モース10

藤谷 郁

文字の大きさ
上 下
22 / 82
妄想の産物

しおりを挟む
「モース」 1~9+10   mie(三原峰子)・作



 この小説はドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースが考案した鉱物の硬度の基準値となる「モース硬度計」になぞらえて展開していく。

 モースの硬度計は10段階に分けられていて、それぞれに決まった鉱物がある。

 最もやわらかい鉱物は滑石である。これが硬度1の指標となる鉱物だ。滑石よりも一段階硬い指標となっているのが石膏で、これは硬度2。


 例えば、あなたがある鉱物を手にしているとする。硬度1の滑石でこすっても傷が付かないが、硬度2の石膏でこすると傷が付いたとする。


 その場合、あなたの持っている鉱物の硬度は1.5(1と2の範囲内にある硬さ)ということになる。


 硬度計はこのようにして鉱物の硬度を測るために、広く使われている。



 <参考>

  1・滑石

  2・石膏

  3・方解石

  4・蛍石

  5・燐灰石

  6・正長石

  7・石英

  8・トパーズ

  9・コランダム

 10・ダイヤモンド



 ※修正モース硬度という15段階に修正したものもある。


 同人誌「モース」の第一冊目は、硬度1の指標となっている滑石のイメージどおり白い表紙である。

 二冊目は石膏のイメージ、三冊目は方解石のイメージ……という具合に、表紙の色合い、あるいは材質は変化していく。


(カラーバリエーションのある石の場合は、製作者mieのセンスで決められているようだ)



 タイトルに関しては以上の通り。

 次に、肝心の内容について。



 小説「モース」には、二人の美しい男が登場する。

 都内の一流企業に入社したばかりの新卒社員のシン(22)と、その上司であるケイ(30)

 頭が良く真面目だが、繊細で大人しい性格のために仕事でも恋愛でも同期社員からかなりの後れを取っているシン。

 そんな彼に目を付け……もとい目をかけて、特別な研修指導を熱心に行うのが新人教育係でもある直属の上司ケイだ。

 仕事の要領、チャンスの生かし方、人間関係の調整などなど、ノーマルなテーマから指導をしつつ、恋愛の領域にまで踏み込んで、その辺りから段々とケイは本性を見せ始める。


 いつの間にか、その指導の舞台はオフィスからケイの屋敷へと移行する。ケイは世界でも有数の大財閥一族の御曹司であった。

 信頼する上司に、広大な屋敷の奥へと連れ込まれ、恋愛指南と称する愛の手ほどきを受けることになってしまったシン。


 彼は無理やり純潔を奪われ、傷付き、ショックを受ける。

 そんなわけで、二人の絆は初めはとても脆い。

 だが、ケイの情熱的かつ巧みな指導を受けるうちに、愛に目覚めはじめるシン。

 広大な屋敷に夜な夜な響き渡るのは、シンの絶頂を迎えた叫び声。いつしかケイの胸にも、欲望だけでなく、本物の愛情が芽生えていた。


 二人は狂ったように愛し合い、次第にその絆は強く硬く、結実していった。

 そう……ダイヤモンドのように!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ホリカヨは俺様上司を癒したい!

森永 陽月
恋愛
堀井嘉与子(ホリイカヨコ)は、普段は『大奥』でオハシタとして働く冴えないOLだが、副業では自分のコンプレックスを生かして働こうとしていた。 そこにやってきたのは、憧れの郡司透吏部長。 『郡司部長、私はあなたを癒したいです』 ※他の投稿サイトにも載せています。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

トップシークレット☆桐島編 ~お嬢さま会長に恋した新米秘書~

日暮ミミ♪
恋愛
大財閥〈篠沢(しのざわ)グループ〉本社・篠沢商事に勤める25歳の桐島貢(きりしまみつぐ)。 彼は秋のある夜、上司の代理で出席した会社のパーティーで、会長令嬢で高校2年生の篠沢絢乃(しのざわあやの)に一目惚れ。 その三ヶ月後、会長・篠沢源一が末期ガンでこの世を去る。 葬儀の日、父の遺言により会長の後継者となった絢乃を支えるべく、秘書室へ転属する旨を彼女に伝える。 絢乃は無事、会長に就任。会長付秘書として働くことになった貢はある日、会社帰りの愛車の中で絢乃に衝動的にキスをしてしまい――!? 草食系男子の年上秘書×キュートな10代の大企業総帥による、年の差オフィスラブストーリーのヒーローサイド。

如月さんは なびかない。~片想い中のクラスで一番の美少女から、急に何故か告白された件~

八木崎(やぎさき)
恋愛
「ねぇ……私と、付き合って」  ある日、クラスで一番可愛い女子生徒である如月心奏に唐突に告白をされ、彼女と付き合う事になった同じクラスの平凡な高校生男子、立花蓮。  蓮は初めて出来た彼女の存在に浮かれる―――なんて事は無く、心奏から思いも寄らない頼み事をされて、それを受ける事になるのであった。  これは不器用で未熟な2人が成長をしていく物語である。彼ら彼女らの歩む物語を是非ともご覧ください。  一緒にいたい、でも近づきたくない―――臆病で内向的な少年と、偏屈で変わり者な少女との恋愛模様を描く、そんな青春物語です。

そこは優しい悪魔の腕の中

真木
恋愛
極道の義兄に引き取られ、守られて育った遥花。檻のような愛情に囲まれていても、彼女は恋をしてしまった。悪いひとたちだけの、恋物語。

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」

処理中です...