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第3部 私達でなければならない
龍を討った証言
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意識的にせよハイネはジーナのことを考える時間の比率が減り、その穴埋めに仕事に没頭した。
仕事はいくらでもあり、いくらやっても片付かないものの、日に日に目に見えて中央の市街地が綺麗になっていくのを眺めるのは楽しかった。
荒れ果てて収拾がつかなくなっていたものが綺麗になっていくのを見るのは良いものだ、それはまるで自分の頭の中のようにも思えるし、指示書にそちら自由裁量に任せるといった点は独断的に全てその場で決定しハイネは仕事に穴埋めにのめり込んでいく。
それでも不意に思う。かつての自分はそこまで広くあの人のことを考えていたのかということに……恐怖を覚えるほどに。
「ところでハイネ殿。ジーナの容態は如何でしょうか?」と会議や打ち合わせの際にバルツに会うと挨拶代わりにこう言われるたびにハイネは身を強張らせる。
それはもう私には関係のないことです現在看護している人からお聞きしてください、という意味を身体で表したいものだが、通じるはずもなく曖昧に首を振るにとどめた。
「ハイネ殿の時でさえ相変わらずの無反応とはな。これでは他のものやましてや俺がこれ以上行ったところでどうなることもないだろう。死んだわけではないからこのまま治療を続けるが、なにか適切な治療方法が無いものだろうかな」
あの人が来て頬でも触ったら目覚めるんじゃないですか? とハイネは内心毒づながら微笑みながら答えた。
「龍身様の御手でお触れにでもなればもしかしたら」
「ジーナに、か……」
難色を示すバルツにハイネは怪訝な顔をした。あのバルツ殿が躊躇? いつもなら龍身様の御力を誰よりも信じ出来ることならそうなさって頂きたいと言い出す方だというのに。
ましてやその相手がジーナ。龍の護衛を務め誰よりも龍のために戦ったものだと、このバルツ自身が他の誰よりも買っているというのに。
「どうなされました? 龍身様の御力なら意識を取り戻せそうではありません? 彼はあの偽龍との戦いで意識を失った、いわば最大功労者の一人ですよ」
決して擁護というわけでは……じゃあなんで自分はジーナとヘイム様の両方を擁護しているのかと混乱しながらも聞くとバルツは険しい表情を浮かべた。
「……ジーナは龍を討った。その身体で果たして龍身様の御前に出られるのかと俺は考えてしまってな。いやいや分かっている。龍身様はそのようなことは言いますまい。問題はあいつの精神のことだ。この長い眠りについて俺はこう思う。あれは龍を討ってしまった自責心が意識を失わせているのではと」
「罪の意識、ですか? 私はジーナにそのような殊勝な心はどこにも無いかなと思いますけど。だいたい彼は善悪の区別があまりついていませんし」
「ハイネ殿は見る角度が違うせいでそう思われるだろうが、俺の見るところあいつは俺に勝るとも劣らぬ篤信家の信徒だ」
あの人の忠誠はヘイム様ですよ、と言いたいのをグッと堪え、ハイネは話を打ち合わせに切り替えその場を乗り切るも、次々に会う人がみんながみんなジーナのことを話題に出したがるせいかハイネの苛々は頂点に達しそうであった。
もう、私は関係ないんですからやめてください。と叫びそうになりながらもハイネは仕事をしていると、心癒される出来事があった。
「俺が龍を討った。それはもう必殺の一撃でな」
「そうそうそうブリアンが討ったんだよ。ハイネも話を聞いてあげて」
まだ安静にしているもののすっかり元気なブリアンがそのいきさつを話しているが、ありがたいことにジーナの名前は出てこない。あの人と出るのみでしかも脇役扱いなためにハイネの神経は和らいだ。そうそう名前なんて失っちゃえばいい。
「あの人は棒立ちになって斬れないでいるんだ。こう振りかぶって動かない。もしくは動けないかもしれない。そこを俺が駆けつけて、こうズバーよ、ズバー!」
「きゃーブリアンかっこいいよー!」
ハイネは速記でもってその証言を紙に書き続けており、このままこれが公式になるかもしれないと感じていた。
