異世界転生漫遊記

しょう

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林王の領域

254話 過去編 ルーティアの荷物

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「お願いします!私に成長する機会を下さい!」

ハルスの執務室を跡にしたルーティアは、セバスに自身の考えを話し、ハーデス王国に連れて行ってくれと頭を下げて頼み込んだ

「…分かりました…私の責任で、ルーティア様をハーデス王国に連れて行きましょう」

セバスは、ルーティアの話を聞き、ルーティアの覚悟を感じ取り、ルーティアの覚悟に答えるために、自身の責任で連れていくことを決めた

「っ…ありがとうございます!」

ルーティアは、セバスの返事を聞き、一瞬嬉しそうにしたが、セバスの責任という言葉にプレッシャーを感じ、真剣な表情で感謝を伝えた

「いえ…それより、私達は明日出発しますけど、ルーティア様も一緒に行くなら、出発の準備をした方が…」

セバスは、夜遅くに来たルーティアが、一緒に行ける準備をしていないと思い、今から準備をさせるのは申し訳ないと思いながら、出発の準備をする事をすすめた

「っ!直ぐに準備してきます!」

ルーティアはセバスの言葉を聞き、出発の準備をする為に、慌てて自身の部屋に向かった


「…ふぅ~、まさかルーティア様が、ハーデス王国に来たがるとは…やはり、あの怪物の力を知ってしまったからでしょうね…ふぁ~…あの怪物は、今頃いったい何処に居るのでしょう…」

セバスは、出発の準備をしに向かったルーティアを見送った後、部屋の中に戻り、寝間着に着替え、ベッドの上に寝転び、ゴルを殺した怪物の事を考えながら眠りについた



「…急ぎなさい!もう出発しますよ!」

「「「「「「了解です!」」」」」」

翌朝、朝早くからセバスは、ハーデス王国の騎士と兵士達と共に、帰国する為の馬車に、荷物を積み込んでいた

「セバス様!お待たせしました!」

セバスが荷物を馬車に積み込んでいると、出発の準備を終えたルーティアがセバスに声を掛けた

「ルーティア様!準備は終わ…えっ!?」

セバスは、ルーティアの準備が間に合った事に安堵しながら、ルーティアの荷物を馬車に詰め込む為に、ルーティアの方を確認すると、ルーティアの後ろには、馬車三台分近くの荷物が積み重なっており、それを見たセバスは、驚きの表情を浮かべた

「ルーティア様、そのお荷物は…?」

ルーティアの荷物の量に驚いていたセバスは、荷物の積み込みを止め、ルーティアの荷物を見ながら、恐る恐る質問した

「???、私の荷物ですよ」

ルーティアは、セバスの質問の意図が分からず、不思議そうにしながら、素直に答えた

「全部ですか?侍女の荷物も混じっているのではなく?」

セバスは、ルーティアの答えを聞き、信じられない物を見たという表情でルーティアの荷物を見た後、間違えであってくれと思いながら質問した

「侍女?私は侍女を連れていく予定はありませんでしたけど…」

ルーティアは、何故侍女の話が出るか分からず、困惑した様子でセバスを見た

「そうですか、分かりました…ではさっさと荷物を積み込みましょう」

セバスは、ルーティアの反応を見て、何を言っても無駄だと思い、諦めた様子でルーティアの荷物を運び始めた

「はい!」

ルーティアは、嬉しそうにしながら、セバス共に、荷物を積み込みをし始めた

「「「「「············」」」」」

セバスとルーティアのやり取り聞いていたハーデスの騎士と兵士達は、諦めた様子のセバスを、苦笑いを浮かべながら見た

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