20 / 42
20
しおりを挟む家に帰ってからの私はまだ立ち直れずに考えこんでいた。
なんでそんな事になったのか?私はなんでそんな中途半端なところで命を落としてしまったのか?考えれば考えるほど悔しくて堪らなかった。
そしてそれは本当に私?織田信長なのか・・
そう考えるともっと詳しく知りたいと思い始めた。
そんな時、机の上の(パソコン)が目に入った。
「そうだこれがあるじゃないか!」
歌奈に使い方は教えてもらったが文字がよく分からないので、もっと学んでから使ってみようと思っていたが、自分の名前くらいは憶えておこうと書き写していたのが役に立ちそうだ。
教わった手順通りに黙々と進め「のぶなが」といれてみる「変換」だよな・・「信長」でた!そして「検索」でた!思いもかけず沢山の「信長」が出てきた!
覗き込むが…そうだ!字が読めない!
でも諦めたくない!
「やっぱり歌奈に聞こう!」
私は自分の部屋を出て歌奈の部屋を叩き話しかけた。
「歌奈ごめん。ちょっと気になった事があるから教えて欲しいんだ。」
開いた扉の向こうの歌奈は心配そうな表情を浮かべていたが、ためらいながらも私が検索した内容を細かく読んでくれた。
その内容を聞いていて自分がどんどん落ち込んでいくのが分かった。
気まずい空気が漂う中、淡々と話していた歌奈は暫くすると「三郎もういいよね」と言って部屋を後にした。
何度聞いても、何を見ても同じ史実だ。
私はその織田信長だった。
何も考えられなかった。ただただ情けなくなり。聞かなきゃよかったとさえ思った。
しかし、今の自分も情けなくこの時代に逃げて来た愚か者なのに、未来でも志を達成できずに中途半端に死んでしまうとは情けない・・もうその言葉しか浮かばなかった。
「織田三郎信長はなんて馬鹿な奴なんだ・・」思わず呟いた。
周りの明るさに目が覚めた。
どうやら寝てしまったらしい。
窓の外に目を移すとまばゆいばかりの太陽が燦燦と輝いている。
太陽はいつの時代も同じなんだな・・そんな事を思いながら暫くその光を浴びていると昨晩の憂鬱はどこかに行ってしまったように穏やかな気持ちになった。
考えてみれば・・中途半端に終わってしまう私の人生だが、その中でこんな体験が出来るなんて、これこそが誰にも真似がが出来ない貴重な人生ではないのか?
そうだ!こんな事は他の誰もしたことなはないはずだ!
この人生の中でこんなにも貴重な経験をしてるんだ!なのに落ち込んでなんていたらバチがあたる。短い人生だ。もっと楽しまなくちゃもったいない!
そして思い出した。
今度またこの時代に戻れたなら、次は絶対にここに来た意味を、尻込みせずにちゃんと探そうと決めたはずじゃなかったのかと・・
そう思うと自然と笑みがこぼれ、何だか吹っ切れた!
気持ちが落ち着くとある疑問が頭をよぎる。
昨日の二人の態度からすると、もしかして、歌奈と秀一は私の正体に気付いているのかもしれない・・
(話してみようかな?)
ふと、そんな気持ちが湧いて来た。
気を取り直した私は別人のように勉強をし直した。
過去も現在もそしてこれから起こりうるであろう未来も・・
もちろん、歴史だけではない他の事も貪欲に吸収していった。
今度、私の世界に戻ったなら躊躇いなくこの未来の良いとこ取りで尾張を豊かにする為に・・
そうこうしているうちに、あっという間に2か月が過ぎ・・
また新たな疑問が湧いて出た。
(そういえば前回はちょうど3か月で尾張に戻ったよな?もしかすると今回も三か月で戻るとか?そんな事じゃないのか?)
もしそうだとしたら・・自分はこんなに悠長に過ごしていて良いのだろうか?と、焦りが出る。
そうだった・・この現象はいつ終わるか分からない。こんなにのんびり構えていたら折角の貴重な時間を無駄にしてしまう。この2か月間、確かに色んな事を学んだがまだまだ足りない。
そしてまた、三か月で尾張へ戻ってしまうのだとしたら、こんなにのんびりなんかしていられない!