それは各々の証言が曖昧かつまちまちだからである。
一番肝心なジーナは意識不明である上にその次に傍にいたルーゲン師は錫杖を破壊した際の反動で床に膝を屈したうえ光によって目が眩みただ叫ぶだけだったといい、ノイスにアルと隊員達は若干遠くこちらも室内の光の反射のために目が眩んでいてよく見えてはいなかったとしか言えなかった。
近づき見たものはブリアンの剣が刺さった龍であるも、その遺体は今はどこにも無い。龍は時間と共に光る砂のようになってそして消えたのである。
よってますます証言が重要となる。それだけが根拠となるのだから。
「あの時のブリアンはすごいんだよ。ほらあの龍の偽騎士を斬り伏せた後に反転し龍を討った。まさに英雄だよ」
ベットの角に座るキルシュが鼻高々にそう言うのをまたハイネは書きとめた。事実であるのならまごうことなく英雄である。
だが、とハイネには分かる。この人は誇張をしている、隠していると。
しかし本当ですか? とも大げさではないですか? ともハイネは口にはしないことにした。
そうでないとするのならとりもなおさずにそれは、ジーナの活躍に触れてしまうことになるからである。
そう、このまま彼は戦功を得なかったとするのならば……万が一にたとえ目覚める時が来たとしても……そうすれば……
「ツッコミが不在というのが有り難いな」
黙って書き続けているハイネに対しブリアンが言った。
「あなたが嘘をついているように……」
見えるからといったら台無しになるためにそこで口を閉ざすとブリアンは笑う。
「俺が龍を討ったことで、良いよなハイネさん」
書く必要のない言葉が続いているために手を止めていたハイネが顔をあげると、キルシュの緊張した顔と眼だけ笑っていないブリアンの顔がそこにあった。
「無論であり異論はありません。他の証言が無い以上私には疑う根拠はありませんが、報告書を出しましたら上からはまた確認があるでしょう。その時も色々なことを聞かれるでしょうが、今と同じ内容のことを丁寧な口調で語れば疑われることはないでしょう」
安堵の為かブリアンは頷くと独り言が聞こえた。
「俺じゃないと駄目だ」
小さな声であったが確かにそう聞こえた。聞きかえさずにいると、また言った。
「俺じゃないと……隊長がそうなっちまうからな」
その後ハイネは書き取りを清書している最中にブリアンのことを考えた。
キルシュは恋人が大功を得たのなら将来の出世からしてなんの文句もないだろうから、全面的にブリアンの嘘に協力するはずなのは、分かっていた。
問題はブリアンがそこまでして名誉を得たいという点が、不可解である。欲に目が眩んだ?
その点もあるだろうが、彼はそういう人間でないこともよく知ってはいる。
だからキルシュも若干心配はするものの全面的にこのことを信じ切っているのだろう。それに他の隊員も異論も反論も出しては来ない。
唯一異論を出しているのがルーゲン師であるものの、その瞬間は目をやられてしまい現在も視力が下がっているために見たと証言ができない状態である。
「それでも僕はジーナ君が龍に一太刀を振り降ろしたと、確信しています」
とはルーゲン師の繰り返し述べる想像であった。
「彼は使命を成し遂げる男ですからね。おそらくは二人の剣は同時に龍に入ったと想像されます。そうであるから二人とも衝撃を受けて昏睡したのです。より言えばジーナ君の方が致命的な一撃であったために深い眠りに入ってしまった。こう解釈することも可能でしょう。ブリアン本人の証言は夢中になっているために他が見えていなかったと言っているところでしょうが、僕は見えてはいませんがこの耳ではっきりと聞きました。彼がジーナ君に向かって龍を討つなと叫んでいたのを。ですから彼は見ているはずです。ジーナ君がその剣を振り降ろしているところを」
しかし彼らがしているのはその見ているはずなのに見えなかったという証言。
意見は対立をしている。ルーゲン師はジーナが討ったというが隊員はそれを否定している。見えにくかったが隊長は討っていない、と。
そうしたいがために全員がそう言うことで逆説的に彼が龍を討ったという証言をしているようでもあった。
