【R-18】17歳の寄り道

六楓(Clarice)

文字の大きさ
上 下
28 / 128
第1章、碧編

【28】誓い *R18

しおりを挟む
村上先生に奉仕した以上に、夢中になって遥のそれを口に含んだ。
熱くて硬い、遥の…
私の手に遥の手が重なる。

「やべー…ちょっと…」

こんな形でしか愛を伝えられない。どこにも行ってほしくない想いを、その行為にぶつける。

「碧…このまま出していい?」
「ん…」

返事をするかしないかぐらいで口の中でビュッと弾け、生暖かい愛しいものが広がった。迷わずにごくっと飲み干し、口からこぼれたそれも指ですくう。

「飲んだんだ…」
「うん」
「エロいな~…。あの白川さんがこんなエロいとはなぁ…」
「あの白川さんって何?」
「A組のオナペットだからな」
「だから、それ何なの…」

くすくす笑ったら、遥はふうと息を吐いて、私を抱きしめた。

「あーあ、離れたくねえな…」
「うん…一緒にいたい」

負けじと、私も遥を抱きしめる。

「碧も連れていけねーかな…」
「……行きたいよ」

義父からも離れて、全て捨てて遥の元へ。……いいなあ、それ…
凛太と母は心配だけど…毎日怯えなくていい生活は、精神的にとても楽だろうな。
と、空想に想いを馳せる。

「……夏休み、来たら?母親にも言っとくし」
「遥の家に泊まるの?」
「そう、母親の実家。ばあちゃんもいるよ。めっちゃ怖えーけど」
「ふふふっ。会ってみたいなぁ」

隣にいた遥が、私の後ろから抱えるように抱きしめた。耳に遥の唇が触れる。

「好きだよ」

遥に好きだと言われると涙が出て、自分の愚かさに悲しくなる。

「もーいいよ、泣くな」
「ごめんなさい…」
「謝んな。休みは会いに来るし…」
「うん…電話、いっぱいしていい?」
「当たり前だろ」

もう、心が弱っても、絶対にふらふらしないから。
これからは遥だけ見てる。

言葉にすると軽くなるから、口にはしない。
でも、これで終わりじゃない。

遥と、ここから始めたい。



「碧が家脱け出したの、バレてねぇのかな」
「バレてないんじゃない?電話も来ないし。…どうせ、お母さんは、お義父さんとラブラブだろうし…」
「へえ、いいじゃん。両親仲いいのか」
「んー…」

うちの家族については、村上先生には話したが、遥には話していなかった。義父について日々感じていることを、悩み相談にならないように明るく話した。心配をかけたくなかったのだ。
遥は、じっと聞きいるように耳を傾けてくれた。

「そっか。碧もいろいろあるんだな」
「あはは。……気ー使うよね…。みんなの幸せを考えたらさぁ…。何も言えないよ、不満なんて。お母さんの幸せそうな顔見てたら、嫌だなんて、言えないよ」

おどけて話す私に、遥は無言で、ひたすら頭を撫でる。
それは、少し痛いぐらいで。
「痛いよ、遥…」と笑った。

「俺も、普段はつまんねーことで反抗してんのに、ここぞの時には言えなかったな。母親には言えなかったよ。ここ残りたいなんて。それに、父親も女いるしさ…。邪魔かなって思うじゃん」

私と遥の心がシンクロするようで、痛い。
ぎゅっと遥を抱きしめたら、遥も手を止めて私を抱きしめる。

嫌だ、悲しい、ってわめけたら楽なのに、自分の心を押し殺して我慢してしまう。
遥も、私も。

「私、遥の実家の近くに進学する。2年後家出る」
「許してくれるのかよ、親が」
「がんばる。進学じゃなくても、どうにか自立する方法探す。遥には迷惑かけないから…」
「いいじゃん、迷惑かけてよ。浮気以外ならな」

ぐにーっと鼻をつままれ、痛くて飛び上がった。
「いい気味だ」と笑う遥は本当に楽しそうで、私も鼻を押さえながら笑った。

目標ができた。

卒業したら、親から自立して、遥のそばにいること。
先の事はどうなるかわからないが、こんなに強い意志を抱くのは初めてで、大嫌いだった自分のことを、少しだけ誇らしく思えた。



また、遥の後ろにつかまって自転車に乗り、家まで帰った。

今日は新月。月明かりはない代わりに星空が広がっている。
どうか、遥と未来も一緒にいられますようにと何度も願った。

家の前につき、遥が自転車を止めてくれている後ろ姿を見ていると、胸が熱くなって抱きしめた。

「そんな寂しい?」

にやにやしてる遥。さみしいよと素直に答えたら、正面から強く抱きしめてくれた。

「あーあ、碧がベタベタすっから勃ってきちゃったじゃん」

遥らしい受け答えに愛しさが湧く。

「……じゃあ……部屋、おいでよ。」

初めての仲でもないし、さっきなんて高架下であんなことをしたのにも関わらず、私は処女のようにドキドキしながら遥を誘った。

「……うん。行く」

また、泥棒さながら屋根から自分の部屋に侵入すると、窓の鍵は開いたままでホッとした。
部屋の中も変わっていない。

暗さに目が慣れていたので、電気をつけずに汚れた靴下を脱ぐ。遥も靴を脱いでさっきの雑誌の上に置いた。
両親はもう隣の部屋で寝ているはずだ。声は出せないから、囁き声でそっと名前を読んだ。

「遥……」

遥が、ポケットから何かを取り出して、私に託す。
カサっと音がしたそれは、前に買っていたコンドーム。

枕元に置いとけと言われて、言うとおりに置いた。
遥は服を脱ぎ捨て、ベッドに座っている私の服を一枚一枚脱がせてゆく。

二人とも全て脱ぎ捨てて、固く抱きしめあった。遥のものが憤りながら私の足の付け根に当たる。少し腰を引くと、わざと追いかけてくるように当てられ、肌で硬さを感じた。

「すごいね、硬い…」

遥のものを撫でるようにするすると触れる。握り動かすと、遥の吐息が耳にかかった。
遥は、甘い吐息と共に私の耳たぶを唇で食む。

「ん…っ…」

声は出してはいけないので、遥は私の唇を辿って触れながら指を咥えさせた。
私はそれを舐めながら、遥のものを揺すり動かしてゆく。

遥の片手が、私の太ももを滑って、温かく潤んだ茂みに容易に辿りつく。すっと指を動かして、上の方にある突起を撫でつけた。

「んううっ…」

ビンビン強く迫るそこへの刺激に、くぐもる声を出しながら、遥の指をしゃぶりつくす。
遥は私の唇から手を離し、突起を触る手を通過して、今度は潤みの中へ指を沈めた。

遥は両手で、私の大事なところを攻め立てる。
ぐーっと中指を挿れ、ゆっくりと弧を描く様に中を掻き混ぜ始めた。

「あーっ…ああ、遥、遥、…」

そんなに激しくしたら、私…
規則的に水音がして、あそこが蕩け出してしまいそう。

「親に聞こえるよ。いいのかよ…」
「―――っ…」

聞こえたら、絶対にダメ。
そう言いながらも、遥は手を休めずに私の反応を愉しんでいるようにも見えた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...