素質がアイリにはあるのかも。
「アイリさんは、炎の魔法が好きなのですね」
「ん、最初に聞こえた。わたしの、魔法」
ちょうどあちらも休憩中のようで、アイリの使う魔法について笑顔のクルスが尋ねている様子。落ち着き払った彼女の性格からは、煌々と燃え上がる炎のイメージは無いのだけれど、姉と一緒で胸のうちには熱いものを秘めているのかも知れない。
「そうでしたか。炎の精霊であるサラマンダーも、貴方のことを気に入っているみたいですし、そろそろ次のステップへ移る頃合いかと」
「!? いるの、精霊さん?」
けれど、普段のアイリはやっぱり子供で、あどけない表情を彼女はクルスに向けている。
「はい! アイリさんの隣で、今も激しく喜んでいます!」
不思議そうに見つめるアイリに、同じぐらいの身長の女神様が満面の笑みを浮かべているが、こういう時ぐらい大人の見た目に戻ればいいのにと思ってしまう。
今の状態だと、同年代の友達同士がじゃれ合っているようで戦乙女としての威厳の欠片も無いのだが、これはこれで微笑ましいし、まぁ、いいか。親しみやすいぐらいの方が、女神様の株も上がるだろうしな。
それにしても、サラマンダーが激しく喜ぶって、近くにいたら凄く熱そうなんだけど、そういう感覚ってやっぱり感じないのかね? 精霊って存在は概念に近いし、どこまで実在するのか俺にはまだわかりそうにない。
それとも、頭の中で疑いを持ち続けているから、彼等の存在が俺には感じ取れないのだろうか?
「見れない、ざんねん」
「アイリさんにもいつか、見える時がやってきますよ」
精霊さんが見えない事にアイリも残念がっているし、後でクルスに直接聞いてみよう。魔法を使えるようになる、ヒントになるかもしれないし。
「それで、次の、ステップ?」
「おっと、そうでしたね。アイリさんは今、ここに願う、という詠唱方式をとっていますが、それを変え、我は願うと力強く叫んでみてください」
「我は、願う?」
「はい!」
「……ん、やってみる」
今まで気にしてこなかったけど、クルスの言う通り、この世界には二つの詠唱方式があることに俺も気がつく。細かな違いとかは全然わからないけど、精霊との親密度みたいなのがあって、言語としてそれを表しているんだろうな。
「我は願う、炎の精霊サラマンダー、爆炎の力となりて、わたしの害を、薙ぎ払え! エクスプロージョン!!」
そして、女神の指導通り、詠唱方式を変えたアイリが魔法を解き放つと、数十本の裏庭の木々が、爆炎によって一瞬のもとに消し飛んでしまう。
彼女がよく使っていた、単体攻撃魔法のフレイムドライブと比べるとその威力は雲泥の差で、あまりの違いに本人も驚き固まってしまっている。
クルスの使う爆炎魔法を何度か俺も見てきたけど、アイリの魔法も謙遜無く彼女の資質の高さを見せつけられた。
「激しくやるのは構わないが、あんまり木を薙ぎ倒さないでくれよー! 後でサクラに、俺がまた、怒られるんだからなー」
とは言え、人様の庭先を破壊する行為は決して褒められたものではなく、亮太さんから二人は注意喚起を受けてしまう。
「すみませーん! 次からは気をつけまーす!」
軽い雰囲気の女神の返事に不安を感じたものの、今は信じてみようと思い俺は二人を傍観することにした。
「さて、こっちももう一本、行っとくか?」
「はい!」
アイリの魔法に触発された弟子と師匠が立ち上がると、同時に俺も気合を入れ直す。今はシャーリーと俺の時間で、魔法の話は後回しだ。
二人の達人が全力で剣を振るい合う中、俺は無心で彼女の動きにこの体を合わせるのだった。
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