「だけでもそんなのは私には関係ありませんよ、だ」
書き写しが終了し報告書を封筒に入れたあとハイネは自嘲気味に言い捨てた。
どちらが真実だろうと関係ないと。
「だってあなたは目覚めないのですからね……」
仕事はいくらでもあり、いくらやっても片付かないものの、日に日に目に見えて中央の市街地が綺麗になっていくのを眺めるのは楽しかった。
荒れ果てて収拾がつかなくなっていたものが綺麗になっていくのを見るのは良いものだ、それはまるで自分の頭の中のようにも思えるし、指示書にそちら自由裁量に任せるといった点は独断的に全てその場で決定しハイネは仕事に穴埋めにのめり込んでいく。
それでも不意に思う。かつての自分はそこまで広くあの人のことを考えていたのかということに……恐怖を覚えるほどに。
「ところでハイネ殿。ジーナの容態は如何でしょうか?」と会議や打ち合わせの際にバルツに会うと挨拶代わりにこう言われるたびにハイネは身を強張らせる。
それはもう私には関係のないことです現在看護している人からお聞きしてください、という意味を身体で表したいものだが、通じるはずもなく曖昧に首を振るにとどめた。
「ハイネ殿の時でさえ相変わらずの無反応とはな。これでは他のものやましてや俺がこれ以上行ったところでどうなることもないだろう。死んだわけではないからこのまま治療を続けるが、なにか適切な治療方法が無いものだろうかな」
あの人が来て頬でも触ったら目覚めるんじゃないですか? とハイネは内心毒づながら微笑みながら答えた。
「龍身様の御手でお触れにでもなればもしかしたら」
「ジーナに、か……」
難色を示すバルツにハイネは怪訝な顔をした。あのバルツ殿が躊躇? いつもなら龍身様の御力を誰よりも信じ出来ることならそうなさって頂きたいと言い出す方だというのに。
ましてやその相手がジーナ。龍の護衛を務め誰よりも龍のために戦ったものだと、このバルツ自身が他の誰よりも買っているというのに。
「どうなされました? 龍身様の御力なら意識を取り戻せそうではありません? 彼はあの偽龍との戦いで意識を失った、いわば最大功労者の一人ですよ」
決して擁護というわけでは……じゃあなんで自分はジーナとヘイム様の両方を擁護しているのかと混乱しながらも聞くとバルツは険しい表情を浮かべた。
「……ジーナは龍を討った。その身体で果たして龍身様の御前に出られるのかと俺は考えてしまってな。いやいや分かっている。龍身様はそのようなことは言いますまい。問題はあいつの精神のことだ。この長い眠りについて俺はこう思う。あれは龍を討ってしまった自責心が意識を失わせているのではと」
「罪の意識、ですか? 私はジーナにそのような殊勝な心はどこにも無いかなと思いますけど。だいたい彼は善悪の区別があまりついていませんし」
「ハイネ殿は見る角度が違うせいでそう思われるだろうが、俺の見るところあいつは俺に勝るとも劣らぬ篤信家の信徒だ」
あの人の忠誠はヘイム様ですよ、と言いたいのをグッと堪え、ハイネは話を打ち合わせに切り替えその場を乗り切るも、次々に会う人がみんながみんなジーナのことを話題に出したがるせいかハイネの苛々は頂点に達しそうであった。
もう、私は関係ないんですからやめてください。と叫びそうになりながらもハイネは仕事をしていると、心癒される出来事があった。
「俺が龍を討った。それはもう必殺の一撃でな」
「そうそうそうブリアンが討ったんだよ。ハイネも話を聞いてあげて」
まだ安静にしているもののすっかり元気なブリアンがそのいきさつを話しているが、ありがたいことにジーナの名前は出てこない。あの人と出るのみでしかも脇役扱いなためにハイネの神経は和らいだ。そうそう名前なんて失っちゃえばいい。
「あの人は棒立ちになって斬れないでいるんだ。こう振りかぶって動かない。もしくは動けないかもしれない。そこを俺が駆けつけて、こうズバーよ、ズバー!」
「きゃーブリアンかっこいいよー!」
ハイネは速記でもってその証言を紙に書き続けており、このままこれが公式になるかもしれないと感じていた。
それは各々の証言が曖昧かつまちまちだからである。
