万の称号を持つ男 〜称号が全てを決める世界〜

しょう

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ディモンの過去

13話 神罰のダンジョン 4層 予言の子

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「どけ!邪魔だ!」

「フゴッ!?」

オニキス達の場所から離れたディモンは、出会ったオークを、マジックバックから取り出した予備の剣で、斬り殺しながら、急いでダンジョンの外に向かっていた

「(っ!不味い!魔力が…このままだと、外に出る前に、【身体強化(聖)】が切れる!)」

ダンジョンの外に向かうディモンは、自身の残り魔力が残り少ない事に気付き、【身体強化(聖)】が、あと僅かで切れる事に怯えながら、走るスピードを上げた


「っ、あった!」

「…ふふふ!逃さないよ!」

「なっ!」

外に逃げる為、ダンジョンの中を、猛スピードで走り抜けていたディモンは、3層に続く階段を見付け、嬉しそうに階段に近づいて行ったが、ディモンが階段に着く前に、オニキスがディモンの横を通り過ぎ、階段を塞ぐ様に、ディモンの前に立ち塞がった

「クソっ!どけ!」

階段を塞がれたディモンは、悔しそうにしながら、オニキスに向かって剣を振り下ろした

「ふふふ、遅いよ」

オニキスは、ディモンの剣を横に避け、そのままディモンの腹を剣で突き刺した

「ぐっ…この!」

「おっと、無駄だよ」

腹を剣で刺されたディモンは、オニキスの剣を持つ腕を斬ろうと剣を振ったが、オニキスは腹に刺さった剣を抜きながら、ディモンの剣を避けた

「ゲホッ…クソっ…俺は…こんな所で…終わる気は無いぞ…っ!」

腹に刺さった剣を抜かれたディモンは、口から血を吐き出し、剣を抜かれた場所を手で触り、血がべったり付いた手を見た後、剣を振り被りながら、オニキス向かって動き出した

「アハハハ!そんな怪我じゃ!もうまともに動けないでしょ!!もう終らせてあげる!!【瞬歩】…アハっ!アハッハッハッハッハッ!!」

オニキスは、自身に向かって来るディモンを、馬鹿にした様子で笑った後、【瞬歩】を使ってディモンに近付き、笑いながら剣を振り、ディモンの全身を斬り付け始めた

「ぐぁあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」

全身を斬り付けられたディモンは、全身を斬られた痛みで叫び声を上げた

「アッハ!死なれたら困るから、このぐらいで終らせてあげる」

ディモンの全身の斬り付けたオニキスは、全身の至る所から血を流すディモンを見て、ディモンを斬り付けるのを止め、剣を鞘に戻した

「…(ハハ…この出血は助からないな…俺は…ここで…死ぬのか…)」

オニキスが、斬るのを止めた瞬間、ディモンは前のめりで地面に倒れ込み、意識を朦朧とさせながら、地面に飛び散った血を見て、自身の死期を感じ取った

「アッハハ、じゃぁ、行こうか」

オニキスは、地面に倒れ込んだディモンの髪を掴み、ディモンを引きずりながら、レオンハルトがいる場所に向かい始めた

「(…母さん…ローナ婆ちゃん…親父…悪い、俺はここまでみたいだ…ごめんな…何もしてやれなくて…親不孝者で本当にごめんなさい…)」

死期を感じ取ったディモンは、オニキスに引きずられながら、心の中で、アルティーナとローナ、ボルドに謝りながら、涙を流した



「アッハハハ!王子!連れてきましたよ!」

レオンハルトの下に戻ったオニキスは、レオンハルトに近付き、ディモンをレオンハルトの前に投げ捨てた

「おお!よくやったオニキス!…ん?っ!フッハッハッハッ!!此奴!泣いているではないか!!何だ!死ぬのが怖いか!?」

レオンハルトは、ディモンを連れてきたオニキスを褒めた後、自身の前に投げ捨てられたディモンに近付き、ディモンが涙を流している事に気付き、馬鹿にした様子で笑いながら、ディモンの顔を覗き込んだ

「うぅ゙…(コイツは…クソ王子か…)ぷっ」

ディモンは薄く目を開け、目の前にいるレオンハルトに気付き、レオンハルトの顔目掛けて、唾を吐いた

「っ~!此奴!この私の顔に!このっ!」

「ぐぁ」

唾を顔に吐かれたレオンハルトは、唾を顔に付けられた事に怒り、ディモンの全身を蹴り始めた

「たかが平民が!」

「ぐぁ」

「この私の!」

「ぐっ」

「顔に!」

「うっ」

「唾を!」

「がっ」

「付けるなど!」

「ぐぁ」

「万死に値する!」

「ぐぁ」

全身を蹴られたディモンは、苦しそうに顔を歪める事しか出来なかった

「ふぅ~ふぅ~ふぅ~…おい!剣を寄越せ!」

ディモンを蹴り終えたレオンハルトは、横にいる騎士に、剣を寄越す様命令した

「は、はい!…どうぞ王子」

レオンハルトに命じられた騎士は、慌てて剣を鞘から抜き、レオンハルトに近付き、剣を手渡した

「うむ…さて、お前に1つ良い事を教えてやろう」

剣を受け立ったレオンハルトは、ディモンの身体を踏み付けた

「ぐっ…な゙ん゙だ…」

身体を踏み付けられたディモンは、苦しそうにしながらも、殺気の籠った目で、レオンハルトを睨み付けた

「っ…ふん、私達がお前を殺そうとする本当の目的はな、お前が予言の子だからだ」

ディモンに、殺気の籠った目で睨み付けられたレオンハルトは、一瞬怯えた様子を見せたが、ディモンの状態を見て、ディモンには何も出来ないと思い、平静を装い、ディモン見ながら、予言の子であることを伝えた

