モース10

藤谷 郁

文字の大きさ
上 下
6 / 82
彼女はオタク

しおりを挟む
 協力なボスたちが仲間に配下となった。
 1人目はガルム。彼はデスナイトという種族で、アンデッドを従わせることができる。その巨体と大きな剣で数多の冒険者を殺してきた猛者だ。
 2人目はリリス。彼女は赤髪のサキュバスで、ヴァンパイアを率いている。彼女はなんと言ってもそのボディ。体の半分以上が露出していて率直に言ってエロい!
その魅惑のボディで何人もの男冒険者の血を吸ってきたらしい。
 3人目はポコ。彼は元々冒険者で、名の知れたテイマーだったらしい。しかしダンジョンで裏切りに会い、気がつくとダンジョンボスになっていたようだ。彼の見た目は冒険者だったときの若い少年の姿から歳を取らなくなったらしい。だが見た目が少年だからと侮ってはいけない。彼が従える魔物はどれもSランク冒険者を倒せるほどの強さを持っており、レッドドラゴンをも従えている。
 4人目はシモン。彼の素顔はマスクで隠されており、この世界には見合わないようなスーツを着ている。彼の正体はドッペルゲンガーであり、他人になりすますことができるようだ。彼は一流のアサシンを従えており、探検中の冒険者を誰にも気づかれることなく殺す、すなわち暗殺が得意らしい。
 最後はローズ。彼女はウィッチで、メイジ達を率いている。彼女もポコと同様見た目は幼女のままで、魔法で歳を取らなくしているようだ。彼女は魔法の階級でいちばん高い黒魔法を使える。魔法には初級、中級、上級、神級、そして黒魔法がある。その中でもいちばん強い黒魔法は、その魔法ひとつで山を消せる威力があるようだ。
 そんな最強の彼らを俺はケーレスと名付けた。
それぞれ順にアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンと名乗ってもらうことにした。
 

 「それではケーレスよ、ダビネスへと帰還するぞ。」


 俺達はダンジョンを後にし、ダビネスへと戻り始めた。
 道中、リリスとローズがなぜか喧嘩をしていた。


 「ああーん♡愛しのレオ様。私達を自由にしてくれるなんてなんて慈悲深き御方。」
 

 「リリス、そのみだらな格好いい加減やめんか。」


 ローズが呆れながらそう言うとリリスが反論する。


 「あなたこそ歳を取らなくなるとかいう狡いことはやめたらどうですの?」


 「なんだと?わしが何歳だろうとお主には関係ないだろう!」


 「でしたら私がどんな格好をしていようと勝手でしょう。」


 「ぐぬぬぬぬ…!」


 2人は睨み合い、口論し、睨み合ってを繰り返していた。そこを魔王様は誰のものでもない、とガルムが間に入って止めてくれた。
 ようやくダビネスについたが、街のあちこちから煙が出ているのが見えた。何事かと急いで街に入ると、そこには瓦礫の山となり、あちらこちらに血だらけのエルフが倒れている無惨な光景が。そのままコロシアムへ行くと、そこには倒れているザバスとブリザードの姿があった。トッツォが生存確認をする。すると奇跡的に2人ともまだ生きていた。レオは急いで2人を安全なところに移動させ、エレーナに治療させる。他の息のあるエルフたちも次々と担ぎ込まれてきた。彼らを1人ずつ治療していく。その時、ブリザードが目を覚ました。レオは何があったのか聞く。


 「共和国軍です。奴らが攻め込んできました。守りきれず申し訳ございません。」
 

 「そんな謝罪はいらん。奴らの情報を詳しく教えろ。」


 「はい、奴らは新兵器を開発していました。その名もデストロイヤー。デストロイヤーはスターマインという鉱石を動力源とし、その巨大な砲身からは強力な魔力を放ちます。」


 奴らはこのために鉱石を採取してたのか…クソ!
 レオの体から凄まじい魔力がじわじわと出始める。それは魔力を感じた元ダンジョンボスのケーレスでさえ怯えさせるほどだった。


 「これがレオ様の魔力…!ああん♡ますます虜になってしまいそう…。」


 「ブリザード、奴らはどこに向かった。」


 「奴らは南、ホープシティへと向かったと思われます。」


 ホープシティ…そのホープ希望とやらを絶望に変えてやるとしよう。
 レオは椅子から立ち上がると落ち着いた声で話す。


 「ケーレス、早速仕事の時間だ。ホープシティに行って奴らを皆殺しにしてこい。誰一人として逃がすな。そして市民にはダビネスに来てこの俺に永遠の忠誠を誓うように言え、刃向かった場合は殺せ。」


 落ち着いた声ではあったが、その奥には静かなる怒りが現れていた。


 「奴らに絶対なる死をもたらせ!」


 「「御意!」」


 ケーレスは一斉にダビネスを後にした。
 共和国のクズ共に死を与えてやる…。

 
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

魔石と神器の物語 ~アイテムショップの美人姉妹は、史上最強の助っ人です!~

エール
ファンタジー
 古代遺跡群攻略都市「イフカ」を訪れた新進気鋭の若き冒険者(ハンター)、ライナス。  彼が立ち寄った「魔法堂 白銀の翼」は、一風変わったアイテムを扱う魔道具専門店だった。  経営者は若い美人姉妹。  妹は自ら作成したアイテムを冒険の実践にて試用する、才能溢れる魔道具製作者。  そして姉の正体は、特定冒険者と契約を交わし、召喚獣として戦う闇の狂戦士だった。  最高純度の「超魔石」と「充魔石」を体内に埋め込まれた不死属性の彼女は、呪われし武具を纏い、補充用の魔石を求めて戦場に向かう。いつの日か、「人間」に戻ることを夢見て――。

夕陽を映すあなたの瞳

葉月 まい
恋愛
恋愛に興味のないサバサバ女の 心 バリバリの商社マンで優等生タイプの 昴 そんな二人が、 高校の同窓会の幹事をすることに… 意思疎通は上手くいくのか? ちゃんと幹事は出来るのか? まさか、恋に発展なんて… しないですよね?…あれ? 思わぬ二人の恋の行方は?? *✻:::✻*✻:::✻* *✻:::✻*✻:::✻* *✻:::✻*✻:::✻ 高校の同窓会の幹事をすることになった 心と昴。 8年ぶりに再会し、準備を進めるうちに いつしか二人は距離を縮めていく…。 高校時代は 決して交わることのなかった二人。 ぎこちなく、でも少しずつ お互いを想い始め… ☆*:.。. 登場人物 .。.:*☆ 久住 心 (26歳)… 水族館の飼育員 Kuzumi Kokoro 伊吹 昴 (26歳)… 海外を飛び回る商社マン Ibuki Subaru

10 sweet wedding

国樹田 樹
恋愛
『十年後もお互い独身だったら、結婚しよう』 そんな、どこかのドラマで見た様な約束をした私達。 けれど十年後の今日、私は彼の妻になった。 ……そんな二人の、式後のお話。

大好きな幼馴染と結婚した夜

clayclay
恋愛
架空の国、アーケディア国でのお話。幼馴染との初めての夜。 前作の両親から生まれたエイミーと、その幼馴染のお話です。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

エリート警察官の溺愛は甘く切ない

日下奈緒
恋愛
親が警察官の紗良は、30歳にもなって独身なんてと親に責められる。 両親の勧めで、警察官とお見合いする事になったのだが、それは跡継ぎを産んで欲しいという、政略結婚で⁉

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...