異世界転生漫遊記

林王の領域

241話 過去編 【振動魔手】

「喰らえ！【振動魔手】！」

【奥義 振動体】を発動させたゴルは､深い闇を纏った生き物に向かって【振動魔手】を放った

【振動魔手】は､【奥義 振動体】を発動させた状態で【魔手】を打つ技

「グッギャ！ギャ！？」

深い闇を纏った生き物は､自身が纏っている魔力で､ゴルの【振動魔手】を防ごうとしたが､ゴルの【振動魔手】は､深い闇を纏った生き物が纏っている魔力を破り､そのまま深い闇を纏った生き物の胸付近をぶち抜いた

「ふん！【崩震】！」

深い闇を纏った生き物の胸付近をぶち抜いたゴルは､腕を突っ込んだまま【崩震】を使い､深い闇を纏った生き物の内臓を破壊した

「グッギャー！？！？」

内臓を破壊された深い闇を纏った生き物は､生まれてから初めて感じる痛みに､驚きながら叫び声を上げた

「フッハッハッハッ！やはり痛みを感じるのは初めてか！じゃが！まだ終わらんぞ！！【崩震】！」

ゴルは､痛みで叫んでいる深い闇を纏った生き物を見ながら､もう一度【崩震】を使った

「っ！グッギャー！！！」

「ごふっ」

もう一度【崩震】を受けた深い闇を纏った生き物は､叫び声を上げながら暴れ､ゴルの腹を蹴り､ゴルを後ろに蹴り飛ばした

「…ぐっ…うっ…がっ…がはっ」

蹴り飛ばされたゴルは､地面に何度かぶつかりながら転がり､後ろにある木にぶつかった

「…此奴め､っ～なんじゃ？」

木にぶつかったゴルは､深い闇を纏った生き物を睨みながら立ち上がろうとしたが､深い闇を纏った生き物に突き刺していた腕が痛み､恐る恐る痛みが走る腕を見た

「っ！儂の腕に何が起こっておる！？」

痛みが走る腕を見たゴルは､自身の腕から蛇の様な鱗と､鳥の足の様に変わり始めている指を見て､驚きの声を上げた

「グッギャッギャッギャ！」

深い闇を纏った生き物は､ゴルの様子を見て嬉しそうに笑った

「この！（っ！此奴！儂が与えた傷が癒えておる！？）」

深い闇を纏った生き物の笑い声を聞いたゴルは､怒った様子で深い闇を纏った生き物を睨み付けたが､ゴルが深い闇を纏った生き物に付けた傷が消えている事に気付き､驚きの表情を浮かべた

「っ～…クソっ！」

深い闇を纏った生き物の回復力に驚いていたゴルは､変形し始めた腕に痛みが走り､もう一度腕を見ると､先程見た時よりも変形が進んでおり､それを見たゴルは､変形していない腕で､変形し始めている腕を手刀で切り落とした

「っ！ぐぅぅぅ！！」

腕を切り落としたゴルは､悲鳴を上げない為に､歯を力強く噛み締め､急いで傷口の上を紐で結び止血した

「ギャッギャッギャッギャッギャッギャ！！！」

深い闇を纏った生き物は､痛がっているゴルを見て､楽しそうに笑った

「何が可笑しい！？」

楽しそうに笑われたゴルは､深い闇を纏った生き物の態度に腹を立て､勢い良く立ち上がりながら､深い闇を纏った生き物に向かって走り出した

「グッギャ！！」

深い闇を纏った生き物は､自身が纏っている魔力を操り､魔力で虎の顔を生み出し､魔力で出来た虎の牙で､向かって来るゴルを攻撃した

「っ！【振動魔手】！」

深い闇を纏った生き物に攻撃されたゴルは､【振動魔手】を使い､魔力で出来た虎をぶち破り､そのまま深い闇を纏った生き物の腕を切り落とした

「グッギャ！？････グッギャーー！！！！！」

腕を切り落とされた深い闇を纏った生き物は､一瞬何が起きたか分からず､不思議そうに切り落とされた腕を見たが､地面に落ちた自身の腕を見て､生まれて初めて怒りを感じ､本能のままに纏っている魔力を暴走させた

「（っ！不味い！）【鎧魔装】！」

ゴルは､深い闇を纏った生き物が纏っている魔力を暴走させた事に気付き､自身の身を守る為に､慌てて【鎧魔装】を使った

深い闇を纏った生き物が暴走させた魔力は､ゴルと深い闇を纏った生き物が居る一帯を吹き飛ばし､辺り一面を更地に変えた

【鎧魔装】は､身体に纏う【魔装】の魔力を､何層にも重ねて鎧の様な形を作る技