「予言だど…ぞれが俺と…どう関係ずる?」

レオンハルトの話を聞いたディモンは、予言の子の意味がわからず、苦しそうにしながら質問した

「フッハッハッハッ!気になるか?今から約19年前!予言を司る神、アポロン様がある予言をした!…《剣都リューズにて、偽りの王を殺し、正当なる王を生み出す子が生まれる!》と」

ディモンが、苦しそうに質問する様子を見たレオンハルトは、嬉しそうに笑いながらディモンに顔を近づけた後、両手を広げ、上を見ながら、予言を司る神、アポロンが予言した内容を話した

「っ…ぞれが俺だと?」

予言を司る神、アポロンの予言の内容を聞いたディモンは、ショックを受けた表情を浮かべながら、自分がその予言の子なのか質問した

「そうだ!そして、それを聞いた神達は、我ら王家にこう神託を告げた!《その子供を殺せ!》と!」

ディモンに質問されたレオンハルトは、命令を受けた時の事を思い出し、狂った様子の笑みを浮かべた

「な゙ら…何故赤子のゔちに殺ざながった?」

レオンハルトの言葉を聞いたディモンは、苦しそうにしながら、何故赤子の内に殺さなかったのか質問した

「私達王家も、最初はそうするつもりだったさ!だが!アポロン様はそれを禁止し、我らにこう神託を告げ《赤子の内に殺そうとすれば、王家は甚大な被害を被る事になる、故に、生まれた子が大人になった時、その者を罠に嵌めて殺せ!》と…我らに被害が出ぬ様、神託を告げて下さるなんて…なんと慈悲深いお方なのだ…アポロン様、感謝します」

ディモンに質問されたレオンハルトは、苛立った様子で、ディモンを踏み付ける力を強くし、アポロンが話した内部を話した後、ディモンから足を退け、手を胸の前で握り、祈りの姿勢を取りながらアポロンに感謝を捧げた

「フッハハハ!狂信者め゙!…お゙前達が…信仰する神ごそ…偽りの神だろ!」

アポロンに、祈りを捧げるレオンハルトを見たディモンは、馬鹿にした様子で笑い、苦しそうに身体を起こしながら、レオンハルトを睨んだ

「なんだと!もう一度行ってみよ!」

ディモンの言葉を聞いたレオンハルトは、怒った様子でディモンの腹を蹴った

「ぐっ…ごふっ…ふふ…愚かだな…平民の゙…殆どは知ってい゙るぞ…嘗て…偽り゙の神に…封印ざれだ…真なる…神の゙ごとは!」

レオンハルトに蹴られたディモンは、地面に倒れ込み、口から血を吐いた後、レオンハルトを憐れんだ目で見ながら、平民が子供の頃に教わる、真なる神の事を話した

「っ!そんなもの!神を恨む者達が作った!作り話だ!」

ディモンの話しを聞いたレオンハルトは、一瞬顔をしかめたが、直ぐに怒った表情を浮かべ、ディモンの話しを否定した

「ふふ…お゙前達が…信じる神話ごぞ…偽り゙の神が作っだ…作り゙話だ…ごふっ…(ああ…これはもう、駄目だな…)」

話しを否定されたディモンは、レオンハルト達が信じる神を、馬鹿にしながら話した後、口から血を吐き、意識を朦朧とさせながら、自身が吐いた血を見ながら気絶した

「っ~!この!背信者め!」

「ふふふ、この子は殺らせないよ」

「っ!誰だ!」

レオンハルトは、自身が信じる神を馬鹿にされた事に怒り、怒りのままに剣を振り上げた瞬間、何処からか、女性の声が聞こえ、慌てて周りを見渡した

「貴方が知る必要はないわ!」

レオンハルトとオニキス、騎士の3人が周りを見渡していると、もう一度女性の声が聞こえたと同時に、レオンハルト達がいる場所全体に風が吹き、気絶したディモンを風が包み込み、そのままディモンを持ち上げた

「「「「「なっ!」」」」」

「っ!逃がすな!」

「「「「はっ!」」」」

レオンハルトとオニキス、騎士の3人は、いきなり持ち上げられたディモンに驚きの表情を浮かべ、直ぐにレオンハルトが、ディモンを捕まえるよう命令し、オニキスと騎士達は、ディモンに向かって走り出した

「邪魔はさせないわ!」

「「「「くっ」」」」

オニキスと騎士達が、ディモンに向かって走り出しすと、女性の声と共に、地面から何本も土で出来た腕が現れ、オニキスと騎士達を捕まえた

「さぁ、お逃さない」

オニキスと騎士達が捕まると、女性の声の主は、ディモンを包み込んでいる風を操り、巨大な穴を使って、ディモンを逃がそうとし始めた

「っ!逃がさんぞ!」

「お前は引っ込んでなさい!」

ディモンが上に運ばれて行くのを見ていたレオンハルトは、急いでディモンに向かって走り出したが、女性の声の主は、オニキス達を捕まえている、土で出来た腕を操り、レオンハルト殴り飛ばした

「ぐっ…がっ!」

殴り飛ばされたレオンハルトは、壁に激突し、そのまま気を失った

「「「「王子!この!…くっ!」」」」

オニキスと騎士達は、気を失ったレオンハルトの下に行く為に、自身を捕まえている土で出来た腕を壊そうとしたが、何も出来ず、悔しそうに顔を歪めた

「これで…」

「困りますな、その者には死んでもらわないと」

「なっ!」

レオンハルトとオニキス、騎士達を無力化した女性の声の主が、安心した様子で、ディモンを上に運んでいると、男の声がその場に響き、男の声を聞いた女性の声の主は、驚きの声を上げた


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