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第4章、千晴編
【6】最初で最後の日 *R18
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「どういう意味ですか……?」
他の答えがあっても、言えない、という意味?
藤田先生はそれ以上答えようとしなかった。
言葉がないなら、顔を見せて。
藤田先生が何を考えてるのか、何でも構わないから知りたい。
「藤田先生」
窓辺に佇んでいる先生の手を後ろから引いた。
「――おい。危ないぞ」
私だけバランスを崩し、鈍い音をさせて仰向けにベッドに身を預けたが、先生は私の傍に手を付いて支えていた。
……本当に、セックスする気になれない?
先生の言葉は信用ならない。
私の傍に手をつく先生の股間に思い切って手をやり、男の昂りを確かめたら、ズボンを隔てていても分かる猛々しさが手から伝わってきた。
「……嘘つき」
本当は、先生だってエッチしたいんでしょ。
「黙れ」
私の唇から出る言葉を遮るように、藤田先生の熱い唇が押し当てられた。
私の全てを貪るような 激情的なキスを交わし、二人の吐息が混じり合う。
次第に固く抱き合い、足を絡め合った。
先生の太ももを私の膝の間に入れ込み、上下に擦り動かされた。
「あぁ…っ」
そんなこと誰にもされたことがない。
男の足で大事な部分をそんな風に刺激され、感じる事に、屈辱と劣情を煽り立てられた。
藤田先生は、私の顎を上にあげさせて、首を唇で甘く食み始めた。舌が蠢くのがたまらず、もじもじと下半身をくねらすともれなく先生の足に捕らえられてもう逃れられない。
先生の嘘つき……
したくなかったら、こんなに身体中、舐めたりしない。
藤田先生の舌が肌を滑り這いまわり、全身が性感帯にでもなったかのような快感に、どっぷりと溺れそうになる。
背中も、鎖骨も、首も、腕も、腋も、気持ちいいけれど。
「先生っ、ここも、舐めてください……」
淫楽が羞恥心を上回ってしまった私は、自らブラジャーのホックを外し、先生にお願いをした。
藤田先生の舌先が……私の乳房の先に届いた。
軽く舐め上げるのかと思えば、すぐに転がされ、含まれ、時に歯を立てられる。
目の前で繰り広げられる、何とも淫靡な情景に、先生の逞しく男らしい、筋肉質なその身体に絡みつくようにして嬌声を上げ続けた。
先生の頭を抱えながら、先生の舌の動きに翻弄され、空いた片方の胸は親指で押さえるようにして先端を潰された。
年齢を感じさせない引き締まった身体は、娘ほどの女の胸を貪るために、しなやかに背を丸めている。
「先生も…脱いで」
先生も、下着一枚になった。
伸縮性のある、体型にフィットしたパンツをはいていて、その形が卑猥に浮き上がっていて……堪らず手を伸ばす。
「あ…硬い………」
「俺のはいい」
手を取られて返されてしまった。
先生は続けて私の胸を舐め回す。大好きな人にはしたない姿を晒しながら、乳首を愛撫されているだけなのに、もう挿れてほしい。
力任せでもいい、先生が今膨らませているそれを、早く私に。
「先生、挿れてください」
「焦るな。……そんなに欲しいのか?」
「…は、はいっ…」
「まだだ」
「………っ」
叶えてもらえない落胆で、先生の前に力なく跪く。
先生は、天を仰ぐほどになっている自身のものなど気に留めないような涼しい顔で、私に「脱げ」と言い放った。
「はい…脱ぎます」
黒いショーツに指を掛け、ゆっくりと引き下げる。
先生の目には、私の恥ずかしい毛が見えているはずだ。
その年齢を重ねた渋みのある目元に見られているだけで、熱く感じてしまう。
「足を開け」
「はい…」
先生の太い指がゆっくり弧を描きながら、はしたなく濡らし光らせている私の秘密に侵入した。
「――――あ」
藤田先生の指が止まった。
何かに気付いたような顔をしている。突然のストップに戸惑いながら、私は先生の指先に視線を移した。
