万の称号を持つ男 〜称号が全てを決める世界〜

しょう

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ディモンの過去

11話 神罰のダンジョン 4層

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「…うっ…痛っ」

3層ボス部屋で、丸一日気絶していたディモンは、身体に走る痛みで、気絶から覚めた

「…ここは?」

気絶から覚めたディモンは、身体を起こし、周りを見渡した

「…そうだ、ダンジョンに来てたんだ」

周りを見渡していたディモンは、地面に座り直し、頭を押さえながら、ダンジョンに来ていた事を思い出した

「…痛っ…クソっ…」

ダンジョンに来ている事を思い出したディモンは、立ち上がろとしたが、全身に走る痛みのせいで立ち上がることが出来ず、悔しそうにしながら、マッジバックに手を入れた

「…あった…よし…」

ディモンは、マジックバックから中級回復ポーションを取り出し、地面に座った後、中級回復ポーションを飲んだ

「すぅ~ふぅ~、すぅ~ふぅ~」

中級回復ポーションを飲んだディモンは、息を整えながら、全身の痛みが消えるのを待った


「…よし!」

全身の痛みが消えたのを感じ取ったディモンは、立ち上がり、ボス部屋を見渡した

「おっ!宝箱!」

ボス部屋を見渡していたディモンは、部屋の奥に鉄で出来た宝箱を見付け、嬉しそうに近付いて行った


「さて、中身は何だ…ちっ!」

鉄で出来た宝箱に近付いたディモンは、宝箱の中身を、楽しみにしながら蓋を開けたが、入っていた物を見て、嫌そうな表情で舌打ちをした

「何で…何で…マジックバックが出てくるんだよ!!」

ディモンは、身体を震わせながら、宝箱に入っていたマジックバックを取り出し、地面に向かって思いっ切り叩き付けた

「クソっ!…初級のマジックバックなんて、売れても金貨1枚だろうが!!こっちは【身体強化(強)】まで使ったんだぞ!!なのに初級のマジックバックとか、マジでふざけんな!!」

ディモンは、地面に叩き付けたマジックバックを、悪態を付きながら雑に拾い、自身が持つマジックバックに、適当に仕舞い、怒った様子で文句を言いながら、4層に続く階段を降り始めた


