異世界転生漫遊記

しょう

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林王の領域

251話 過去偏 事実を知った二人

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「…貴方達!帰国の準備をしなさい!明日中に!ハーデス王国へ!出発します!」

ルーティアとルビィから、逃げるようにその場を離れたセバスは、そのままハーデスの騎士と兵士達がいる訓練所まで行き、直ぐに帰国の準備をするよう力強く命令した

「「「「「「っ!はっ!了解です!」」」」」」

ハーデスの騎士と兵士達は、ショックを受けて部屋に籠っていると思っていたセバスの、元気そうな姿を見て、安堵した後、直ぐに訓練を止め帰国の準備に取り掛かった

「(よし…次は…)」

セバスは、準備に取り掛かった騎士と兵士達を、満足そうに見た後、自身も帰国の準備をする為に、籠っていた部屋に向かい始めた


コンコン「お父様、私とルビィです、入ってもよろしいですか?」

セバスが騎士と兵士達に、帰国の知らせをしている頃、ルーティアとルビィは、ハルスがいる公務室の前まで行き、部屋に入っていいかハルスに質問していた

「…入れ」

ルーティアの声を聞いたハルスは、冥王に送る手紙を書きながら、部屋に入る許可を出した

「「失礼します」」

ルーティアとルビィは、礼儀正しく部屋に入っていった


「…お父様、ゴル様の腕ついて聞いてもよろしいですか?」

部屋に入ったルーティアは、手紙を書いているハルスを見ながら、恐る恐る質問した

「っ」

ルーティアの質問を聞いたハルスは、いきなりゴルの腕について聞かれた事に驚き、手紙を書く腕を止めた

「「············」」

ルーティアとルビィは、真剣な表情でハルスを見た

「······はぁー、仕方ない良いだろう」

ハルスは、出切れば二人には関わらせたくないと思っていたが、真剣な二人を見て、諦めた様子でセバスに見せた報告書を机の引き出しから取り出した

「これにほとんどの事が書いてある、後は読んでから自分で判断しなさい」

ハルスは、報告書をルーティアに手渡した後、冥王に送る手紙の続きを書き始めた

「分かりました…ルビィ、お父様の邪魔にならないよう、静かに読みますよ」

「はい」

ルーティアとルビィは、手紙を書くハルスの邪魔をしないよう、ソファーに座り、静かに報告書を読み始めた


「「············」」

報告書を読んだルーティアとルビィは、想像していたより深刻な状態になっている事にショックを受け、ただ無言で読み終わった報告書を見つめていた

「…二人共、部屋に戻りなさい…暫く部屋の中で、これからどうするかを一人で考えてみなさい」

ルーティアとルビィの様子を見たハルスは、二人には一人で考える時間が必要だと思い、一旦手紙を書くのを止め、二人に部屋に戻るよう伝えた

「「…分かりました」」

ルーティアとルビィの二人は、意気消沈した様子でソファーから立ち上がり、そのまま部屋を出ていった

「······さて、やるか!」

ハルスは、意気消沈した二人を心配そうに見送った後、気合いを入れて冥王に送る手紙の続きを書き始めた
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