ゴミ捨て場で男に拾われた話。

ぽんぽこ狸

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 ここにきてから何度も繰り返された行為だけあって、ボクの体は異物を飲み込むのに慣れきって、今では軽く弄られただけでも背筋がぞわぞわして、快感を生む。

「っ、……、」

 視線を上げると、テレビでは可愛い子犬の特集が始まっていてなんとも、いたたまれない気持ちになる。せめてテレビを消したいのに、テーブルは動かされて、リモコンはここから手が届かない。

「ユキ、この体勢だと力は入っちゃうから、四つん這いになって」

 指を引き抜かれながら言われて、その体勢になることへの羞恥心よりもテレビから目を背けたい気持ちの方が勝って、大人しく床に手をつく。

「ん。いいこ、力抜いててね」
「……ぅ、ん」

 足をもう少し前に出したかったのだが、ズボンが突っ張って、上手く動けない。何かされるとわかっていても、女々しく振り返るのは、なんとなく嫌で、大人しく目をつむって待った。

 そうすると、後孔にたっぷりとローションのついた、何かが押し当てられて、その感覚にすこし力んでしまっても意外と簡単に中に入ってくる。

 ボクの中に押し入ってきた無機質な物は、変な形をしているようで、先っぽが入ると少しずつ細くなっていって、さほど長さはなく苦しくない位置で止まる。

「ユキ、大丈夫?」
「だ、いじょぶ。なに、これ」
「んー。玩具だよ。エネマ、知ってるでしょ?さっきそういう話、聞いたんだって言ったもんね」
「え?……あ、あー。や、えっと」

 ……根に持ってる。セージのやつ絶対に根に持ってる。確かに、なんかこう自慢げに言ってしまったのは事実だが、実際はまったく詳しくなんてない。

 情けない体勢で言い訳を必死で考えていると、セージはボクの中に入れたエネマという物を、なじませるように出し入れして、奥まで入れた後、軽く回転させる。

 形状が、直線ではなく少し湾曲しているようで、なかで壁を押し広げてぐにぐにと動いているのがわかる。

「、な、にしてっ」
「ちょっとね」
「っつ、……、ぅ、く」

 さすがに中に挿れられたものをぐるぐる動かされると変な感じがする。それに、普通に、指やセージの物を挿れられた時にはありえない動きに、無機物を挿れられているんだと、嫌でも自覚する。

「、ぅ、やめ。……っあ!」
「ん、ここだね」
「っう、ア、んんっ、ぅ」

 制止しようとした瞬間に、脊髄にびりびりとした快感が走って思わず声を漏らす。どうやらセージはボクがよく感じてしまうイイところを玩具で刺激できるように探っていたらしく、軽くエネマを動かされるだけで、甘ったるくて、正常な思考など容易にかき消す快楽が体を包む。

「っくあ、ッ、ひぁ」
「あはは、かわいい。きもちいいねぇ、ユキ」
「あっ、ああ、う、や」

 セージはボクの臀部を軽くさすって機嫌よさげに言うが、ボクの方は、もうセージの手は、エネマに触れてないし、なにもされていないのに、びりびりと弱い電撃のような、快楽がとまらない。

 気持ちがよくて、中に力を入れると、エネマが勝手に動いて、イイところを緩く刺激してくる。

「な、なんっ、あう、や。ああっ、おなかっ、おかし、ひっ」

 たまらなくなって、突っ伏すとその動きだけで、エネマが気持ちいい場所をくるっとセージが指でやるみたいに刺激して、体がビクビクと跳ねる。

「おかしくないよ。合ってる。そういう玩具だからね。さて、ズボン上げようね」

 荒く呼吸をして、快楽をどうにか感じないようにお腹に力を入れないよう、動かずにいるのに、セージはそんなボクにお構いなしに、途中まで下げてあったズボンを下着ごと引っ張って、強引に履かせる。

 後ろからボクを抱え込むようにして、きっちりとジッパーを上げて、ベルトまで止めた。



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