考えた挙句・・やはり歌奈と秀一に真実を打ち明けようと私は決心した。
なんでそんな事になったのか?私はなんでそんな中途半端なところで命を落としてしまったのか?考えれば考えるほど悔しくて堪らなかった。
そしてそれは本当に私?織田信長なのか・・
そう考えるともっと詳しく知りたいと思い始めた。
そんな時、机の上の(パソコン)が目に入った。
「そうだこれがあるじゃないか!」
歌奈に使い方は教えてもらったが文字がよく分からないので、もっと学んでから使ってみようと思っていたが、自分の名前くらいは憶えておこうと書き写していたのが役に立ちそうだ。
教わった手順通りに黙々と進め「のぶなが」といれてみる「変換」だよな・・「信長」でた!そして「検索」でた!思いもかけず沢山の「信長」が出てきた!
覗き込むが…そうだ!字が読めない!
でも諦めたくない!
「やっぱり歌奈に聞こう!」
私は自分の部屋を出て歌奈の部屋を叩き話しかけた。
「歌奈ごめん。ちょっと気になった事があるから教えて欲しいんだ。」
開いた扉の向こうの歌奈は心配そうな表情を浮かべていたが、ためらいながらも私が検索した内容を細かく読んでくれた。
その内容を聞いていて自分がどんどん落ち込んでいくのが分かった。
気まずい空気が漂う中、淡々と話していた歌奈は暫くすると「三郎もういいよね」と言って部屋を後にした。
何度聞いても、何を見ても同じ史実だ。
私はその織田信長だった。
何も考えられなかった。ただただ情けなくなり。聞かなきゃよかったとさえ思った。
しかし、今の自分も情けなくこの時代に逃げて来た愚か者なのに、未来でも志を達成できずに中途半端に死んでしまうとは情けない・・もうその言葉しか浮かばなかった。
「織田三郎信長はなんて馬鹿な奴なんだ・・」思わず呟いた。
周りの明るさに目が覚めた。
どうやら寝てしまったらしい。
窓の外に目を移すとまばゆいばかりの太陽が燦燦と輝いている。
太陽はいつの時代も同じなんだな・・そんな事を思いながら暫くその光を浴びていると昨晩の憂鬱はどこかに行ってしまったように穏やかな気持ちになった。
考えてみれば・・中途半端に終わってしまう私の人生だが、その中でこんな体験が出来るなんて、これこそが誰にも真似がが出来ない貴重な人生ではないのか?
そうだ!こんな事は他の誰もしたことなはないはずだ!
この人生の中でこんなにも貴重な経験をしてるんだ!なのに落ち込んでなんていたらバチがあたる。短い人生だ。もっと楽しまなくちゃもったいない!
そして思い出した。
今度またこの時代に戻れたなら、次は絶対にここに来た意味を、尻込みせずにちゃんと探そうと決めたはずじゃなかったのかと・・
そう思うと自然と笑みがこぼれ、何だか吹っ切れた!
気持ちが落ち着くとある疑問が頭をよぎる。
昨日の二人の態度からすると、もしかして、歌奈と秀一は私の正体に気付いているのかもしれない・・
(話してみようかな?)
ふと、そんな気持ちが湧いて来た。
気を取り直した私は別人のように勉強をし直した。
過去も現在もそしてこれから起こりうるであろう未来も・・
もちろん、歴史だけではない他の事も貪欲に吸収していった。
今度、私の世界に戻ったなら躊躇いなくこの未来の良いとこ取りで尾張を豊かにする為に・・
そうこうしているうちに、あっという間に2か月が過ぎ・・
また新たな疑問が湧いて出た。
(そういえば前回はちょうど3か月で尾張に戻ったよな?もしかすると今回も三か月で戻るとか?そんな事じゃないのか?)
もしそうだとしたら・・自分はこんなに悠長に過ごしていて良いのだろうか?と、焦りが出る。
そうだった・・この現象はいつ終わるか分からない。こんなにのんびり構えていたら折角の貴重な時間を無駄にしてしまう。この2か月間、確かに色んな事を学んだがまだまだ足りない。
そしてまた、三か月で尾張へ戻ってしまうのだとしたら、こんなにのんびりなんかしていられない!
考えた挙句・・やはり歌奈と秀一に真実を打ち明けようと私は決心した。
371
お気に入りに追加
1,207
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
君は妾の子だから、次男がちょうどいい
月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。


《完結》愛する人と結婚するだけが愛じゃない
ぜらいす黒糖
恋愛
オリビアはジェームズとこのまま結婚するだろうと思っていた。
ある日、可愛がっていた後輩のマリアから「先輩と別れて下さい」とオリビアは言われた。
ジェームズに確かめようと部屋に行くと、そこにはジェームズとマリアがベッドで抱き合っていた。
ショックのあまり部屋を飛び出したオリビアだったが、気がつくと走る馬車の前を歩いていた。

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜
高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。
婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。
それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。
何故、そんな事に。
優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。
婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。
リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。
悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる