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第3部 私達でなければならない
空想の余地
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「なかったであろう。そうだ。妾もそなたが一歩前に脚を出した途端に、こちらの右脚にも出たのだ。これは妾も同時に脚を出していた、と言いたいが為では断じてない。違う。そなたが先なのだ」
「ヘイム様、早くお戻りを」
もう傍に到着したハイネは間に入るようにしてこちらの話を遮ろうとしてか短くそう言った。
「おおいま行くぞ。安心せよハイネ。妾は逃げも隠れもせぬからな。それでほらさっき言ったようにだジーナ」
「早く、お戻りを」
ハイネはさっきから同じことしか言っていないなとジーナは思いつつその表情を見ようとしたが、角度が悪く伺うことができない。
というよりかはハイネは背中や髪に覆われた横顔しかこちらに見せずにヘイムにばかり向いているとジーナは再確認する。
「私が引きますから急ぎましょうヘイム様。ハイネ、そんなに焦らなくて大丈夫だから」
「……」
言葉が返ってこないことにジーナは異常と違和感を覚えた。
本当にあなたはのろまなのだから、と悪口じみて返してくるのがいつも通りなのに、それがない。
叩けば鳴る鐘。鞘から抜けば出て来る剣。呼べば返事がくる。それが普通であるのに、鐘は鳴らず剣は抜けず返事が来ない。
こんな些細なことで……ジーナは強く反応した。ハイネであるから、反応をした。
「ハイネ!」
「のぉハイネ。今日の御進講の内容はなんであったか教えてくれんか?」
被せるようにしてヘイムもまた言葉を遮るとまたジーナに表情を見せぬ角度でハイネが振り返り、答える。これには答える。
「はい龍身様。本日は龍の儀式の先例についてであります」
「そうであったな。それは重要だ、それなのに遅らせてしまったとはすまぬな。すぐに戻る。そう、ルーゲンに伝えておけ。そう、急いで伝えてくれ。妾はジーナと共にそちらに戻る」
間など生じさせない、という意思があるかのようにハイネは同時なほどに即座に返した。
「かしこまりました龍身様」
踵を返しハイネは足早に去っていく。
余白から何も読ませないためのように、隙間などなく、全て敷き詰められ塞ぎ切っているように。
「どうしてあんな態度だったんだ?」
ジーナがつぶやくとヘイムは手を引いてきた。
「ルーゲンを待たせているのが苛立たしいのではないのか? では行こうか」
今度はヘイムが手を引きジーナが引かれる立場となるも、本来的なものでありかつ、歩みは急いでいるものではなかった。
真っ直ぐに踏み分けた道のおかげで去りゆくハイネの背中が見えるもののすぐにその姿は消えてしまった。
足早ではあったが、走ってはいなかった。けれどもう見えなくなるとは……道の彼方を眺めるジーナの左手に強い力が加わった。
「ボーっとするなはよう帰るぞ。まったくそなたがのんびりするからこうなる」
「いや絶対に私のせいじゃないですよ」
「責任のなすり合いはよせ。いまはそのようなことを言い合っている場合ではない。今回の件は共犯じゃこの共犯者が。ともに悪いことをしたという自覚が大事であるぞ、なぁ?」
また意味不明な論理展開を、と言葉を探しているとヘイムが違う話を投げてきた。
「この荒野はなかなか散策のしがいがあったな。次回もここを中心に歩くとしよう」
「本気で言っていますか? だったらここの草を取り払ってしまった方がいいのでは?」
「刈らないでいい、このままだ。このまま荒野として残しておく。そういった空想が生まれる場所も時には必要だろうに。そのような余地もな」
空想? とジーナはさっきの掌の感覚を思い出した。あの空想に付き合おうとした時に生じたあの感覚とはいったいに?
