上 下
2 / 4
モブの日常

2 日中でもモブの周りは暗い

しおりを挟む
 学校に着くと僕は駐輪場に自転車を止め、大抵は教室に着くまで誰とも会いませんようにと心の中で唱えている。これは高校になってから始めてのことであり、僕自身もびっくりしている。中学の頃はこんな事を微塵も思った事は無かったのに、何故か僕は高校に入学して人を怖がるようになっていた。

 教室に入ると先に来ていた友達とすれ違っても、挨拶をせずに自分の席に直行する。そしてカバンを机の横に掛け、しばらくフリーズすると、心配症の僕はすぐさま持ち物が揃っているかチェックし、朝提出すべき物を机の上に揃えて友達のところへ行く。
 友達の席に来たときは、既に円を作って何やら楽しい話をしている。遅れてきた僕にはその話が何なのかは分からない。

 日によって授業の間の休みは何をするかは変わってくる。その日の授業に小テストを実施する授業があった場合は1人でそのテストの勉強をすることが多い。後の授業に小テストが無かったりすると、僕は友達と8人ぐらいで集まって雑談をする。そこで偶に人の愚痴や人をバカにするようなことをコソコソと話す時がある。恐らく、一緒に話しているみんなが愚痴の対象を嫌っているとは思えないが、僕は嫌いな人ができたことが無いから愚痴を言う人の気持ちが分からない。多分僕に嫌いな人ができないのは自分の事が嫌いだからかな?

 お弁当を食べる時はみんなで一緒に食べる。やっている事は授業間の休みと大して変わらない。

 午後は眠いね、昼食をとったあとの授業とかは本当にきつい。
 放課後は僕の中で1番仲のいい友達と残って勉強することがある。あくまでも僕の中での1番ね……何でか僕はこんな事ばかり気にしてしまう。僕は多分誰かの1番にでもなりたいんだろう。ここら辺は僕も自分がよくわからない。
 クラスには学級委員長という存在がどこにでもいるだろう。もちろん、僕のクラスにもいる。彼は僕が入学したときから委員長になるだろうなと思っていたぐらい、まさに委員長という雰囲気を醸し出している。だがそれと裏腹にとても天然な一面がある。でもそれ以外は完璧だ。学園小説を書くときがあったら、僕は彼がモデルの委員長を書くだろう。そんな委員長は誰にでも優しい、僕のようなモブにも話しかけてくれる。とても尊敬できる人だと思う。

 僕は学校では恐らく存在感が薄い。急に居なくなっても誰も気づかないかもしれない……こんな事を考えている時点で僕は頭がおかしい。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【一話完結】3分で読める背筋の凍る怖い話

冬一こもる
ホラー
本当に怖いのはありそうな恐怖。日常に潜むあり得る恐怖。 読者の日常に不安の種を植え付けます。 きっといつか不安の花は開く。

【短編】怖い話のけいじばん【体験談】

松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。 スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》

小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です ◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ ◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます! ◆クレジット表記は任意です ※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください 【ご利用にあたっての注意事項】  ⭕️OK ・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用 ※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可 ✖️禁止事項 ・二次配布 ・自作発言 ・大幅なセリフ改変 ・こちらの台本を使用したボイスデータの販売

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

処理中です...