一番肝心なジーナは意識不明である上にその次に傍にいたルーゲン師は錫杖を破壊した際の反動で床に膝を屈したうえ光によって目が眩みただ叫ぶだけだったといい、ノイスにアルと隊員達は若干遠くこちらも室内の光の反射のために目が眩んでいてよく見えてはいなかったとしか言えなかった。
近づき見たものはブリアンの剣が刺さった龍であるも、その遺体は今はどこにも無い。龍は時間と共に光る砂のようになってそして消えたのである。
よってますます証言が重要となる。それだけが根拠となるのだから。
「あの時のブリアンはすごいんだよ。ほらあの龍の偽騎士を斬り伏せた後に反転し龍を討った。まさに英雄だよ」
ベットの角に座るキルシュが鼻高々にそう言うのをまたハイネは書きとめた。事実であるのならまごうことなく英雄である。
だが、とハイネには分かる。この人は誇張をしている、隠していると。
しかし本当ですか? とも大げさではないですか? ともハイネは口にはしないことにした。
そうでないとするのならとりもなおさずにそれは、ジーナの活躍に触れてしまうことになるからである。
そう、このまま彼は戦功を得なかったとするのならば……万が一にたとえ目覚める時が来たとしても……そうすれば……
「ツッコミが不在というのが有り難いな」
黙って書き続けているハイネに対しブリアンが言った。
「あなたが嘘をついているように……」
見えるからといったら台無しになるためにそこで口を閉ざすとブリアンは笑う。
「俺が龍を討ったことで、良いよなハイネさん」
書く必要のない言葉が続いているために手を止めていたハイネが顔をあげると、キルシュの緊張した顔と眼だけ笑っていないブリアンの顔がそこにあった。
「無論であり異論はありません。他の証言が無い以上私には疑う根拠はありませんが、報告書を出しましたら上からはまた確認があるでしょう。その時も色々なことを聞かれるでしょうが、今と同じ内容のことを丁寧な口調で語れば疑われることはないでしょう」
安堵の為かブリアンは頷くと独り言が聞こえた。
「俺じゃないと駄目だ」
小さな声であったが確かにそう聞こえた。聞きかえさずにいると、また言った。
「俺じゃないと……隊長がそうなっちまうからな」
その後ハイネは書き取りを清書している最中にブリアンのことを考えた。
キルシュは恋人が大功を得たのなら将来の出世からしてなんの文句もないだろうから、全面的にブリアンの嘘に協力するはずなのは、分かっていた。
問題はブリアンがそこまでして名誉を得たいという点が、不可解である。欲に目が眩んだ?
その点もあるだろうが、彼はそういう人間でないこともよく知ってはいる。
だからキルシュも若干心配はするものの全面的にこのことを信じ切っているのだろう。それに他の隊員も異論も反論も出しては来ない。
唯一異論を出しているのがルーゲン師であるものの、その瞬間は目をやられてしまい現在も視力が下がっているために見たと証言ができない状態である。
「それでも僕はジーナ君が龍に一太刀を振り降ろしたと、確信しています」
とはルーゲン師の繰り返し述べる想像であった。
「彼は使命を成し遂げる男ですからね。おそらくは二人の剣は同時に龍に入ったと想像されます。そうであるから二人とも衝撃を受けて昏睡したのです。より言えばジーナ君の方が致命的な一撃であったために深い眠りに入ってしまった。こう解釈することも可能でしょう。ブリアン本人の証言は夢中になっているために他が見えていなかったと言っているところでしょうが、僕は見えてはいませんがこの耳ではっきりと聞きました。彼がジーナ君に向かって龍を討つなと叫んでいたのを。ですから彼は見ているはずです。ジーナ君がその剣を振り降ろしているところを」
しかし彼らがしているのはその見ているはずなのに見えなかったという証言。
意見は対立をしている。ルーゲン師はジーナが討ったというが隊員はそれを否定している。見えにくかったが隊長は討っていない、と。
そうしたいがために全員がそう言うことで逆説的に彼が龍を討ったという証言をしているようでもあった。
「だけでもそんなのは私には関係ありませんよ、だ」
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