6 / 28
第1巻 異世界でもギターしかなかった ~迷わずの森とバーウの村~
第6話「俺の名は君の名は」
しおりを挟む
**************************************
「俺はこれからずっとお前と一緒にいるぞ!」
先ほど噛んだ首筋をひとしきり舐めながら、大きな赤い翼で幸を包む。
ハーピーはニコニコと笑っていた。
幸の異世界デビュー戦が終わり、奇しくも選手同士がハグをして試合を称えている形になっている。
「さっきまで襲い掛かって来てたのにどういう事だよ……。」
展開が早すぎて全くついて行けてない幸はつぶやく。
ただ、たった今、命の危険が去り、徐々に冷静さを取り戻してきた幸は、自分の置かれている状況を少しずつ考え始めた。
「俺は、女神に転生された…。
そしてこの異世界にやって来た…。」
異世界であることは、まるで赤いコートみたいになっている自分の隣の生き物を見れば一目瞭然だった。
舐められた首筋は傷がふさがっており、どうやら、舐めるという行為は、
ハーピーの魔力で回復呪文の様な効果があるらしい。
「今俺は、どこかの森の中にいる。
しかもそこは来た瞬間に魔物に襲われてしまうぐらい危険な場所…。」
鳥のさえずりや風の音のような、現実世界の森や林で聞こえてくる音の中に、「ギャー」とか「ガオー」とか聞いたこともないけたたましい鳴き声も混じっている。
「そして何よりも……。
あんなに楽しかったライブが途中で終わってしまった……。」
幸にとっては命の危険よりも、自分の初めてのライブが途切れた事の方が悲しかった。
地獄のような日々の中、初めて自分が認められ、賞賛された場所だったのだ。
幸は心にぽっかり大きな穴が空いているのを感じる。
「ライブ?
お前の演奏なら、俺の村に来たらみんな喜んで聞くぞ!」
赤いコートが喋り出す。
「……ライブを観てくれる?
……俺の村?」
またあの光の中に戻れると言われて、期待が少しにじみ出る。
思わず顔がニヤついてしまう。
「魔物の村?
……って、君もいつまでくっついてるんだよ!」
幸はドンっと手をついて赤い物体を押し、引き離そうとする。
たまたま押し手の位置が、女面鳥身の生き物のちょうど二つの大きな胸装甲に当たった。
「ドン」というよりは「ブニッ」という感触。
顔を赤らめる事も無く、
「お前、乳が好きなんか?
心配すんな。俺の身体は全部お前のもんだ。」
勘違いしたハーピーは、当然非力な幸の力では引き離せないので、全く同じ位置のまま翼の中で、身体を摺り寄せた。
「わっ、分かったから!離れてよ!」
自分が触っていた部位を言葉で認識させられ、赤面する幸の必死の訴え。
幸は、ハーピーと身長は全く同じだ。
なのにびくとも動かす事が出来ない。
今まさに頬を摺り寄せられているが、人と魔物でここまでの身体能力に差がある。
もしもあの時、手が"緑の物体"に触れて居なかったら、か弱い人間の命などひとたまりも無かったであろう。
「そうだ、俺を守ってくれたギター!