もうすぐ、来るとは思っていたけど、少し早めに月のものが来てしまったようだった。
「………どちらにせよ、今日は無理だな」
先生が手を洗いに立つ。
私はまだ甘い吐息が残ったまま、重たい体を起こして、一応準備していたナプキンをバッグの中から取った。
周りを確認したが、シーツは汚していないし、穢したのは先生の指だけだったようだ。
先生が戻る前に再び下着をつけ、ワンピースを着る。
……先生は、私とセックスしたかったのか、したくなかったのか、結局どっちだったんだろう。
何を考えているのかが見えなくて、辛いけど知りたくて、こんな男にはまってもきっと何もいい事がないと思うのに抜け出せない。
ベッドの程良い柔らかさとひんやりしたシーツの感触に、目を閉じて身を預ける。
すると藤田先生が戻ってきて、私に背を向け服を着始めた。
「……帰るんですか?」
気だるく横たわったまま尋ねれば、先生は私の近くに腰を落とす。
「須賀が帰りたいなら帰るよ」
帰りたいわけないのに……。
近くにあった分厚い手に、自分の手をそっと重ねてみた。
「一緒にいたいです。夜まででいいので…」
「…そうか」
「生理が終わったらまた、会ってほしいです」
先生にしてみれば、今日のこの時間を私にくれたことで約束を果たした事になっているのかもしれないけれど、まだ、先生と全然つながってない。
藤田先生は肩を落として溜息をつき、重ねた私の手を握るような仕草をした。
「……お前は、手に入らない物が欲しいだけだろう。大した経験もないのだから、俺を満足させる事もできないだろうし、俺には何のメリットもない。風俗に行く方が余程気楽だ」
冷たい言葉が並ぶが、全然耳に入らない。
じゃあ、なぜそんなに優しく手を握るの?
「風俗行ってるんですか?奥さんは…?」
素直な疑問を口にすると、藤田先生は訝しげな目を私に向けた。
「もののたとえだ。俺にとってお前とのセックスなど価値がないと言っているのがわからないのか」
「…………」
わからない。
そんな言葉で牽制したって、今握りしめている先生の手は温かくて優しいよ。
じゃあ、先生は何でここにいてくれるの?
他の答えがあっても、言えない、という意味?
藤田先生はそれ以上答えようとしなかった。
言葉がないなら、顔を見せて。
藤田先生が何を考えてるのか、何でも構わないから知りたい。
「藤田先生」
窓辺に佇んでいる先生の手を後ろから引いた。
「――おい。危ないぞ」
私だけバランスを崩し、鈍い音をさせて仰向けにベッドに身を預けたが、先生は私の傍に手を付いて支えていた。
……本当に、セックスする気になれない?
先生の言葉は信用ならない。
私の傍に手をつく先生の股間に思い切って手をやり、男の昂りを確かめたら、ズボンを隔てていても分かる猛々しさが手から伝わってきた。
「……嘘つき」
本当は、先生だってエッチしたいんでしょ。
「黙れ」
私の唇から出る言葉を遮るように、藤田先生の熱い唇が押し当てられた。
私の全てを貪るような 激情的なキスを交わし、二人の吐息が混じり合う。
次第に固く抱き合い、足を絡め合った。
先生の太ももを私の膝の間に入れ込み、上下に擦り動かされた。
「あぁ…っ」
そんなこと誰にもされたことがない。
男の足で大事な部分をそんな風に刺激され、感じる事に、屈辱と劣情を煽り立てられた。
藤田先生は、私の顎を上にあげさせて、首を唇で甘く食み始めた。舌が蠢くのがたまらず、もじもじと下半身をくねらすともれなく先生の足に捕らえられてもう逃れられない。
先生の嘘つき……
したくなかったら、こんなに身体中、舐めたりしない。
藤田先生の舌が肌を滑り這いまわり、全身が性感帯にでもなったかのような快感に、どっぷりと溺れそうになる。
背中も、鎖骨も、首も、腕も、腋も、気持ちいいけれど。
「先生っ、ここも、舐めてください……」
淫楽が羞恥心を上回ってしまった私は、自らブラジャーのホックを外し、先生にお願いをした。
藤田先生の舌先が……私の乳房の先に届いた。
軽く舐め上げるのかと思えば、すぐに転がされ、含まれ、時に歯を立てられる。