 ~4層~

「…さて、4層は何が出るかな」

4層に降りたディモンは、何時でも戦えるように、剣を片手で持ち、周りを警戒しながら、奥へと進み始めた

「フゴッフゴッ!」

「げっ、オーク」

ディモンが奥に進んでいると、奥の分かれ道から、棍棒を持ったオークが現れ、オークを見たディモンは、嫌そうな表情を浮かべた

「オークはマジで無理…」

嫌そうな表情でオークを見ていたディモンは、オークに気づかれない様、静かに後に下がり始めた

「…ぅぉぉぉおおおお!!死ねオーク!!」

「フゴッ!」

ディモンが静かに後に下がっていると、1人の男が、オーク目掛けて走って来て、オーク目掛けて剣を振り下ろしたが、オークは手に持っていた棍棒でガードした

「なにっ!防がれた!!ちっ!」

剣を振り下ろした男は、オークに剣を止められた事に、驚きの表情を浮かべ、慌ててオークから距離を取った

「(…アホだろアイツ、叫びながら来たら、普通に気づかれるだろ)」

ディモンは、慌ててオークから距離を取った男の反応を、呆れた様子で見ていた

「おっ!そこの君!一緒にオークを倒さないか!!」

ディモンが呆れた様子で男を見ていると、オークに斬り掛かった男は、ディモンに気付き、大声でディモンに声を掛けた

「フゴッ!?」

男がディモンに声を掛けた事により、オークは、後にいるディモンに気づいた

「(なっ!アイツ!!ふざけんな!!ぶっ殺すぞ!!)ちっ!お前!借り一つだぞ!!」

オークに気付かれたディモンは、内心声を掛けてきた男を罵倒しながら、オークと戦う為に、渋々剣を構えた

「分かった!外に出たら飯を奢る!」

ディモンの言葉を聞いた男は、笑顔で元気よく答えた

「フゴッ!フゴッフゴッ!!」

ディモンと男のやり取りを見ていたオークは、いきなりディモン目掛けて走り出した

「何でこっち来んだよ!普通斬り掛かった方だろ!!【身体強化(小)!】」

ディモンは、自身に向かって来るオークに文句を言いながら、【身体強化(小)】を使い、オーク目掛けて走り出した

「フゴッ!?フゴッ!!」

オークは、自身に向かって来るディモンに、最初は驚いたが、舐められたと感じ、怒った様子でディモン目掛けて棍棒を振り下ろした

「喰らうか!【瞬歩】!」

ディモンは、【瞬歩】を使い、自身目掛けて振り下ろされた棍棒を避け、そのまま男の方に、走り抜けた

「…おい、なんで今動かなかった?」

男の前まで行ったディモンは、オークが動いた後、全く動かなかった男に不審を抱き、胸ぐらを掴み怒った様子で質問した

「いやぁ~君1人で倒せると思って」

ディモンに、胸ぐら掴まれた男は、悪びれた様子も無く、笑顔で答えた

「ちっ、なら後は好きにしろ…【瞬歩】!」

男の反応を見たディモンは、胸ぐらを掴んでいる手を離し、【瞬歩】を使って、その場を離れて行った

「えっ!?ちっょと!君!」

男は、慌ててディモンを止めようとしたが、ディモンは止まらず、そのままその場を離れて行った

「フゴッ!!」

「…【剣技一閃】、はぁ~、駄目だったか」

「フゴ…」

「出来ればオークと戦っている間に殺したかったけど…」

ディモンが居なくなった後、男は背後から襲いかかって来たオークの首を、【剣技一閃】を使い切り飛ばし、残念そうにディモンが向った方を見た後、気配を消してディモンの跡を追い始めた


