【R-18】17歳の寄り道

六楓(Clarice)

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第17章、千晴編

【2】スタートライン *R18

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明け方。
嵐は、過ぎ去っていた。

寝室に移り、先生の腕の中で、肌の温もりを確かめるように寄りそう。
逆境や困難があっても、この温もりがあれば立ち向かえる気すらする。

先生を取り巻く環境は、今は正直よくわからない。
惇君のこととか、そういうことは……。

うちの親は、許してくれそうな気がしてるけど、どうなんだろう。

「酒飲んで大変だったのに、こんな時間まで起こしてすまなかったな」
「いえ……こちらこそ、とんだ醜態とご迷惑を……」
「無理して飲まなくてよかったのに」

先生が私に向けてくる穏やかな瞳に、胸がきゅっとしてときめいた。

「吉川もだけどな」

よく聞いてみると、吉川先生もリバースした模様。
だから介抱した後、機嫌悪く出てきてたのか。

笑っていると、先生の胸に抱き寄せられ、すっぽりと収められる。
薄い肌掛け布団が、二人の体に軽く掛けられていて、その中で裸で引っ付く。
エアコンが効いているからちょうどいい。

「温かいな。人肌は」

先生は、私の手首をシーツに軽く縫い止めるようにして、胸にキスをした。
さっきから幾度となく繰り返される愛撫。
挿入には至らないけれど、お互いの体のどこかに触れて、また先生の太い指が、私の秘密を掻き分ける。

「あ……」

人差し指と薬指で左右に広げて、飛び出た突起に中指で蜜を塗られた。ソフトに動く中指が堪らない。
そして、私の反応は全て、藤田先生に余すところなく見つめられている。

「ん、んん……」

さっきも、その前も、もう何度いかされたかわからない。
なのに、また先生は私を弄り続け、私もそれを望んでいる。

ポーカーフェイスを少し崩している先生の姿を見ていたいから、喜んで弄られ続けている。

「あ、あ、いっちゃう、また」

先生の腕をぎゅっと掴むと、手首を返されて組み伏せられ、大きな体が入ってきた。

「あああっ、あっ」

我慢の限界だったのか、先生の少し強引な、急ぐような振る舞いにドキドキした。
浅く動かした後に深く入って来られて、息が止まりそうになる。

ぎしぎしとベッドが軋んで、先生と一つになって、獣のように交わって、愛を深めていく。

肌に触れる時間が長くなるほど、先生への想いを強くする。
それはきっと、先生も同じ。

「そこ、奥気持ちいいです……っ」
「ここか」
「ひっ……」

先生の先端が、子宮の入り口をぐりぐりと責める。
ひくひくと中が悦びを表し、先生を求めるように蠢き出し、先生も少し顔をしかめた。

「いや、そこ、そこ……っ」

首を振り、懇願するように縋りつくと、先生は私を抱き上げ、対面座位の姿勢に変わる。

下から、愛する屹立が少しの休みも許されないぐらいに私の奥を突き上げ、もっと奥に入ることを望んでいるかのように押し付けられる。

二人で溶けて一つになりたい。
体が吹っ飛ばないように固く抱き合って、私は発情期の猫の様に鳴き続けた。
逞しい体は、私を押さえながら中で暴れ続ける。

「も、もう無理、先生……」

快感の海に沈められながら、先生と視線を絡ませる。
胸と、中が連動するようにきゅうっと縮まった時、唇を情熱的に塞がれた。

「――…んーっ……」

濡れた唇が離れて私は天井を仰ぎ、先生は胸に顔を埋める。
愛する人の迸りが、まっすぐに私の中に注がれた。



同じ服で出勤するのも…ということで、やはり一度家に帰ることにした。
車のキーを握った先生が玄関で私を待っている。
家に戻るだけだけど、軽くメイクをして簡単に支度を済ませて、サンダルをはいた。

「千晴」

呼ばれて顔をあげたら、先生の胸に引き寄せられた。びっくりしたけど、嬉しくてそのままでいた。

「あの…今夜も…来ていいですか?」

スウェットの胸の中で問いかけると、先生はその腕に力を込めた後、太く節くれだった指で私の顎を上げる。
条件反射で目を閉じたら、深いキスをくれて唇が離れる。

「来たい時に来い。待ってるよ」

先生は、笑って玄関のドアを開けた。



台風一過。
風はまだ少し強いけど、空は晴れ渡り、白い雲が次から次へと流れていく。

車の窓から見える空は、晴天そのもの。
私は、隣で運転する先生に呼びかけてみた。

「さとし…さん」
「え?」
「名前で呼びたいなと思って…ダメですか?」

横顔に承諾を乞うと、先生がふっと微笑む。

「いいよ。随分前から、もう生徒じゃないしな」
「じゃあ…何ですか?」

ドキドキしながら答えを待つ確信犯的な私に、先生は苦笑していた。

「わからんな。何だろうな」
「えーっ。彼女ですよね?……結婚前提の……」

自分で言いながら、頬が赤くなった。
先生はそんな私を見て、少しだけ神妙に、でも優しげに笑う。


結婚が一筋縄ではいかないかもしれないことも、先生が心に傷を負っていることも、わかっているつもりだ。
でも、先生には、せめて私といる時ぐらいは笑っていてほしくて、努めて明るく振る舞う。

「何でこんなオヤジがいいんだか、理解に苦しむ」

と先生は自虐する。

「私もです。何でこんなに好きなのかわかんないですよ」
「フッ」

煌めく朝陽と、先生の笑顔が眩しい。
私には、その光景がこれからを表しているようにしか思えなかった。

幸せになってもいいのかな、なんて、もう言わせない。
きっと眩しいぐらい明るい未来が待っている。
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