目の前で繰り広げられる、何とも淫靡な情景に、先生の逞しく男らしい、筋肉質なその身体に絡みつくようにして嬌声を上げ続けた。
先生の頭を抱えながら、先生の舌の動きに翻弄され、空いた片方の胸は親指で押さえるようにして先端を潰された。
年齢を感じさせない引き締まった身体は、娘ほどの女の胸を貪るために、しなやかに背を丸めている。
「先生も…脱いで」
先生も、下着一枚になった。
伸縮性のある、体型にフィットしたパンツをはいていて、その形が卑猥に浮き上がっていて……堪らず手を伸ばす。
「あ…硬い………」
「俺のはいい」
手を取られて返されてしまった。
先生は続けて私の胸を舐め回す。大好きな人にはしたない姿を晒しながら、乳首を愛撫されているだけなのに、もう挿れてほしい。
力任せでもいい、先生が今膨らませているそれを、早く私に。
「先生、挿れてください」
「焦るな。……そんなに欲しいのか?」
「…は、はいっ…」
「まだだ」
「………っ」
叶えてもらえない落胆で、先生の前に力なく跪く。
先生は、天を仰ぐほどになっている自身のものなど気に留めないような涼しい顔で、私に「脱げ」と言い放った。
「はい…脱ぎます」
黒いショーツに指を掛け、ゆっくりと引き下げる。
先生の目には、私の恥ずかしい毛が見えているはずだ。
その年齢を重ねた渋みのある目元に見られているだけで、熱く感じてしまう。
「足を開け」
「はい…」
先生の太い指がゆっくり弧を描きながら、はしたなく濡らし光らせている私の秘密に侵入した。
「――――あ」
藤田先生の指が止まった。
何かに気付いたような顔をしている。突然のストップに戸惑いながら、私は先生の指先に視線を移した。
もうすぐ、来るとは思っていたけど、少し早めに月のものが来てしまったようだった。
「………どちらにせよ、今日は無理だな」
先生が手を洗いに立つ。
私はまだ甘い吐息が残ったまま、重たい体を起こして、一応準備していたナプキンをバッグの中から取った。
周りを確認したが、シーツは汚していないし、穢したのは先生の指だけだったようだ。
先生が戻る前に再び下着をつけ、ワンピースを着る。
……先生は、私とセックスしたかったのか、したくなかったのか、結局どっちだったんだろう。
何を考えているのかが見えなくて、辛いけど知りたくて、こんな男にはまってもきっと何もいい事がないと思うのに抜け出せない。
ベッドの程良い柔らかさとひんやりしたシーツの感触に、目を閉じて身を預ける。
すると藤田先生が戻ってきて、私に背を向け服を着始めた。
「……帰るんですか?」
気だるく横たわったまま尋ねれば、先生は私の近くに腰を落とす。
「須賀が帰りたいなら帰るよ」
帰りたいわけないのに……。
近くにあった分厚い手に、自分の手をそっと重ねてみた。
「一緒にいたいです。夜まででいいので…」
「…そうか」
「生理が終わったらまた、会ってほしいです」
先生にしてみれば、今日のこの時間を私にくれたことで約束を果たした事になっているのかもしれないけれど、まだ、先生と全然つながってない。
藤田先生は肩を落として溜息をつき、重ねた私の手を握るような仕草をした。
「……お前は、手に入らない物が欲しいだけだろう。大した経験もないのだから、俺を満足させる事もできないだろうし、俺には何のメリットもない。風俗に行く方が余程気楽だ」
冷たい言葉が並ぶが、全然耳に入らない。
じゃあ、なぜそんなに優しく手を握るの?
「風俗行ってるんですか?奥さんは…?」
素直な疑問を口にすると、藤田先生は訝しげな目を私に向けた。
「もののたとえだ。俺にとってお前とのセックスなど価値がないと言っているのがわからないのか」
「…………」
わからない。
そんな言葉で牽制したって、今握りしめている先生の手は温かくて優しいよ。
じゃあ、先生は何でここにいてくれるの?
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