「なに安心せよジーナ。脱走しようだなど露にも思ってはおらんからな」
その言葉を聞くやジーナの脚は一歩先んじ、ヘイムの歩みに並び、視線が交差し重なった。
もしも、とジーナはヘイムの瞳を見ながら扉の前に立った。もしも扉に手が当てられたら、もしもその手に力が込められていたら……不意に感覚の失われた掌に痛みが走りジーナはヘイムが力を入れたのだと分かった。その意味は、その眼からは……
しかし二人は同時に前を見た。見ざるを得なかった。道の彼方に誰かが立って……いや誰かではなくルーゲンだと分かっていた。
見えてはいるもののはそれはとても小さく、かつおぼろげなものにも見えていた。
輪郭も表情もその何もかもがはっきりとせず、荒野の庭園の入り口、道の果てに佇んでいる。
自然とジーナはただでさえ急いでいない歩みが更に緩やかになり、ヘイムも歩調を揃えまた一段と遅くなった。
二人は無言のまま自分達が草で踏み分けたことで作った道を、その真っ直ぐな道を歩いて行く。ルーゲンから目を離さないようにして。
少しずつ近づくもそれはまだおぼろげでありいくら歩いてもそれは、変わらない。
疑いもなくそれはルーゲンであるというのにそうだと認識ができない。それはヘイムも同じなのだろうか? それとも私だけが?
だがジーナは聞くことが恐ろしいためか黙ったまま歩いて行く、いまだに靄がかかったようなルーゲン。
近づいても近づいてもそれは変わらず、もう四五歩で辿り着くというのに、認識ができないまま。それにしても何故声を掛けてこない?
まさかこれはルーゲンではないのでは? とジーナは一歩踏む毎に考えを深化させた。私の知らないものなのでは?
ルーゲンの姿をしたなにかなのでは? だから、はっきりと見えない。そうだとしたら……もう手が届くような息がかかるようなあと二歩の距離となると、これは一つの危機と捉えたジーナは左手を強く握ろうとしたが、その手を離した。
いや、離れた? どちらが? など分からぬままにジーナは左を向くとヘイムの左手はルーゲンの手によって取られ、支えられ、それは立ち振り返り立ち止まったジーナを声もなく嘲笑った。
「ジーナ君。講義が面倒だからといって遅延行為はいけませんよ」
声と共に靄が晴れおぼろげであった輪郭やその全てが鋭角すぎるほどにルーゲンが現れ、突発的な何かがジーナの全身を流れ支配し熱を籠らせる。けれどもジーナは戸惑った。これはなんだ?
微笑みルーゲンを見ながらジーナは探した。この感情の名は何であるのかを。
怒りではないそれに近い違う熱。知らないはずはない、以前もこの熱を炎を血管に駆け巡らせたことがある、身体が覚えている。この黒い炎を。
「……ジーナ君? どうかしました? 左頬に何か?」
なにかとは……男は自分の左掌が頬を印に触れていることに気付いた。熱がそこにあった。もうそこにしかなかった。
あの支配していた炎は消えた。まるで印に吸収されたように、そこになにかが封印されているように……
「いえ、なんでもありません。申し訳ない遅れてしまって」
ジーナは頭を下げるとルーゲンから変な声が聞こえた。驚きというよりかは困惑の、声というよりかはくぐもった喉の鳴きが。
それから頭をあげルーゲンをみると、微笑んではいなかった。口は結ばれ真剣な眼差しが注がれていたが、その意味は分からなかった。
あなたはいったい私をどういった心で見つめておられるのですか?
「なにをしておる導師よ。御進講の時間であるぞ。あれを遅らせるとは、なにごとだ」
「あの龍身様? 遅れたのは」
ルーゲンが言うと龍身はその身を寄せた。
「いま遅らせておるのはそなたであろうが。よってそなたがいま悪い。はよう連れていけ。最近だと妾はそなたの講義が一番の楽しみであるからな」
その言葉にルーゲンの表情は輝いた。ジーナにもすぐに分かった。
これは自分が今まで見てきたなかでもルーゲンの最高の笑顔であると。
「感激のあまり感謝の言葉もありません」
「これぐらいで最大級の褒め言葉を使ってしまったらこの先が辛くなるぞ。言葉を失わずに済むように言葉を増やしておけ導師。そなたにはこのさき龍の栄光が降り注ぐのだからな」
「畏まりました龍身様。それではお席に戻りましたら御進講を急いで行います。それにしてもここ最近の龍身様の熱心さにはこちらも熱が入る次第です」
「それはそうだ。妾はな」
龍身は空となった左の眼孔をジーナに向けた。
「龍となるのだからな」
ジーナは再びある感情が身体に満ち熱が籠るも、これは外には出ず、また制御することができた。
ルーゲンに引かれていく龍身の後ろを歩くにつれ思う。この感情は知っている。これだけは忘れるはずがない。
この一点だけは失われない……だがそれを言うのなら、さっきのあの知らない感情の黒い炎は、いったい誰のものだというのか?