この魔物は俺のギターで大人しくなってくれた…。」
先ほど無我夢中で弾いたギターに目線をやる。
それは翡翠の様な淡い緑の光を放ち、現世の時の姿とは一変していた。
ギターの先、"ヘッド"と呼ばれる部分は以前のより太く、ホントに木なのか?と言わんばかりに、カールして荘厳なフォルムを表現している。
また、ボディーの中心にあり音の鳴る穴、"サウンドホール"は、まるでブラックホールの様に手を入れても底に触れない。
本来なら製作者や製造番号などが書かれた製品シールが貼っているのが見えるほど底は浅いのに、だ。
そもそも幸のギターは"エレキギター"と言われるもので、サウンドホールはなく、
そこには代わりにコイルが巻かれ音を増幅する、"ピックアップ"がついていたはずである。
サウンドホールは主に"アコースティックギター"や"クラシックギター"のように電気を通さない楽器に存在する。
また弦の素材は通常と同じ金属なのは間違いないはずだが、これもギター本体と同じに光を放っていて、何なのかは分からない。
そして何より……。
「ティララン♪」
幸は左手のみで音を生み出す"プリングオフ"と呼ばれる奏法をする。
その「ティララン♪」の音は、このハーピーと相対したこの空間に大きく拡散し、
なんなら反響して少しエコーがかかっているかのように音が返ってくる。
要は"音がかなり大きい"のである。
本来ピッキング(右手で弦を弾き、音を出すこと)も無しに、
奏でられるこの音は、アコースティックギターであったとしても、極小さいもので、森の中で反響などするはずもない。
さらに幸のギターはエレキギターであり、アンプと繋いで電気を流して音を増幅しなければ、そもそも音などでないはずである。
「なんでこいつはこんなに音が鳴るんだ?」
自分がまた少し弾いたことで足元でシビシビとヨガっているハーピーを気にせず呟く。
実世界では、エレキギターの種類の中にスピーカー内蔵ギター、よく"ゾウさんギター"と呼ばれるものがあるが、そんなものの比でもない。
このギターは、まさに"異世界の楽器"であった。
電気があるかも分からないこの世界で、エレキギターの音が、遠くにも届くのは、幸運であった。
「全然わからないけど……、ありがとう。
ここでもお前は俺を守ってくれるんだね……。」
幸は異世界に飛ばされるという異常事態でも、
このギターがあれば必ず目指すべき道へと向かえるという、
根拠もない気持ちが湧いてきて、思わずそれを抱きしめていた。
「やっぱりお前の音楽は最高だ……。」
ハーピーは目をハートにして幸にまた摺りつこうとする。
「わかったから!!!
とりあえず話をしようよ。
俺は幸って言うんだ。
君は?
なんて名前なの?」
べたべたくっついてくる赤い物体を制ししながら言う。
「おまえ、幸って言うんか!!
幸!幸!!
これからよろしくな!!
大切にするからな!!!
俺の嫁!!!」
ハーピーは、愛する者の真名を知り心の中から嬉しそう。
「俺の名は”ピーネ”だ!!
ハーピーのピーネ!!」
えっへん!とばかりに大きな胸を張って立つハーピー。
「ピーネって言うんだね。
よろしく!」
幸は、ピーネの俺の嫁発言はスルーで話を続ける。
「さっき言ってたピーネの村ってどんな所?
魔物の村だよね?
俺が行っても安全なのだろうか……?」
最初からクライマックスを迎えた異世界の、初めての意志疎通が出来る相手、ピーネの村である。
魔物ではあるが、今では言語も分かり、自分に対する好意も感じ取れる。
完全に味方であると言い切れる彼女の住む村。
急に飛んで来てしまった異世界の中、行ってみたいに決まっている。
「俺の村は世界中の魔物がいる混合村だ!
色んなとこではみ出して来た奴や、仲間に裏切られた奴らが集まって出来た集落だ。
人間は居ないけど、
幸の音楽を聞いたら、皆んな一発で大好きになる!
幸の笑顔見たら、みんなも笑顔になる!!」
ピーネは言う。
「混合村?
本来魔物は同じ種族で集まって村を形成するけど、そこはバラバラって事なのか……。
はみ出し者っていじめられて追い出されたやつらってことだよね……。」
幸は自分と似た境遇の魔物達と聞いただけでなんとなく安心感を持った。
なによりも抱えているこのギターが一緒なのである。
「じゃあ、そこに行ってみようか!」
「おう!!!」
ピーネは嬉しそうに応えた。
**************************************
「俺はこれからずっとお前と一緒にいるぞ!」
先ほど噛んだ首筋をひとしきり舐めながら、大きな赤い翼で幸を包む。
ハーピーはニコニコと笑っていた。
幸の異世界デビュー戦が終わり、奇しくも選手同士がハグをして試合を称えている形になっている。
「さっきまで襲い掛かって来てたのにどういう事だよ……。」
展開が早すぎて全くついて行けてない幸はつぶやく。
ただ、たった今、命の危険が去り、徐々に冷静さを取り戻してきた幸は、自分の置かれている状況を少しずつ考え始めた。
「俺は、女神に転生された…。
そしてこの異世界にやって来た…。」
異世界であることは、まるで赤いコートみたいになっている自分の隣の生き物を見れば一目瞭然だった。
舐められた首筋は傷がふさがっており、どうやら、舐めるという行為は、
ハーピーの魔力で回復呪文の様な効果があるらしい。
「今俺は、どこかの森の中にいる。
しかもそこは来た瞬間に魔物に襲われてしまうぐらい危険な場所…。」
鳥のさえずりや風の音のような、現実世界の森や林で聞こえてくる音の中に、「ギャー」とか「ガオー」とか聞いたこともないけたたましい鳴き声も混じっている。
「そして何よりも……。
あんなに楽しかったライブが途中で終わってしまった……。」
幸にとっては命の危険よりも、自分の初めてのライブが途切れた事の方が悲しかった。
地獄のような日々の中、初めて自分が認められ、賞賛された場所だったのだ。
幸は心にぽっかり大きな穴が空いているのを感じる。
「ライブ?