「…アイツは要注意だな、アイツの目、俺を品定めしてやがった」

男から離れたディモンは、後ろを警戒しながらダンジョンを進んでいた

「フゴッ!」

「ちっ、【剣技上段斬り】!」

ディモンがダンジョンを進んでいると、前から一匹のオークが現れ、ディモンは【剣技上段斬り】を使い、オークの肩から腹までを、真っすぐ斬り裂いた

【剣技上段斬り】は、初級剣士の称号を持つと、最初に覚える事ができる技

「うっ、くっさ!」

オークを斬り殺したディモンは、オークから流れる血の臭いを嗅いで、嫌そうに鼻を手で塞いだ

「(出来ればこのまま放置したいが、オークの肉は結構高く売れるんだよな…)」

ディモンは、鼻を手で塞いだまま、オークの亡骸を見ながら、オークの亡骸をどうするか考えていた

「(はぁ~、仕方ない、さっき手に入れたマジックバックに仕舞うか)」

ディモンは、マジックバックから、初級のマジックバックを取り出し、オークの亡骸をマジックバックに仕舞った

「ちっ、まだ臭うな」

オークの亡骸を、マジックバックに仕舞ったディモンは、鼻を塞ぐのを止め、まだ少し血の臭いが残る場所から、速歩きで離れて行った


「…見付けた、やっぱり繋がっていたか」

途中、何度もオークに襲われながら、ダンジョンを進んでいたディモンは、巨大な穴を見付け、上からロープがぶら下がっているのを確認した

「(…ロープが3層から4層まで繋がっているという事は、この穴は、最下層まで繋がってるとみて良いだろうな)」

ディモンは、ロープを引っ張りながら、巨大な穴を覗き込んで居た

「…誰か!!助けてくれ!!」

ディモンが巨大な穴を覗き込んでいると、1人の男がオークに追われながら、ディモンの方に走って来ていた

「っ!あの顔!…こっちに来るな!!」

ディモンは、オークに追われている男の顔を見て、驚いたが、直ぐに剣を構え男目掛けて殺気を放った

「っ、何故そんな事をする!頼む!助けてくれ!」

ディモンの殺気を受けた男は、一瞬ディモンを睨んだが、直ぐに助けを求める顔に戻り、助けを求めながら、ディモンに近づいて来た

「俺が気付いてないと思っているのか!!このクソ王子が!!」

ディモンは、近づいて来るレオンハルトと距離を取りながら、何時でもレオンハルトを斬れるように、剣を上段で構えた

「っ!…はぁ~、何だ気づいていたのか…おい、オークはもういらん、殺しておけ」

ディモンの言葉を聞いたレオンハルトは、少し驚いた様子でディモンを見た後、演技を止め、ディモンを見ながら、後に向かって命令を出した

「「はっ!」」

レオンハルトが命令をすると、隠れていた3人の騎士が現れ、2人の騎士がオークを殺しに向った

「…さて、確かディモンだったな、悪いがお前には死んでもらう!」

2人の騎士が、オークを殺しに向った後、レオンハルトは、1人残った騎士から剣を受け取り、ディモンに向かって走り出した

「なめるな!【身体強化(強)】!」

ディモンは自身に向かって来るレオンハルトに対抗する為に、【身体強化(強)】を使い、王子に向かって走り出した

「なっ!王子!駄目です!」

1人残った騎士は、ディモンが【身体強化(強)】を使った事に驚きの表情を浮かべ慌ててレオンハルトを守ろうと動き出した

「死ね!」

「おっと!それは駄目ですよ!」

ディモンはレオンハルトに近づき、レオンハルトの首目掛けて剣を振り下ろしたが、ディモンの剣がレオンハルトの首に当たり前に、オークを一緒に殺そうと言った男が、王子とディモンの間に現れ、ディモンの剣を自身が持つ剣で受け止めた

「ちっ!(こいつ!…強い!)」

剣を受け止められたディモンは、素早く後に下り、いきなり現れた男を警戒しながら見ていた

「オニキス!何故邪魔をする!!」

ディモンに首を斬られ掛けていた事に、気付いていないレオンハルトは、いきなり目の前に現れたオニキスを見て、邪魔をされたと感じ、オニキスに文句を言った

「王子!それは違います!オニキス殿は王子を守ったのです!」

レオンハルトがオニキスに文句を言っていると、レオンハルトを守ろうと動き出した騎士が、レオンハルトの側に行き、オニキスが王子を守った事を伝えた

「お前は何を言っている!オニキスが俺を守った?ふざけた事を言うな!」

オニキスに守られたと言われたレオンハルトは、側に来た騎士に向かって文句を言った

「はぁ~、レオンハルト王子、ここは私が殺るので下がっていてください」

レオンハルトが、騎士に文句を言っているのを見ていたオニキスは、呆れた様子で王子見ながら、後に下がる様に伝えた

「なっ!オニキス!無礼だぞ!」

オニキスに後に下がれと言われたレオンハルトは、怒った様子でオニキスに向かって剣を突き付けた

「はぁ~…おい、王子を下がられせろ」

王子に剣を突き付けられたオニキスは、王子を見ず、ディモンを警戒しながら、横目で騎士を見て、王子を下がらせるよう威圧しながら命令した

「は、はい!」

オニキスに威圧されながら命令された騎士は、慌てて王子の腕を掴み、後に下がり始めた

「おい!離せ!無礼だぞ!…聞いているのか!!私が離せと言っているのだ!!」

「・・・・・・・・・・・・」

騎士に引っ張られているレオンハルトは、自身の腕を掴んでいる騎士に文句を言ったが、騎士はレオンハルトの言葉を無視して、レオンハルトを連れ、後に下がり続けた




 説明

 ディモンが住んでいる世界では、マジックバックは、最も出回っているマジックアイテムの1つであり、親が子供が成人した時に、必ず渡す習慣がある

 マジックバックのランク

 初級マジックバック 2畳分の容量が入る
 中級マジックバック 4畳分の容量が入る
 上級マジックバック 8畳分の容量が入る
 英雄級マジックバック 2畳分の容量が入り、時間停止の技能がある
 伝説級マジックバック 4畳分の容量が入り、時間停止の技能がある
 神級マジックバック 8畳分の容量が入り、時間停止の技能がある


 ディモンが住む世界のオークの血は、かなり臭く、ほとんどの冒険者は、オークと戦う事を嫌がるが、オークの肉は滋養強壮の効果があり、高値で取引されている



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