他ならぬ自らの身体から湧き起り発しているというのに。
「ヘイム様、早くお戻りを」
もう傍に到着したハイネは間に入るようにしてこちらの話を遮ろうとしてか短くそう言った。
「おおいま行くぞ。安心せよハイネ。妾は逃げも隠れもせぬからな。それでほらさっき言ったようにだジーナ」
「早く、お戻りを」
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というよりかはハイネは背中や髪に覆われた横顔しかこちらに見せずにヘイムにばかり向いているとジーナは再確認する。
「私が引きますから急ぎましょうヘイム様。ハイネ、そんなに焦らなくて大丈夫だから」
「……」
言葉が返ってこないことにジーナは異常と違和感を覚えた。
本当にあなたはのろまなのだから、と悪口じみて返してくるのがいつも通りなのに、それがない。
叩けば鳴る鐘。鞘から抜けば出て来る剣。呼べば返事がくる。それが普通であるのに、鐘は鳴らず剣は抜けず返事が来ない。
こんな些細なことで……ジーナは強く反応した。ハイネであるから、反応をした。
「ハイネ!」
「のぉハイネ。今日の御進講の内容はなんであったか教えてくれんか?」
被せるようにしてヘイムもまた言葉を遮るとまたジーナに表情を見せぬ角度でハイネが振り返り、答える。これには答える。
「はい龍身様。本日は龍の儀式の先例についてであります」
「そうであったな。それは重要だ、それなのに遅らせてしまったとはすまぬな。すぐに戻る。そう、ルーゲンに伝えておけ。そう、急いで伝えてくれ。妾はジーナと共にそちらに戻る」
間など生じさせない、という意思があるかのようにハイネは同時なほどに即座に返した。
「かしこまりました龍身様」
踵を返しハイネは足早に去っていく。
余白から何も読ませないためのように、隙間などなく、全て敷き詰められ塞ぎ切っているように。
「どうしてあんな態度だったんだ?」
ジーナがつぶやくとヘイムは手を引いてきた。
「ルーゲンを待たせているのが苛立たしいのではないのか? では行こうか」
今度はヘイムが手を引きジーナが引かれる立場となるも、本来的なものでありかつ、歩みは急いでいるものではなかった。
真っ直ぐに踏み分けた道のおかげで去りゆくハイネの背中が見えるもののすぐにその姿は消えてしまった。
足早ではあったが、走ってはいなかった。けれどもう見えなくなるとは……道の彼方を眺めるジーナの左手に強い力が加わった。
「ボーっとするなはよう帰るぞ。まったくそなたがのんびりするからこうなる」
「いや絶対に私のせいじゃないですよ」
「責任のなすり合いはよせ。いまはそのようなことを言い合っている場合ではない。今回の件は共犯じゃこの共犯者が。ともに悪いことをしたという自覚が大事であるぞ、なぁ?」
また意味不明な論理展開を、と言葉を探しているとヘイムが違う話を投げてきた。
「この荒野はなかなか散策のしがいがあったな。次回もここを中心に歩くとしよう」
「本気で言っていますか? だったらここの草を取り払ってしまった方がいいのでは?」
「刈らないでいい、このままだ。このまま荒野として残しておく。そういった空想が生まれる場所も時には必要だろうに。そのような余地もな」
空想? とジーナはさっきの掌の感覚を思い出した。あの空想に付き合おうとした時に生じたあの感覚とはいったいに?
「なに安心せよジーナ。脱走しようだなど露にも思ってはおらんからな」
その言葉を聞くやジーナの脚は一歩先んじ、ヘイムの歩みに並び、視線が交差し重なった。
もしも、とジーナはヘイムの瞳を見ながら扉の前に立った。もしも扉に手が当てられたら、もしもその手に力が込められていたら……不意に感覚の失われた掌に痛みが走りジーナはヘイムが力を入れたのだと分かった。その意味は、その眼からは……
しかし二人は同時に前を見た。見ざるを得なかった。道の彼方に誰かが立って……いや誰かではなくルーゲンだと分かっていた。
見えてはいるもののはそれはとても小さく、かつおぼろげなものにも見えていた。
輪郭も表情もその何もかもがはっきりとせず、荒野の庭園の入り口、道の果てに佇んでいる。
自然とジーナはただでさえ急いでいない歩みが更に緩やかになり、ヘイムも歩調を揃えまた一段と遅くなった。
二人は無言のまま自分達が草で踏み分けたことで作った道を、その真っ直ぐな道を歩いて行く。ルーゲンから目を離さないようにして。
少しずつ近づくもそれはまだおぼろげでありいくら歩いてもそれは、変わらない。
疑いもなくそれはルーゲンであるというのにそうだと認識ができない。それはヘイムも同じなのだろうか? それとも私だけが?
だがジーナは聞くことが恐ろしいためか黙ったまま歩いて行く、いまだに靄がかかったようなルーゲン。
近づいても近づいてもそれは変わらず、もう四五歩で辿り着くというのに、認識ができないまま。それにしても何故声を掛けてこない?
まさかこれはルーゲンではないのでは? とジーナは一歩踏む毎に考えを深化させた。私の知らないものなのでは?
ルーゲンの姿をしたなにかなのでは? だから、はっきりと見えない。そうだとしたら……もう手が届くような息がかかるようなあと二歩の距離となると、これは一つの危機と捉えたジーナは左手を強く握ろうとしたが、その手を離した。
いや、離れた? どちらが? など分からぬままにジーナは左を向くとヘイムの左手はルーゲンの手によって取られ、支えられ、それは立ち振り返り立ち止まったジーナを声もなく嘲笑った。
「ジーナ君。講義が面倒だからといって遅延行為はいけませんよ」
声と共に靄が晴れおぼろげであった輪郭やその全てが鋭角すぎるほどにルーゲンが現れ、突発的な何かがジーナの全身を流れ支配し熱を籠らせる。けれどもジーナは戸惑った。これはなんだ?
微笑みルーゲンを見ながらジーナは探した。この感情の名は何であるのかを。
怒りではないそれに近い違う熱。知らないはずはない、以前もこの熱を炎を血管に駆け巡らせたことがある、身体が覚えている。この黒い炎を。
「……ジーナ君? どうかしました? 左頬に何か?」
なにかとは……男は自分の左掌が頬を印に触れていることに気付いた。熱がそこにあった。もうそこにしかなかった。
あの支配していた炎は消えた。まるで印に吸収されたように、そこになにかが封印されているように……
「いえ、なんでもありません。申し訳ない遅れてしまって」
ジーナは頭を下げるとルーゲンから変な声が聞こえた。驚きというよりかは困惑の、声というよりかはくぐもった喉の鳴きが。
それから頭をあげルーゲンをみると、微笑んではいなかった。口は結ばれ真剣な眼差しが注がれていたが、その意味は分からなかった。
あなたはいったい私をどういった心で見つめておられるのですか?
「なにをしておる導師よ。御進講の時間であるぞ。あれを遅らせるとは、なにごとだ」
「あの龍身様? 遅れたのは」
ルーゲンが言うと龍身はその身を寄せた。
「いま遅らせておるのはそなたであろうが。よってそなたがいま悪い。はよう連れていけ。最近だと妾はそなたの講義が一番の楽しみであるからな」
その言葉にルーゲンの表情は輝いた。ジーナにもすぐに分かった。
これは自分が今まで見てきたなかでもルーゲンの最高の笑顔であると。
「感激のあまり感謝の言葉もありません」
「これぐらいで最大級の褒め言葉を使ってしまったらこの先が辛くなるぞ。言葉を失わずに済むように言葉を増やしておけ導師。そなたにはこのさき龍の栄光が降り注ぐのだからな」
「畏まりました龍身様。それではお席に戻りましたら御進講を急いで行います。それにしてもここ最近の龍身様の熱心さにはこちらも熱が入る次第です」
「それはそうだ。妾はな」
龍身は空となった左の眼孔をジーナに向けた。
「龍となるのだからな」
ジーナは再びある感情が身体に満ち熱が籠るも、これは外には出ず、また制御することができた。
ルーゲンに引かれていく龍身の後ろを歩くにつれ思う。この感情は知っている。これだけは忘れるはずがない。
この一点だけは失われない……だがそれを言うのなら、さっきのあの知らない感情の黒い炎は、いったい誰のものだというのか?
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