お前の演奏なら、俺の村に来たらみんな喜んで聞くぞ!」
赤いコートが喋り出す。
「……ライブを観てくれる?
……俺の村?」
またあの光の中に戻れると言われて、期待が少しにじみ出る。
思わず顔がニヤついてしまう。
「魔物の村?
……って、君もいつまでくっついてるんだよ!」
幸はドンっと手をついて赤い物体を押し、引き離そうとする。
たまたま押し手の位置が、女面鳥身の生き物のちょうど二つの大きな胸装甲に当たった。
「ドン」というよりは「ブニッ」という感触。
顔を赤らめる事も無く、
「お前、乳が好きなんか?
心配すんな。俺の身体は全部お前のもんだ。」
勘違いしたハーピーは、当然非力な幸の力では引き離せないので、全く同じ位置のまま翼の中で、身体を摺り寄せた。
「わっ、分かったから!離れてよ!」
自分が触っていた部位を言葉で認識させられ、赤面する幸の必死の訴え。
幸は、ハーピーと身長は全く同じだ。
なのにびくとも動かす事が出来ない。
今まさに頬を摺り寄せられているが、人と魔物でここまでの身体能力に差がある。
もしもあの時、手が"緑の物体"に触れて居なかったら、か弱い人間の命などひとたまりも無かったであろう。
「そうだ、俺を守ってくれたギター!
この魔物は俺のギターで大人しくなってくれた…。」
先ほど無我夢中で弾いたギターに目線をやる。
それは翡翠の様な淡い緑の光を放ち、現世の時の姿とは一変していた。
ギターの先、"ヘッド"と呼ばれる部分は以前のより太く、ホントに木なのか?と言わんばかりに、カールして荘厳なフォルムを表現している。
また、ボディーの中心にあり音の鳴る穴、"サウンドホール"は、まるでブラックホールの様に手を入れても底に触れない。
本来なら製作者や製造番号などが書かれた製品シールが貼っているのが見えるほど底は浅いのに、だ。
そもそも幸のギターは"エレキギター"と言われるもので、サウンドホールはなく、
そこには代わりにコイルが巻かれ音を増幅する、"ピックアップ"がついていたはずである。
サウンドホールは主に"アコースティックギター"や"クラシックギター"のように電気を通さない楽器に存在する。
また弦の素材は通常と同じ金属なのは間違いないはずだが、これもギター本体と同じに光を放っていて、何なのかは分からない。
そして何より……。
「ティララン♪」
幸は左手のみで音を生み出す"プリングオフ"と呼ばれる奏法をする。
その「ティララン♪」の音は、このハーピーと相対したこの空間に大きく拡散し、
なんなら反響して少しエコーがかかっているかのように音が返ってくる。
要は"音がかなり大きい"のである。
本来ピッキング(右手で弦を弾き、音を出すこと)も無しに、
奏でられるこの音は、アコースティックギターであったとしても、極小さいもので、森の中で反響などするはずもない。
さらに幸のギターはエレキギターであり、アンプと繋いで電気を流して音を増幅しなければ、そもそも音などでないはずである。
「なんでこいつはこんなに音が鳴るんだ?」
自分がまた少し弾いたことで足元でシビシビとヨガっているハーピーを気にせず呟く。
実世界では、エレキギターの種類の中にスピーカー内蔵ギター、よく"ゾウさんギター"と呼ばれるものがあるが、そんなものの比でもない。
このギターは、まさに"異世界の楽器"であった。
電気があるかも分からないこの世界で、エレキギターの音が、遠くにも届くのは、幸運であった。
「全然わからないけど……、ありがとう。
ここでもお前は俺を守ってくれるんだね……。」
幸は異世界に飛ばされるという異常事態でも、
このギターがあれば必ず目指すべき道へと向かえるという、
根拠もない気持ちが湧いてきて、思わずそれを抱きしめていた。
「やっぱりお前の音楽は最高だ……。」
ハーピーは目をハートにして幸にまた摺りつこうとする。
「わかったから!!!
