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大炎上!?(その1)
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7月半ばの日曜日。
希美と壮二は結婚準備とデートを兼ねて街へ出かけた。
午前中は新居となるマンションの仮契約をし、午後は結婚式場の予約である。日頃からよく相談していたので、スムーズに進めることができた。
「さてと。式場の予約も済んだし、あとはデートタイムね。壮二、とりあえずお茶でも飲まない?」
「それではティールームに寄りましょう。美味しいパンケーキがあるそうですよ」
「ほんと? 食べたい食べたい」
子どものようにはしゃいで壮二の腕に絡みつく。結婚を秋に控えた今、ちょっとしたことで気分が浮き立ってしまう。
それに、彼には素直に甘えられる。幸せいっぱいの今日この頃なのだ。
ティールームはホテルの10階にあり、窓から街が見渡せる。梅雨明けしたばかりだが、外は真夏の太陽が輝き、気温がうなぎのぼりだ。
エアコンの効いたティールームは少し涼しすぎるくらいなので、希美はパンケーキと温かい紅茶を頼んだ。
「それにしても、細野家と縁が切れて本当に良かった。契約も白紙に戻せたし、両親もホッとしてるわ」
「役員から反発があると思いきや、意外にすんなり契約解消できましたね」
壮二は微笑むと、運ばれてきた紅茶をひと口飲んだ。希美はパンケーキを切り分けて、ぱくりと頬張る。
「もともと海山商事との契約は、反対の声が多かったのよ。大企業なだけに経営陣が傲慢で、やりにくかったんだって」
「そうなんですか。でも、社長が役員の反発を受けなくて良かったです」
「販売先の開拓はスタートに戻っちゃったけどね。ふふ……結果オーライってところかな」
「結果オーライ?」
希美は楽しそうに笑い、壮二を見つめた。
「もしかしたらね、お父様はグラットンとの取引を始めるかもしれない」
「え……」
壮二は驚いた顔で希美を見返す。
「そんな話があるんですか?」
「ううん、具体的にはまだなにも……その可能性があるってことよ。細野家のパーティーで、お父様がグラットンの社長と挨拶したのは知ってるわよね?」
「はい」
「ノルテフーズと業務提携して販路を広げたいと、向こうから提案されたんだって。社交辞令かもしれないけど、お父様は前向きにとらえてるみたいよ」
「……」
「それにグラットンは結局、海山商事の販売委託を断ったそうなの。グラットンの社長も、細野家とはウマが合わないのかもね」
希美と壮二は結婚準備とデートを兼ねて街へ出かけた。
午前中は新居となるマンションの仮契約をし、午後は結婚式場の予約である。日頃からよく相談していたので、スムーズに進めることができた。
「さてと。式場の予約も済んだし、あとはデートタイムね。壮二、とりあえずお茶でも飲まない?」
「それではティールームに寄りましょう。美味しいパンケーキがあるそうですよ」
「ほんと? 食べたい食べたい」
子どものようにはしゃいで壮二の腕に絡みつく。結婚を秋に控えた今、ちょっとしたことで気分が浮き立ってしまう。
それに、彼には素直に甘えられる。幸せいっぱいの今日この頃なのだ。
ティールームはホテルの10階にあり、窓から街が見渡せる。梅雨明けしたばかりだが、外は真夏の太陽が輝き、気温がうなぎのぼりだ。
エアコンの効いたティールームは少し涼しすぎるくらいなので、希美はパンケーキと温かい紅茶を頼んだ。
「それにしても、細野家と縁が切れて本当に良かった。契約も白紙に戻せたし、両親もホッとしてるわ」
「役員から反発があると思いきや、意外にすんなり契約解消できましたね」
壮二は微笑むと、運ばれてきた紅茶をひと口飲んだ。希美はパンケーキを切り分けて、ぱくりと頬張る。
「もともと海山商事との契約は、反対の声が多かったのよ。大企業なだけに経営陣が傲慢で、やりにくかったんだって」
「そうなんですか。でも、社長が役員の反発を受けなくて良かったです」
「販売先の開拓はスタートに戻っちゃったけどね。ふふ……結果オーライってところかな」
「結果オーライ?」
希美は楽しそうに笑い、壮二を見つめた。
「もしかしたらね、お父様はグラットンとの取引を始めるかもしれない」
「え……」
壮二は驚いた顔で希美を見返す。
「そんな話があるんですか?」
「ううん、具体的にはまだなにも……その可能性があるってことよ。細野家のパーティーで、お父様がグラットンの社長と挨拶したのは知ってるわよね?」
「はい」
「ノルテフーズと業務提携して販路を広げたいと、向こうから提案されたんだって。社交辞令かもしれないけど、お父様は前向きにとらえてるみたいよ」
「……」
「それにグラットンは結局、海山商事の販売委託を断ったそうなの。グラットンの社長も、細野家とはウマが合わないのかもね」
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