とりあえず話をしようよ。
俺は幸って言うんだ。
君は?
なんて名前なの?」
べたべたくっついてくる赤い物体を制ししながら言う。
「おまえ、幸って言うんか!!
幸!幸!!
これからよろしくな!!
大切にするからな!!!
俺の嫁!!!」
ハーピーは、愛する者の真名を知り心の中から嬉しそう。
「俺の名は”ピーネ”だ!!
ハーピーのピーネ!!」
えっへん!とばかりに大きな胸を張って立つハーピー。
「ピーネって言うんだね。
よろしく!」
幸は、ピーネの俺の嫁発言はスルーで話を続ける。
「さっき言ってたピーネの村ってどんな所?
魔物の村だよね?
俺が行っても安全なのだろうか……?」
最初からクライマックスを迎えた異世界の、初めての意志疎通が出来る相手、ピーネの村である。
魔物ではあるが、今では言語も分かり、自分に対する好意も感じ取れる。
完全に味方であると言い切れる彼女の住む村。
急に飛んで来てしまった異世界の中、行ってみたいに決まっている。
「俺の村は世界中の魔物がいる混合村だ!
色んなとこではみ出して来た奴や、仲間に裏切られた奴らが集まって出来た集落だ。
人間は居ないけど、
幸の音楽を聞いたら、皆んな一発で大好きになる!
幸の笑顔見たら、みんなも笑顔になる!!」
ピーネは言う。
「混合村?
本来魔物は同じ種族で集まって村を形成するけど、そこはバラバラって事なのか……。
はみ出し者っていじめられて追い出されたやつらってことだよね……。」
幸は自分と似た境遇の魔物達と聞いただけでなんとなく安心感を持った。
なによりも抱えているこのギターが一緒なのである。
「じゃあ、そこに行ってみようか!」
「おう!!!」
ピーネは嬉しそうに応えた。
**************************************
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
ゲームのモブに転生したと思ったら、チートスキルガン積みのバグキャラに!? 最強の勇者? 最凶の魔王? こっちは最驚の裸族だ、道を開けろ
阿弥陀乃トンマージ
ファンタジー
どこにでもいる平凡なサラリーマン「俺」は、長年勤めていたブラック企業をある日突然辞めた。
心は晴れやかだ。なんといってもその日は、昔から遊んでいる本格的ファンタジーRPGシリーズの新作、『レジェンドオブインフィニティ』の発売日であるからだ。
「俺」はゲームをプレイしようとするが、急に頭がふらついてゲーミングチェアから転げ落ちてしまう。目覚めた「俺」は驚く。自室の床ではなく、ゲームの世界の砂浜に倒れ込んでいたからである、全裸で。
「俺」のゲームの世界での快進撃が始まる……のだろうか⁉
~僕の異世界冒険記~異世界冒険始めました。
破滅の女神
ファンタジー
18歳の誕生日…先月死んだ、おじぃちゃんから1冊の本が届いた。
小さい頃の思い出で1ページ目に『この本は異世界冒険記、あなたの物語です。』と書かれてるだけで後は真っ白だった本だと思い出す。
本の表紙にはドラゴンが描かれており、指輪が付属されていた。
お遊び気分で指輪をはめて本を開くと、そこには2ページ目に短い文章が書き加えられていた。
その文章とは『さぁ、あなたの物語の始まりです。』と…。
次の瞬間、僕は気を失い、異世界冒険の旅が始まったのだった…。
本作品は『カクヨム』で掲載している物を『アルファポリス』用に少しだけ修正した物となります。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる